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愛が深まる! 猫好きによる、猫好きのための本。(Airi Nakano)

2月22日(ニャン・ニャン・ニャン)は、猫の日! ということで、私イチオシの猫本をご紹介。絵本から小説、果ては世界史解説まで。心までどっぷり猫の世界に浸っていたい……そんなときにぜひ、開いてみてください。
これさえあれば、猫マスター。

猫への愛と理解を深めるなら、まずはその辿ってきた歴史を知るべし! ということで、最初にオススメしたいのは『猫の世界史』。“世界史”という壮大な題名ですが、内容に全く遜色なし。猫たちが歩んだ4000年もの歴史を古今東西余すところなく記録した、もはや教科書のような一冊です。

猫と人間の関わりは古代エジプト時代にまで遡りますが、その道のりは決して平坦なものではありません。ネズミ捕りとして“実用品”とみなされていた時代や、かつては虐待の対象としてむごい扱い(思わず本を閉じたくなるほどの内容)を受けていたという事実も。そうやって紆余曲折を経た上で今、私たちの側にいてくれるのだと思うと愛情もひとしおです。

史実だけでなく、猫が登場するありとあらゆる絵画や本、映画が挙げられていて、トリビアがたっぷり。既知の作品も、もう一回見直したい! と思わせられること間違いなしです。単に歴史をひもといているだけでなく、時折交じる筆者の鋭い視点に共感できるところも多々。たとえ猫派でなくても読んで損はない! と断言できる一冊です。

ハラハラ、ドキドキ、キュンな物語。

続いてご紹介するのは、ポール・ギャリコ著の小説『ジェニィ』。無類の猫好き(24匹も飼っていたのだとか!)でも知られた作者が猫を愛するすべての人に贈る、大人のための童話です。

主人公は8歳の少年、ピーター。ある日突如として白猫になってしまった彼と心優しき雌猫・ジェニィとの恋と冒険の物語です。そのストーリー自体はもちろん、身づくろいやネズミ捕り、ほおひげという名の素晴らしい“アンテナ”の伝達法といった、猫ならではの動作が猫目線で語られるのもまた面白く。

子どもの頃に味わった、ページをめくるときの純粋で無邪気なワクワク感が自然と蘇ってくる 。そんな読書時間でした。

覚悟なしには、読まないでください。

『私はネコが嫌いだ』。このタイトルと愛くるしい猫の表情を見た時点でもう、ちょっと危ないのが伝わってきますよね。その予想は当たっています。特に猫を飼っている/飼っていた人が見たら、感涙度はきっと100%。猫を飼ったことのない私でもウルっとしてしまいましたので。

内容をあえて詳しくは書きませんが、とにかく猫が可愛い。気軽な感覚で手に取ると、うぅ…っとなってしまうと思いますので、ページをめくる際にはぜひ一度深呼吸されることをオススメします。

グッズを買い占めたいくらい好きな猫。

ありとあらゆるアーティストたちが、それぞれの持ち味で描いてきた猫。“一番好き!”を決めるのは至難の業、というよりもはや不可能な気もしますが、確実に私的ランキングの上位に組み込むのがエドワード・ゴーリーの猫ちゃんたちです。

私がどれだけエドワード・ゴーリーが好きかは、3年ほど前の記事でも書かせていただきましたが、その熱は今も衰えず。中でも彼の描く猫たちはグッズを買い占めたいほどツボです。

エドワードは生粋の猫好きだったようで、作品には度々猫が登場します。彼の作品集『Amphigorey Fifteen Books』の表紙もご覧の通り(※中の作品には、猫は登場しません)。他にも1から50まで様々な数字書体とともに猫が登場する『キャッテゴーリー』という絵本も。

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エドワードのポートレイトにもよく猫が写り込んでいます。彼の作品は基本的にダークでシュールなのですが、猫ちゃんたちはただひたすらにチャーミング。口角がキュインっと引き上がったそのお顔にメロメロです。