BEAUTY / TRENDS

レトロフューチャーなヘア&メイクで大胆に。2024-25年秋冬ミラノコレクション発、トレンドキーワード3

ヘアメイクには纏う人の気分を高め、表情まで生き生きと彩るパワーがある。そんな素敵な事実を思い出させてくれる華やかな装いが、2024-25年秋冬シーズンのミラノには揃い踏み。チェックすべき最旬ポイントを押さえ、美のインスピレーションにして。

昨今ムーブメントを引き起こしている、リアルでクワイエットな装い。2024年秋冬シーズンのミラノではそのムードの中に、イタリアらしく洗練されつつも奔放なアティテュードを感じさせる、華麗なツイストを効かせたヘアメイクが多く見られた。上質なルックを“ただのシンプル”では終わらせないためのヒントとさじ加減を、ランウェイから感じ取ってみよう。

1. パンキッシュでセクシーなブラックアイ

ヴェルサーチェ(VERSACE)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Photographed by Acielle//@styledumonde

グッチ(GUCCI)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Armando Grillo/Gorunway.com

トム フォード(TOM FORD)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Filippo Fortis/Gorunway.com

メイクに取り入れればたちまち力強いステイトメントを発する、ブラックカラーを差した目もと。ヴェルサーチェ(VERSACE)のバックステージでは、メイクアップ・アーティスト界の巨匠であるパット・マクグラスが、濡れたようなツヤを仕込んだフリックアイを披露した。薄めの眉や透けるリップグロスと組み合わせ、漆黒でパンクっぽいのにとことんグラマラスな佇まいへ。グッチ(GUCCI)は目尻をほんの少しだけハネ上げた囲み目メイク。アンダーラインを目からやや離して引くことで、うまく抜け感を生んでいる。一見ブラックアイながら、濃紺やアンバーカラーを潜ませてスモーキーなグラデーションをつくったのがトム フォード(TOM FORD)。ブラックのアイラインを丁寧にスマッジし、アナーキーさと上品さが共存した眼差しに。

2. 近未来的なハイシャインヘア

プラダ(PRADA)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Armando Grillo/Gorunway.com

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フェンディ(FENDI)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Armando Grillo/Gorunway.com

ロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Isidore Montag/Gorunway.com

ヘアスタイルは、質感にご注目を。ラッカー加工を施したようなツヤを持たせ、センシュアルなフィーリングとパワフルな印象を共存させるのが今季の気分だ。プラダ(PRADA)のランウェイヘアを担当したグイド・パラオは、レトロなピンカールやフィンガーウェーブの技術を駆使しつつも、硬質な素材を思わせる光沢感でかえってフューチャリスティックなムードを漂わせた。フェンディ(FENDI)では、極端なサイドパートときっちりストレートにつくった分け目が、レディライクな潔さを醸し出している。ウェットなテクスチャーのかきあげヘアでセクシー&スパイシーに決めたロベルト カヴァリ(ROBERTO CAVALLI)も見逃せない。トップにコーム跡を残し、無造作であだっぽい隙をつくって。

3. 肌に溶け込ませた、フレッシュなペールカラー

ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Filippo Fortis/Gorunway.com

ジル サンダー(JIL SANDER)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Photographed by Acielle/Style Du Monde

ブルマリン(BLUMARINE)2024-25年秋冬コレクションより。Photo: Justin Shin/Getty Images

Justin Shin

透明感のある新鮮なインパクトを与え、顔の印象を明るく見せるペールトーンを上手に使ったメイクも、気になるトレンドのひとつ。ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)のランウェイを歩いたモデルたちは、青みを帯びたペールホワイトを目のまわりやインナーラインに投入し、アイシーでイノセントなオーラを放っていた。チークやリップにほんのりとコーラルトーンをプラスすることで、血色感も担保して。モダンなフォルムのキャップをかぶったルックが登場したジル サンダー(JIL SANDER)は、服に合わせて目もととリップにピンクカラーを。パステルトーンの中でも赤みを含んだサーモンピンクなら、大人でも挑戦しやすい。同じピンクのワントーンメイクでも、ブルマリン(BLUMARINE)はよりグランジな雰囲気に。目の下のクマや素の肌の質感をあえて残したリアル感と、目もとや頬にぼかし込んだピュアなシアーピンクの対比が、アヴァンギャルドな色香を連れてくる。

Text: Misaki Yamashita Editor: Rieko Kosai