FASHION / TREND & STORY

VOGUEが選ぶ、世界のベスト・ヴィンテージショップ2024【ミラノ編】

世界中の『VOGUE』エディターがキュレーションするベスト・ヴィンテージガイド【ミラノ 編】。グルーピーズ(GROUPIES)PWCミラノ(PWC MILANO)スー・ヴィンテージ(SOUS VINTAGE)など、ファッションインサイダーも足繁く通う11軒をご紹介。※そのほかの都市はこちらから。
Sous Vintage Shop
Photo: @sousvintageshop

トレンドを超越するヴィンテージは、通常のファッションとは全くの別物だ。古きよき時代のものを再生、刷新し、青春時代を呼び起こす力があり、雑誌を読みふけっていた10代の頃に憧れていた服やアクセサリーを、大人になって買うこと以上の満足感はない。そしてかつての憧れに出会える場所が、ミラノなどのファッションの都。ミラノは今やヴィンテージの激戦区で、カステッロ広場の裏手やサン・ロレンツォの円柱のすぐ近くなど、絵画のような都会の風景の中にひっそりと佇むヴィンテージブティックは、この街のファッションシーンを体感したい人なら必ず訪れたい場所だ。その数あるショップの中から、イタリア版『VOGUE』エディターの協力のもと、絶対に外せない11軒をご紹介。

MADAME PAULINE VINTAGE

Photo: @madamepaulinevintage

マダム・ポーリーン・ヴィンテージ(MADAME PAULINE VINTAGE)の洞窟のような空間は、ヴィンテージ好きやレトロ可愛いものに目がないコレクターのための場所。あらゆる世代を魅了し、ソーシャライトからイットガール、ミラノのファッショニスタまでこぞって訪れる。厳選されたアイテムを取り揃え、常連客に人気の「バンダナ」をはじめとするカスタムコレクションも制作している。

住所/Foro Buonaparte 74, 20121 Milan

CAVALLI E NASTRI VINTAGE

Photo: @cavallienastri

ミラノで最も有名なヴィンテージショップのひとつ、そしてデザイナーやスタイリストのメッカであるカヴァッリ・エ・ナストリ(CAVALLI E NASTRI)は、まさにインスピレーションの宝庫であり生きたファッションアーカイブ。ルイーズ・ブルックス風の20年代のハット、50年代に流行したコロールスカート、さらには90年代もののヴェルサーチェVERSACE)まで、まるでファッション史を駆け足で辿るセレクションが揃う。店内では心地よい音楽が流れ、柔らかな曲線と色彩に満ちたティールームのような親しみやすさがある。

住所/Via Brera, 2, 20121 Milano(ウィメンズ)|Via Gian Giacomo Mora, 12, 20123 Milan|Via Gian Giacomo Mora, 3, 20123 Milan(メンズ)

FRANCO JACASSI VINTAGE DELIRIUM

Photo: @vintage_delirium

チェントロ・ストーリコにある中庭に面して位置するフランコ・ジャカッシ・ヴィンテージ・デリリウム(FRANCO JACASSI VINTAGE DELIRIUM)は1985年のオープン以来、世界有数の規模のヴィンテージウェアコレクションを誇っている。置かれている家具は時代物、そしてウェア以外にもクチュールやヴィンテージ生地、5万以上のデザインからなる壮大なボタンコレクション、雑誌、バックル、アンティークのアップリケなど、ファッション研究家にとって貴重なアーカイブでもある。

住所/Via Giuseppe Sacchi, 3, 20121 Milan

VINCENT VINTAGE BIJOUX

Photo: @vincentvintage_bijoux

ポルタ・ヴェネツィアに居を構えるヴィンセント・ヴィンテージ・ビジュー(VINCENT VINTAGE BIJOUX)は、アンティークジュエリー・コレクターであるオーナーのマニュエル・メニーニ自身が集めたヴィンテージジュエリーやコスチュームジュエリーが並ぶ、魅惑の展示室のような空間。ジュエリー愛好家を虜にする、ジョージ王朝時代を中心とした膨大なコレクションは、ひとつひとつのピースが引き立つアート作品のようなディスプレイで展示され、細部にまで店主のこだわりが感じられる。

住所/Via Lazzaro Spallanzani, 11, 20129 Milan

GROUPIES

Photo: @groupiesvintage

ティーンエイジャーの反抗心を宿すファッションが溢れかえるグルーピーズ(GROUPIES)は、奇をてらったアイテムが好きなおしゃれ賢者にとってまさに楽園。ポップなプリントの半袖シャツやPVCのアクセサリーなど、90年代と2000年代のストリートスタイルを中心とした遊び心が詰まったセレクションを前にすれば、誰もが童心に帰ること間違いなし。

住所/Via Gian Giacomo Mora, 7, 20123 Milan

PWC MILANO

Photo: @pwcmilano

ヴェンティクアットロ・マッジョ広場から一本入った脇道にひっそりと佇むPWCミラノ(PWC MILANO)は、ミラノをはじめとするクラブキッズの心を鷲掴みにするストア。品揃えのテイストは一貫しているが変化球アイテムもあり、映画『クルーレス』(1995年)の主人公シェール・ホロヴィッツが着そうなシルクのスリップドレスもあれば、パテントレザーのプラットフォームブーツと相性抜群なタイダイ柄のピースもある。メインはなんと言ってもアクセサリーコーナー。リージェンシースタイルのベルベットのボンネットや布製のブローチが、ハードなレザーグッズと並ぶ。

住所/Via Pietro Custodi, 12, 20136 Milan

BIVIO

Photo: @bivio_milano

デザイナーズピースの買い取りも行っているビヴィオ(BIVIO)では、バイヤーが個人から一点ずつ厳選して買い付けた品々が揃う。買い取り代金は現金またはブティックで使えるクーポンのどちらか売り手が選んだ方法で支払われる。

住所/Via Gian Giacomo Mora 4, 20123 Milan(ウィメンズ)|Via Gian Giacomo Mora 14, 20123 Milan(メンズ)|Via Lambro, 12, 20129 Milano(ウィメンズ&メンズ)

20134LAMBRATE

Photo: @20134lambrate_vintage

アートとデザインの中心地、ヴェントゥーラ通りから目と鼻の先にある20134ランブラテ(20134LAMBRATE)は、40年代の理髪店の看板が目印。あらゆる年代のピースをミックスするしたい人にもってこいで、20世紀のアンサンブルと80年代のアクセサリーに身を包んだマネキンなどがいる、程よくカオスなショップだ。ファッション好きの心をもくすぐるランプ、椅子、花瓶、鏡などの家具や調度品も色とりどりに取り揃えている。

住所/Via Conte Rosso, 22, 20134 Milan

LO SPECCHIO DI ALICE

Photo: @lo_specchio_di_alice

90年代にオープンしたロ・スペッキオ・ディ・アリーチェ(LO SPECCHIO DI ALICE)だが、一歩足を踏み入れると、ルイス・キャロルの鏡の国のように、60年代で時が止まった異世界へと迷い込んだ気分になる。ハンドペイントのボンバージャケット、ツイストダンス用のシューズにバイカーブーツなど、何百もの懐かしい品物を宝探し感覚で物色でき、何時間いても飽きない。

住所/Corso di Porta Ticinese, 64, 20123 Milan

HUMANA VINTAGE MILAN

Photo: @humanavintageitalia

オンライン展開もしているフマーナ・ヴィンテージ(HUMANA VINTAGE)は、ヴィンテージを「サステナブルに暮らすための方法」としてとらえている。単にセカンドハンド品を扱うショップでなく、1998年に設立された人道支援団体でもあり、古着の販売を通じてイタリア国内外での教育、持続可能な農業、健康保護、地域開発プロジェクトを支援している。店舗には60年代から現代までの洋服、アクセサリー、ジュエリー、イタリアン・ファッションアイテムが所狭しと並ぶ。

住所/Via Cappellari, 3, 20123 Milan

SOUS VINTAGE SHOP

Photo: @sousvintageshop

エヴァ・フィオルッチとカロリーナ・フェラーリが2010年にナヴィッリ地区にオープンしたスー・ヴィンテージ(SOUS VINTAGE)は、セカンドハンドというコンセプトをワンランク上に昇華するヴィンテージショップ。中古の服やアクセサリーを扱うだけでなく、アップサイクルした廃棄生地や素材から新たなアイテムを制作する、若手インディペンデント・クリエーターたちによるコレクション発表会やイベントも開催している。

住所/Alzaia Naviglio Pavese, 52, 20143 Milan

Text: Selene Oliva Adaptation: Anzu Kawano
From VOGUE.IT