名護市辺野古の新基地建設問題で、大浦湾側の本格工事着手から、20日で1カ月。A護岸を含む4工事では着工前の3月に変更契約を交わしており、このうち、軟弱地盤が広がり難工事を伴うC1護岸では117億円増の379億円に膨れた。変更契約は業者と防衛局とで交わされるため、競争原理が働かず、予算の無駄を省く入札制度をゆがめる恐れがある。着工前の変更について国側は具体的な説明をしておらず、識者らは入札や情報公開の在り方に疑問を呈している。(政経部・平良孝陽)

 防衛局がホームページで公表している入札・契約状況調査によると大浦湾側では23年度、A、C1、C3、N1、N2、係船機能付きの護岸工事を発注した。いずれも一般競争入札を経て契約した。

 A、C1、C3、係船機能付きの護岸4工事については、着工前の3月下旬に変更契約を交わした。防衛局内で閲覧できる変更契約調書では、変更理由は「計画調整」としている。

 4工事のうち、C1、C3、係船機能付き護岸の3工事では上限の予定価格を上回り、特に軟弱地盤の改良工事を伴うC1護岸工事は当初契約額から1・45倍の379億円となった。A護岸工事は変更契約に加えて、80億円の新たな工事契約を別の業者と結んだ。

 変更契約は追加工事が必要になった場合などに実施する手続き。入札と異なり競争原理が働かず、上限の予定価格に...