米ジョージア州の高校銃撃、14歳実行犯の父親も逮捕
マックス・マッツァ、BBCニュース
計4人の生徒と教員が死亡したアメリカ南部ジョージア州の高校での銃撃事件で、州捜査当局は5日、殺人罪で訴追された少年(14)の父親を逮捕・訴追したと発表した。
ジョージア州の捜査当局は、コリン・グレイ被告(54)を過失致死、第2級殺人2件の、児童虐待8件の罪で訴追した。
銃撃を実行した息子のコルト・グレイ被告はすでに、4件の殺人罪で訴追されている。当局は、14歳のコルト・グレイ被告を成人として扱う方針という。
事件は、ジョージア州アトランタに近い、同州バロー郡ウィンダーのアパラチー高校で4日午前に起きた。生徒2人と教員2人が死亡し、9人が負傷した。
ジョージア州捜査局(GBI)のクリス・ホージー局長は5日夕の記者会見で、父コリン・グレイ被告の「罪状は、彼の息子の行動と、息子に武器を所有させたことに、直接関連するもの」だと説明した。
どうやって銃を入手したのか
BBCがアメリカで提携するCBSニュースは捜捜査筋の話として、銃撃に使用された半自動火器が、コリン被告が2023年12月に息子コルト被告への贈り物として購入したものかどうか、当局が捜査していると報じた。
米CNNは、この武器は息子コルト被告へのクリスマスプレゼントだったと伝えている。
米連邦捜査局(FBI)は2023年5月、学校で銃撃事件を起こすという脅迫文がソーシャルメディア「ディスコード」に投稿されたことを受け、地元の保安官代理を派遣してグレイ親子を事情聴取していた。
当時13歳だったコルト被告は、自分のアカウントが繰り返しハッキングされたためアカウントを削除したのだとして、「自分はどこかの学校で乱射などしない」と「落ち着いて」保安官代理に話したのだと、FBIは4日明らかにした。同じ事情聴取の際に父親は、自宅に複数の猟銃はあるものの、息子が勝手に銃を持ち出せる状態ではないと話していたという。
父コリン被告は警察に、息子は学校でいじめられており、両親の別居に対応できず苦しんでいたと供述していた。調べによると、息子コルト被告は両親が離婚調停中に、父親と暮らしていた。
父と息子は一緒に狩りに出かけることが多く、コリン被告は警察に、シカの血をほほにつけた息子の写真を撮影したと話している。
息子コルト被告の母方の祖父は米紙ニューヨーク・タイムズに対して、家庭の混乱が孫息子の行動に影響したと話している。
事件の被害者については、バロー郡のジャド・スミス保安官は5日の記者会見で、負傷した9人全員が全快する見込みだと述べた。
何人かの負傷者はすでに退院したという。
アメリカでは4月、ミシガン州の高校で2021年に男子生徒(当時15)が銃を発砲し、4人を死亡させた事件で、犯行を止めなかったとして過失致死罪で有罪となった生徒の両親ジェイムズ・クランブリー被告とジェニファー・クランブリー被告に対し、それぞれ禁錮10~15年の刑が言い渡された。
この事件は、アメリカの学校で子どもが起こした銃撃事件で、両親が過失致死罪で有罪評決を受けた初のケースとされる。