EDITOR'S LETTER
ワンダーラスト、あるいは越境への欲望
雑誌『WIRED』日本版VOL.38が9月12日に発売された。特集テーマは「Wanderlust 越境への欲望」。人類が突如、移動を止めた2020年代において、「世界を探求したいという強い欲望=ワンダーラスト」の意味を問い、越境の可能性とその目的地を探る特集号だ。その刊行に寄せて、編集長・松島倫明からのメッセージをお届けする。
LEAVING HER
LUSTS BEHIND
「少女たち」
LUSTS BEHIND
ドキュメンタリーに見えながら、その多くは写真家と少女たちによって演出されたセットアップの手法が用いられていた『Girl Pictures』。制作された20年前、ジャスティーン・カーランドはこのシリーズに何を託したのか。時を超え、社会を取り巻く環境が大きく変わりつつあるいま、彼女は何を思うのか。ニューヨーク在住の文筆家・佐久間裕美子が訊いた。
PHASE TRANSITION
移動のスペクトラム、
知覚の「代替不可能性」
知覚の「代替不可能性」
旅(≒移動)は早晩、「行く/行かない(行けない)」といったバイナリなものから、ゼロと100の間にスペクトラムが拡がる、より多彩な知覚体験へと変化するはずだと建築家・豊田啓介は考える。ではそのとき、身体はいかなる解像度で旅(≒移動)を認知する/しないのだろうか。その“際”を確かめるべく、さまざまなスコープで知覚を捉える3人の研究者に豊田が切り込んだ。
THE AGORAPHOBIC
TRAVELLER
ストリートビューの旅人
TRAVELLER
レンズはPCのスクリーン、シャッターはスクリーンショット。ジャッキー・ケニーは、ロンドンのアパートの一室から Google ストリートビューを使って世界をわたり歩く「フォトグラファー」だ。ケニーのプロジェクト「The Agoraphobic Traveller(広場恐怖症の旅人)」には、彼女が数百の都市を“訪れる”なかで見つけた、日常に隠れる特別な一コマが集まっている。
HOW TO CHANGE
YOUR MIND
サイケデリクスの
ルネッサンスへ
YOUR MIND
ルネッサンスへ
LSDやマジックマッシュルームによる狂乱のサイケデリック革命から半世紀、いまや全米の主要な大学や研究機関において、サイケデリクス研究のルネッサンスが起こっている。現代人の抱える心の病を癒やし、利他のマインドセットをもたらすとされるその物質について、著書『幻覚剤は役に立つのか』でいち早く世界に知らしめたマイケル・ポーランへの独占インタヴュー。
LITTLE
WORLD STRANGER
北村みなみ
WORLD STRANGER
METHOD
FOR TRAVELERS
トラヴェルノートに綴る
“世界”を旅するモノローグ
FOR TRAVELERS
“世界”を旅するモノローグ
国境も、時間も、次元も自由に飛び越えるような旅に出た。そう決心させたのは、さまざまなモノとの出合いだった 。「これさえあれば」「これと一緒に」──そんな思いを繰り返すうち、呪縛されていた内なるWanderlustが、宙へと放たれた。