その近未来的なデザインゆえに世界に衝撃を与えたテスラの電動ピックアップトラック「Cybertruck(サイバートラック)」。当初予定から約2年の遅れを経て2023年12月に米国で納車が始まったサイバートラックが、ついに日本に上陸した。
といっても、あくまで展示イベント用に運ばれてきたもので、日本での正式な発売は未定。それでも、あのデザインそのままの実車のインパクトは大きく、展示イベントを通じてテスラのブランド力の向上にひと役買うことになるだろう。
サイバートラックはテスラの乗用車としては5モデル目の電気自動車(EV)で、車室の後部に荷台があるピックアップトラックだ。ほぼ直線で構成された近未来的な外観が特徴で、ボディはステンレス鋼の合金からなるエクソスケルトン(外骨格)の構造になっている。つまり、従来の自動車のように骨格部分に外板を組み合わせた構造とは根本的に異なる。
このステンレス合金のボディは防弾性能を謳っており、さらに防弾ガラスまで採用されている。実際にテスラは、サイバートラックのボディに銃弾を撃ち込むテストの映像を公開している。なお、今回のメディア向けのプレビューイベントでは防弾や耐衝撃などの実力は披露されていない。
今回のイベントではサイバートラックの実車に乗車したり、触れたりすることはできなかった。しかし、その異質な外観デザインと迫力のあるサイズ感は実感できた。
第一印象は、ステンレス合金の素材感そのままのデザインの異質さと、とにかく巨大であるということ。なにしろ全長が約5.7m、全幅は約2.4mの堂々たるサイズなので、一般的な乗用車と比べると二回りは大きい。重量は約3トンを誇る。そして眺めるほどに、「あのコンセプトそのままに量産にこぎ着けた」ことに対する衝撃と畏敬の念がわき上がってきた。
室内はスタッフがドアを開いた状態で見ることはできたが、基本的なデザインは「モデル3」や「モデルY」に似ている。18.5インチの横長のディスプレイが中央に配置され、ステアリングは横長の楕円形が特徴的だ。
このサイバートラックの実車は、東京(チームラボプラネッツ TOKYO 豊洲)で2月16日〜25日に展示された後、日本国内の各地で展示される見通しだ。その衝撃のデザインを確かめる格好の機会になることだろう。
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雑誌『WIRED』日本版 VOL.51
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