フードシステムの常識を“アンロック”するグローバルイベント「SKS JAPAN 2023」開催

食を起点に、既存の領域を超える共創を促すグローバル・フードテック・サミット「SKS JAPAN 2023」が7月最終週に開催される。国内外のフードイノベーターたちが集い、参加者とともに新たなコラボレーションを志向するハブで、今度はどんな化学反応が生み出されるのだろうか?
フードシステムの常識を“アンロック”するグローバルイベント「SKS JAPAN 2023」開催
IMAGE: SKS JAPAN 2023

いま、日本の食文化は世界中から熱視線を浴びている。その理由は何も、和食の繊細な味つけ、あるいは健康や自然に配慮した伝統といった、いまやインバウンド客を引きつけてやまない「常識」だけに限らない。例えば『WIRED』が特集「リジェネラティブ・カンパニー」で紹介したシーベジタブルのように、食をめぐる技術が高次元で伝統とイノベーションを掛け合わせ、世界をリードする食文化を生み出しているからだ。

米国で創設されたグローバル・フードテック・サミット「SKS」の日本版として、2017年に立ち上がった「SKS JAPAN」も、環境問題と食糧危機、所得と健康格差などの「食に関する社会課題の解決」と、文化を育み人々をつなぐ「食の多様な価値の開花」を掛け合わせて考え、個人や企業の共創を促す震源地になっている。食領域の論点、フードテックの動向や展示、食体験、業種や企業を超えた対話など、さまざまな興味のフックとなる魅力的なコンテンツが用意されており、毎年、世界中のフードイノベーターが同サミットに集うのだ。

国内外から約90名のゲストを迎え、7月27日から3日連続で開催されるサミットの今回のテーマは「Creating new industry through collective wisdom 〜UNLOCK〜」。開催6回目のキーワードに「UNLOCK(アンロック)」を掲げたのは、フードテックに関連するプレイヤーたちが創り出した事業、製品やサービスを、組織・企業・業界・国といった枠を超えて進化させたいという思いがあってのことだ。リジェネラティブ・フード・システムの実現を目指すイタリア・ポリカの取り組みや、大手食品メーカーとスタートアップによる対話、食 × AI、食 × 宇宙など、実にさまざまなプログラムが組まれており、参加者が気になるトピックを選んで少人数のグループで掘り下げるラウンドテーブルの時間も確保されている。

また、メディアパートナーを務める『WIRED』日本版からは、編集長の松島倫明がパネリストとして2つのセッションに登壇する。ひとつは、サミットを主催するシグマクシスの田中宏隆や岡田亜希子と共に取り組んできた連載ウェビナー「フードイノベーションの未来像」に続く新たなプロジェクト「Tokyo Regenerative Food Lab」のお披露目となるセッション。この枠では、食と都市のリジェネラティブな未来を実装するラボの狙いを語る。

ふたつ目のセッションのタイトルは「日本発 Food for Well-beingをいかに実装するか」。パネリストは情報学研究者でウェルビーイングの専門家であるドミニク・チェンと、予防医学者の石川善樹だ。2019年の『WIRED』日本版の特集「DIGITAL WELL-BEING」で、東洋や日本的な視点からウェルビーイングの可能性を拡張したふたりのスペシャリストと繰り広げる、一歩踏み込んだディスカッションに期待したい。

さらに、WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所 × SKS JAPAN 2023のコラボレーションも決定した。SKS JAPAN 2023開催後の8月7日に実施する「食の未来構想ワークショップ」は、SKS JAPAN 2023で導き出された問いや視座を咀嚼し、研究所が体系化したメソッドで2050年の街、食、暮らしの解像度を高めていく。「食の未来」の実装に不可欠な思考プロセスを獲得できる絶好の機会になるはずだ。

この注目のワークショップと連動するかたちで、SKS JAPAN 2023の最終日には、WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所所長の小谷知也や、食の未来構想ワークショップにも参加するSF作家の柞刈湯葉が登壇するセッションも予定されている。まずはSKS JAPAN 2023で手に入れられる濃密な時間を存分に味わい、ワークショップの参加権も獲得してみてはいかがだろうか?


SKS JAPAN 2023 - Global Foodtech Summit -

会期:
2023年7月27日(木)〜29日(土)

開催方式:
会場・オンラインのハイブリッド型/事前チケット購入制

会場:
東京ポートシティ竹芝 ポートホール
東京都港区海岸1-7-1

参加費:
会場チケット 80,000円(税込)
オンライン限定チケット 40,000円(税込)

お申し込みは▶️こちら◀︎
詳細は▶️こちら◀︎

※ EventRegistでチケットを購入いただく際、『WIRED』読者用の特別割引コード「WRDYdGemVBV」をご入力ください。会場チケットは70,000円(税込)、オンライン限定チケットは30,000円(税込)で購入いただけます。

お問い合わせ:
[email protected]


【2050年の街と食と暮らしを描く- WIRED Sci-Fiプロトタイピング 食の未来構想ワークショップ - 】

日時:
2023年8月7日(月)15:00〜20:30

会場:
東京ミッドタウン八重洲 4F メインカンファレンスルーム

参加費:
25,000円(税込)/1名
※ペア・グループチケットあり
※ネットワーキング時の食事つき

お申し込みは▶️こちら◀︎

定員:
100名(※1社5名まで)

WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所:
Sci-Fiプロトタイピングとは、現在の延長線上で「未来」を描くことが難しくなったいま、SF作家のもつ大胆かつ精緻な想像力を用いて産業や企業の未来を想像し、そこからバックキャストで現在に接続するアプローチです。WIRED Sci-Fiプロトタイピング研究所は、SFプロトタイピングの実施に必要なメソッドを体系化し、未来を考える思考プロセスを提供します。詳細はこちら


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(Edit by Erina Anscomb)