仕事であれ遊びであれ、長時間にわたってPCを使っている人は多いだろう。しかし、頻繁に使っていると必然的にキーボードは汚れてしまう。どうやってもホコリや髪の毛がたまり、適切な習慣が身に付いている稀な人でない限りは、トルティーヤチップスやサンドイッチの食べカスで汚れが蓄積してしまうものだ。
とはいえ、あなたを非難したいわけではない。この記事はPCのキーボードをきれいにしたい人のために用意した。以下にキーボードの掃除に必要な道具と手順を詳しく説明していこう。
まずは道具を用意する
家にあるものだけでもキーボードの掃除はできるので、専用の掃除道具を買わなければ…と思う必要はない。いくつかの掃除用品と、代用品として使える家にありそうなものを併せて紹介する。
- ブラシ:この数年間、毛の部分を出し入れできるブラシを使っている。キーボードのゴミを掃き出すには最適だからだ。とはいえ、自宅にある柔らかい毛のブラシ(歯ブラシや数センチメートルのはけなど)でも十分だろう。
- エアダスター:容量が10オンス(約295ml)程度のスプレー缶式のエアダスターがあれば、長く使えるし、キーボードのゴミを吹き飛ばすには非常に効果的だ。
- 電動式エアダスター:空気を圧縮して使うスプレー缶タイプのエアダスターの代わりに、繰り返し使える充電式の電動式エアダスターを使ってもいい。製品によってはスライド式の風量調節機能があり、空気を集中させるアタッチメントも付属している。キーボードからPC、ラジエーター、メッシュチェアまで、あらゆるものに付いたホコリを吹き飛ばせる。
- クロス:マイクロファイバーのクロスをすでにもっている人は多いだろうし、実のところどんな布でも構わない。個人的にはメガネ用の薄いクロスが最適だと思う。マイクロファイバー製クロスのセットを購入してもいい。
- ジェルクリーナー:ジェルクリーナーが1パックあれば、キーボードのように手の届きにくい隙間がある製品のホコリを簡単に取り除くことができる。しかし、あまりおすすめはしない。全般的に不快な上に、製品に残留物が残る。ジェルは汚くなってすぐに劣化し、環境にやさしくなさそうなベタベタをもて余すことになる。
- 綿棒:綿棒をもっていないなら、購入しておくと便利だ。つまようじも、こびりついた汚れをとるには効果的である。
- イソプロピルアルコール(IPA):布や綿棒を水で湿らせることで十分に汚れは落ちるが、アルコールは非常に効果的なクリーナーでもある。アルコールスプレーは使いやすい。
- メラミンスポンジ:すり傷や頑固な汚れには、メラミンスポンジが驚くほど効果的だ。普通の消しゴムで落ちる汚れもある。
- キートップを取り外す工具:メカニカルキーボードを徹底的に掃除したいなら、キートップを取り外す工具があると便利だ。
キーボードがかなり汚れていない限り、ここに挙げた道具の大半は必要ないだろう。まずは手もとにあるもので掃除してみてから、必要に応じて購入するといい。
きれいに掃除するための手順
いよいよ掃除の時間だ。まずはPCの電源を切って外付けキーボードを外し、ケーブルも抜いておこう。机やテーブルの上を片付け、掃除するための道具を用意する。
わりと手入れされているキーボードなら、次の4つのステップで十分だ。
- キーボードを逆さにして軽く振り、ゴミが落ちてこないか試す。
- ブラシで軽く掃いて、ゴミをかき出す。キーボードを一方に傾け、下方向にむかってブラシをかける。反対の方向にも傾けて同じようにする。
- スプレー缶タイプのエアダスターや電動式のエアダスターをもっているなら、空気を少しずつ吹き付けて奥に詰まった汚れを取り除く(噴出口をあまり近づけすぎないようにしよう)。キーボードをさまざまな角度に傾け、隙間に空気を送り込む。
- 掃除機やハンディ掃除機用の小さなブラシがあるなら、それを装着してキーボードの上をやさしく滑らせ、目に見える汚れを吸い取る。
液体をこぼした跡やシミ、油性の汚れを落とすには、次の手順を試してみよう。
- マイクロファイバークロスや綿棒を使って、キーや隙間を掃除する。
- 水に濡らした布や綿棒は、掃除に使う前に少し乾かす(軽く湿っている程度にする。キーボードの内部に水が滴らないようにしなければならない)。水で汚れがとれない場合は、イソプロピルアルコールを使う。ただし、使用するなら少量にして、部屋をよく換気すること。蒸留水とイソプロピルアルコールを2:1で混ぜて使うと非常に効果的だ。アルコールは布にスプレーで吹きかけて使い、キーボードには直接かけないこと。
- 頑固な汚れやシミにはメラニンスポンジを使う。メラニンスポンジは非常に細かな紙やすりのようなものなので、やさしく使って、かけすぎには注意する。消しゴムを使ってもいいが、使ったあとのカスは掃き取ろう。
- つまようじは、簡単にとれない汚れを注意深く削りとるには効果的だ。
- 汚れを取り除いたら、必要に応じて1と2を繰り返す。
まだ汚れが気になるって? もしメカニカルキーボードを使っているなら、次の最終手段を試してみてほしい(ほかの種類のキーボードは分解しないこと)。
- キーボードの写真を撮る。
- キーキャップ用の取り外し工具を使って、キーボードから慎重に取り外す。一部のキーボードはさらに分解できるが、分解する前にメーカーに問い合わせて組立方法を確認しておくこと。
- 洗剤を溶かした温かい水の入ったボウルに取り外したキーキャップを入れ、スポンジや布、またはブラシでやさしくこすり洗いする。
- 少量のイソプロピルアルコールをマイクロファイバーのクロスに吹きかけ、頑固なシミをこすり落とし、洗剤を溶かした水に再び浸してすすぐ。
- キーボードを組み立てる前に、すべてのパーツが完全に乾いていることを確認し、写真を見ながらすべてのキーを正しい位置に戻す。
これでキーボードが新品のようなぴかぴかの状態に戻らないなら、買い替えを検討するタイミングだろう。
(Originally published on wired.com, translated by Nozomi Okuma, edited by Mamiko Nakano)
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