全固体電池セルの40Ah大容量化に成功、メルセデスベンツと米ファクトリアルが共同開発

米国のファクトリアルは、同社初となる「Solstice」全固体電池セルの容量を40Ahまで拡大することに成功
  • 米国のファクトリアルは、同社初となる「Solstice」全固体電池セルの容量を40Ahまで拡大することに成功

固体電池技術を手がける米国のファクトリアルは、同社初となる「Solstice」全固体電池セルの容量を40Ahまで拡大することに成功したと発表した。この自動車用途に適したAサンプルセルは、革新的な乾式カソードコーティングプロセスを用いて製造され、高いエネルギー密度を実現している。

この成果は、多様な電動モビリティ産業向けの製品供給に向けた進展を示すもの。100%乾式カソードは、カソードコーティングにおける全ての有害溶剤を排除する新しいバッテリー製造プロセスだ。これらの溶剤は発がん性があるだけでなく、リサイクルのために化学物質を蒸発させるエネルギー集約的なプロセスを必要とする。

乾式コーティングに加え、Solsticeはユニークな全固体セル設計により、フォーメーションプロセスの必要性を排除している。コーティングとフォーメーションのプロセスは、通常リチウムイオン電池製造において最もエネルギー集約的なプロセス。ファクトリアルの乾式コーティングと全固体化学の革新的な組み合わせにより、運用コストの低減、エネルギー消費の削減、バッテリー生産の環境負荷の最小化が可能となる。

ファクトリアルは、マサチューセッツ州の先進開発センターで40Ah Solsticeセルを開発した。社内の乾式カソードコーティングプロセスを確立するためにカスタム機器を使用している。ライフサイクルテストの結果、小型プロトタイプですでに2000サイクル以上を達成していることが示されている。


《森脇稔》
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