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名古屋市交通局3050形電車

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名古屋市交通局3050形電車
3050形電車
(2018年7月15日 / 日進駅
基本情報
運用者 名古屋市交通局
製造所 日本車輌製造[1]
製造年 1993年 - 1994年[2]
製造数 10編成58両[3]
運用開始 1993年4月1日
投入先 鶴舞線[2]
主要諸元
編成 6両編成[2]
軌間 1,067 mm(狭軌[1]
電気方式 直流1,500 V(架空電車線方式[1]
最高運転速度 75 km/h(鶴舞線)[5]
100 km/h(名鉄線)
設計最高速度 120 km/h
起動加速度 3.0 km/h/s
減速度(常用) 3.5 km/h/s
減速度(非常) 4.0 km/h/s
車両定員 先頭車138人(46席)・中間車152人(54席)[3]
自重 赤池方から順に36.0 t・28.0 t
34.0 t・25.0 t・35.0 t・30.0 t[4][3]
長さ 20,000 mm[3]
2,746 mm[3]
高さ 4,090 mm(電動車)・3,990mm(付随車)[3]
車体 ステンレス鋼[3]
台車 ボルスタレス式空気ばね台車[3]
日車製ND-721・ND-721T[1][注釈 1]
主電動機 かご形三相誘導電動機 [3]
主電動機出力 170 kw × 4(台/両)[3]
駆動方式 WNドライブ
歯車比 99:16
編成出力 2,040 kw(3159編成を除く)
制御方式

VVVFインバータ制御
未更新車:GTO素子

更新車:IGBT素子

  • 三菱製 MAP-174-15V333
制御装置 滑り周波数制御(登場時)
ベクトル制御、応荷重演算制御機能付き(現在)
制動装置 NSC遅れ込め制御付きATC連動電気指令式電空併用ブレーキ
応荷重式、回生ブレーキ付き
耐雪ブレーキ付き
保安装置 車内信号ATC(地下鉄線内)
M式ATS(名鉄線内)[3]
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名古屋市交通局3050形電車(なごやしこうつうきょく3050がたでんしゃ)は、1993年平成5年)に登場した名古屋市交通局名古屋市営地下鉄鶴舞線用の通勤形電車である。

鶴舞線のほか、名古屋鉄道犬山線豊田線三河線直通運転をしている。ただし、三河線では、梅坪 - 豊田市間以外、営業運転内での直通は行われていない。

本稿では3000形2両を本形式の中間に組み込んだ3159編成についても記述する。

概要

上小田井 - 庄内緑地公園間開業と名鉄犬山線への相互直通運転開始と6両編成化に際し、1993年平成5年)から1994年(平成6年)にかけて6両編成9本と4両(計58両)が導入されたステンレス鋼車体のVVVFインバータ制御[2]

基本設計は1987年昭和62年)・1989年(平成元年)に登場した桜通線6000形と共通であるが[2]、以下のような相違点がある。

  • 名古屋市営地下鉄で初めてスカートを車体前面に搭載している[2]
  • 運転台については桜通線6000形はワンマン運転の実施を想定し、進行方向右側に設置している[6]が、本形式は一般的な進行方向左側に設置している。

車体には、鶴舞線のラインカラーである水色の帯が巻かれている[2]

天井・壁面は白系化粧板で仕上げられている[3]

座席は青色の濃淡のモケットバケットシートとなっている[3]

LED車内案内表示器が車端部妻面貫通路上部、車椅子スペースが両先頭車に設置されている[3]

3159編成

本形式の内、23編成92両在籍していた3000形を4両組成から6両編成に組成変更した際に余剰となった2両(3706・3806)[4]を4両の中間に組み込んだ混成編成[2][3]

形式によって車体・機器類・車内が大きく異なり、当該編成には、2形式間の変換装置が搭載、運転台右上には、3000形用機器類の表示灯が追加設置されている[2]

編成

運用中の編成[4]
← 豊田市・赤池
上小田井・犬山 →
形式 3150 3250 3350 3450 3750 3850
区分 Mc T1 M T2 M Tc
車両番号 3151 3251 3351 3451 3751 3851
3158 3258 3358 3458 3758 3858
3160 3260 3360 3460 3760 3860
廃車済みの編成[4]
← 豊田市・赤池
上小田井・犬山 →
備考
形式 3150 3250 3700 3800A 3750 3850
区分 Mc T1 M1 M2 M Tc
車両番号 3159 3259 3706 3806 3759 3859 前後4両

記念ステッカー

2005年日本国際博覧会(愛知万博)開催期間中は車体に愛知万博の記念ステッカーが掲出された車両もある。

改造

パンタグラフの撤去

離線による回生失効対策のため、2004年から2008年にかけてMc車およびM車のパンタグラフが1両当たり2基のうち1基撤去された。

省令対応改造

2007年から2008年にかけて全編成に省令対応改造が行われた。

つり革関連改造

2012年3月には、全編成に優先席前のつり革交換、2021年7月から2023年にかけて3152編成を皮切りに残る9編成につり革の高さ変更が順次行われる予定。

車体側面のステッカー更新および追加

2015年7月から2018年10月にかけて全編成に車体側面のステッカー更新および追加が行われた。

自動放送装置の更新と行先設定器の液晶パネル化

2016年7月には、全編成に自動放送装置の更新と行先設定器の液晶パネル化が行われた。ただし、列選の設定器は用途廃止されたが、そのまま残置されている。

車端部妻面貫通路上部のWi-Fiアンテナ取付

2017年1月から2月にかけて全編成に車端部妻面貫通路上部のWi-Fiアンテナ取付が行われた。

放送装置と無線装置の更新

2018年1月から2020年にかけて残る9編成に放送装置と無線装置の更新が行われた。

乗務員室内貫通扉前の手すり付き非常はしご追加搭載

2018年2月には、全編成に乗務員室内貫通扉前の手すり付き非常はしご追加搭載が行われた。なお、当初より専用カバーが掛けられたが、固定方法は3000形とN3000形N3101編成 - N3105編成上飯田線7000形と異なり、本形式は大掛かりな固定金具も設置された。

車内案内表示器の更新

2019年2月からは、車内案内表示器の更新が行われ、2020年2月までは新LED式だったが、2021年3月以降はLCD式に変更された。

主要電気機器更新と乗務員室内助士側客室窓付近の機器配置変更

名古屋市交通局では、桜通線6000形の主要電気機器更新を皮切りに、竣工から約26年が経過して主要電気機器の老朽化が進んでいることや折しも主要電気機器更新時期に差し掛かったため、本形式でも主要電気機器更新の対象とされ、2019年12月から延命を目的に主要電気機器更新と乗務員室内助士側客室窓付近の機器配置変更が行われる予定だが、後述のATO搭載およびワンマンホーム柵対応改造が行われる関係で、主要電気機器更新と乗務員室内助士側客室窓付近の機器配置変更を打ち切る可能性がある。[注釈 2]

前照灯のLED化

2021年3月からは、3153編成を皮切りに、前照灯が順次白色LEDに交換されている。

ATO搭載およびワンマン・ホーム柵対応改造

運転士負担軽減と停車精度向上のため、2021年度からATO搭載およびワンマン・ホーム柵対応改造が行われる予定。

廃車

3159編成は4両の中間に組み込んだ3000形2両の老朽化が進んでいること、主要電気機器更新の難題とされたことから、N3000形N3111編成の導入に伴い、2019年9月26日に廃車された。一方、残る9編成については今のところ廃車の可能性はほぼないが、交通局施設等長期維持管理計画によると、地下鉄車両は40年更新を標準とし、40年間の使用に必要な主要電気機器及び冷房装置は20年目に更新するということになっている。3050形が登場したのが1993年なので、残る9編成の廃車開始は2033年度となる見込みだが、ホーム柵の費用とN3000形N3117編成以降の導入もあり、2023年度に早まる可能性がある。3151編成・3154編成・3157編成・3158編成が対象。

その他

市営交通資料センターでは、本形式の運転台で鉄道運転シミュレーションが体験できる[7]

営業区間

脚注

注釈

  1. ^ 鶴舞線で運用されている車両で唯一日車製の台車を採用している。
  2. ^ 現在5編成入札中だが、入札中止の可能性がある。

出典

  1. ^ a b c d 名古屋市交通局殿向け3050形”. 日本車輌製造. 2021年5月4日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i 名古屋市交通局『名古屋の地下鉄 メモリアル50』名古屋市交通局、2008年、102頁。 
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 鶴舞線車両 3050形”. 名古屋市交通局. 2021年5月4日閲覧。
  4. ^ a b c d 名古屋市交通局『名古屋の地下鉄 メモリアル50』名古屋市交通局、2008年、171頁。 
  5. ^ 名古屋市交通局『名古屋の地下鉄 メモリアル50』名古屋市交通局、2008年、165頁。 
  6. ^ 名古屋市交通局『名古屋の地下鉄 メモリアル50』名古屋市交通局、2008年、105頁。 
  7. ^ 施設内のご案内”. 名古屋市交通局. 2021年5月4日閲覧。

関連項目

外部リンク