楠本泰史
横浜DeNAベイスターズ #37 | |
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2018年3月25日 横浜スタジアムにて | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 大阪府吹田市 |
生年月日 | 1995年7月7日(29歳) |
身長 体重 |
180 cm 77 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投左打 |
ポジション | 外野手 |
プロ入り | 2017年 ドラフト8位 |
初出場 | 2018年3月30日 |
年俸 | 1,375万円(2020年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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この表について
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楠本 泰史(くすもと たいし、1995年7月7日 - )は、横浜DeNAベイスターズに所属する大阪府吹田市出身のプロ野球選手(外野手)。右投左打。おちんちん
経歴
プロ入り前
大阪府吹田市で出生。小学1年生の終わりに岡山県へ転居すると、実父の影響で、小学4年生から野球を始めた[2]。
小学6年時に神奈川県横浜市へ転居したことを機に、転校先の横浜市立山内小学校で松井裕樹と出会う。横浜でも野球を続けようとしていた楠本は松井から「俺らとやろうよ」と誘われ、松井が当時所属していた元石川サンダーボルトに入部。その後松井に「セレクションを一緒に受けよう」と言われ、横浜ベイスターズ(当時)のジュニアチームを受験。二人とも合格し、この年のNPBジュニアトーナメントに出場している[3]。なお横浜市立山内中学校に進学後も、松井とは青葉緑東シニアでともにプレー。3年夏には日本リトルシニア野球選手権大会で日本一に輝いた[3]。
花咲徳栄高等学校に進学後は1年秋から内野手としてベンチ入り。入学当初は「打球が外野の頭を越えることがなかった」が、岩井隆監督の元でミート力を磨き[4]レギュラーに定着。2年秋には野球部を県大会優勝、関東大会準優勝に導いた。3年春には第85回記念選抜高等学校野球大会に出場。初戦の岐阜商戦で3番遊撃で先発するも無安打に終わり、チームも初戦敗退した[5]。その後の県大会も予選敗退し、夏の甲子園には出場できなかった。なお同学年には若月健矢がおり、楠本自身も当時からプロ志望であったが、若月の存在や岩井監督の助言もあり大学進学を決意する[2][4]。
東北福祉大学へ進学後は、1年春からレギュラーで仙台六大学野球のリーグ戦に出場。4年間でリーグ通算99安打を放ち、最優秀選手賞と打点王2度、本塁打王、首位打者を1度獲得。また大学代表にも通算3度選出され[6]、第41回日米大学野球選手権大会や第29回ユニバーシアード競技大会では4番を務めた[7]。大学時では、右肩を痛め、一時は、一塁や指名打者として出場することもあった[3]。また、強肩を活かすため、4年次に内野手から外野手へ転向している[8]。
2017年のNPBドラフト会議で、横浜DeNAベイスターズから8巡目で指名。支配下登録選手としての契約を前提に指名された全82選手のうち、81番目の指名であった[9]が、後に契約金2,500万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団した[10]。背番号は37。
DeNA時代
2018年、春季キャンプから一軍に入ると、オープン戦11試合に出場。チームの初戦に当たる2月24日の対読売ジャイアンツ(巨人)戦では、この年のNPB新人選手としての初本塁打を戸根千明から放った[11]。以降のオープン戦も好調で、通算で打率.533(15打数8安打)、2本塁打という好成績を残したため、同期入団の新人選手から神里和毅・宮本秀明と共に開幕一軍入りを果たした[9]。3月30日の東京ヤクルトスワローズとの開幕戦(横浜スタジアム)5回裏に、石田健大の代打で公式戦デビュー。デビッド・ブキャナンからの死球で出塁すると、3月31日の2回戦では代打で四球、4月1日の3回戦では代打で死球を記録した。次カードの対阪神タイガース戦(阪神甲子園球場)では、1回戦(4月4日)での代打起用(記録は遊ゴロ)を経て、4月5日の2回戦で「7番・右翼手」として公式戦初スタメンを経験。以降も3試合にスタメン起用された。しかし、スタメン4試合目だった4月14日の対中日ドラゴンズ戦(横浜)で、5回裏の第2打席に四球で出塁した後、次打者の嶺井博希が放った打球(右飛)の判断を誤り、一塁へ戻れずにタッチアウトされた。この走塁ミスが試合の流れに水を差すことを懸念した監督のアレックス・ラミレスは、7回表の守備から楠本を交代させ、試合後に楠本の登録抹消を決めた。ラミレスは、この措置について、「楠本に(この試合まで一軍公式戦での)安打は出ていないが、『スランプ(に陥っている)』とまでは思っていなかった。しかし、(前述の)走塁ミスを犯していては、試合の流れを相手チームに渡しかねない。野球は流れが重要なので、流れを相手に渡さないために(楠本を)交代した」と説明した(試合は2 - 0でDeNAが7連勝)[12]。5月31日に再び登録されると、「2番・右翼手」でスタメンに起用された6月3日の対福岡ソフトバンクホークス戦(福岡ヤフオク!ドーム)において、3回表の第2打席で一軍公式戦初の安打(右前安打)、9回表の第5打席で初の長打(右越二塁打)を放った[13]。一軍公式戦全体では、56試合の出場で、打率.205、2打点、2盗塁を記録した。
2019年、17試合に出場したオープン戦で規定打席へ到達するとともに、NPB全12球団の規定打席到達者でトップの打率.388(49打数19安打)を記録したことから、2年連続で開幕一軍入りを果たした。3月29日には、中日とのレギュラーシーズン開幕戦(横浜)に「2番・右翼手」としてスタメンに起用されると、2打数2安打3四死球で全5打席出塁をマーク。しかし、以降の公式戦では打撃が振るわず、5月上旬からは1ヶ月間の二軍調整を余儀なくされた。6月9日の対埼玉西武ライオンズ戦(横浜)で、チームが2点のビハインドで迎えた8回裏2死満塁の局面から代打に起用されると、一軍公式戦での初本塁打をデュアンテ・ヒースから放った[14]。日本プロ野球で公式戦の初本塁打を代打満塁本塁打で記録した日本人選手は史上8人目(NPBの一軍公式戦では7人目)[15]、代打逆転満塁本塁打での記録は1975年の久保俊巳(広島東洋カープ)以来史上2人目であった[16]。
プレースタイル・人物
的確なバットコントロールが持ち味[10]。また、選球眼がよく出塁率も高い[8]。
小中学校で同級生だった松井とは、別々の高校へ進学してからも連絡を取り合う仲である。楠本がドラフト会議でDeNAから指名された際には、松井からLINE経由で、「同じグラウンドで会えることを楽しみしている」とのメッセージが送られたという[3]。DeNA入団1年目の5月31日には、自身の一軍復帰が横浜スタジアムでの対楽天戦と重なったことから、試合前に松井との再会を果たした[17]。
詳細情報
年度別打撃成績
年 度 |
球 団 |
試 合 |
打 席 |
打 数 |
得 点 |
安 打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁 打 |
打 点 |
盗 塁 |
盗 塁 死 |
犠 打 |
犠 飛 |
四 球 |
敬 遠 |
死 球 |
三 振 |
併 殺 打 |
打 率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S |
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2018 | DeNA | 56 | 82 | 73 | 4 | 15 | 3 | 0 | 0 | 18 | 2 | 2 | 1 | 0 | 0 | 6 | 0 | 3 | 19 | 0 | .205 | .293 | .247 | .539 |
2019 | 39 | 81 | 72 | 6 | 15 | 4 | 0 | 1 | 22 | 6 | 0 | 2 | 0 | 0 | 7 | 0 | 2 | 19 | 1 | .208 | .296 | .306 | .602 | |
NPB:2年 | 95 | 163 | 145 | 10 | 30 | 7 | 0 | 1 | 40 | 8 | 2 | 3 | 0 | 0 | 13 | 0 | 5 | 38 | 1 | .207 | .294 | .276 | .570 |
- 2019年度シーズン終了時
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
外野 | |||||
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試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2018 | DeNA | 22 | 14 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
2019 | 21 | 19 | 0 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 43 | 33 | 0 | 0 | 0 | 1.000 |
- 2019年度シーズン終了時
記録
- 初記録
- 初出場:2018年3月30日、対東京ヤクルトスワローズ1回戦(横浜スタジアム)、5回裏に石田健大に代わり代打で出場
- 初打席:同上、5回裏にデービッド・ブキャナンから死球
- 初先発出場:2018年4月5日、対阪神タイガース2回戦(横浜スタジアム)、7番・右翼手で先発出場
- 初盗塁:2018年4月9日、対広島東洋カープ3回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、4回表に二盗(投手:大瀬良大地、捕手:會澤翼)
- 初安打:2018年6月3日、対福岡ソフトバンクホークス3回戦(福岡 ヤフオク!ドーム)、3回表に武田翔太から右前安打
- 初打点:2018年6月15日、対オリックス・バファローズ1回戦(京セラドーム大阪)、8回表に西勇輝から一塁ゴロの間に記録
- 初本塁打:2019年6月9日、対埼玉西武ライオンズ3回戦(横浜スタジアム)、8回裏にデュアンテ・ヒースから左越満塁 ※初本塁打が代打逆転満塁本塁打は史上2人目[18][19][20]。
背番号
- 37 (2018年 - )
代表歴
- 第40回日米大学野球選手権大会
- 第41回日米大学野球選手権大会
- 第29回ユニバーシアード競技大会
脚注
- ^ DeNA - 契約更改 - プロ野球.日刊スポーツ.2019年10月20日閲覧。
- ^ a b “プロは「夢」でなく「目標」 東北福祉大・楠本、日米大学野球で「学びたい」”. full-count. 2018年4月6日閲覧。
- ^ a b c d “「また一緒にやれたら…」楽天松井とDeNAドラ8楠本、小中同級生をつなぐ縁 | Full-count”. full-count. 2018年4月6日閲覧。
- ^ a b “プロ野球:DeNA 「81番目の男」楠本が開幕1軍入り - 毎日新聞”. 毎日新聞. 2018年4月6日閲覧。
- ^ “第85回選抜高校野球 スコア速報 県岐阜商 対 花咲徳栄”. 日刊スポーツ. 2018年4月6日閲覧。
- ^ “楠本 泰史|侍ジャパン選手プロフィール|野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト”. 2018年4月6日閲覧。
- ^ “2017年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~大学代表編~”. 2018年4月6日閲覧。
- ^ a b “東北福祉大・楠本は強肩&“即プロ”の打撃力”. 日刊スポーツ. 2018年4月6日閲覧。
- ^ a b “"81番目の男”DeNAドラフト8位・楠本、開幕一軍”. サンケイスポーツ. 2018年5月19日閲覧。
- ^ a b “DeNA8位楠本が仮契約、先輩松山英樹からヒント”. 日刊スポーツ. 2018年4月6日閲覧。
- ^ “DeNAドラフト8位楠本が新人1号 “2打席連発”に「がむしゃらに打った」”. スポーツニッポン. 2018年2月26日閲覧。
- ^ “ラミレス監督「流れが重要」7連勝でもミス楠本降格”. 日刊スポーツ. 2018年5月19日閲覧。
- ^ “DeNAのルーキー・楠本 プロ15打席目で初安打!マルチ安打も記録”. スポーツニッポン. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “DeNA 2年目の楠本が代打逆転満塁本塁打”. スポーツニッポン (2019年6月9日). 2019年6月9日閲覧。
- ^ NPBの一軍公式戦としては1996年の塩谷和彦(阪神)以来23年振りで、日本人選手以外にも、外国人選手1名がマーク。NPB発足以前(1リーグ時代)の公式戦でも、1941年に大洋軍の野口二郎が記録している。
- ^ “DeNA楠本、プロ初本塁打が代打逆転満塁弾!史上2人目 久保俊巳以来44年ぶり”. スポーツニッポン (2019年6月9日). 2019年6月9日閲覧。
- ^ “楽天・松井、DeNA・楠本が再会”. サンケイスポーツ. 2018年6月3日閲覧。
- ^ DeNA楠本、プロ初本塁打が代打逆転満塁弾!史上2人目 久保俊巳以来44年ぶり 2019年6月9日 スポーツニッポン
- ^ DeNA 2年目の楠本が代打逆転満塁本塁打スポーツニッポン 2019年6月9日
- ^ プロ初本塁打が代打満塁本塁打は、96年の塩谷和彦(阪神)以来史上7人目。
また、初本塁打が代打逆転満塁本塁打は、75年の久保俊巳(広島)以来、44年ぶり、史上2人目
関連項目
外部リンク
- 個人年度別成績 楠本泰史 - NPB.jp 日本野球機構
- 楠本 泰史 (@37taishi) - X(旧Twitter)
- 楠本泰史 (@taishi_0707) - Instagram