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クコ

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クコ
クコ
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
: ナス目 Solanales
: ナス科 Solanaceae
: クコ属 Lycium
: クコ L. chinense
学名
Lycium chinense
Mill., 1768
和名
クコ(枸杞)
英名
Chinese desert-thorn
Chinese wolf-berry
Goji berry

クコ(枸杞、学名:Lycium chinense)は、中国原産のナス科の落葉低木。食用や薬用に利用される。日本朝鮮半島台湾北アメリカなどにも移入され、分布を広げている外来種でもある。別名:ウルフベリー、ゴジベリー。

特徴

枝は長さ1m以上、太さは数mm-1cmほどで、細くしなやかである。地上部は束状で、上向きに多くの枝が伸びる。枝には2-5cm程度のと1-2cm程度のが互生するが、枝分かれは少ない。垂直方向以外に地上にも匍匐茎を伸ばし、同様の株を次々と作って繁茂する。開花期は夏-初秋で、直径1cmほどの小さな薄紫色の花が咲く。果実は長径1-1.5cmほどの楕円形で、赤く熟す。

海岸河原、田畑の畦、空き地の周囲など、人の手が加わりやすく、高木が生えきれない環境によく生える。ある程度湿り気のある水辺の地を好む。

性質は丈夫であり、しばしばハムシの一種トホシクビボソハムシLema decempunctata)の成虫や幼虫が葉を強く食害したり、何種類かのフシダニ寄生して虫癭だらけになったりするが、それでもよく耐えて成長し、乾燥にも比較的強い。一旦定着すると匍匐茎を伸ばして増え続け、数年後にはまとまった群落となることが多い。

利用

果実は酒に漬けこんでクコ酒にする他、生食やドライフルーツでも利用される。薬膳としての具にもされる。また、柔らかい若葉も食用にされる。

クコの果実、根皮、葉は、それぞれ枸杞子(くこし)、地骨皮(じこっぴ)、枸杞葉(くこよう)という生薬である。ナガバクコ(学名: Lycium barbarum)も同様に生薬にされる。月経促進や人工中絶薬の作用をする成分(ベタイン)が含有されているため、「妊婦あるいは授乳中の摂取は避けたほうがよい」[1]との情報がある。 ワルファリンとの相互作用が報告されている[2]。食品素材として利用する場合のヒトでの安全性・有効性については、信頼できるデータが見当たらない[1]。 なお、クコの葉を入浴剤として風呂に入れる伝統風習が長野県阿智村や喬木村にある[3]

枸杞子
血圧や血糖の低下作用、抗脂肪肝作用などがある。精神が萎えているのを強壮する作用もあるとされている。
地骨皮
抗炎症作用、解熱作用などがある。清心蓮子飲(せいしんれんしいん)、滋陰至宝湯(じいんしほうとう)などの漢方方剤に配合される。
枸杞葉
血圧の低下作用などがある。クコ茶にする。

参考画像

脚注

  1. ^ a b クコ(クコシ/クコヨウ)”. 「健康食品」の安全性・有効性情報. 国立健康・栄養研究所. 2012年7月25日閲覧。
  2. ^ クコの実との相互作用によりINRが上昇した: 症例報告 (エーザイ)(PT-INR(プロトロンビン時間-国際標準化比)はワルファリン投与の際、高くなりすぎると出血の危険性が増え、低くなりすぎると血栓症の危険性が増えるため、適切な値にコントロールされる。)
  3. ^ 『信州の民間薬』全212頁中82頁医療タイムス社昭和46年12月10日発行信濃生薬研究会林兼道編集

参考文献

  • 「川の生き物図鑑 鹿児島の水辺から」鹿児島の自然を記録する会編 南方新社 ISBN 4-931376-69-X
  • フィールド総合図鑑「川の生物」 財団法人リバーフロント整備センター編 山海堂 ISBN 4-381-02140-1

関連項目

外部リンク