コンテンツにスキップ

や座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。Sutepen angel momo (会話 | 投稿記録) による 2015年9月16日 (水) 10:37個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (由来と歴史)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

や座
Sagitta
Sagitta
属格 Sagittae
略符 Sge
発音 [səˈdʒɪtə] Sagítta, 属格:/səˈdʒɪtiː/
象徴 the Arrow
概略位置:赤経 19.8333
概略位置:赤緯 +18.66
広さ 80平方度[1]86位
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
19
3.0等より明るい恒星数 0
最輝星 γ Sge(3.47
メシエ天体 1
隣接する星座 こぎつね座
ヘルクレス座
わし座
いるか座
テンプレートを表示

や座(矢座、Sagitta)は、トレミーの48星座の1つ。

全天でみなみじゅうじ座こうま座についで3番目に小さいが、トレミーの48星座には含まれている。この星座が占有する南北の角度は最も小さい。つまり、矢の形なので、形が横に長く、小さくまとまっている。や座は、北から時計回りにこぎつね座ヘルクレス座わし座いるか座の順に囲まれる。

主な天体

恒星

  • α星:シャム(Sham)は、スペクトル分類はG1IIで、視等級4.37等の黄色巨星。距離610光年。
  • β星:4.37等。

α星とβ星で矢の矢羽の部分を形作る。

  • γ星:や座で最も明るい恒星。温度の低い巨星でスペクトル型M0III、視等級3.47等。距離は170光年。
  • δ星:スペクトル型 M2II + A0V、視等級3.82等。
  • ε星:恐らく4つの恒星から成る二重星。合成スペクトルG8III、視等級5.66等。

γ星とδ星とε星で、矢を表す。

  • η星:視等級5.1等、スペクトル型K2III。ヒアデス運動星団に属している。
  • FG星:非常にユニークな変光星。1800年代終わりは14等の青白い星だったがその後徐々に増光し、1967年には10等まで明るくなり色も黄色くなり、以降9~10等で小さな変動をしていた。スペクトルや色の変化から、FG SgeはHR図上をセファイド変光帯に向かって左から右へと移動していたことが分かっている。その後1.5~2等暗くなり、現在はオレンジ色に輝いている。

星団・星雲・銀河

その他

由来と歴史

最初、「や」はα星Shamを示していたが、のちに、星座として認識されるようになった[要出典]

ヨハン・バイエルは、バイエル符号をその星座の明るい恒星から順に名付けているが、や座では明るさの順になっていない。明るさの順になっていない星座には他にいて座などがある。

神話

や座には明るい星がないが、多くの文明で矢として認識された。この星座を矢と見たのは、ペルシア人、ヘブライ人、ギリシア人、ローマ人などで、それらの文明に由来する様々な物語がある。近くにあるヘルクレス座やわし座がこの星座に関連すると考えられた。

偽エラトステネスは、アポロンキュクロープスを撃ち殺した矢であるとした。キュクロープスの作った雷撃の矢で、アポロンの息子アスクレピオスゼウスに撃ち殺されたことを恨んでのことである[2]

ヒュギーヌスは、毎日鷲(わし座)に肝臓をついばまれているプロメーテウスを見たヘーラクレース(ヘルクレス座)が、鷲を殺した矢であるとした[2]

ゲルマニクスは、ゼウスをガニュメーデースに夢中にさせた、愛の神エロースの矢であるとした[2]。エロースの矢は、当たった者を恋の虜にさせる力があるという。

出典

  1. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  2. ^ a b c Ian Ridpath. “Star Tales - Sagitta”. 2014年2月3日閲覧。

座標: 星図 19h 50m 00s, +18° 40′ 00″