納屋橋
座標: 北緯35度10分04秒 東経136度53分31秒 / 北緯35.167912度 東経136.891986度
納屋橋(なやばし[1]、なやはし)は、名古屋市中心部のメインストリートである広小路通の堀川に架かる橋、またはその周辺の繁華街を含めた総称。
歴史
1610年(慶長15年)の堀川掘削とともに架けられた「堀川七橋」の一つである[2]。橋が架けられた当時の納屋橋界隈は名古屋城下の南端にあたり、西の烏森と町を結ぶ柳街道が走っていた。名称の由来は、橋の西側に魚屋(なや)、または納屋が多くあり、そこからつけられた地名の納屋町から採られたという説と、橋の南東に尾張藩の米蔵が多くあったことからつけられたとする説の二つがある[2]。
1886年(明治19年)に広小路通が名古屋駅前まで延伸された事と共に鉄骨製の橋に改修され、1898年(明治31年)からは名古屋市電栄町線が橋上を走るようになった。現在の橋は1921年(大正10年)に改築された橋をベースに、1981年(昭和56年)に架けかえられたもので、中央部にテラスを持つ青銅鋳鉄の欄干が特徴のアーチ橋となっている。橋の下に取り付けられたアーチは無くても問題はないが、前代の面影を残すために飾りとして残された[2]。アーチとともに外観上の特徴である欄干は前代の橋のものがそのまま使われており、堀川開削を行ったとされる福島正則にちなみ福島家の家紋が施されている[2][3]。
読みは一般的に「なやばし」とされるが、上流側のアーチには濁点を取った「なやはし」の文字が記されている。
周辺
納屋橋は地下鉄東山線の名古屋駅と伏見駅のほぼ中間地点(地下鉄線路は1本北の錦通を通っている)にあたり、周囲は栄と名駅をつなぐ繁華街となっている。1971年までは橋上を市電が行き交い人通りも多かったが、市電廃止後は名駅周辺部と栄周辺部の開発に取り残され風俗店の入った古いビルが目立っていた。近年では市が進める納屋橋再開発事業、堀川浄化プロジェクトの一環として錦通までの川沿いに遊歩道が整備されたほか、洒落た飲食店が多く開店するなど新しい街作りが進んでいる。
橋周辺の繁華街は特に風俗街としての色合いが強い。2000年代前半までの納屋橋界隈は俗に言う立ちんぼのメッカであり、中南米を始めとする外国人女性が客引きをする姿が多く見られた[4]。しかしその後の再開発事業に伴う取り締まり強化により立ちんぼの数は激減している。川沿いにはラブホテルも多く、中には名古屋では珍しいゲイ専用のラブホテルも存在する[5]。
このほか、付近には河川運搬の名残か材木商や倉庫が残っている。
関連項目
- 御園座 : 出演する歌舞伎役者の船乗り込みが堀川で行われ、納屋橋より上陸する。
- 旧加藤商会ビル : 東詰にあるビルで登録有形文化財
- 納屋橋饅頭 : 橋を由来とする饅頭。橋のそばにある本店などで製造・販売されている。
- ほとりす なごや納屋橋 : 2009年(平成21年)4月17日 にオープンした商業施設。
脚注
- ^ なごやインフォメーションNavi:納屋橋
- ^ a b c d “納屋橋のおいたち”. 名古屋堀川ライオンズクラブ. 2010年12月23日閲覧。
- ^ “納屋橋”. 名古屋市. 2010年12月23日閲覧。
- ^ “世界各国から集まる売春婦たち 名古屋発 風俗王国の立ちんぼ潜入ルポ”. Kansai Magazine Broadcast. 2010年12月23日閲覧。
- ^ “納屋橋 名古屋風俗情報”. 名古屋夜遊びガイド. 2010年12月23日閲覧。