蒲生信号所
蒲生信号所（がもうしんごうしょ）は、かつて京阪本線京橋～野江に存在した信号場の名称である。
概要
京阪では蒲生駅（現：京橋駅）～守口駅（現：守口市駅）間の京街道に沿った「野江の七曲」と俗称される急カーブ区間を解消すると同時に、この区間の複々線化による輸送力増強を計画した。それが完成した1933年（昭和8年）12月29日に、大阪側の複々線始点として新設されたのが、この蒲生信号所である。
京橋を三条方向に出発した電車が築堤で大阪市電（天満今福線）と国鉄淀川貨物線を越し、地上に降りたところにこの信号場があり、複々線となった先で城東貨物線をくぐっていた。三条方向は単純な分岐構造であったが、天満橋方向は安全確保のため、副本線側に安全側線が設置されていた。この安全側線には、特殊有蓋貨車3201・3202（移動変電所の機能を備えた車両。後に181・182に改番）が常置されていたこともある。三条方向分岐器のそばに信号小屋があり、また、城東貨物線に達するまでのすぐ北側の位置に複々線をわたる歩道橋があり、この歩道橋は現在も残っている。
1966年（昭和41年）8月3日に500形 (2代) 淀屋橋行普通列車に1800系 (初代) 淀屋橋行急行列車が追突する事故が発生し、自動列車停止装置を設置される要因となった。1970年（昭和45年）11月1日に複々線区間が天満橋駅まで延伸し、それに先駆けて10月1日に廃止されている。