ポールダンス
ポールダンスはダンスおよび体操の一種である。垂直の柱(ポール)を使った官能的なダンスで、よくストリップクラブやジェントルマンズ・クラブで行われているが、最近ではより芸術的なポールダンス(チャイニーズポール)がキャバレーやサーカス、通常の(ストリップではない)ステージで演じられている。高度な技になると、相当の筋力・持久力が必要になる。ストリップクラブでのポールダンスは体操的ではなく、よくストリップショーやダンサー同士のラップダンスと合わせて行われている。ポールは単につかむだけでなく、登ったり、スピン、倒立などのより激しい動きにも使われる。上達には上半身と体幹の力が重要で、発達に時間がかかる。
ポールダンスは現在ではエクササイズとしても認められており、有酸素・無酸素運動両方のトレーニングに用いられている。ポールダンスの流行に伴って、認定スクールと資格が作られている。
ポールダンスはまた、舞台芸術としても広く認められ、近代サーカスにも取り入れられている。モントリオールのシルク・ドゥ・ソレイユはその一例である。ここではアクロバットとして様々な色のキャットスーツに身を包んだ演者が、優れた力と技術をもって高度なポールダンスを披露してくれる。
ポール
通常のポール
通常のダンス用ポールは、筒状の鋼鉄あるいは真鍮製で、床から天井まで伸びている。天井側も固定すると安定性が増すが、天井が高いナイトクラブや持ち運び型ポールなどもあり、必ずしもそうなってはいない。 ポールの直径は片手で楽につかめるように、アメリカでは普通5cmとされている。アジアで使われるポールは少し細く、45mmかそれ以下である。
もう一つの一般的なポールに、回転式ポールがある。これは通常のポールとほぼ同じだが、名前の通りボールベアリングによってポール自体が回転する。このポールは、スピードと勢いを生み出して劇的な効果を得るのが狙いである。
家庭用のものも出回っており、練習や有酸素運動に用いられる。材質は鏡面加工ステンレス鋼、クロムメッキ鋼、焼付塗装、LEDの電飾付きのアクリルガラス製「グローポール」、チタン、真鍮がある。 材質によって、つかみやすさに違いがある。 鏡面加工スチールは最もすべすべした材質の一つで、より速く滑らかな動きが出来る。真鍮のポールは摩擦が大きいため手や腿でホールドしやすく、ゆっくりした官能的なダンススタイルに向いている。
ポールはねじ山で天井の梁に固定される。工事を必要とせずに張力によって設置されるものもある(つっぱり棒のように)。 回転式ポールもあり、固定式と切り替えられるタイプも存在する。
ショー用ポール
クラブで使われるポールは、それ自体が視覚効果をもたらす。これらのポールは透明なプラスチック製で水が入っており、きらびやかで、基部の照明やフラッシュで目立つ特殊な反射素材が付いている。 ただし、この種のポールは曲げに弱く、摩擦で火傷しやすいため、高度な技を行うには適さない。
エクササイズとしてのポールダンス
最近ではポールダンスは、新しい、ますます一般的なエクササイズとして流行してきている。女性の間では(時には男性も)ポールをトレーニングの器具として使う。 [1] このエクササイズは、(自体重によって)上半身の筋力を向上させ、全身に効果がある。
ポールダンスの競技会
もっとも一般的なポールダンスの競技会は今でもストリップクラブでのショーであるが、ポールダンスをスポーツや芸術として真面目に取りあげようとする動きは、世界的に広がっている。
ポールダンスの競技会は、ストリップクラブのショーから離れようとしている。それらのイベントは、ヌードやストリップを厳しく排し、単なる性的魅力よりも、競技者の技術と芸術性にフォーカスしている。
脚注
- ^ Stripping Off The Weight, CBS News website, retrieved on 8/20/2007.