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インターネットバンキング

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インターネットバンキング (Internet banking) はインターネットを介した銀行取引(その他銀行に類する金融機関も含む)のサービスである。インターネット閲覧端末(ウェブブラウザ)で利用する。似たようなものとして、携帯電話のインターネット閲覧機能を利用した銀行取引サービスであるモバイルバンキング (mobile banking) がある。

概要

インターネットは情報を瞬時に相互に伝達し、詳細に閲覧できる性質を持ち、金融取引との親和性は高い。このような特性から、インターネットを介した銀行取引の提供は、ネットショッピングなどの他のインターネットによる通信販売と比較して早い時期に利用が拡がり始めた。また、現金の取扱いに既存の金融機関のATM店舗網を提携利用できることに着目して、インターネットから利用する仮想店舗を設け、自社による実店舗(窓口やATM)の営業を前提としない新たな形態の銀行新たな形態の口座が営業を始めた。一部の地方銀行第二地方銀行は、コンビニATMと組み合わせることで、地盤となる実店舗設置地域のみならず全国に向けたサービスを展開している。

一方、口座の入出金を顧客自身の利用する端末上で確認できることから、ネット通帳の口座も各銀行で導入されている。通帳の省略は銀行における口座維持費用の低減につながり、普及推進のため様々な優遇措置が提供されている。

サービス名は「〇〇ダイレクト」という場合が多い。インターネットバンキング専用支店を設けている場合もある。サービス利用時に必要となるウェブブラウザについては、特定のウェブブラウザを推奨ブラウザとして指定していることが多いが、バージョンが古くセキュリティ上問題のあるウェブブラウザを推奨している場合もあるので注意が必要である。

セキュリティ技術の向上により、2003年ごろからは法人向けのインターネットバンキングを提供する銀行が現れた。通常の機能に加え、総合振込などのデータ転送、外国為替取引などの機能が加わっている。それまでアナログモデムで銀行のコンピュータに接続していたEBサービスだが、これと比べて利用料が安いため、しだいに利用者を増やしている。このような機能の違いから、多くの場合個人向けと法人向けの利用資格は明確に分けられており、個人でも事業性の口座では法人向けを利用することになる。

個人向けは全都市銀行と全地方銀行、全第二地方銀行と多くの信用金庫で行われている(四国銀行はこれまで照会機能しか持たなかったが、2006年1月16日にようやくフルサービスを開始した。また最後まで未提供だった大正銀行も2006年6月に開始)。法人向けも導入が広まっており、最後まで「法人向けインターネットバンキング不毛地帯」であった香川県も、2007年5月から百十四銀行がサービスを開始したため、このような不名誉な称号を持つ都道府県は消滅した(香川県が最後までこのようになってしまった事情については百十四銀行香川銀行を参照)。信託銀行では、中央三井信託銀行住友信託銀行では提供済で、みずほ信託銀行でも2008年11月25日に提供開始予定。三菱UFJ信託銀行では、現時点ではテレホンバンキングのみの提供で、インターネットバンキングの提供については未定である。

近年の勘定系システム同様、ベンダ主導のパッケージを用いているところが多く、都市銀行でもりそな銀行地方銀行第二地方銀行で多く採用されているANSERを旧あさひ銀行時代より採用している。

また、法人向けのインターネットシステムは、個人向けとは別のパッケージとなっているところもあり、みずほコーポレート銀行などが法人向けのANSER Webを採用している(個人向けは独自システムでも、法人向けがパッケージシステム採用と云うところも少なくない)。

提供サービス

窓口やATMと比較して、在宅で利用できること、土日休日や夜間早朝でも利用できることなどのメリットがある。

反面、金融犯罪にあった場合、銀行によって補償がバラバラであり注意が必要である。預金者保護の観点から金融庁もこの問題に対して検討中といわれている。

主なサービス

インターネットバンキングでは、多くの金融機関において以下のサービスが中核的に提供されている。このうち振込みは、店頭やATMといった実店舗取引からの移行(混雑の緩和、処理集中の分散、業務の省力化)を促進するため、実店舗利用の場合(銀行によっては、ATM利用時を含む)に比べて手数料が割安に設定されている場合が多い。

ただし、同一店宛の定義が、インターネットバンキングでは自身の口座店と同一店舗宛となるのに対し、実店舗では実店舗そのものである当該支店宛、ATMでは管轄店宛が同一店宛となるため、自行宛手数料が相手先支店を問わず均一にされていないケースは注意が必要。

付加サービス

利便性や収益力向上のために以下のサービスが行われている場合もある。

金融機関別システムベンダ

独自システム

ANSWER Web

NTTデータが開発したANSERのカーネル上で運用するシステム。初回登録でID(英数字が混在したもの)・ログインパスワード・確認パスワードを設定し、次の利用時からそれらを利用するのが特徴。利用者への会員証を発行するケースはほとんどないが、利用行の中には、りそな銀行のように、振込時に利用する乱数表カードを提供するなど、オプションに汎用性が高いのが特徴。MicrosoftMoneyへの明細ダウンロード機能を提供している銀行が大多数。日立製作所を除く各ベンダの勘定系システム採用行で広く取り入れられている(仙台銀行のような例外はある)。特に、NTTデータ地銀共同センター採用行・予定行のほとんどが採用(採用予定行のうち、西日本シティ銀行等に例外あり)。

採用行・りそな銀行北海道銀行青森銀行秋田銀行荘内銀行岩手銀行東北銀行きらやか銀行仙台銀行など

FINEMAX

日立製作所開発のインターネットバンキングシステム。ログインIDが必ず10桁であるのが特徴(代表口座の支店コード3桁・口座番号7桁という銀行が多くみられるが、利用者会員証を発行している銀行では、別の10桁を設定している場合や乱数表を提供しているところもある)。こちらも、ログインパスワード・確認パスワードの2つを別途設定する。

一部採用行では、モバイルEdyチャージを提供しているところが見られるが、システム上、MicrosoftMoneyへの明細ダウンロード機能を提供出来ない等、汎用性に一部問題があるといわれる。なお、日立製作所が構築した勘定系システムを採用している銀行のほとんどが採用しているが、七十七銀行・東邦銀行のような富士通の勘定系採用行の一部等でも取り入れられている。

採用行・イオン銀行みちのく銀行七十七銀行東邦銀行新銀行東京北日本銀行など

その他

  • しんきんインターネットバンキングシステム - 一部を除く信用金庫

民間銀行(個人で口座を作れる銀行)で法人向けサービスを提供していない銀行

2008年4月21日現在。

第二地方銀行

関連項目