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藤崎竜

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藤崎 竜(ふじさき りゅう、1971年3月10日 - ) は、日本男性漫画家イラストレーター青森県むつ市(旧下北郡川内町)出身。工学系専門学校卒。血液型はA型。初期の頃のペンネームは漢字表記は同じだが、読みが「ふじざき りゅう」だった。第39回手塚賞佳作。第40回手塚賞準入選。愛称は「フジリュー」、「プティタキテュー」。

細かい絵柄と鮮やかなカラー絵が特徴である。代表作は『封神演義』など。

来歴

  • 幼い頃からパソコンをいじっており、10代の頃はシステムエンジニアになるのが夢で専門学校に通っていた。専門学校在学中の1990年に自分の腕が漫画界に通用するかを試すため「実験」と称して、週刊少年ジャンプに漫画(『ハメルンの笛吹き』)を描いて送ったところ、第39回手塚賞の佳作を受賞し、それがきっかけで漫画屋(藤崎は漫画家のことを「漫画屋」と呼ぶ)を目指すようになる。再びジャンプに応募した『WORLDS』で第40回手塚賞に準入選し、それがジャンプの増刊に載り、漫画屋デビューする。
  • デビュー後、3本の読み切りをジャンプ本誌や増刊に描いて、1992年には初の単行本、短編集『WORLDS』を出版する。同年末には『PSYCHO+』で初連載するが、人気が揮わず短期間で連載が終了する。
  • 連載終了後、再び増刊に読み切りを3本描き、3年の休止を経て1996年に連載を開始した『封神演義』が人気作になり、1999年にはアニメ化された。
  • 2000年に『封神演義』は円満完結。その後、2002年に『サクラテツ対話篇』、2004年 - 2005年に『Wāqwāq』を連載するが、いずれも短期打ち切りで終了している。
  • 『Wāqwāq』打ち切り後、増刊「ジャンプ the REVOLUTION!」にて読切作品『天球儀』が掲載された。
  • 2006年には初の画集『藤崎竜イラスト集1990-2006 PUTITAKITYU』を発売。同年、バンダイの食玩『共生魔神ぐりりんパンチャー』のメカ・キャラクターデザインを担当し、Vジャンプ11月号に販促用の読切作品を掲載した。
  • 2008年1月号から月刊漫画誌「ジャンプスクエア」にて小野不由美原作のホラー小説屍鬼』を漫画化し、連載開始。

人物

  • 自分の作品の事についてはインタビュー以外では一切語ろうとしない。それは、漫画屋として解説などをしてはいけないというポリシーがあるためである(つまり、言葉ではなく漫画から自分の意思を読み取って欲しいということであろう)。その代わり、単行本の編集の都合で空いたページに自分の考えていることなどをエッセイ風に書いた「駄文(ダブン)」と、似たようなもので巻末に後描き漫画「断崖絶壁今何処(だんがいぜっぺきいまいずこ)」というコーナーを設けており、藤崎の変わった思考を垣間見ることが出来る。
  • 文学や哲学を良く学んでおり、多くの著書を読んでいる。古代ローマが好きで、キャラクター名など固有名詞にも古代の人物名等からとったものがいくつかある。
  • 大のゲーム好きで、最近ではモンスターハンターシリーズを気に入っている模様。
  • 教育テレビを観るのが趣味で、『Wāqwāq』などではそれらに影響されたと思われるマスコットキャラクターを多くデザインしている。
  • かなりの偏食家で、野菜と果物を好み、きのこが嫌いである。肉は血管や脂身が苦手で基本的には受け付けないが、ある周期が来ると食べたくなるらしく、ベーコンウィンナーハンバーグなど、肉の原型が判らないように調理されたものなら食べられるそうである。ハンバーグの中でも特におろしハンバーグが好きだとか。きのこも「これはきのこの山だ」と念じれば食べられるそうである。また牛乳が好きだとも語っており、牛乳を題材にした漫画も書いている。しかし、『封神演義』連載時の話なので、今現在の好みは不明。
  • 本人曰く、普通の人よりも首が長いそうで、彼の描く人物の首が長めなのは、その影響があるものと思われる。
  • 好きなスポーツはスノーボードであり、漫画の連載で忙しい中でも遊びに行くほどである。
  • 同期デビューで同い年の叶恭弘とは仲がよく、また道元宗紀とも親交が深く、『PSYCHO+』2巻のあとがきには『DIGITALIAN』で、一時的なアシスタントをしてもらった道元と叶へのお礼のメッセージが記されている。
  • 喫煙者である。タバコを吸う理由として本人曰く「タバコを吸わないと脳細胞が増えすぎて、物事を深く考え過ぎてしまう」とのこと。タバコを吸わなかった時期、1つ漫画に重いテーマを詰め込みすぎて、読み切り漫画(おそらく『DRAMATIC IRONY』のこと)のネームに4ヶ月も悩み続けたそうである。世間的に禁煙の気運が高まる中、橋本龍太郎(『封神演義』連載時は総理大臣)の「私はタバコをやめない」という発言に拍手をしたらしい。
  • 『PSYCHO+』を連載していた頃はパチンコにハマっていた。
  • 『封神演義』連載中期の頃にはシルバーアクセサリーに傾倒した様子が見える。全身アクセサリーづくめの王天君を筆頭に、登場人物の衣装・小物にシルバーアクセサリーのデザインを応用したものが随所に登場している。
  • 基本、顔出しはしないが顔は男前らしく、加藤晴彦に似ているらしい。

作風

初期の頃(『ハメルンの笛吹き』から『伝染源』まで)の絵柄は、独特の雲の描き方、髪の毛を1本1本描く、水彩画のような塗り方など、少年漫画らしくない(むしろ少女漫画の様な)繊細な雰囲気があり、そのため女性と思われることが多かった。ファンの間では天野喜孝の影響を受けたのではないかといわれている。また、ダークな話が多く、この頃の作風が好きなファンも多い。

1993年の読み切り『DIGITALIAN』で少年漫画らしい絵柄に変化し、話もコミカルな感じになったが、1995年発表の読み切り『DRAMATIC IRONY』では「悪と正義」をテーマにしたダークな話になり、絵柄も重苦しい感じだった。藤崎自身も「この漫画の話を解る人は凄い」と述べている。

1996年に連載が開始された『封神演義』では前作とは打って変わって、話のノリや絵柄がかなり少年漫画らしくなった。ゲームや他の漫画のパロディを交えたギャグも豊富である。初期の頃の彩色は、パソコン環境の関係上コピックを使用していた。連載が進むにつれて、線が細くなるなど絵柄が変化し、藤崎独特の世界観が濃くなったため、話が難しくなっていった。連載半ばには彩色もパソコンによるCGに切り替わった。『封神演義』連載中に掲載された読み切り『ユガミズム』、『milk junkie』の2本はどれもギャグ漫画で、『ユガミズム』はラブコメの要素を加えており、『milk junkie』ではストーリー展開が凝っている。藤崎本人は『ユガミズム』の出来を気に入っていないようで、「『milk junkie』は満足のいく出来」というほど気に入っているようである。

2000年に連載された『サクラテツ対話篇』では、藤崎の好きな哲学を加えた本格的なギャグ漫画となったが、あまりのシュールブラック・ユーモア)さにファンですら、ついていけない人が多かったようである。以降の作品では独特のセンスは更に鮮明になった。

2004年から2005年にかけて連載された『Wāqwāq』では、壮大な世界観が評価され極一部に熱狂的なファンを獲得した。

画風

作家生活を通じて絵柄は大きく変わっているが、ほとんどの時代にいえることは、背景やメカに対する細かい描き込み、スクリーントーンとCGを多用した、まるでアニメのセル画のように見える絵柄である。また、人間の心情(精神)を細かく描写する傾向がある。哲学や神学・宗教などの要素を持ち込み、カルトチックで不可思議な世界を描く作風は、単純明快な作品を求めるジャンプの読者層とは乖離しがちである。

戦闘シーンの描写は、ほとんど動きのある描写は描かず(本人曰く「うまく描くのが苦手」)、静止画のような止めのカットが多く、それを激しいエフェクト描写でカバーしている。1コマで飛び道具が交錯する超絶シューティングというべき戦闘も多く、藤崎が好むゲームの影響があると思われる。

ただし、藤崎はシリアスシーンに無理矢理ギャグを入れようとする傾向があり、その点については批判されることが多い。さらには、作品(物語)の主人公、主要人物、キーパーソン脇役などを描く際、舞台設定を完全に無視した奇抜なファッションと特徴的な髪型にすることも批判の矢面に立たされており、特に原作有りの作品では「原作クラッシャー」としての異名も持つ。また、彼の作品に登場するキャラクターの血縁関係者はある意味個性的で、キャラクターに似ていない(むしろ似せていない)且つ特徴的に描かれている。  また、最新作「屍鬼」ではフォトショップによる写真合成技術を駆使して 背景を全て実写にする他、デビュー当時のダークな絵を意識した新たな絵柄を開拓した。 (これまで通り、尾崎医院などで3DCGも使用している場面も見られる) キャラクターデザインにおいては、時代を無視したパンクファッションを取り入れ、 ホラー感を出すために一部の登場人物を奇形にする独特のデザイン感覚などで ファンからの評判は高い。

作品リスト

括弧内の文章は、漫画が製作された、あるいはジャンプに掲載された西暦年と、載った号や雑誌を記載している(リンク先も参照のこと)。

単行本

文庫本

未単行本化作品

画集

キャラクターデザイン

挿絵

関連項目

外部リンク

  • 封神演義ドットコム - 元々は『封神演義』の公式サイトなのだが、事実上ここが藤崎の公式サイトである。藤崎のインタビューや情報を掲載している。