バス停留所
バス停留所(バスていりゅうじょ、バスていりゅうしょ)とは、路線バスが停車し乗客が乗降するための地点のことである。
バス停(バスてい)とも呼ばれ、大部分のものは道路上にある。また、特に高速道路上にあるものについては、「バスストップ」という呼称を使っている所もある。この点については、#高速道路を参照。
設置箇所
一般道路など
一般道路においては、それを示す「ポール(または標柱)」と呼ばれる標識が道路上に存在し、時刻表や路線図が掲示されている。形状は歩道または路肩にポールを設置するだけのものが一般的だが、サービス向上のために屋根や待合室などを設置しているものや、「行灯式ポール」と呼ばれる電灯が内蔵された形態のものもある。また、近年ではバスロケーションシステムを内蔵したものやLED式のもの、鉄道駅のように音声アナウンスが流れるものなども増えてきている。バス停付近の歩道にバスカット(バスベイともいう)と呼ばれる切り欠きを作り、バスが止まっても交通に支障をきたさないようにしたバス停留所もあるが、これについては渋滞時の発車が難しいのと、停留所内での違法駐車が多いという欠点がある。そこで最近では、逆に停留所付近の歩道を張り出させているテラス式バス停と呼ばれるバス停が設置されている例がある(その例)。また、前後の歩道と比べて路面を高くし、バスのステップに合わせているものもある。
このほか、病院や駅、大型ショッピングセンターなど広い敷地を持つ公共施設では、施設敷地内にバス停を設置し路線バスがそこまで乗り入れる場合もある。
高速道路
高速バスの場合には高速道路の本線車道上にバス停留所が設けられていることがある。その場合、停留所とその前後に路線バス専用の車線を持つ一般の自動車が入れない独立した車線を持つものが多いが、中にはパーキングエリアやサービスエリア、インターチェンジ(一般路線バスと接続する場合は料金所外に設置される事が多く、通行料金も料金所外のバス停を通過する(本線車道上・パーキングエリア・サービスエリアのみに停車)高速バスに比べて余分にかかることがある)といった、一般の自動車が停車する部分にも設置されていることがある(これらのバス停に寄る目的で本線車道から一端離れるため、高速バスの表定速度が大きく落ちてしまう場合がある)。ただし、一般的に高速道路は都市の中心部から少し外れた場所を通っているため、高速道路上のバス停留所も都市の外れにあるものがほとんどである。中には都市中心部とその停留所の間を結ぶ路線バスが運行されていることもあるが、マイカーやタクシー以外のアクセス手段がない所も少なくない。また高速道路上のバス停まで階段や坂道を登らなくてはいけない所もある。
なお高速道路管理会社で用いられている高速バスの停留所の正式名称は、「バスストップ」である(法律上は「乗合自動車停留所」。減速車線・加速車線の部分までを含める)。そのため、道路管理上の正式名称である「バスストップ」という呼称を、そのまま利用者への案内(停留所の名前)に使用している所もある。
特殊な設置例
バス停留所は上り方面と下り方面の2つの乗り場が道路を挟んで向かい合わせに設けられるものが一般的だが、一方通行道路を経由する場合や、運行がループ上になるような場合には、片方向のみとなる場合がある。また、交通事情により千鳥状に停留所を置く場合もある。会社によっては、乗降客の少ないバス停はポールをどちらか1本のみ立て、上下兼用とする場合もある。このときポールが設けられてない方向のバスを利用したい場合は、ポールの真向かいに立っているとバスが停車する。
バス路線が分岐する停留所では、行き先によって複数の乗り場がある場合が多い。この場合、行き先毎に独立したポールを複数立てる場合と、全体としてひとつのバス停にし数字などによって乗り場を区別している場合がある。また、狭い範囲に点在しているバス停を一ヶ所に集約しバスターミナルを設置する場合もある。また、同名の停留所でもバス会社によって乗り場が異なる場合や、逆に同一の箇所に設置されているのも関わらず事業者によってバス停名が異なる場合もある。
駐輪場を併設しているものや、パークアンドライド用に大規模な駐車場を備えているものもある。
設置例
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ポールのみのバス停(中国地方共通仕様。柳井市)
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ポールのみバス停(神奈川中央交通仕様。関東地方で一般的な「しらゆり型」と通称される物。)
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ポールのみバス停(神奈川中央交通仕様))
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バスロケーションシステム付きバス停(京都市)
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屋根付きバス停の例(新潟市)
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広告付きバス停の例(横浜市)