コンテンツにスキップ

「爿部」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
ZéroBot (会話 | 投稿記録)
m r2.7.1) (ロボットによる 追加: nl:Radicaal 90
JIS2004あり
1行目: 1行目:
{{JIS2004}}
{{部首|部首=爿|[[爻部]]|[[片部]]}}
{{部首|部首=爿|[[爻部]]|[[片部]]}}
'''爿部'''(しょうぶ)は、[[漢字]]を[[部首]]により分類したグループの一つ。[[康熙字典]]214部首では90番目に置かれる(4画の30番目、巳集の6番目)。
'''爿部'''(しょうぶ)は、[[漢字]]を[[部首]]により分類したグループの一つ。[[康熙字典]]214部首では90番目に置かれる(4画の30番目、巳集の6番目)。


爿の字は木を裂いて二つにしたものの左半分を意味する。大徐本の『[[説文解字]]』にはこの字が存在しないが、『六書故』引く唐本『説文解字』では爿部があったという。「牀」([[寝台]]の意)字についての徐鍇の注で爿は牀の省略であるとしている。そうだとすると、この字の本来の音は qiáng ではなく、「牀」のchuáng ということになる。[[甲骨文字]]を見ても寝台を縦にした形であり、本来の意味は寝台で、後に左半分の木切れの意味が生じたと考えられる。木切れの意味については『[[新加九経字様]]』雑辨部に「鼎」字の下は木を裂いて炊くことに象り、左が爿で右が片であるとしている。
爿の字は木を裂いて二つにしたものの左半分を意味する。大徐本の『[[説文解字]]』にはこの字が存在しないが、『六書故』引く唐本『説文解字』では爿部があったという。「牀」([[寝台]]の意)字についての徐{{JIS2004フォント|}}の注で爿は牀の省略であるとしている。そうだとすると、この字の本来の音は {{zh|qiáng}} ではなく、「牀」の {{zh|chuáng}} ということになる。[[甲骨文字]]を見ても寝台を縦にした形であり、本来の意味は寝台で、後に左半分の木切れの意味が生じたと考えられる。木切れの意味については『[[新加九経字様]]』雑辨部に「鼎」字の下は木を裂いて炊くことに象り、左が爿で右が片であるとしている。


[[偏旁]]としてはもっぱら音符として使われ、ショウ(壯・牆・將…)やジョウ(狀…)といった音を表している。
[[偏旁]]としてはもっぱら音符として使われ、ショウ(壯・牆・將など)やジョウ({{zh|}}など)といった音を表している。


爿を偏旁にもつ漢字はもっぱら旁に従って分類されており、爿部はそれらに分類しづらかった少数のものだけを収めている。
爿を偏旁にもつ漢字はもっぱら旁に従って分類されており、爿部はそれらに分類しづらかった少数のものだけを収めている。


なお日本の[[新字体]]、中国の[[簡化字]]において「爿」は「将」や「壮」のように「丬」と簡略化されている。しかし、爿部の漢字については日本では常用漢字ではないため、簡化字では字全体が簡化されたためにその影響が及んでいない。
なお日本の[[新字体]]、中国の[[簡化字]]において「爿」は「将」や「壮」のように「{{JIS2004フォント|}}」と簡略化されている。しかし、爿部の漢字については日本では常用漢字ではないため、簡化字では字全体が簡化されたためにその影響が及んでいない。


== 部首の通称 ==
== 部首の通称 ==
*日本:しょうへん
*日本:しょうへん
*韓国:{{lang|ko|장수장변부}} (jangsu jang byeon bu、将帥の爿が偏の部)
*韓国:{{lang|ko|장수장변부}}(jangsu jang byeon bu、将帥の爿が偏の部
*英米:Radical half tree trunk
*英米:Radical half tree trunk


22行目: 23行目:
**[[三十六字母]] - 従母
**[[三十六字母]] - 従母
*[[中国語|現代音]]
*[[中国語|現代音]]
**[[普通話]] - <small>[[ピンイン]]</small>:qiáng <small>[[注音符号|注音]]</small>:{{lang|zh|ㄑㄧㄤˊ}} <small>[[ウェード式]]</small>:ch'iang 2
**[[普通話]] - {{Smaller|[[ピンイン]]}}:{{zh|qiáng}} {{Smaller|[[注音符号|注音]]}}:{{lang|zh|ㄑㄧㄤˊ}} {{Smaller|[[ウェード式]]}}:ch'iang 2
**[[広東語]] - <small>[[香港語言学学会エツ語ピン音方案|Jyutping]]</small>:coeng4 <small>[[イェール式]]</small>:cheung4
**[[広東語]] - {{Smaller|[[香港語言学学会エツ語ピン音方案|Jyutping]]}}:coeng4 {{Smaller|[[イェール式]]}}:cheung4
*[[日本語]] - <small>[[音読み|音]]</small>: ショウ(シャウ)([[漢音]])
*[[日本語]] - {{Smaller|[[音読み|音]]}}: ショウ(シャウ)([[漢音]])
*[[朝鮮語]] - <small></small>:{{lang|ko|장}}(jang) <small></small>:{{lang|ko|조각널}}(jogak neol、木片)
*[[朝鮮語]] - {{Smaller|}}:{{lang|ko|장}}(jang) {{Smaller|}}:{{lang|ko|조각널}}(jogak neol、木片


== 例字 ==
== 例字 ==

2012年8月9日 (木) 05:07時点における版

康熙字典 214 部首
爻部 爿部 片部
1 丿 2
3
广
4
5
6
7
8
9
10 11 鹿
12 13 14 15
16 17

爿部(しょうぶ)は、漢字部首により分類したグループの一つ。康熙字典214部首では90番目に置かれる(4画の30番目、巳集の6番目)。

爿の字は木を裂いて二つにしたものの左半分を意味する。大徐本の『説文解字』にはこの字が存在しないが、『六書故』引く唐本『説文解字』では爿部があったという。「牀」(寝台の意)字についての徐の注で爿は牀の省略であるとしている。そうだとすると、この字の本来の音は qiáng ではなく、「牀」の chuáng ということになる。甲骨文字を見ても寝台を縦にした形であり、本来の意味は寝台で、後に左半分の木切れの意味が生じたと考えられる。木切れの意味については『新加九経字様』雑辨部に「鼎」字の下は木を裂いて炊くことに象り、左が爿で右が片であるとしている。

偏旁としてはもっぱら音符として使われ、ショウ(壯・牆・將など)やジョウ(など)といった音を表している。

爿を偏旁にもつ漢字はもっぱら旁に従って分類されており、爿部はそれらに分類しづらかった少数のものだけを収めている。

なお日本の新字体、中国の簡化字において「爿」は「将」や「壮」のように「」と簡略化されている。しかし、爿部の漢字については日本では常用漢字ではないため、簡化字では字全体が簡化されたためにその影響が及んでいない。

部首の通称

  • 日本:しょうへん
  • 韓国:장수장변부(jangsu jang byeon bu、将帥の爿が偏の部)
  • 英米:Radical half tree trunk

部首字

例字

  • 爿・牀・牆・壯