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2012年7月11日 (水) 09:52時点における版
スイス料理(ドイツ語: Schweizer Küche, イタリア語: Cucina svizzera, フランス語: Cuisine suisse)とは、スイスで食べられる料理のこと。ドイツ料理(アルザス料理も含む)、フランス料理、イタリア料理といった多くの地域の影響を受けながらも、スイス特有の多くの料理を有する。スイスは歴史的な農業国であり、伝統的なスイス料理は素朴で、ジャガイモとチーズのような質素な食材で作る傾向がある。
食品と料理
スイスには多くの地方料理がある。例えば、細切りの仔牛肉とマッシュルームをクリームソースで煮込んでレシュティを添える料理、ツーリッヒャー・ゲシュネッツェルテスがある。イタリア料理、特にパスタとピザが現在スイスで広まっている。しばしばスイス特産とされる食品に、チーズとチョコレートがある。スイスチーズ、特にエメンタールチーズ、グリュイエールチーズ、ヴァシュラン・モン・ドール、およびアッペンツェラーは有名なスイス産のチーズである。最も有名なチーズ料理は、フォンデュとラクレットである。これらの料理の発祥は地方料理であったが、チーズ販売を促進するためにスイスチーズ協会により広められた。
レシュティは大衆的なジャガイモ料理で、スイス全国で食べられている。元来は朝食用であったが、これに替わりミューズリーが朝に食べられるようになり、スイスではバーヒャーミューズリー(Birchermüesli、地方によりBirchermiesli)と呼ばれている。朝食とディナーでは、薄切りパンにバターとジャムをつけて食べる。スイスには様々なロールパンがある。ディナーではパンとチーズが一般的である。
タルトとキッシュもまた、伝統的なスイス料理である。特にタルトは、甘いリンゴからタマネギまで、あらゆるトッピングで作られる。
スイスのイタリア語圏、ティチーノ州には、この地域に特有のレストランがある。グロット(Grotto、「洞窟」の意味)は田舎の料理店であり、パスタから自家製の名物肉料理まで、伝統料理が供される。人気の料理は、職人的なソーセージの一種、ルガーニガ(Luganighe、Luganighetta)である。ワイン貯蔵庫であった実際の洞窟を改装してレストランにしている。その性質上、多くは森林の中や周辺の岩場に建てられる。外観は花崗岩で作られ、外のテーブルや椅子も同じ石で作られる。グロットは、地元客でも観光客にも、特に暑い夏の期間に人気である。[1]
セルベラ(CervelatまたはCervelas)は、国民食のソーセージとされており、スイス全国で人気である。
フランス語圏のレシピ
- パペ・ヴォードワ(Papet vaudois):ネギとジャガイモで作る料理であり、ヴォー州が地元である(そのため「ヴォードワ」という)。ソスィス・オ・シェ(Ssaucisse au chou'、キャベツソーセージ)と共に供される。
- Carac:チョコレートで作るスイスの菓子。
- フォンデュ:最も有名と思われるスイス料理。溶かしたチーズで作る。一口大のパンやジャガイモを溶かしたチーズに浸して食べる。
- メレンゲ:グリュイエール地方の名物で、ダブルクリームと一緒に食べる。[2]
- ラクレット:熱したチーズをジャガイモにかけ、小キュウリ、タマネギのピクルス等を添えて供される。
ドイツ語圏のレシピ
- アルプラーマグロネン(Älplermagronen、アルペンの牧夫のマカロニ):アルペンの小屋で牧夫が手元にある質素な食材、マカロニ、ジャガイモ、タマネギ、ベーコン細切れ、溶かしたチーズで作った質素な一品料理。伝統的に、野菜やサラダの替わりにアップルソースを添えて供される。
- ツーリッヒャー・ゲシュネッツェルテス(Zürcher Geschnetzeltes、チューリッヒ風薄切り肉):この料理はをレシュティ添えて供される。
- エメンタール・アプフェル・レシュティ:日常の食材を使い簡単に調理できるため、大変人気がある料理である。このレシピは、エメンタールチーズの原産で有名なベルン州エメンタール(エメン渓谷)で考案された。
- Fotzel:この料理の名前の由来は不詳である。Fotzelの意味は引き裂いた紙片であるが、バーゼルの方言で不審人物を意味する。固くなったパンを使うことができるため、パンを捨てない習慣の主婦に最適のレシピである。
- バーヒャーミューズリー(Birchermüesli):オーガニック、自然食品の先駆者である医師マクシミリアン・バーヒャー=ベンナー(1867-1939)が発明した。
- Riz Casimir:カレーソースのライスと豚挽き肉と、パイナップル、バナナ等のトロピカルフルーツ、サクランボ、時に干しブドウを添えた料理。1952年に最初にモーベンピック ホテル&リゾートの国際チェーンにより供された。
- レシュティ:ハッシュブラウンに似た、この簡単な料理は、伝統的にドイツ語圏スイスのお気に入りとされている。スイスのドイツ語圏とフランス語圏の境界に仮想的境界を「レシュティ溝」と呼ぶが、フランス語圏でも食べられている。
- Tirggel:チューリッヒの伝統的なクリスマスビスケット。小麦粉と蜂蜜で作る、薄く、固く、甘い菓子である。
- ツォップ (Zopf) :スイスには何十という種類のパンがあるが、ツォップは典型的な日曜日向けのスイス名産品である。
- ベルナープラッテ(Bernerplatte)
イタリア語圏のレシピ
- ピッツォッケリ:ソバ粉で作る短いタリアテッレで野菜と角切りジャガイモと共に調理する。
- ポレンタ:何世紀もの間、ポレンタは貧民の食事と考えられていた。トウモロコシが現在のティチーノ州南部に17世紀頭に伝わり、この単調な料理に変化をもたらした。しかし、ポレンタが(まず混ぜた穀粉で作られ、後にトウモロコシ粉のみとなり)この地域の主食となるまで、更に200年を要した。
- サフランリゾット:スイス最南の州、ティチーノ州で人気の料理である。[要出典]
グラウビュンデン州のレシピ
- ビュンドナー・ヌストルテ:クルミ入りケーキには数種類のレシピあるが、グラウビュンデン州の渓谷、エンガディン地方のものが最も有名である。[2]
- クールミートパイ:スイス東南のグラウビュンデン州で人気の料理。
- ビュンドナーゲルシュテンズッペ(Bündner Gerstensuppe、グラウビュンデンのオオムギスープ):グラウビュンデン州発祥の最も有名なスープ。
- Bizoccals cun ravitscha(クラウトピツォケル、Krautpizokel):キャベツ添えピツォケル。ピツォケルは様々な方法で供される。ある地域ではピツォケルだけを食べることをロマンシュ語の「'bizochels bluts」(禿げたピツォケル)と呼ぶ。行儀正しく料理の少しを残すことを、エンガディン地方では「far sco quel dal bizoccal」(「ピツォケルを残す」とほぼ同じ意味)と呼ぶ。
オートキュイジーヌ
世界的に有名なミシュランガイド2005年版によると、スイスは 1人あたりの星の数が第二位である[3]。
飲料品
ラクトースの炭酸飲料、リベラ (Rivella) がスイスで最も人気の飲み物である。リンゴジュースは、炭酸入りと炭酸なしの両方とも、スイスの多くの地域で人気であり、リンゴシードルもまた生産されている。チョコレート飲料のオボマルチン(Ovomaltine、オバルチン)はスイス発祥であり、特に若者に安定して人気である。飲み物として以外にも、バターを塗ったパンにオボマルチンの粉末をふりかけて食べる。
ワインはスイスの多くの地域、特にヴァレー州、ヴォー州、およびチューリヒ州で生産される。リースリング×シルバーナはドイツ語圏で生産される人気の白ワインであり、一方、シャスラはフランス語圏で生産される最も人気の白ワインである。ピノ・ノワールはフランス語圏とドイツ語圏の両方で最も人気ある赤ブドウである一方、イタリア語圏ではメルローがその地位についている。
スイスのジュラ山脈地域に位置するヴェルト・トラ・ヴェルで産まれたアブサンは再び正式に蒸留が解禁された。スイス連邦憲法のアブサン禁止条項により長期間禁止されていた。憲法改正の採択に伴って、2005年に再び合法化された。現在スイスのアブサン、キュブラー(Kübler)、クランディスティン(La Clandestine)は新ブランドが登場する中、多数の国に輸出されている。ワインとビールは16歳以上で法的に購入できる。蒸留酒および蒸留アルコールを含む飲料(バカルディ・ブリーザのような炭酸入りアルコール飲料を含む)は18歳で購入できる。アルコール社会に加わる年齢は若く、多くは家庭で14歳に初めてアルコールを口にする。[要出典]
ダマシン(Damassine)はダマシンの木になるプルーンを蒸留して作るリキュールであり、ジュラ州で生産される。