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:近来、石川家の秘庫から出たもので、その奥書きに「同日未刻染筆申時終切'''定信'''」の自署があるので、定信の真跡と決定された。詩句と和歌を大きく散らし書きにしている。書風は雄健高雅で、連綿も自然で、筆端には才気が溢れており、円熟した晩年の[[書道|書]]と推測されている。[[京都国立博物館]]の断簡は[[重要文化財]][http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=86353][http://www.emuseum.jp/detail/101081/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E5%AE%9A%E4%BF%A1&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=1&num=4]。 |
:近来、石川家の秘庫から出たもので、その奥書きに「同日未刻染筆申時終切'''定信'''」の自署があるので、定信の真跡と決定された。詩句と和歌を大きく散らし書きにしている。書風は雄健高雅で、連綿も自然で、筆端には才気が溢れており、円熟した晩年の[[書道|書]]と推測されている。[[京都国立博物館]]の断簡は[[重要文化財]][http://bunka.nii.ac.jp/SearchDetail.do?heritageId=86353][http://www.emuseum.jp/detail/101081/000/000?mode=simple&d_lang=ja&s_lang=ja&word=%E5%AE%9A%E4%BF%A1&class=&title=&c_e=®ion=&era=¢ury=&cptype=&owner=&pos=1&num=4]。 |
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*[[西本願寺本三十六人家集]]のうち「[[紀貫之|貫之]]集下(石山切として分割された)」「[[源順|順]]集(糟色紙・岡寺切[http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=00067])」「[[中務]]集」 |
*[[西本願寺本三十六人家集]]のうち「[[紀貫之|貫之]]集下(石山切として分割された)」「[[源順|順]]集(糟色紙・岡寺切[http://www.nezu-muse.or.jp/jp/collection/detail.php?id=00067])」「[[中務]]集」 |
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:東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0015520][http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0056549]や[[根津美術館]]などに分蔵。[[和泉市久保惣記念美術館]]のものは重文。 |
:東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0015520][http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0056549]や[[根津美術館]]などに分蔵。[[和泉市久保惣記念美術館]]のものは重文。「岡寺切」の名は[[飛鳥]]の[[岡寺]]に伝来したことによると言われ、現在9枚の伝存が確認されている<ref>『根津美術館蔵品選 書画編』 2001年、232頁。ISBN 4-930817-28-5</ref>。 |
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* 安宅切[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0022079]・詩書切[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0032698](和漢朗詠集) |
* 安宅切[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0022079]・詩書切[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0032698](和漢朗詠集) |
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: 伝藤原行成筆。一巻。東京国立博物館蔵。[[冷泉為恭]]旧蔵品で、明治14年([[1881年]])[[古筆了仲]]から購入した。 |
: 伝藤原行成筆。一巻。東京国立博物館蔵。[[冷泉為恭]]旧蔵品で、明治14年([[1881年]])[[古筆了仲]]から購入した。 |
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* 戊辰切(和漢朗詠集巻下)東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0066785]や[[五島美術館]]などに分蔵。 |
* 戊辰切(和漢朗詠集のうち上巻「女郎花」の段と巻下)東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0066785]や[[五島美術館]]などに分蔵。 |
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* 砂子切本[[藤原兼輔|兼輔集]]切 |
* 砂子切本[[藤原兼輔|兼輔集]]切 |
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:上記の本願寺本とはやや遅れて別の三十六人歌集が書写されており「別本三十六人歌集」などと呼ばれている。そのうちの「兼輔集」は、石山切と同筆であり定信の手と分かる。東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0091372][http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0091373]や根津美術館などに分蔵。 |
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* 法華経(戸隠切) |
* 法華経(戸隠切) |
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:東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0044948]など。[[戸隠神社]]所蔵4巻は重文。 |
:東京国立博物館[http://webarchives.tnm.jp/imgsearch/show/C0044948]など。[[戸隠神社]]所蔵4巻は重文。 |
2012年2月7日 (火) 10:07時点における版
藤原 定信(ふじわら の さだのぶ、寛治2年(1088年) - 保元元年1月18日[1](1156年2月10日))は、平安時代後期の廷臣・書家。藤原定実の長男で、世尊寺家第5世となり能書家として重んじられた。官位は従四位下、宮内権大輔。
経歴
大嘗会屏風の筆者となり、多くの墨跡を今日に伝えている。大治4年(1129年)から仁平元年(1151年)の23年間をかけて、一切経全5048巻を独力で書写した[2]。書写を終えた後、春日大社でこれを供養し、多武峰で出家した。この一筆一切経の偉業を成し遂げたのは、日本の歴史上定信と宗像大社の色定法師の二人だけである。『本朝世紀』によると、院宮諸家がその偉業を讃え、たくさんの贈り物をしたという[3]。しかし、奉納した春日大社で起きた火災で全て焼失してしまい、現存しない。
鑑識にも長じており、保延6年(1140年)10月22日、小野道風書の『屏風土代』(三の丸尚蔵館蔵)と藤原行成書の『白楽天詩巻(高松宮家本)』(東京国立博物館蔵)を入手し、『屏風土代』は延長6年(928年)11月、道風35歳の書であること、『白楽天詩巻』は寛仁2年8月21日、行成47歳の書であることを鑑定し、それぞれの奥書きに記している。
書風は祖父・藤原伊房の影響が強いことが当時から指摘されており、代表作の「金沢本万葉集」も伊房筆「藍紙本万葉集」の書風に似ている。しかし、定信の方が一筆一切経の経験からか、運筆が早く軽快で緩急抑揚の変化が大きい。
墨跡
- 金沢本万葉集
- 定信和漢朗詠集切
- 近来、石川家の秘庫から出たもので、その奥書きに「同日未刻染筆申時終切定信」の自署があるので、定信の真跡と決定された。詩句と和歌を大きく散らし書きにしている。書風は雄健高雅で、連綿も自然で、筆端には才気が溢れており、円熟した晩年の書と推測されている。京都国立博物館の断簡は重要文化財[1][2]。
- 西本願寺本三十六人家集のうち「貫之集下(石山切として分割された)」「順集(糟色紙・岡寺切[3])」「中務集」
- 上記の本願寺本とはやや遅れて別の三十六人歌集が書写されており「別本三十六人歌集」などと呼ばれている。そのうちの「兼輔集」は、石山切と同筆であり定信の手と分かる。東京国立博物館[9][10]や根津美術館などに分蔵。
- 法華経(戸隠切)
など。
系譜
脚注
参考文献
- 島谷弘幸 『日本の美術519 和様の書』 ぎょうせい 2009年 ISBN 978-4-324-08728-2
- 春名好重 『書の古代史』 新人物往来社 1987年 ISBN 4-404-01439-2
- 古谷稔編 『日本の美術180 平安時代の書』 至文堂 1981年
- 木村卜堂編著 『日本と中国の書史』 社団法人 日本書作家協会発行 1971年
- 常石英明著 『古書画の鑑定と観賞』 金園社 1970年