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「グラム・シュミットの正規直交化法」の版間の差分

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'''グラム・シュミットの正規直交化法'''(グラム・シュミットのせいきちょっこうかほう、''Gram-Schmidt orthonormalization'')とは、[[内積]]を持つ[[ベクトル空間]]([[計量ベクトル空間]])に、ある[[線型独立]]なベクトルの組が与えられたとき、そこから[[正規直交系]](それぞれのベクトルのノルムが 1 で、どの二つも互いに[[直交]]しているようなベクトルの組)を作り出す[[アルゴリズム]]のことである。'''シュミットの直交化'''(ちょっこうか、''orthgonalization'')ともいう。ノルムを 1 にする工程を省略すると、必ずしも正規でない直交系を得ることができる。
'''グラム・シュミットの正規直交化法'''(グラム・シュミットのせいきちょっこうかほう、''Gram-Schmidt orthonormalization'')とは、[[内積]]を持つ[[ベクトル空間]]([[計量ベクトル空間]])に、ある[[線型独立]]なベクトルの組が与えられたとき、そこから[[正規直交系]](それぞれのベクトルのノルムが 1 で、どの二つも互いに[[直交]]しているようなベクトルの組)を作り出す[[アルゴリズム]]のことである。'''シュミットの直交化'''(ちょっこうか、''orthgonalization'')ともいう。ノルムを 1 にする工程を省略すると、必ずしも正規でない直交系を得ることができる。


==定義==
== 定義 ==


計量ベクトル空間を ''V'' で表し、ベクトル ''v'', ''w'' の内積を (''v'',''w'') と表すことにする。与えられたベクトルの線型独立系を {''v''<sub>0</sub>, ''v''<sub>1</sub>, ''v''<sub>2</sub>, ..., ''v''<sub>''n''</sub>}とする。
計量ベクトル空間を ''V'' で表し、ベクトル ''v'', ''w'' の内積を (''v'',''w'') と表すことにする。与えられたベクトルの線型独立系を {''v''<sub>0</sub>, ''v''<sub>1</sub>, ''v''<sub>2</sub>, ..., ''v''<sub>''n''</sub>}とする。
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によって順に新しいベクトルを作っていくと、{''w''<sub>0</sub>, ''w''<sub>1</sub>, ''w''<sub>2</sub>, ..., ''w''<sub>''n''</sub>} は新しい線型独立系になる。構成から、正規であり、互いに直交していることは容易に分かる。
によって順に新しいベクトルを作っていくと、{''w''<sub>0</sub>, ''w''<sub>1</sub>, ''w''<sub>2</sub>, ..., ''w''<sub>''n''</sub>} は新しい線型独立系になる。構成から、正規であり、互いに直交していることは容易に分かる。


==関連項目==
== 関連項目 ==
* [[直交]]
* [[直交]]
* [[直交化]]
* [[直交化]]
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[[pt:Processo de Gram-Schmidt]]
[[pt:Processo de Gram-Schmidt]]
[[ro:Procedeul Gram–Schmidt]]
[[ro:Procedeul Gram–Schmidt]]
[[ru:Процесс Грамма ― Шмидта]]
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[[sk:Gramov-Schmidtov ortogonalizačný proces]]
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[[sq:Procedura Gram-Shmit]]
[[sq:Procedura Gram-Shmit]]

2009年8月27日 (木) 20:17時点における版

グラム・シュミットの正規直交化法(グラム・シュミットのせいきちょっこうかほう、Gram-Schmidt orthonormalization)とは、内積を持つベクトル空間計量ベクトル空間)に、ある線型独立なベクトルの組が与えられたとき、そこから正規直交系(それぞれのベクトルのノルムが 1 で、どの二つも互いに直交しているようなベクトルの組)を作り出すアルゴリズムのことである。シュミットの直交化(ちょっこうか、orthgonalization)ともいう。ノルムを 1 にする工程を省略すると、必ずしも正規でない直交系を得ることができる。

定義

計量ベクトル空間を V で表し、ベクトル v, w の内積を (v,w) と表すことにする。与えられたベクトルの線型独立系を {v0, v1, v2, ..., vn}とする。 まず、ベクトル v0 を選びだしてそのノルムで割る。すなわち、w0 = (v0, v0)-1/2v0 とする。以下、

によって順に新しいベクトルを作っていくと、{w0, w1, w2, ..., wn} は新しい線型独立系になる。構成から、正規であり、互いに直交していることは容易に分かる。

関連項目