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2008年5月23日 (金) 15:56時点における版

七十七銀行のデータ
英名 The 77 Bank, Ltd.
統一金融機関コード 0125
SWIFTコード BOSSJPJT
頭取 鎌田 宏(かまた ひろし)
資本金 246億円
預金量 5兆487億円
(2006年3月31日現在)
店舗数 141店
(2006年3月31日現在)
従業員数 2784名
(2006年3月31日現在)
設立日 1878年12月
(第七十七国立銀行)
本店
所在地 〒980-8677
仙台市青葉区中央3丁目3番20号
電話番号 022-267-1111(代表)
外部リンク 公式サイト

株式会社七十七銀行しちじゅうしちぎんこう、英称The 77 Bank, Ltd.)は、宮城県仙台市に本店を置く、東北最大の地方銀行である。銀行コードは0125格付機関によるランクは、AA-(格付投資情報センター)。管轄税務署は仙台中税務署である。

経営

本店ビル(仙台市青葉区)
東京支店を置く七十七ビル(東京都中央区銀座

堅実経営

「石橋を叩いても渡らない」と評される経営は良くも悪くも堅実である。開発融資・不動産投資への自制のみならず、漫然とした取引そのものへの戒めは慎重さを如実に示しており、メガバンクが国民の税金による公的資金導入に至らざるを得なかったバブル経済期でも、七十七銀行は健全経営を続けた。

「兜町の銀行」として

株式売買の清算に関わる出納業務を、証券業界用語で「場勘業務」と言う。東京株式取引所(東京証券取引所の前身)では、増大する出来高に対応するため、場勘業務を銀行に委ねる事にし、1894年10月、第七十七国立銀行に業務を委託した。

国立銀行条例に基づく銀行とはいえ、東京ではなく仙台に本店を置く同行が選ばれたのは、東京支店が取引所の近くに立地していた点に加え、渋沢栄一の推薦、恐慌で取引所の経営が危機に瀕した時に同行が救援融資を行った事情などから、取引所の高い信頼を得ていた事が挙げられる。以来、1949年の証券民主化で帝国銀行富士銀行が参入するまで、場勘業務は七十七銀行の独占状態にあった。

1997年10月の東証の制度改革で、場勘業務は清算銀行制度に改組されたが、七十七銀行は引き続き清算銀行に指定された。2003年1月、日本証券クリアリング機構の業務開始に伴い、同機構の指定する資金決済銀行となり、同行日本橋支店(1965年の<新>東京支店開設により<旧>東京支店から改称)が業務を行っている。

海外事業

1985年にロンドン駐在員事務所、1990年にはニューヨーク支店が開設されたものの、何れも1999年に廃止となった。2005年7月、上海駐在員事務所が開設された。

関連会社等

関連会
関係会社

沿革

設立
1872年に制定された国立銀行条例によって全国が銀行設立ブームで沸き返る中、仙台でも銀行設立の動きが活発化した。元仙台藩士の氏家厚時を中心とするグループは、当時第一国立銀行三井銀行の出張所しかなかった宮城県の現状を憂い、地元に基盤を置く銀行の設立を決意。1878年2月に大蔵省に願書を提出した。願書は程なく認可され、同年12月9日、「第七十七国立銀行」として業務を開始した。初代頭取には氏家が就任した。
渋沢栄一の支援
第七十七国立銀行の設立に当たっては、渋沢栄一が大きく関わっている。元々国立銀行条例の起草に関わっており、大蔵省に入る動機を作ってくれた伊達宗城は元宇和島藩主であり、仙台と宇和島伊達氏つながりの血縁関係の都市でもある。このような背景から、渋沢は東北の振興にも関心を持ち、その核たる国立銀行設立を目指す氏家グループにアドバイスを送った。更に、設立に際しては自ら資本を出資し、自ら頭取を務める第一国立銀行から人材を派遣するなど、物心ともに第七十七国立銀行を支援した。第2代、4代の頭取の遠藤敬止は渋沢の推薦であった。

営業政策

店舗展開

法人営業部を含めて数えると、東北地方すべての県に拠点を構えている。宮城県内のほか、準本拠地と位置づける福島県には浜通りの都市を主体に展開したり、札幌支店・盛岡支店・秋田支店・山形支店も有する。

東北の地方銀行で唯一、名古屋支店と大阪支店があるが、いずれも空中店舗であり、ATMは設置されていない。上海に駐在員事務所を持つ。

インストアブランチ
旧郡部の2支店を有人出張所に降格し、さらに4有人出張所(うち3箇所は自治体庁舎内)を廃止(口座店は窓口閉鎖2週間前に継承店に移管、通帳も口座店移管と同時に強制切り替え、キャッシュカードも強制切替だが、新カードを使うまでの移行期間を設けて当面の旧カードでも使えるよう対処)という方針を打ち出した。と同時に、2007年8月までに泉区から富谷町にかけての明石南明石台(あかいしだい)・新富谷ガーデンシティ地区に新たに「明石台支店」を開設し、さらに七十七銀行としては初となる「インストアブランチ」を名取市の大型商業施設・イオンモール名取エアリ(2007年2月28日グランド・オープン)に、「エアリ相談プラザ(杜せきのした支店エアリ出張所)」(支店コード816)を開設した。ただし、ATM(エアリ相談プラザ内は「エアリ第一出張所」、仙台銀行など他金融機関と並んでいるATMコーナーは「エアリ第二出張所」名)は母店の杜せきのした支店(支店コード817)扱いとなる(ただし、エアリ第一出張所・エアリ第二出張所ATMからエアリ出張所宛への振込は、自店扱いとなる)。


県外における法人拠点
東北の県庁所在地で唯一支店のなかった青森市に「青森法人事務所」、郡山山形盛岡の各支店には「法人営業部○○駐在」(○の名前は各支店名が入る)が、それぞれ2006年11月6日付けで設置された。原則的に、新規開拓を担当し、従来の法人顧客は従来通り支店が行う。秋田地区は、現在の秋田支店の行員と盛岡駐在によるアライアンス体制で当面営業活動を行うことになる。

法人営業

地域経済活性化の寄与を図るためベンチャー支援、事業再生関連業務などについて日本政策投資銀行業務提携を結ぶとともに、2007年1月には東北大学とも産学連携に関する協定を締結した。

地方公共団体等取引

宮城県仙台市および、県内の大半の市町村の指定金融機関である。仙台市の全ての公営企業(仙台市ガス局仙台市交通局仙台市水道局)における出納取扱金融機関でもあるが、宮城県については病院事業を除く全ての公営企業の出納取扱金融機関で、病院事業が除外されたのは、県立病院が従来仙台市になかったことによる。名取市宮城県立精神医療センター宮城県立がんセンター、および栗原市宮城県立循環器・呼吸器病センターの3施設のみが従来の県立病院。2003年に開業した宮城県立こども病院(現在は、地方独立行政法人立)が仙台市初となった。

東北大学より指定金融機関に指定されている(ただしみずほ銀行と共同)。なお、原則的に同大学の授業料の支払は、入学金と初回の半年を除き、いずれかの金融機関の支店の口座からの引き落とし(代行納付制)でないとならないことになっている。

特徴
県内全ての支店および一部を除く県外支店では宮城県の収入証紙の売り捌きを行っている(本店営業部には、専用の窓口まで存在する)。県の証紙を取り扱っているのは、当行の他仙台銀行等県指定代理金融機関収納代理金融機関であり東北他県では珍しい。

個人市場対策

インターネットバンキング

当行では、テレホンバンキングのオプションサービスとして、月額210円の有料で提供されている(モバイルバンキングは、テレホンバンキングの申込のみを行えば、無料で利用可能)。

なお、ポイントセブン20ポイント以上の顧客には、月額料が免除される。

しかし、2008年4月14日以降、Pay-easy提供開始とともに、この月額が無料化されることになった(同年4月1日より、無料化以降のオプション追加申込開始)。ただし、従来からの利用者については4月10日の月額料引落(2008年3月度利用料として)がなされるので、注意が必要。

なお、個人向けのインターネットバンキングサービスは、日立製作所のパッケージであるFinemaxのカーネル上で運用されている(余談だが、法人向けはANSER Web上での運用)。

自動機サービス

ICキャッシュカード
ATMについてもIC化・生体認証取引対応を進めるなど攻勢に転じた。2006年8月21日ICキャッシュカードの導入を開始(発行開始は8月14日)、同時に生体認証取引に対応し、掌認証を採用した。カード到着後に生体認証の登録を口座店窓口で行うことで生体認証での取引が可能になる。
磁気ストライプのあるものとないものの2種類を導入したが、2006年3月1日から提携開始となったセブン銀行を利用する場合は磁気ストライプのあるもののみ対応としている(IC部分の取扱は不可であるため、限度額等は磁気ストライプ扱いで処理される)。
当初は、キャラクターデザインの採用はなかったが、後述のように、2008年3月より、地元プロスポーツチームのデザイン3種類が発行開始となっている。
これに伴って、従来富士通日立製作所(ただし、日立オムロンターミナルソリューションズLeadusブランドは従来からない)・東芝とATMメーカーが分かれていたのを富士通に順次統一し、3月27日までには全て富士通に変更になった。(ただし、通帳繰越はATMでは対応せず、日立製作所ブランドの繰越機を一部支店のみで導入して対応。ただし、窓口営業時間(ただし、エアリ出張所は、他店舗同様、稼働時間が平日9:00~15:00のみであるため、土日など、窓口が開いていても使えない時間帯があるので注意が必要)のみの利用となる。また、繰越機のない一部支店の中には、富士通の記帳機が設置されている支店もある。この場合は窓口での繰越となる)。これに伴って、2006年4月1日からのATMの委託管理先を、七十七コンピュータサービスより富士通フロンテックに変更された。
更新後は、2006年の6月から7月にかけて生体認証装置の取り付けを順次行った。
特筆すべきは、他行のように1拠点最低1台ではなく全拠点(ただし、空中店舗かつATMの設置がない名古屋支店と大阪支店をのぞく)・全台で生体認証・IC機能に対応することがあげられる。
コンビニATM
コンビニATMにはこれまで消極的とされ、現に2006年2月まで政令都市で唯一仙台は、コンビニATMが無い都市となっていた。しかし、商業界や青年層の利用者からの強い要望と、地域社会に対するアンケート実施の結果を受け入れ、ようやくセブン銀行との提携に同意し、2006年3月1日より仙台市内のセブンイレブン及びイトーヨーカ堂仙台泉店にコンビニATMが設置されることが決定した。
しかし24時間対応ではなく、手数料がかかる上、使える時間が平日に関しては通常のATMと大差ない。それでも従来のATMは土日は17時までだが、セブン銀行は21時まで使えるという利点はある(この点以外は、ゆうちょ銀行との提携内容とほぼ変わらない)。2007年2月下旬より自行ATMの最大利用可能時間が、最大で平日7:30~21:00、土日祝9:00~19:00まで延長になったこともあり、平日のセブン銀行の利用可能時間が22時までに延長(入金は従来通り)になった。さらに、2007年3月には、郵貯ATM(当時)の利用可能時間帯が延長された。
平日・土曜が22時まで、日祝が20時まで利用可能。ただし入金は郵貯通帳と同じ、平日21時まで、土日祝は17時までとなる。
また、手数料優遇などのポイントサービスである「ポイント・セブン」の適用からはずれる。
さらに、2006年2月27日より、宮城県内の一部のローソンローソンATMが、3月20日からは、ファミリーマートミニストップの一部店舗にイーネットが設置されている。しかし、いずれも七十七銀行とは提携していないため、MICS扱いとなる。
なお、東京スター銀行ATMにおける当行キャッシュカードでの引き出しは、これまで東京スター銀行とMICSで提携する他行同様に手数料無料で引き出しできる時間帯があったが、2006年6月1日から宮城県内の東京スター銀行ATMでの当行キャッシュカードでの引き出しは完全有料となった。時間外も1回につき210円(ただし祝日を除く土曜09:00~14:00は105円)となり、宮城県内での利用において、七十七銀行口座開設者における東京スター銀行ATMのメリットはほぼ完全に失われてしまった。
地域金融機関との提携
2008年3月3日には、当行と山形銀行とのATM出金手数料無料提携を開始することとなり、名称をMYキャッシュポイント(マイキャッシュポイント)に決定した。当該記事を参照。

地域社会への貢献

また、2008年3月26日より発行開始となったキャラクターICキャッシュカードは、コツコツくん・ナナちゃんのオリジナルキャラクターではなく、楽天イーグルスクラッチクラッチーナMr.カラスコ)、ベガルタ仙台ベガッ太)、仙台89ERSティナ)があしらわれた、地元プロスポーツチームのキャラクター3種類を採用している。

その他

預金通帳

総合口座通帳での利用科目

普通預金と定期預金のみの利用である。1冊で記帳可能なのは、普通預金は8ページ、定期預金は5ページとなっている。

なお、2004年4月以降発行の現行の通帳デザインは、一般デザインとキャラクター(コツコツくん・ナナちゃん、表紙は青)デザインの2種類がある。


通帳の印字

摘要欄はなく、項目は出金時には「お預り金額」欄、入金時には「お支払金額」欄に表示される。

取扱店は、自店利用時・引き落としの場合は空欄、他店窓口・ATM利用時は支店コード(口座店が本店営業部以外の場合、テレホンバンキングの利用時に取引内容によって「100」が表示されることがある)、他行ATM利用時は統一金融機関コード(郵貯ATM利用時は「9900」など)が表示される。取引種別は、入金時は「D」(振替入金は「DT」)、出金時は「TW」の表示となる(なお、引き落とし時と利息の入金は「振替」、振込入金の際には「振込」と、記号ではなく漢字で表記される)。

利息付与時期

2007年までは、普通預金は2月・8月の第2日曜日の翌営業日付、貯蓄預金は毎月第2日曜日の翌営業日付で付与されていた。

2008年年明けのシステム更改に伴い、普通預金は2月・8月の第3日曜日の翌営業日付、貯蓄預金は毎月第2日曜日の翌営業日付の付与に変更された。

関連項目

外部リンク