「アイナメ科」の版間の差分
cat,cl |
除去。 |
||
13行目: | 13行目: | ||
|下位分類 = {{center|本文参照}} |
|下位分類 = {{center|本文参照}} |
||
* {{snamei||Hexagrammos}} [[アイナメ属]] |
* {{snamei||Hexagrammos}} [[アイナメ属]] |
||
* {{snamei||Ophiodon}} |
* {{snamei||Ophiodon}} |
||
* {{snamei||Oxylebius}} |
* {{snamei||Oxylebius}} |
||
* {{snamei||Pleurogrammus}} [[ホッケ属]] |
* {{snamei||Pleurogrammus}} [[ホッケ属]] |
||
28行目: | 28行目: | ||
== 形態 == |
== 形態 == |
||
アイナメ科の仲間は左右に平たく側扁した、やや細長い体型をもつ<ref name=FishBase/>。多くの種類は体長45cm未満だが、最大種の[[ |
アイナメ科の仲間は左右に平たく側扁した、やや細長い体型をもつ<ref name=FishBase/>。多くの種類は体長45cm未満だが、最大種の[[キバアイナメ]](''Ophiodon elongatus'')は全長1.5mに達することもある<ref name=Nelson2006/>。他の[[カサゴ目]]魚類に見られるような頭部のトゲや突起はもたず、両側の眼の直上に肉質の皮弁が1-2対存在する<ref name=FishBase/>。[[側線]]は1本または5本で、[[鰾|浮き袋]]を欠く<ref name=Nelson2006/>。よく発達した前[[鼻孔]]を両側に1対備える一方で、後鼻孔は退化的である<ref name=Nelson2006/>。[[鱗]]はリングコッドのみ円鱗で、他の[[種 (分類学)|種]]ではすべて櫛鱗<ref name=FishBase/>。 |
||
[[背鰭]]は1つで、16-28本の棘条と11-30本の軟条で構成される<ref name=Nelson2006/>。腹鰭は1棘5軟条、臀鰭は0-4棘12-28軟条で、臀鰭の棘条は退化的であることが多い<ref name=FishBase/>。顎と[[鋤骨]]に小さな歯を備え、[[口蓋骨]]の歯の有無はさまざま<ref name=FishBase/>。鰓条骨は6-7本、[[椎骨]]は36-63個<ref name=Nelson2006/>。 |
[[背鰭]]は1つで、16-28本の棘条と11-30本の軟条で構成される<ref name=Nelson2006/>。腹鰭は1棘5軟条、臀鰭は0-4棘12-28軟条で、臀鰭の棘条は退化的であることが多い<ref name=FishBase/>。顎と[[鋤骨]]に小さな歯を備え、[[口蓋骨]]の歯の有無はさまざま<ref name=FishBase/>。鰓条骨は6-7本、[[椎骨]]は36-63個<ref name=Nelson2006/>。 |
||
59行目: | 59行目: | ||
=== Ophiodontinae 亜科 === |
=== Ophiodontinae 亜科 === |
||
'''Ophiodontinae 亜科'''は1属1種で、[[ |
'''Ophiodontinae 亜科'''は1属1種で、[[キバアイナメ]]のみが記載される。アラスカからメキシコ北部にかけての東部太平洋に分布する<ref name=Nelson2006/>。頭部の鱗を欠き、側線は1本<ref name=Nelson2006/>。牙のように鋭い歯を備えた大きな口をもち、他の魚類や[[甲殻類]]、[[イカ|イカ類]]を貪欲に捕食する<ref name=Nelson2006/>。 |
||
背鰭に深い切れ込みをもち、24-28本の棘条部と20-24本の軟条部を分かつ<ref name=Nelson2006/>。臀鰭は3本の未分枝鰭条と21-25軟条で構成され、尾鰭後縁は截形あるいは陥凹型<ref name=Nelson2006/>。椎骨は57-59個<ref name=Nelson2006/>。 |
背鰭に深い切れ込みをもち、24-28本の棘条部と20-24本の軟条部を分かつ<ref name=Nelson2006/>。臀鰭は3本の未分枝鰭条と21-25軟条で構成され、尾鰭後縁は截形あるいは陥凹型<ref name=Nelson2006/>。椎骨は57-59個<ref name=Nelson2006/>。 |
||
* |
* {{snamei||Ophiodon}} 属 |
||
** [[ |
** [[キバアイナメ]] ''Ophiodon elongatus'' |
||
=== Oxylebiinae 亜科 === |
=== Oxylebiinae 亜科 === |
2024年12月28日 (土) 23:48時点における最新版
アイナメ科 | ||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リングコッド Ophiodon elongatus
| ||||||||||||||||||||||||
分類 | ||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||
学名 | ||||||||||||||||||||||||
Hexagrammidae Gill, 1863 | ||||||||||||||||||||||||
英名 | ||||||||||||||||||||||||
Greenlings Atka mackerel | ||||||||||||||||||||||||
下位分類 | ||||||||||||||||||||||||
本文参照
|
アイナメ科(学名:Hexagrammidae)は、カサゴ目に所属する魚類の分類群の一つ。アイナメ亜目を構成する唯一の科で、アイナメ・ホッケなど沿岸魚を中心に5亜科5属12種が記載される[1]。
分布・生態
[編集]アイナメ科の魚類はすべて海水魚で、北太平洋に固有の分布を示す[2]。温帯から寒帯域まで広範囲に分布し、北極海に生息する種類も知られている[1]。生息水深は潮間帯から600mを超える深海にまで及ぶが、通常は沿岸から200m以浅の大陸棚にかけての範囲であることが多い[2]。日本の近海からは、アイナメ属およびホッケ属の少なくとも7種が報告されている[3]。ほとんどの種類が漁獲対象となり、食用魚として広く利用されている[3]。
アイナメ類はその多くが岩礁や砂礫底の海底で生活する底生魚で、ホッケ属(ホッケ・キタノホッケ)のみ、中層での遊泳生活を送ることが知られている[1]。食性は肉食性で、甲殻類・端脚類・多毛類や他の魚類・魚卵など、捕食対象となる餌生物は多様である[2]。一部の種類は成長段階や性差によって著しい色彩変異を示し、生息地の違いや産卵周期に応じた変化も顕著である[2][3]。
本科魚類の雌は粘着性の高い沈性卵を産み、雄は卵塊を孵化まで保護する習性がある[3]。仔魚は表層での浮遊生活を経た後に海底に移行し、ごく限られた範囲での定住生活を送ることが多い[3]。
形態
[編集]アイナメ科の仲間は左右に平たく側扁した、やや細長い体型をもつ[2]。多くの種類は体長45cm未満だが、最大種のキバアイナメ(Ophiodon elongatus)は全長1.5mに達することもある[1]。他のカサゴ目魚類に見られるような頭部のトゲや突起はもたず、両側の眼の直上に肉質の皮弁が1-2対存在する[2]。側線は1本または5本で、浮き袋を欠く[1]。よく発達した前鼻孔を両側に1対備える一方で、後鼻孔は退化的である[1]。鱗はリングコッドのみ円鱗で、他の種ではすべて櫛鱗[2]。
背鰭は1つで、16-28本の棘条と11-30本の軟条で構成される[1]。腹鰭は1棘5軟条、臀鰭は0-4棘12-28軟条で、臀鰭の棘条は退化的であることが多い[2]。顎と鋤骨に小さな歯を備え、口蓋骨の歯の有無はさまざま[2]。鰓条骨は6-7本、椎骨は36-63個[1]。
分類
[編集]アイナメ科にはNelson(2006)の体系において5亜科5属12種が認められている[1]。Zaniolepis 属を独立の科として扱う見解もある[2]。
アイナメ亜科
[編集]アイナメ亜科 Hexagramminae は1属6種を含み、南日本からメキシコ北部にかけての太平洋岸に分布する[1]。頭部は鱗に覆われ、側線は1本あるいは5本[1]。
背鰭のほぼ中央、棘条部と軟条部の境界に切れ込みをもつ[1]。臀鰭の棘条を欠き、尾鰭後縁の形状は円形からやや陥凹形までさまざま[1]。頭蓋骨に明瞭な突起をもたず、椎骨は47-57個[1]。
ホッケ亜科
[編集]ホッケ亜科 Pleurogramminae は1属2種からなり、北日本からアラスカにかけての北太平洋に分布する[1]。遊泳性が強く、特に未成魚はしばしば大規模な回遊を行う[1][3]。頭部の鱗は部分的で、側線は5本[1]。
背鰭に切れ込みをもたず、鰭条は21-24棘24-30軟条[1]。臀鰭は棘条を欠き23-32軟条で、尾鰭は二股に分かれる[1]。頭蓋骨によく発達した突起をもち、椎骨は59-62個[1]。
Ophiodontinae 亜科
[編集]Ophiodontinae 亜科は1属1種で、キバアイナメのみが記載される。アラスカからメキシコ北部にかけての東部太平洋に分布する[1]。頭部の鱗を欠き、側線は1本[1]。牙のように鋭い歯を備えた大きな口をもち、他の魚類や甲殻類、イカ類を貪欲に捕食する[1]。
背鰭に深い切れ込みをもち、24-28本の棘条部と20-24本の軟条部を分かつ[1]。臀鰭は3本の未分枝鰭条と21-25軟条で構成され、尾鰭後縁は截形あるいは陥凹型[1]。椎骨は57-59個[1]。
Oxylebiinae 亜科
[編集]Oxylebiinae 亜科は1属1種で、ブリティッシュコロンビア州(カナダ)からカリフォルニア州にかけての沿岸に生息する[1]。頭部は鱗に覆われ、側線は1本[1]。
背鰭の切れ込みは浅く、尾鰭後縁は円みを帯びる[1]。臀鰭は3本の発達した棘条をもち、第2棘は特に長い[1]。
- Oxylebius 属
- Oxylebius pictus
Zaniolepidinae 亜科
[編集]Zaniolepidinae 亜科には1属2種が記載され、Oxylebiinae 亜科と同様の分布域をもつ[1]。側線は1本。
背鰭の切れ込みは深く後方に位置し、棘条のうち前方の3本(特に第2棘)は著しく伸長する[1]。腹鰭の鰭条は、前方の2本が厚みを増す[1]。
- Zaniolepis 属
- Zaniolepis frenata
- Zaniolepis latipinnis
出典・脚注
[編集]参考文献
[編集]- Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2