コンテンツにスキップ

「シュールの不等式」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
WikitanvirBot (会話 | 投稿記録)
m r2.7.1) (ロボットによる 追加: ko:슈어의 부등식
編集の要約なし
 
(2人の利用者による、間の2版が非表示)
1行目: 1行目:
'''シュールの不等式'''(シュールのふとうしき)は、[[イサイ・シュール]]にちなんで名付けられた、非負[[実数]] ''x'', ''y'', ''z'' と正数 ''t'' に対して成り立つ、次の[[不等式|絶対不等式]]である。
'''シュールの不等式'''(シュールのふとうしき)は、[[イサイ・シュール]]にんで名付けられた、非負[[実数]] ''x'', ''y'', ''z'' と正数 ''t'' に対して成り立つ、次の[[不等式|絶対不等式]]である。
:<math>x^t (x-y)(x-z) + y^t (y-z)(y-x) + z^t (z-x)(z-y) \ge 0</math>
:<math>x^t (x-y)(x-z) + y^t (y-z)(y-x) + z^t (z-x)(z-y) \ge 0</math>
等号成立は ''x'' = ''y'' = ''z'' のとき、または ''x'', ''y'', ''z'' のいずれかが 0 で残り2つが等しいときのみ。また、''t'' が正の[[偶数]]の場合はすべての実数 ''x'', ''y'', ''z'' について不等式が成り立つ。
等号成立は ''x'' = ''y'' = ''z'' のとき、または ''x'', ''y'', ''z'' のいずれかが 0 で残り2つが等しいときのみ。また、''t'' が正の[[偶数]]の場合はすべての実数 ''x'', ''y'', ''z'' について不等式が成り立つ。
8行目: 8行目:
と変形できるが、左辺の各項は明らかに非負である。
と変形できるが、左辺の各項は明らかに非負である。


この証明により、シュールの不等式は次のように一般化できる。''a'', ''b'', ''c'' を非負実数として、''x'' &ge; ''y'' &ge; ''z'' かつ ''a'' &ge; ''b'' &ge; ''c'' であるとき、
この証明により、シュールの不等式は次のように一般化できる。''a'', ''b'', ''c'' を非負実数として、''x'' ''y'' ''z'' かつ ''a'' ''b'' ''c'' であるとき、
:<math>a (x-y)(x-z) + b (y-z)(y-x) + c (z-x)(z-y) \ge 0</math>
:<math>a(x-y)(x-z)+b(y-z)(y-x)+c(z-x)(z-y) \ge 0</math>
が成り立つ。
が成り立つ。

== 外部リンク ==
* {{高校数学の美しい物語|599|Schurの不等式の証明と例題}}


{{DEFAULTSORT:しゆうるのふとうしき}}
{{DEFAULTSORT:しゆうるのふとうしき}}
[[Category:不等式|しゆうる]]
[[Category:不等式|しゆうる]]
[[Category:数学に関する記事]]
[[Category:数学に関する記事]]

[[en:Schur's inequality]]
[[fr:Inégalité de Schur]]
[[it:Disuguaglianza di Schur]]
[[km:វិសមភាពស្យ៉ឺរ]]
[[ko:슈어의 부등식]]
[[vi:Bất đẳng thức Schur]]
[[zh:舒尔不等式]]

2023年4月28日 (金) 14:01時点における最新版

シュールの不等式(シュールのふとうしき)は、イサイ・シュールに因んで名付けられた、非負実数 x, y, z と正数 t に対して成り立つ、次の絶対不等式である。

等号成立は x = y = z のとき、または x, y, z のいずれかが 0 で残り2つが等しいときのみ。また、t が正の偶数の場合はすべての実数 x, y, z について不等式が成り立つ。

証明

[編集]

不等式は x, y, z について対称なので、xyz としても一般性を失わない。すると、示すべき不等式は

と変形できるが、左辺の各項は明らかに非負である。

この証明により、シュールの不等式は次のように一般化できる。a, b, c を非負実数として、xyz かつ abc であるとき、

が成り立つ。

外部リンク

[編集]