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{{レーシングカー |
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|マシン名 = ブラウン BGP001 |
|マシン名 = ブラウン BGP001 |
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|画像 = Barrichello Barcelona testing.jpg |
|画像 = Barrichello Barcelona testing.jpg |
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|画像説明 = バルセロナテストでのBGP001 |
|画像説明 = バルセロナテストでのBGP001 |
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|カテゴリー = [[フォーミュラ1|F1]] |
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|コンストラクター=[[ブラウンGP]] |
|コンストラクター=[[ブラウンGP]] |
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|チーム =ブラウンGP |
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|デザイナー =[[ロイック・ビゴワ]] |
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|ドライバー =[[ジェンソン・バトン]]<br />[[ルーベンス・バリチェロ]] |
|ドライバー =[[ジェンソン・バトン]]<br />[[ルーベンス・バリチェロ]] |
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|年 = [[2009年のF1世界選手権|2009年]] |
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|出走回数 = 17 |
|出走回数 = 17 |
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|備考= |
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'''ブラウンBGP001'''は、[[ブラウンGP]]が[[2009年のF1世界選手権]]参戦用に開発した[[フォーミュラカー]]で、[[ロス・ブラウン]]と[[ヨルグ・ザンダー]](テクニカルディレクター)、[[ロイック・ビゴワ]](チーフエアロダイナミシスト)が設計した。[[2009年]]の開幕戦から実戦投入された。 |
'''ブラウン・BGP001'''は、[[ブラウンGP]]が[[2009年のF1世界選手権]]参戦用に開発した[[フォーミュラ1カー]]で、[[ロス・ブラウン]]と[[ヨルグ・ザンダー]](テクニカルディレクター)、[[ロイック・ビゴワ]](チーフエアロダイナミシスト)が設計した。[[2009年]]の開幕戦から実戦投入された。 |
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== BGP001 == |
== BGP001 == |
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=== エンジン === |
=== エンジン === |
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当初、[[ホンダF1]]の2009年版のマシン「 |
当初、[[ホンダF1]]の2009年版のマシン「[[ホンダ・RA109K|RA109K]]」として実戦に投入する予定だった。しかし、[[2008年のF1世界選手権|2008年シーズン]]終了後のホンダの撤退を受け、違うメーカーのエンジンを搭載できるように改造が施された。[[スクーデリア・フェラーリ|フェラーリ]]と[[メルセデス・ベンツ]]に接触し、エンジン供給の打診を行ったが、シャーシ改造が小規模で済むことや、メルセデス側がエンジン供給に積極的だったため、メルセデスエンジンの供給を受けることとなった<ref name="BGP001-1">{{cite news|url=http://www.autosport.com/news/report.php/id/73700|title=Technical analysis: Brawn GP BGP 001|publisher=autosport.com|date=2009-03-13|accessdate=2009-05-19}}</ref>。 |
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想定外のエンジン変更にもかかわらず、メルセデスエンジンのパワーやドライバビリティに対する評価は高く、チームのエンジニアが「ホンダエンジンに比べて70馬力は上」と語ったとされている<ref name="Gate0322">{{Cite news | url = http://f1-gate.com/brawngp/f1_3089.html| title = ブラウンGPはなぜ速い?!| publisher = F1-Gate.com| date = 2009-03-22| accessdate = 2011-09-17}}</ref>。 |
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2009年から搭載することが可能であり、ホンダも開発していた[[運動エネルギー回収システム|KERS]]は、限られた予算や時間のこともあり、搭載の予定はなかった<ref name="BGP001-1" />。エンジンサプライヤーであるメルセデス・ベンツからKERSの提供を受けることが可能になったが<ref name="BGP001-KERS">{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3607.html|title=ブラウンGP、KERSの利用が可能に|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>、KERSの重量によるマシンバランスなどの諸問題があり、結局は搭載を見送った<ref name="BGP001-KERS" />。 |
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=== エアロダイナミクス === |
=== エアロダイナミクス === |
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[[ファイル: |
[[ファイル:Istanbul park Brawn BGP 001 in garage.JPG|thumb|right|220px|ピットで準備作業中のBGP001]] |
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[[ファイル:Brawn BGP 001 rear.jpg|220px|thumb|right|ダブルディフューザー]] |
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エアロダイナミクスは2009年のレギュレーション変更に対応しており、外観はシンプルにまとめられている。ノーズ先端部は比較的低い位置まで垂れ下がっている。 |
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フロントウイングは通常フラップ部分が稼動するものが多いのだが、BGP001はフラップの内側にある三角形部分が可動するようになっている。しかし、[[2009年トルコグランプリ|第7戦トルコGP]]で、可動部分がフラップ1枚分にまで拡大された仕様が投入された<ref>{{cite news|url=http://www.formula1.com/news/technical/2009/809/665.html|title=Brawn BGP001 - new front wing |publisher=Formula1.com|date=2009-06-06|accessdate=2009-07-05}}</ref>。これにより、ドライバー操作に対して明確なダウンフォースの増減が現れるようになっている<ref>{{cite news|url=http://www.f1technical.net/development/250|title=New front wing for BGP001 |publisher=f1technical.net|date=2009-06-07|accessdate=2009-07-05}}</ref>。 |
フロントウイングは通常フラップ部分が稼動するものが多いのだが、BGP001はフラップの内側にある三角形部分が可動するようになっている。しかし、[[2009年トルコグランプリ|第7戦トルコGP]]で、可動部分がフラップ1枚分にまで拡大された仕様が投入された<ref>{{cite news|url=http://www.formula1.com/news/technical/2009/809/665.html|title=Brawn BGP001 - new front wing |publisher=Formula1.com|date=2009-06-06|accessdate=2009-07-05}}</ref>。これにより、ドライバー操作に対して明確なダウンフォースの増減が現れるようになっている<ref>{{cite news|url=http://www.f1technical.net/development/250|title=New front wing for BGP001 |publisher=f1technical.net|date=2009-06-07|accessdate=2009-07-05}}</ref>。 |
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インダクションポッドは他チームよりも大型なものが採用された。サイドには整流フィンが装着されている。 |
インダクションポッドは他チームよりも大型なものが採用された。サイドには整流フィンが装着されている。 |
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リヤディフューザーは'''[[ディフューザー (自動車)#マルチディフューザー|ダブルディフューザー]]'''と呼ばれる2段式のものを搭載している。これがテクニカルレギュレーションに適合していないのではないかと他チームから抗議を受けたが、FIAによって[[4月15日]]に合法であるとの判定を受けた<ref>{{cite news|url=http://www2.brawngp.com/pdf/ica.pdf|title=STATEMENT FROM THE BRAWN GP TEAM|publisher=BrawnGP.com |date=2009-04-15|accessdate=2009-04-24}}</ref>。この開発は前年撤退した[[スーパーアグリF1チーム|スーパーアグリ]]の空力設計者ら<ref>{{cite news|url=http://www.ocn.ne.jp/sports/motorsports/motor090331_1_1.html|title=“不死鳥”ブラウン1-2、勢力図を変革(1/3)|publisher=OCNスポーツ モータースポーツコラム |date=2009-03-29|accessdate=2011-09-01}}</ref>や、撤退前のホンダの日本人エンジニアが考案したものといわれ、ロス・ブラウン自身も当時を振り返りながら認めている<ref>{{Cite news | url = http://www.yallaf1.com/2011/09/13/brawn-says-2012-title-unrealistic-for-merc/| title = Brawn says 2012 title unrealistic for Merc| publisher = Yalla F1| date = 2011-09-13| accessdate = 2011-09-17}}</ref>。 |
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[[ファイル:Brawn BGP 001 rear.jpg|200px|thumb|right|ダブルデッカーディフューザー]] |
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リヤディフューザーは通称'''ダブルデッカーディフューザー'''と呼ばれるものを搭載している。これがテクニカルレギュレーションに適合していないのではないかと他チームから抗議を受けたが、FIAによって[[4月15日]]に合法であるとの判定を受けた<ref>{{cite news|url=http://www2.brawngp.com/pdf/ica.pdf|title=STATEMENT FROM THE BRAWN GP TEAM|publisher=BrawnGP.com |date=2009-04-15|accessdate=2009-04-24}}</ref>。 |
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2009年から搭載することが可能であり、前身のホンダF1も開発していた[[運動エネルギー回収システム|KERS]]は、限られた予算や時間のこともあり、搭載の予定はない<ref name="BGP001-1" />。エンジンサプライヤーのメルセデス・ベンツからKERSの提供を受けることが可能になった<ref name="BGP001-KERS">{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3607.html|title=ブラウンGP、KERSの利用が可能に|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>。しかし、KERSの重量によるマシンバランスの問題があり、搭載するかどうかは未定との見解を示している<ref name="BGP001-KERS" />。 |
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=== マシンカラーリング === |
=== マシンカラーリング === |
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カラーリングは、白を基調としたもので、ノーズにチームのカラーである黒と蛍光イエローのラインがある。スポンサーロゴは非常に少なかった。開幕戦では[[ヴァージン・グループ]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3121.html|title=ヴァージン・グループ、ブラウンGPのスポンサーに|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>と[[ヘンリ・ロイド]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3120.html|title=ブラウンGP、ヘンリ・ロイドとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>のロゴしかなかったが、グランプリを経るごとに若干増えた。[[2009年中国グランプリ|第3戦中国GP]]では、[[サングラス]]メーカーの[[レイバン]]とのパートナー契約と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3360.html|title=ブラウンGP、レイバンとパートナー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-20|accessdate=2009-05-23}}</ref>[[スイス]]の外国為替ブローカーのMIGインベストメンツとの3年契約を発表<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3308.html|title=ブラウンGP、MIGインベツトメンツとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>。[[2009年スペイングランプリ|第5戦スペインGP]]前に、[[ブレーキ]]フルードを提供する[[エンドレスアドバンス|エンドレス]]と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3518.html|title=ブラウンGP、エンドレスアドバンスとの契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-07|accessdate=2009-05-23}}</ref>、[[シートベルト]](シートハーネス)を提供する[[ウィランズ]]と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3520.html|title=ブラウンGP、ウィランズとのスポンサー契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-07|accessdate=2009-05-23}}</ref>の提携を発表した。また、スポットスポンサーとして、リヤウイング翼端板に[[ターミネーター4]](TERMINATOR SALVATION) のロゴが掲げられた。[[2009年シンガポールグランプリ|第14戦シンガポールGP]]では、[[カメラ]]メーカーとして有名な[[キヤノン]](正確には、キヤノン・シンガポール)のスポットスポンサーを得た<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_4881.html|title=ブラウンGP、キヤノンとのパートナー契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-09-17|accessdate=2009-09-25}}</ref><ref>{{cite news|url=http://f1.gpupdate.net/ja/photolarge.php?photoID=137922&catID=1102-3715|title=最新画像 シンガポール・マリーナベイ(木曜日)|publisher=Gp Update|date=2009-09-24|accessdate=2009-09-25}}</ref>。 |
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[[ファイル:Brawn.GP.3.Spain.09.jpg|250px|thumb|left|[[2009年スペイングランプリ|第5戦スペインGP]]でのBGP001]] |
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カラーリングは、白を基調としたもので、ノーズにチームのカラーである黒と蛍光イエローのラインがある。スポンサーロゴは少ない。開幕戦では[[ヴァージン・グループ]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3121.html|title=ヴァージン・グループ、ブラウンGPのスポンサーに|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>と[[ヘンリ・ロイド]]<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3120.html|title=ブラウンGP、ヘンリ・ロイドとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-03-26|accessdate=2009-05-23}}</ref>のロゴしかなかったが、グランプリを経るごとに増えている。[[2009年中国グランプリ|第3戦中国GP]]では、[[サングラス]]メーカーの[[レイバン]]とのパートナー契約と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3360.html|title=ブラウンGP、レイバンとパートナー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-20|accessdate=2009-05-23}}</ref>[[スイス]]の外国為替ブローカーのMIGインベストメンツとの3年契約を発表<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3308.html|title=ブラウンGP、MIGインベツトメンツとスポンサー契約|publisher=F1-Gate.com|date=2009-04-17|accessdate=2009-05-23}}</ref>。[[2009年スペイングランプリ|第5戦スペインGP]]前に、[[ブレーキ]]フルードを提供する[[エンドレス・アドバンス]]と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3518.html|title=ブラウンGP、エンドレスアドバンスとの契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-07|accessdate=2009-05-23}}</ref>、[[シートベルト]](シートハーネス)を提供する[[ウィランズ]]と<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3520.html|title=ブラウンGP、ウィランズとのスポンサー契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-07|accessdate=2009-05-23}}</ref>の提携を発表した。また、スポットスポンサーとして、リヤウイング翼端板に[[ターミネーター4]](TERMINATOR SALVATION) のロゴが掲げられた。[[2009年シンガポールグランプリ|第14戦シンガポールGP]]では、[[カメラ]]メーカーとして有名な[[キヤノン]](正確には、キヤノン・シンガポール)のスポットスポンサーを得た<ref>{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_4881.html|title=ブラウンGP、キヤノンとのパートナー契約を発表|publisher=F1-Gate.com|date=2009-09-17|accessdate=2009-09-25}}</ref>。サイドポンツーンに大きくキヤノンのロゴが掲載されている<ref>{{cite news|url=http://f1.gpupdate.net/ja/photolarge.php?photoID=137922&catID=1102-3715|title=最新画像 シンガポール・マリーナベイ(木曜日)|publisher=Gp Update|date=2009-09-24|accessdate=2009-09-25}}</ref>。 |
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レイバンとエンドレ |
なお、レイバンとエンドレスは、前身のホンダ時代からの関係である。 |
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タイトルスポンサーは終始不在であった。[[CEO]]の[[ニック・フライ]]は、タイトルスポンサーの獲得は急がないとの考えを示しており<ref name="BGP001-2">{{cite news|url=http://f1-gate.com/brawngp/f1_3597.html|title=ブラウンGP 「タイトルスポンサーの決定は急がない」|publisher=F1-Gate.com|date=2009-05-15|accessdate=2009-05-23}}</ref>。いくつかの大企業からスポンサーの申し出があることも明らかにしていたが<ref name="BGP001-2" />、チームの財政が厳しい状況に置かれている事もマシンカラーリングから判断できた。 |
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{{multiple image |
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| image1 = Barrichello Barcelona Brawn BGP 001.jpg |
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[[3月6日]]に、レースドライバーである[[ジェンソン・バトン]]が、[[シルバーストーン]]でBGP001のシェイクダウンを行った<ref>{{cite news|url=http://f1.gpupdate.net/ja/news/2009/03/06/207892/|title=バトン 新チームで新たな一歩を踏み出す|publisher=gpupdate.net |date=2009-03-06|accessdate=2009-03-09}}</ref>。 |
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| width1 = 225 |
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| image2 = Brawn BGP 001 Barcelona 4.jpg |
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| width2 = 220 |
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| image3 = Brawn BGP 001 Goodwood FOS 2009.jpg |
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| width3 = 176 |
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| image4 = Brawn.GP.3.Spain.09.jpg |
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| width4 = 230 |
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| image5 = Jenson Button 2009 Singapore.jpg |
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| width5 = 220 |
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| footer = <div style="text-align:left">(左:1) 開幕戦前のBGP001。まだスポンサーロゴが1つもなく、リアウイング翼端板にタイヤサプライヤである[[ブリヂストン]]のロゴが見えるのみ。<br/>(左:2) 開幕戦前のBGP001のノーズ部分。同じくブリヂストンのロゴだけ見える。<br />(真ん中) ブラウンGP・BGP001の基本カラーリング。白を基調に蛍光イエローと黒のラインが入っている。<br />(右:1) [[2009年スペイングランプリ|第5戦スペインGP]]でのBGP001。[[ヴァージン・グループ|ヴァージン]](ノーズ側面)、[[ヘンリ・ロイド]](カウルに小さいロゴ)、[[:en:MIG Bank|MIG]](フロントウイング翼端板)、そしてリヤウイング翼端板に[[ターミネーター4]](TERMINATOR SALVATION) のロゴが見える。<br />(右:2) [[2009年シンガポールグランプリ|シンガポールGP]]でのBGP001。ヴァージンのロゴが特別仕様となり、サイドポンツーンに[[キヤノン]]のロゴが見られる。</div> |
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== 2009年シーズン == |
== 2009年シーズン == |
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[[ファイル:Rubens Barrichello and Jenson Button 2009 Japan.jpg|thumb|right|260px|[[2009年日本グランプリ (4輪)|日本GP]]にて走行中のバリチェロ(前)とバトン(後)]] |
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開幕戦からブラウンGPの2台は他チームよりも一歩先んじたスピードを披露し、開幕以来6勝をあげている。そのうち、ワン・ツーフィニッシュは3回である。この結果、コンストラクターズランキングは1位、ドライバーズランキングでは1位(バトン)と3位(バリチェロ)を占めている。 |
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ホンダからのチーム譲渡が遅れたため、マシンの登場は開幕戦3週間前にまでずれこみ、[[3月6日]]に[[シルバーストン・サーキット|シルバーストン]]で[[ジェンソン・バトン]]がシェイクダウンを行った<ref>{{cite news|url=http://f1.gpupdate.net/ja/news/2009/03/06/207892/|title=バトン 新チームで新たな一歩を踏み出す|publisher=gpupdate.net |date=2009-03-06|accessdate=2009-03-09}}</ref>。このシェイクダウンでマシンの名称が「'''BGP001'''」である事が明らかにされた<ref>{{Cite news | url = http://f1-gate.com/brawngp/f1_2977.html| title = ブラウンGPのF1マシン名は「BGP001」| publisher = F1-Gate.com | date = 2009-03-06| accessdate = 2011-09-17}}</ref>。3月にシェイクダウンを行ったのは全10チーム中、[[フォースインディア]] [[フォース・インディア VJM02|VJM02]](3月1日)と、[[スクーデリア・トロ・ロッソ|トロ・ロッソ]] [[トロ・ロッソ STR4|STR4]](3月9日)で、全チーム中2番目に遅いシェイクダウンとなった。しかし、3月9日から12日に行われた[[カタロニア・サーキット|バルセロナ]]合同テストや、3月15日から17日に行われた[[ヘレス・サーキット|ヘレス]]合同テストではいきなりトップタイムを記録した。「スポンサー獲得のために燃料を軽くしてタイムを出している」という疑いを持った見方もあったが<ref>"[http://f1-gate.com/brawngp/f1_3015.html ブラウンGPのテストペースは本物]". F1-Gate.com.(2009年3月11日)2017年4月7日閲覧。</ref>、燃料を積んだレースシミュレーションでも圧倒的なペースを披露し、他チーム関係者を震撼させた。 |
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3月27日、開幕戦となる[[2009年オーストラリアグランプリ|オーストラリアGP]]でも他チームよりも一歩先んじたスピードを披露し、デビュー戦ワンツーフィニッシュを果たした。その後も第7戦[[2009年トルコグランプリ|トルコGP]]までにバトンが7戦中6勝を記録した(うちワンツーフィニッシュ3回)。 |
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後半戦は快進撃のペースが鈍り、バトンは1勝もできなかったが、[[ルーベンス・バリチェロ]]が第11戦[[2009年ヨーロッパグランプリ|ヨーロッパGP]]、第13戦[[2009年イタリアグランプリ|イタリアGP]]を制した。第16戦[[2009年ブラジルグランプリ|ブラジルGP]]で[[F1コンストラクターズチャンピオンの一覧|コンストラクターズチャンピオン]]・[[F1ドライバーズチャンピオンの一覧|ドライバーズチャンピオン]]共にダブルタイトルを獲得した。ドライバーズランキングはバトンが1位、バリチェロが3位であった。 |
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前年度の[[ホンダ・RA108]]が失敗作であることが明らかだったため、チームは2008年の早い時期から開発リソースをRA109に注入していた<ref name="Gate0322"/>。開幕戦からダブルディフューザーを投入した3チーム(ブラウンGP、ウィリアムズ、トヨタ)の中でも、ホンダ(ブラウンGP)はダブルディフューザーの設計を突き詰めており、レギュレーション改正によって失われた[[ダウンフォース]]を取り戻すことができた。また、KERS非搭載を選んだという点でも、KERSを搭載した強豪チームのマシン熟成が遅れたという面でアドバンテージがあった<ref name="Gate0322"/>。故障によるリタイアが1度(トルコGPのバリチェロ)のみという、高い信頼性も武器になった。 |
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その他にも、タイヤサプライヤーの[[ブリヂストン]]側からは、2009年から復活した[[スリックタイヤ]]にBGP001のマシン特性がマッチしたと指摘されている<ref>"[http://www.f1world.jp/events/crosstalk_report8_2.html 第8回『今宮純クロストーク・ミーティング』開催レポート]". F1 World.(2009年)2013年1月13日閲覧。</ref><ref>"[http://ms.bridgestone.co.jp/hp/bsms_contents?coid=1688 '09 F1 シーズンを振り返って-川原田氏×浜島スペシャル対談]". ブリヂストン.(2009年12月25日)2013年1月13日閲覧。</ref>。ブリヂストンはチーム側の要請により、前年までの[[グルーブドタイヤ]]と同サイズのスリックタイヤを製造したが、接地面積が増えたフロント側のグリップが強くなり、[[オーバーステア]]によってリアタイヤが傷みやすくなった。しかし、ホンダのマシンには以前から[[アンダーステア]](曲がりにくい)傾向があり、結果的に前後バランスが上手く取れたという。レースではタイヤに優しいため、1スティントの走行距離を引っ張る作戦を採ることができた。しかし、路面温度が低いレースではその長所が災いし、タイヤを作動温度域まで発熱させることに苦労した<ref>"[https://www.as-web.jp/past/%e3%83%90%e3%83%88%e3%83%b3%e3%80%8c%e3%82%82%e3%81%97%e3%83%8f%e3%83%b3%e3%82%ac%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%81%a7%e3%82%82%e9%81%85%e3%81%8b%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%82%89%e5%a4%a7%e5%a4%89%e3%80%8d バトン「もしハンガリーでも遅かったら大変」]". オートスポーツ.(2009年7月16日)2013年1月13日閲覧。</ref>。 |
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== スペック == |
== スペック == |
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* 全高 950mm |
* 全高 950mm |
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* ブレーキディスク・パッド カーボンファイバー[[ディスクブレーキ]] |
* ブレーキディスク・パッド カーボンファイバー[[ディスクブレーキ]] |
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* [[サスペンション]] 前後プッシュロッドアクティブ[[トーションバー・スプリング]]/[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン]] |
* [[サスペンション]] 前後プッシュロッドアクティブ[[トーションバー・スプリング]]/[[ダブルウィッシュボーン式サスペンション|ダブルウィッシュボーン]] |
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* [[ショックアブソーバー|ダンパー]] [[ザックス]] |
* [[ショックアブソーバー|ダンパー]] [[ザックス]] |
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* [[ホイール]] [[BBS (自動車部品メーカー)|BBS]][[マグネシウム]]製 |
* [[ホイール]] [[BBS (自動車部品メーカー)|BBS]][[マグネシウム]]製 |
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* [[タイヤ]] [[ブリヂストン]][[ポテンザ]] |
* [[タイヤ]] [[ブリヂストン]][[POTENZA|ポテンザ]] |
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* [[ギアボックス]] 7速+リバース1速[[セミオートマチックトランスミッション|セミオートマチック]]/カーボンファイバー製ケーシング |
* [[ギアボックス]] 7速+リバース1速[[セミオートマチックトランスミッション|セミオートマチック]]/カーボンファイバー製ケーシング |
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* エレクトロニクス [[マクラーレン・エレクトロニク |
* エレクトロニクス [[マクラーレン・エレクトロニック・システムズ|MES]]-[[マイクロソフト]] スタンダード[[エンジンコントロールユニット|ECU]] |
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* [[ステアリング]] [[ラック・アンド・ピニオン]] |
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* [[ステアリングホイール]] カーボンファイバー製 |
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* 重量 [[冷却水]]、[[潤滑油]]、ドライバーを含めて605kg |
* 重量 [[冷却水]]、[[潤滑油]]、ドライバーを含めて605kg |
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* 重量 95kg |
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* [[点火プラグ|スパークプラグ]] [[日本特殊陶業|NGK]] |
* [[点火プラグ|スパークプラグ]] [[日本特殊陶業|NGK]] |
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* [[燃料]] [[モービル]]ハイパフォーマンス無鉛[[ガソリン]](5.75%[[バイオ燃料]]) |
* [[燃料]] [[モービル]]ハイパフォーマンス無鉛[[ガソリン]](5.75%[[バイオ燃料]]) |
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* 潤滑油 モービル1 |
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* '''太字'''は[[ポールポジション]]、''斜字''は[[ファステストラップ]]。([[:Template:F1 driver results legend 2|key]]) |
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* 第2戦マレーシアGPは雨天で赤旗中断となり規定周回数の75%を満たさなかったため獲得ポイントは半分となる。 |
* 第2戦マレーシアGPは雨天で赤旗中断となり規定周回数の75%を満たさなかったため獲得ポイントは半分となる。 |
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== 幻のRA109 == |
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BGP001とは別に、[[本田技術研究所]]ではF1撤退発表後も栃木研究所において独自にシャシー開発を続行していたことが、後に明らかになっている<ref>『F1のテクノロジー 5』([[三栄書房]]、[[2012年]]) ISBN 978-4779616471</ref>。 |
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後に公開された風洞モデルでは、ノーズ形状がBGP001の幅広ノーズではなく非常に細長い形状になっている他、エンジン排気口がBGP001よりもかなり前に位置している<ref>[http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51951764.html ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の空力学的開発] - F1通信・2014年7月31日</ref>。またギアボックスについて「USD(Ultra Short Differential)」と呼ばれる超小型ディファレンシャルを開発していた他、当然ながらKERS搭載も計画されており、バッテリーはノーズ下に収容される予定だった<ref>[http://blog.livedoor.jp/markzu/archives/51951803.html ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の機械的開発] - F1通信・2014年8月1日</ref>。 |
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== 脚注 == |
== 脚注 == |
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{{Reflist}} |
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== 関連項目 == |
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* [[ホンダF1]] |
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* [[ホンダ・RA109K]] - 原型車両 |
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[[ru:Brawn BGP 001]] |
2024年12月11日 (水) 23:51時点における最新版
バルセロナテストでのBGP001 | |||||||||||
カテゴリー | F1 | ||||||||||
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コンストラクター | ブラウンGP | ||||||||||
デザイナー | ロイック・ビゴワ | ||||||||||
主要諸元 | |||||||||||
主要成績 | |||||||||||
チーム | ブラウンGP | ||||||||||
ドライバー |
ジェンソン・バトン ルーベンス・バリチェロ | ||||||||||
出走時期 | 2009年 | ||||||||||
通算獲得ポイント | 172 | ||||||||||
初戦 | 2009年オーストラリアGP | ||||||||||
初勝利 | 2009年オーストラリアGP | ||||||||||
最終戦 | 2009年アブダビGP | ||||||||||
|
ブラウン・BGP001は、ブラウンGPが2009年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カーで、ロス・ブラウンとヨルグ・ザンダー(テクニカルディレクター)、ロイック・ビゴワ(チーフエアロダイナミシスト)が設計した。2009年の開幕戦から実戦投入された。
BGP001
[編集]エンジン
[編集]当初、ホンダF1の2009年版のマシン「RA109K」として実戦に投入する予定だった。しかし、2008年シーズン終了後のホンダの撤退を受け、違うメーカーのエンジンを搭載できるように改造が施された。フェラーリとメルセデス・ベンツに接触し、エンジン供給の打診を行ったが、シャーシ改造が小規模で済むことや、メルセデス側がエンジン供給に積極的だったため、メルセデスエンジンの供給を受けることとなった[1]。
想定外のエンジン変更にもかかわらず、メルセデスエンジンのパワーやドライバビリティに対する評価は高く、チームのエンジニアが「ホンダエンジンに比べて70馬力は上」と語ったとされている[2]。
2009年から搭載することが可能であり、ホンダも開発していたKERSは、限られた予算や時間のこともあり、搭載の予定はなかった[1]。エンジンサプライヤーであるメルセデス・ベンツからKERSの提供を受けることが可能になったが[3]、KERSの重量によるマシンバランスなどの諸問題があり、結局は搭載を見送った[3]。
エアロダイナミクス
[編集]エアロダイナミクスは2009年のレギュレーション変更に対応しており、外観はシンプルにまとめられている。ノーズ先端部は比較的低い位置まで垂れ下がっている。
フロントウイングは通常フラップ部分が稼動するものが多いのだが、BGP001はフラップの内側にある三角形部分が可動するようになっている。しかし、第7戦トルコGPで、可動部分がフラップ1枚分にまで拡大された仕様が投入された[4]。これにより、ドライバー操作に対して明確なダウンフォースの増減が現れるようになっている[5]。
サイドミラーのステーは整流フィンの形状になっており、規則で厳しく制限されている整流フィンの役割を担わせている。また、サイドポンツーンの前方にバージボード風の整流フィンが装備されている。
通常、フロントサスペンションアッパーアームと同じ高さもしくはロアアームとアッパーアームの間に装着されることが多いステアリングタイロッドは、このBGP001ではロアアームと同じ高さに装着されている[1]。この構造は他のチームの2009年マシンには存在しない。
インダクションポッドは他チームよりも大型なものが採用された。サイドには整流フィンが装着されている。
リヤディフューザーはダブルディフューザーと呼ばれる2段式のものを搭載している。これがテクニカルレギュレーションに適合していないのではないかと他チームから抗議を受けたが、FIAによって4月15日に合法であるとの判定を受けた[6]。この開発は前年撤退したスーパーアグリの空力設計者ら[7]や、撤退前のホンダの日本人エンジニアが考案したものといわれ、ロス・ブラウン自身も当時を振り返りながら認めている[8]。
マシンカラーリング
[編集]カラーリングは、白を基調としたもので、ノーズにチームのカラーである黒と蛍光イエローのラインがある。スポンサーロゴは非常に少なかった。開幕戦ではヴァージン・グループ[9]とヘンリ・ロイド[10]のロゴしかなかったが、グランプリを経るごとに若干増えた。第3戦中国GPでは、サングラスメーカーのレイバンとのパートナー契約と[11]スイスの外国為替ブローカーのMIGインベストメンツとの3年契約を発表[12]。第5戦スペインGP前に、ブレーキフルードを提供するエンドレスと[13]、シートベルト(シートハーネス)を提供するウィランズと[14]の提携を発表した。また、スポットスポンサーとして、リヤウイング翼端板にターミネーター4(TERMINATOR SALVATION) のロゴが掲げられた。第14戦シンガポールGPでは、カメラメーカーとして有名なキヤノン(正確には、キヤノン・シンガポール)のスポットスポンサーを得た[15][16]。
なお、レイバンとエンドレスは、前身のホンダ時代からの関係である。
タイトルスポンサーは終始不在であった。CEOのニック・フライは、タイトルスポンサーの獲得は急がないとの考えを示しており[17]。いくつかの大企業からスポンサーの申し出があることも明らかにしていたが[17]、チームの財政が厳しい状況に置かれている事もマシンカラーリングから判断できた。
2009年シーズン
[編集]ホンダからのチーム譲渡が遅れたため、マシンの登場は開幕戦3週間前にまでずれこみ、3月6日にシルバーストンでジェンソン・バトンがシェイクダウンを行った[18]。このシェイクダウンでマシンの名称が「BGP001」である事が明らかにされた[19]。3月にシェイクダウンを行ったのは全10チーム中、フォースインディア VJM02(3月1日)と、トロ・ロッソ STR4(3月9日)で、全チーム中2番目に遅いシェイクダウンとなった。しかし、3月9日から12日に行われたバルセロナ合同テストや、3月15日から17日に行われたヘレス合同テストではいきなりトップタイムを記録した。「スポンサー獲得のために燃料を軽くしてタイムを出している」という疑いを持った見方もあったが[20]、燃料を積んだレースシミュレーションでも圧倒的なペースを披露し、他チーム関係者を震撼させた。
3月27日、開幕戦となるオーストラリアGPでも他チームよりも一歩先んじたスピードを披露し、デビュー戦ワンツーフィニッシュを果たした。その後も第7戦トルコGPまでにバトンが7戦中6勝を記録した(うちワンツーフィニッシュ3回)。
後半戦は快進撃のペースが鈍り、バトンは1勝もできなかったが、ルーベンス・バリチェロが第11戦ヨーロッパGP、第13戦イタリアGPを制した。第16戦ブラジルGPでコンストラクターズチャンピオン・ドライバーズチャンピオン共にダブルタイトルを獲得した。ドライバーズランキングはバトンが1位、バリチェロが3位であった。
前年度のホンダ・RA108が失敗作であることが明らかだったため、チームは2008年の早い時期から開発リソースをRA109に注入していた[2]。開幕戦からダブルディフューザーを投入した3チーム(ブラウンGP、ウィリアムズ、トヨタ)の中でも、ホンダ(ブラウンGP)はダブルディフューザーの設計を突き詰めており、レギュレーション改正によって失われたダウンフォースを取り戻すことができた。また、KERS非搭載を選んだという点でも、KERSを搭載した強豪チームのマシン熟成が遅れたという面でアドバンテージがあった[2]。故障によるリタイアが1度(トルコGPのバリチェロ)のみという、高い信頼性も武器になった。
その他にも、タイヤサプライヤーのブリヂストン側からは、2009年から復活したスリックタイヤにBGP001のマシン特性がマッチしたと指摘されている[21][22]。ブリヂストンはチーム側の要請により、前年までのグルーブドタイヤと同サイズのスリックタイヤを製造したが、接地面積が増えたフロント側のグリップが強くなり、オーバーステアによってリアタイヤが傷みやすくなった。しかし、ホンダのマシンには以前からアンダーステア(曲がりにくい)傾向があり、結果的に前後バランスが上手く取れたという。レースではタイヤに優しいため、1スティントの走行距離を引っ張る作戦を採ることができた。しかし、路面温度が低いレースではその長所が災いし、タイヤを作動温度域まで発熱させることに苦労した[23]。
スペック
[編集]シャーシ
[編集]- シャーシ名 BGP001
- シャーシ構造 カーボンファイバー/ハニカムコンポジット複合構造モノコック
- 全長 4,700mm
- 全幅 1,800mm
- 全高 950mm
- ブレーキディスク・パッド カーボンファイバーディスクブレーキ
- サスペンション 前後プッシュロッドアクティブトーションバー・スプリング/ダブルウィッシュボーン
- ダンパー ザックス
- ホイール BBSマグネシウム製
- タイヤ ブリヂストンポテンザ
- ギアボックス 7速+リバース1速セミオートマチック/カーボンファイバー製ケーシング
- エレクトロニクス MES-マイクロソフト スタンダードECU
- ステアリング ラック・アンド・ピニオン
- ステアリング・ホイール カーボンファイバー製
- 重量 冷却水、潤滑油、ドライバーを含めて605kg
エンジン
[編集]- エンジン名 メルセデス・ベンツFO108W
- 気筒数・角度 V型8気筒・90度
- 排気量 2,400cc
- 最高回転数 18,000rpm(レギュレーションで規定)
- バルブ数 32
- ピストンボア 98mm
- 重量 95kg
- スパークプラグ NGK
- 燃料 モービルハイパフォーマンス無鉛ガソリン(5.75%バイオ燃料)
- 潤滑油 モービル1
シャーシナンバー一覧
[編集]2009年
[編集]No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AUS |
MAL |
CHN |
BHR |
ESP |
MON |
TUR |
GBR |
GER |
HUN |
EUR |
BEL |
ITA |
SIN |
JPN |
BRA |
ABU | ||
22 | バトン | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
23 | バリチェロ | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 | 3 |
結果
[編集]年 | No. | ドライバー | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | ポイント | ランキング |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
AUS |
MAL |
CHN |
BHR |
ESP |
MON |
TUR |
GBR |
GER |
HUN |
EUR |
BEL |
ITA |
SIN |
JPN |
BRA |
ABU | |||||
2009 | 22 | バトン | 1 | 1 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 6 | 5 | 7 | 7 | Ret | 2 | 5 | 8 | 5 | 3 | 172 | 1位 |
23 | バリチェロ | 2 | 5 | 4 | 5 | 2 | 2 | Ret | 3 | 6 | 10 | 1 | 7 | 1 | 6 | 7 | 8 | 4 |
幻のRA109
[編集]BGP001とは別に、本田技術研究所ではF1撤退発表後も栃木研究所において独自にシャシー開発を続行していたことが、後に明らかになっている[27]。
後に公開された風洞モデルでは、ノーズ形状がBGP001の幅広ノーズではなく非常に細長い形状になっている他、エンジン排気口がBGP001よりもかなり前に位置している[28]。またギアボックスについて「USD(Ultra Short Differential)」と呼ばれる超小型ディファレンシャルを開発していた他、当然ながらKERS搭載も計画されており、バッテリーはノーズ下に収容される予定だった[29]。
脚注
[編集]- ^ a b c “Technical analysis: Brawn GP BGP 001”. autosport.com. (2009年3月13日) 2009年5月19日閲覧。
- ^ a b c “ブラウンGPはなぜ速い?!”. F1-Gate.com. (2009年3月22日) 2011年9月17日閲覧。
- ^ a b “ブラウンGP、KERSの利用が可能に”. F1-Gate.com. (2009年5月17日) 2009年5月23日閲覧。
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- ^ 『F1のテクノロジー 5』(三栄書房、2012年) ISBN 978-4779616471
- ^ ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の空力学的開発 - F1通信・2014年7月31日
- ^ ホンダの2009年F1マシンが明らかに: ホンダRA109の機械的開発 - F1通信・2014年8月1日
関連項目
[編集]- ホンダF1
- ホンダ・RA109K - 原型車両