「山田尚子」の版間の差分
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| 職業 = [[アニメ演出家]]・[[アニメ監督|監督]]<br />[[アニメーター]] |
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| 活動期間 = [[2005年]] - |
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| 事務所 = [[フリーランス]]{{R|kinejun202408}} |
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| 主な作品 = '''アニメーション映画'''<br />『[[けいおん!|映画けいおん!]]』(監督)<br />『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』(監督)<br />『[[映画 聲の形]]』(監督)<br />『[[リズと青い鳥]]』(監督) |
| 主な作品 = '''アニメーション映画'''<br />『[[けいおん!|映画けいおん!]]』(監督)<br />『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』(監督)<br />『[[映画 聲の形]]』(監督)<br />『[[リズと青い鳥]]』(監督) |
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| 全米映画俳優組合賞 = |
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| 日本アカデミー賞 = '''優秀アニメーション作品賞'''<br>第35回『[[けいおん!|映画けいおん!]]』<br>第40回『[[映画 聲の形]]』 |
| 日本アカデミー賞 = '''優秀アニメーション作品賞'''<br />[[第35回日本アカデミー賞|2012年]]『[[けいおん!|映画けいおん!]]』<br />[[第40回日本アカデミー賞|2017年]]『[[映画 聲の形]]』 |
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| その他の賞 = '''[[毎日映画コンクール]]'''<br />'''大藤信郎賞'''<br />[[第73回毎日映画コンクール|2019年]]『[[リズと青い鳥]]』<hr/ >'''[[日本映画批評家大賞]]'''<br />'''アニメーション部門作品賞'''<br />[[日本映画批評家大賞#第26回(2016年度)|2017年]]『 |
| その他の賞 = '''[[毎日映画コンクール]]'''<br />'''大藤信郎賞'''<br />[[第73回毎日映画コンクール|2019年]]『[[リズと青い鳥]]』<hr/ >'''[[日本映画批評家大賞]]'''<br />'''アニメーション部門作品賞'''<br />[[日本映画批評家大賞#第26回(2016年度)|2017年]]『映画 聲の形』<hr />'''[[文化庁メディア芸術祭]]<br />[[文化庁メディア芸術祭アニメーション部門|アニメーション部門]]新人賞'''<br />2014年『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』<br />'''[[文化庁メディア芸術祭アニメーション部門|アニメーション部門]]優秀賞'''<br />2017年『映画 聲の形』<hr />'''[[東京アニメアワード]]'''<br />'''アニメーション・オブ・ザ・イヤー'''<br />2017年『映画 聲の形』<br />'''テレビ部門優秀作品賞'''<br />2010年・2011年『[[けいおん!]]』 |
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<hr />'''[[アニメーション神戸]]'''<br /> |
<hr />'''[[アニメーション神戸]]'''<br />'''テレビ部門作品賞'''<br />2010年『けいおん!』<br />'''劇場部門作品賞'''<br />2012年『映画 けいおん!』<hr />'''[[上海国際映画祭]]'''<br />'''最優秀アニメーション作品賞'''<br>[[2024年]]『[[きみの色]]』 |
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'''山田 尚子'''(やまだ なおこ、[[11月28日]]<ref name="mediaarts">{{Cite web|和書|url=http://archive.j-mediaarts.jp/profile/YAMADA_Naoko/|title=山田 尚子 {{!}} プロフィール一覧 {{!}} 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品|publisher=[[文化庁]]|accessdate=2019-07-20}}</ref><ref>{{Cite news|title=京アニ山田尚子氏の無事確認「けいおん!」など監督|newspaper=日刊スポーツ|date=2019-07-18|url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201907180001066.html|accessdate=2019-07-20}} |
'''山田 尚子'''(やまだ なおこ、[[11月28日]]<ref name="mediaarts">{{Cite web|和書|url=http://archive.j-mediaarts.jp/profile/YAMADA_Naoko/|title=山田 尚子 {{!}} プロフィール一覧 {{!}} 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品|publisher=[[文化庁]]|accessdate=2019-07-20}}</ref><ref>{{Cite news|title=京アニ山田尚子氏の無事確認「けいおん!」など監督|newspaper=日刊スポーツ|date=2019-07-18|url=https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/201907180001066.html|accessdate=2019-07-20}} |
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[http://www.munto.com/cgi/kyoto/anibaka_diary/sfs6_diary.cgi?action=day&year=2009&month=11&day=25 つながる☆パピコ] - 京都アニメーション公式スタッフブログ「THE☆アニメバカ一代」 (2009年11月25日)</ref> - )は、[[日本]]の[[アニメ |
[http://www.munto.com/cgi/kyoto/anibaka_diary/sfs6_diary.cgi?action=day&year=2009&month=11&day=25 つながる☆パピコ] - 京都アニメーション公式スタッフブログ「THE☆アニメバカ一代」 (2009年11月25日)</ref> - )は、[[日本]]の[[アニメ演出家]]・[[アニメ監督|監督]]、[[アニメーター]]。[[京都府]]生まれ<ref name="mediaarts"/>。京都造形芸術大学(現[[京都芸術大学]])美術工芸学科洋画コース卒業<ref>{{Cite web|和書|publisher=瓜生通信|url=http://www.uridou.jp/news/detail/4|title=映画『聲の形』2016年秋公開 山田尚子監督|accessdate=2017-05-22}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=瓜生山同窓会|url=https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/48|title=瓜生山、学生の祭典 -大瓜生山祭2016|accessdate=2017-05-22}}</ref>。 |
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== 来歴 == |
== 来歴 == |
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幼少期は『[[ドラえもん (1979年のテレビアニメ)|ドラえもん]]』や『[[クレヨンしんちゃん (アニメ)|クレヨンしんちゃん]]』、『[[スタジオジブリ|スタジオジブリ作品]]』をよく好んで観ていた。また、小学生の頃より絵を描くことが好きで、『[[ドラゴンボール]]』や『[[機動警察パトレイバー]]』、『[[ハイスクール!奇面組]]』などの絵を模写していた<ref name="scotland1014">2012年[[10月14日]]に[[スコットランド]]([[イギリス]])の[[グラスゴー]]で行われた「映画けいおん!」トークショー発言より。{{出典無効|date=2017年6月}}</ref>。 |
幼少期は『[[ドラえもん (1979年のテレビアニメ)|ドラえもん]]』や『[[クレヨンしんちゃん (アニメ)|クレヨンしんちゃん]]』、『[[スタジオジブリ|スタジオジブリ作品]]』をよく好んで観ていた。また、小学生の頃より絵を描くことが好きで、『[[ドラゴンボール]]』や『[[機動警察パトレイバー]]』、『[[ハイスクール!奇面組]]』などの絵を模写していた<ref name="scotland1014">2012年[[10月14日]]に[[スコットランド]]([[イギリス]])の[[グラスゴー]]で行われた「映画けいおん!」トークショー発言より。{{出典無効|date=2017年6月}}</ref>。 |
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高校時代は[[テニス|テニス部]]と[[写真|写真部]]に所属<ref name="scotland1014"/>。 |
高校時代は[[テニス|テニス部]]と[[写真|写真部]]に所属<ref name="scotland1014"/>。京都造形芸術大学(現[[京都芸術大学]])に進学後は[[特撮|特撮部]]に所属していた<ref name="scotland1014"/>。学科での専攻は[[油絵]]だったが、3年次にて「キャンバスでは自分がやりたい表現は出来ない」と感じ、立体造型の製作に着手。皆が絵画に取り組む中、[[発泡プラスチック]]を削っていたという。 |
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=== 京都アニメーション入社 === |
=== 京都アニメーション入社 === |
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2004年、[[京都アニメーション]]に[[アニメーター]]として入社<ref>{{Cite web|和書|url=http://airport-anifes.jp/programs/liz_bluebird/|title=『リズと青い鳥』 <br>〜山田尚子監督 舞台挨拶〜|accessdate=2018-10-10|website=新千歳空港国際アニメーション映画祭2018|language=ja}}</ref>。2005年『[[AIR (ゲーム)#テレビアニメ版|AIR]]』にて初[[原画]]。2007年『[[CLANNAD (ゲーム)#テレビアニメ|CLANNAD -クラナド-]]』第8話「黄昏に消える風」、第12話「かくされた世界」の演出補佐を経て、第17話「不在の空間」で演出デビューを果たす。 |
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2009年、若手ながらテレビアニメ『[[けいおん!#テレビアニメ|けいおん!]]』の監督に抜擢される<ref>{{Cite web|和書|publisher=ニュース@ぴあ映画生活|url=https://web.archive.org/web/20160304110045/http://cinema.pia.co.jp/news/156381/44781/?page=1|title=現在大ヒット中! 若き女性監督に聞く映画『けいおん!』の魅力|accessdate=2015-4-22}}</ref>。この作品は、[[東京アニメアワード]]や[[アニメーション神戸]]で優秀作品賞を受賞した<ref>{{Cite web|和書|publisher=エキサイトニュース|url=http://www.excite.co.jp/News/net_clm/20110302/Hatena_201103_2825.html|title=「第10回 東京アニメアワード」受賞作品が決定 アリエッティ、けいおん!!も|accessdate=2015-4-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!|url=https://animeanime.jp/article/2010/11/29/7256.html|title=第15回アニメーション神戸 「けいおん!」の山田監督も|accessdate=2015-4-20}}</ref>ほか、数々の社会現象を巻き起こす大ヒットを収める<ref>{{Cite web|和書|publisher=日本経済新聞|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0402B_U2A100C1000000/|title=オタクも女子高生も熱狂、150億円市場生んだ「けいおん!」人気の理由|accessdate=2015-4-14}}</ref>。その後、2011年には『[[けいおん!#映画|映画けいおん!]]』にて長編映画初監督を務め<ref>{{Cite web|和書|publisher=シネマトゥデイ|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0037442|title=『けいおん!』山田尚子監督、寂しい…と本音チラリ!テレビシリーズ最終回へとつながる劇場版の展開は感動もの!|accessdate=2015-4-14}}</ref>、深夜アニメの劇場版としては史上初<ref>{{Cite web|和書|publisher=シネマトゥデイ|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0040087|title=『映画「けいおん!」』がアニメーション映画として破格の興収17億円突破の大ヒット!|accessdate=2016-9-6}}</ref>となる、[[第35回日本アカデミー賞|第35回]][[日本アカデミー賞]]優秀アニメーション作品賞に輝く<ref>{{Cite web|和書|publisher=エキサイトニュース|url=https://www.excite.co.jp/news/article/Searchina_20120131042/|title=「映画 けいおん!」深夜アニメから日本を代表する映画へ|accessdate=2015-4-14}}</ref>。また、全国130館公開規模であったが、興行収入では19億円を突破した<ref>{{Cite web|和書|publisher=ライブドアニュース|url=https://news.livedoor.com/article/detail/11100452/|title= |
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NHKが「けいおん!」を再放送 「アニメ推し」にファンも困惑?|accessdate=2016-9-6}}</ref>。 |
NHKが「けいおん!」を再放送 「アニメ推し」にファンも困惑?|accessdate=2016-9-6}}</ref>。 |
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2013年、テレビアニメ『[[たまこまーけっと]]』にてオリジナル初監督<ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!|url=https://animeanime.jp/article/2012/11/29/12210.html|title=京アニのオリジナル「たまこまーけっと」来年1月放送開始予定 山田尚子監督|accessdate=2015-4-14}}</ref>。翌[[2014年]]にはその続編となるオリジナル長編映画『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』の監督を手がけ、第18回[[文化庁メディア芸術祭アニメーション部門]]新人賞を受賞<ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!|url=https://animeanime.jp/article/2014/11/29/21031.html|title=第18回文化庁メディア芸術祭 「映画クレヨンしんちゃん」「ジョバンニの島」などに優秀賞|accessdate=2015-4-14}}</ref>。受賞理由として、「新人賞ではあるが、現在の日本のアニメの到達点といえる。何気ない日常の中にみずみずしい感動を見つけるという視点はやはり独特。映像を注意深く見ると、その鋭敏な感性だけでなく、アニメーターとしての技量や演出者としての計算、そして強い意志に裏付けられていることがよくわかる。」<ref>{{Cite web|和書|publisher=第18回文化庁メディア芸術祭|url=http://archive.j-mediaarts.jp/festival/2014/animation/works/18an_Tamako_love_story/|title=アニメーション部門新人賞|accessdate=2015-6-22}}</ref>との高い評価を受けた。 |
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2015年には、テレビシリーズ『[[響け!ユーフォニアム (アニメ)|響け!ユーフォニアム]]』にてシリーズ演出を担当<ref>{{Cite web|和書|publisher=MANTANWEB|url=https://mantan-web.jp/article/20150529dog00m200066000c.html|title=アニメ質問状:「響け!ユーフォニアム」|accessdate=2015-11-9}}</ref>。また、同年10月、[[大今良時]]原作『[[聲の形]]』のアニメーション映画化に際し、監督を務めることが発表された<ref>{{Cite web|和書|publisher=ORICON STYLE|url=https://www.oricon.co.jp/news/2060707/full/|title=劇場アニメ『聲の形』制作は京アニ 監督は『けいおん!』山田尚子|accessdate=2015-11-9}}</ref>。 |
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2016年9月17日、長編映画監督3作目となる『[[映画 聲の形]]』が公開<ref>{{Cite web|和書|publisher=映画.com|url=https://eiga.com/news/20160731/10/|title=「聲の形」入野自由&早見沙織の熱演を原作者が絶賛 新場面写真も公開|accessdate=2016-8-1}}</ref>。本作は山田にとって初となる、テレビシリーズを挟まない映画となった<ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!|url=https://animeanime.jp/article/2016/01/01/26369.html|title=映画「聲の形」2016年秋、松竹系公開 山田尚子監督、京都アニメーションの話題作|accessdate=2016-10-24}}</ref>。公開館数は120館と小規模ながら、累計動員177万人<ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメイトタイムズ|url=https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1495426110|title=早見沙織さん・金子有希さん・石川由依さん、映画『聲の形』30回目の舞台挨拶に登壇! BD&DVD発売記念イベントで、作品への想いを語る|accessdate=2017-05-22}}</ref>、興行収入は23億円を突破し<ref>{{Cite web|和書|publisher=朝日新聞デジタル|url=http://www.asahi.com/articles/ASK1S4G9JK1SUCVL006.html|title=「アニメ新時代」到来 映画興収、2000年以降最高に|accessdate=2017-01-25}}</ref>、2016年度の日本映画全体の興収ベスト10入りを果たすなどの大ヒットを収めた<ref>{{Cite web|和書|publisher=ORICON NEWS|url=https://www.oricon.co.jp/news/2084938/full/|title=2016年映画興収『君の名は。』が牽引 東宝社長「新しいアニメーション時代の到来」|accessdate=2017-02-08}}</ref>。また、[[第40回日本アカデミー賞]]優秀アニメーション作品賞<ref>{{cite news|url=http://mainichi.jp/articles/20170116/dyo/00m/200/013000c|title=優秀アニメ作品賞に話題作続々|newspaper=毎日新聞|date=2017-1-16|accessdate=2017-1-16}}</ref>、第26回[[日本映画批評家大賞]]アニメーション部門作品賞<ref name=cinema091535>{{cite news|url=https://www.cinematoday.jp/news/N0091535|title=京アニ、一番の強みは「作品に対する誠実さ」 『映画「聲の形」』スタッフ受賞に喜び 第26回日本映画批評家大賞|newspaper=シネマトゥデイ|date=2017-05-16|accessdate=2017-05-17}}</ref>、第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞<ref name=natalie170316>{{cite news|url=https://natalie.mu/eiga/news/224886|title=「シン・ゴジラ」「君の名は。」が文化庁メディア芸術祭の大賞に輝く|newspaper=映画ナタリー|date=2017-03-16|accessdate=2017-04-11}}</ref>などを受賞。また[[アヌシー国際アニメーション映画祭]]にて<ref>{{Cite web|和書|publisher=映画.com|url=https://eiga.com/news/20140702/5/|title=日本のアニメが大健闘 アヌシー国際アニメーション映画祭で3作が受賞|accessdate=2017-4-25}}</ref>、長編コンペティション部門入選を果たした<ref>{{Cite web|和書|publisher=アニメーションビジネス・ジャーナル|url=http://animationbusiness.info/archives/2788|title=アヌシー映画祭長編コンペに「この世界の片隅に」「聲の形」「夜明けを告げるルーのうた」|accessdate=2017-04-25}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=映画ナタリー|url=https://natalie.mu/eiga/news/230159|title=「この世界の片隅に」「聲の形」がアヌシー国際アニメーション映画祭にノミネート|accessdate=2017-4-25}}</ref>。 |
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2018年4月21日、『響け! ユーフォニアム』の完全新作となるアニメーション映画『[[リズと青い鳥]]』が全国公開<ref>{{Cite web|和書|publisher=ライブドアニュース|url=http://anime-eupho.com/news/?id=240|title= 『リズと青い鳥』公式サイトオープン!|accessdate=2017-10-01}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=映画ナタリー|url=https://natalie.mu/eiga/news/250950|title= 山田尚子新作の特報が解禁、「響け!ユーフォニアム」みぞれと希美が中心の物語|accessdate=2017-10-01}}</ref><ref name=gigazine0604>{{cite news|url=https://gigazine.net/news/20170604-sound-euphonium-movie/|title=「響け!ユーフォニアム」劇場版第2弾が2017年9月30日公開&完全新作映画2本が2018年に公開されることが明らかに|newspaper= GIGAZINE |date=2017-06-04|accessdate=2017-06-13}}</ref>。[[第73回毎日映画コンクール]][[大藤信郎賞]]を受賞した<ref>{{Cite web|和書|publisher=MANTANWEB|url=https://mantan-web.jp/article/20190122dog00m200020000c.html|title=リズと青い鳥:「毎日映コン」で大藤信郎賞 「若おかみは小学生!」がアニメーション映画賞|accessdate=2019-01-23}}</ref>。 |
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=== サイエンスSARU === |
=== サイエンスSARU === |
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2019年に京都アニメーションを離れ、[[サイエンスSARU]]へ軸足を移す<ref name="kinejun202408">{{Cite book|和書|title=キネマ旬報 8月号|publisher=キネマ旬報社|year=2024}}</ref>。2021年、テレビシリーズの監督としては9年ぶりとなる新作『[[平家物語 (アニメ)|平家物語]]』を発表<ref>{{Cite web|和書|publisher=AnimationBusinessJournal|url=http://animationbusiness.info/archives/11882|title=山田尚子、京アニ後の初監督に「平家物語」 制作サイエンスSARU|accessdate=2022-01-17}}</ref>。 |
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2022年、キャラクター原案に[[水沢悦子]]、音楽に[[ラブリーサマーちゃん]]を迎えた17分間の短編作品『Garden of Remembrance』を発表し、[[スコットランド]]でワールドプレミアを迎えた<ref name=eiga01>{{Cite web|和書|publisher=映画.com|url=https://eiga.com/news/20221102/16/|title=山田尚子監督最新作「Garden of Remembrance」スコットランドでワールドプレミア アネモネの秘密も明らかに|accessdate=2022-11-15}}</ref>。制作は引き続きサイエンスSARUが行い、2023年に一般公開を予定する<ref name=eiga01/>。 |
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2024年、長編映画『[[きみの色]]』が公開された<ref>{{Cite news|url=https://yorozoonews.jp/article/15410120|title=アニメ映画「きみの色」で声優初挑戦の髙石あかり 山田尚子監督にサプライズ贈り物|newspaper=よろず~ニュース|date=2024-09-02|accessdate=2024-09-03}}</ref>。吉田玲子脚本で感情の色が見える少女の青春物語として制作される。 |
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== 作風・人物 == |
== 作風・人物 == |
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=== 影響 === |
=== 影響 === |
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[[小津安二郎]]、[[松本俊夫]]、[[セルゲイ・パラジャーノフ]]、[[ソフィア・コッポラ]]、[[アレハンドロ・ホドロフスキー]]、[[ルシール・アザリロヴィック]]<ref>{{Cite web|和書|publisher=西日本新聞|url=https://www.nishinippon.co.jp/nlp/get/article/410375/|title=本心は手足に出てくるのではないか アニメ映画「リズと青い鳥」監督 山田 尚子さん|accessdate=2018-12-1}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=京都アニメーションホームページ|url=http://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?p=475|title=THE☆アニメバカ一代 映画充☆パピコ|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=クランクイン!|url=http://www.crank-in.net/game_animation/news/14108|title=続編が望まれる映画 「けいおん!」山田監督 「ソフィア・コッポラみたいな女の子の映画を撮りたい」|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=京都アニメーションホームページ|url=http://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?p=404|title=THE☆アニメバカ一代 映画☆パピコ|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>「[[キネマ旬報]]」[[2011年]]12月上旬号「映画けいおん!の世界を山田尚子監督が語る」より</ref>の作品から影響を受けた。 |
[[小津安二郎]]、[[松本俊夫]]、[[セルゲイ・パラジャーノフ]]、[[ソフィア・コッポラ]]、[[アレハンドロ・ホドロフスキー]]、[[ルシール・アザリロヴィック]]<ref>{{Cite web|和書|publisher=西日本新聞|url=https://www.nishinippon.co.jp/nlp/get/article/410375/|title=本心は手足に出てくるのではないか アニメ映画「リズと青い鳥」監督 山田 尚子さん|accessdate=2018-12-1}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=京都アニメーションホームページ|url=http://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?p=475|title=THE☆アニメバカ一代 映画充☆パピコ|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=クランクイン!|url=http://www.crank-in.net/game_animation/news/14108|title=続編が望まれる映画 「けいおん!」山田監督 「ソフィア・コッポラみたいな女の子の映画を撮りたい」|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>{{Cite web|和書|publisher=京都アニメーションホームページ|url=http://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?p=404|title=THE☆アニメバカ一代 映画☆パピコ|accessdate=2016-4-20}}</ref><ref>「[[キネマ旬報]]」[[2011年]]12月上旬号「映画けいおん!の世界を山田尚子監督が語る」より</ref>の作品から影響を受けた。 |
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また、[[吉田聡]]の『[[湘南爆走族]]』、[[藤子・F・不二雄]]の『[[ドラえもん]]』、[[泉昌之]]の『[[かっこいいスキヤキ]]』など漫画作品からの影響も公言している<ref name="kinema24720">キネマ旬報 2024年8月号 No.1946、特集「山田尚子の世界が動き出す」山田尚子監督をつくったもの、キネマ旬報社、P21、2024年7月20日刊行</ref>。 |
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テレビで深夜に放送されていた映画を小さい頃からよく観ていて、その度に夜眠れないような体験をしていたといい<ref name="animeanime21773">[https://animeanime.jp/article/2015/01/29/21773_2.html 「たまこラブストーリー」山田尚子監督インタビュー 第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞 ページ2]アニメ!アニメ!2016年7月29日閲覧</ref>、そこから「人の心を動かしたい一心で、映像づくりに携わった」と述べている<ref name="animeanime217733">{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!ビズ|url=https://animeanime.jp/article/2015/01/29/21773_3.html|title=「たまこラブストーリー」山田尚子監督インタビュー 第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞 ページ3|accessdate=2016-7-29}}</ref>。 |
テレビで深夜に放送されていた映画を小さい頃からよく観ていて、その度に夜眠れないような体験をしていたといい<ref name="animeanime21773">[https://animeanime.jp/article/2015/01/29/21773_2.html 「たまこラブストーリー」山田尚子監督インタビュー 第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞 ページ2]アニメ!アニメ!2016年7月29日閲覧</ref>、そこから「人の心を動かしたい一心で、映像づくりに携わった」と述べている<ref name="animeanime217733">{{Cite web|和書|publisher=アニメ!アニメ!ビズ|url=https://animeanime.jp/article/2015/01/29/21773_3.html|title=「たまこラブストーリー」山田尚子監督インタビュー 第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞受賞 ページ3|accessdate=2016-7-29}}</ref>。 |
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作品を制作するにあたって必ず行う事の一つに、「何かポイントとなる[[概念|コンセプト]]を組んでいくこと」を挙げている<ref name="koemaking76">映画 聲の形 メイキングブック p.76</ref>。また、その[[インスピレーション]]については「[[数学]]や[[物理学|物理]]に関する事柄が多い」とも述べている<ref name="koemaking76"/>。『[[映画 聲の形]]』では将也と硝子の関係について、劇中でも登場した[[養老天命反転地]]の「極限で似るものの家」がポイントとなり、そこから数学用語で「イコールではないが、[[無限]]に同じものへ近づいて行くことを示す"[[極限|極限値]]"」がコンセプトとして取り上げられた<ref name="koemaking76"/>。 |
作品を制作するにあたって必ず行う事の一つに、「何かポイントとなる[[概念|コンセプト]]を組んでいくこと」を挙げている<ref name="koemaking76">映画 聲の形 メイキングブック p.76</ref>。また、その[[インスピレーション]]については「[[数学]]や[[物理学|物理]]に関する事柄が多い」とも述べている<ref name="koemaking76"/>。『[[映画 聲の形]]』では将也と硝子の関係について、劇中でも登場した[[養老天命反転地]]の「極限で似るものの家」がポイントとなり、そこから数学用語で「イコールではないが、[[無限]]に同じものへ近づいて行くことを示す"[[極限|極限値]]"」がコンセプトとして取り上げられた<ref name="koemaking76"/>。 |
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キャラクターとの距離感では、「絵空事のキャラクター」としてではなく、「ひとりの人間」として実存感をもって扱い、「この子は何を思っているのか、どんな景色がみえているのか。」といった目線で接することを大切にしている<ref name="animeanime21773"/>。演出においては、「どの場所に登場人物を立たせて、何ミリのレンズで、どの構図で撮れば、登場人物が魅力的に描けるのか。その積み重ね。アニメーションであれば、観る人の感情に的確に訴えるための[[レイアウトシステム|レイアウト]]や、色や空気感をしっかりとコントロールできる。」と答えている<ref>{{Cite web|和書|publisher=ぴあ映画生活|url=http://cinema.pia.co.jp/news/169699/68299/|title=人間の“本質”を描き出す。山田尚子監督が語る映画『聲の形』|accessdate=2016-10-10}}</ref>。 |
キャラクターとの距離感では、「絵空事のキャラクター」としてではなく、「ひとりの人間」として実存感をもって扱い、「この子は何を思っているのか、どんな景色がみえているのか。」といった目線で接することを大切にしている<ref name="animeanime21773"/>。演出においては、「どの場所に登場人物を立たせて、何ミリのレンズで、どの構図で撮れば、登場人物が魅力的に描けるのか。その積み重ね。アニメーションであれば、観る人の感情に的確に訴えるための[[レイアウトシステム|レイアウト]]や、色や空気感をしっかりとコントロールできる。」と答えている<ref>{{Cite web|和書|publisher=ぴあ映画生活|url=https://web.archive.org/web/20161009203843/http://cinema.pia.co.jp/news/169699/68299/|title=人間の“本質”を描き出す。山田尚子監督が語る映画『聲の形』|accessdate=2016-10-10}}</ref>。 |
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自身の監督作『[[けいおん!]]』や『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』等に見られる青春時代描写については、「その年代の子たちは、呼吸をしているとき、瞬きをしているとき、そのすべての瞬間が青春。当時は意識せずに生きてきたが、それは実に感動的なこと。それを撮りたいという思いで、それを意識して制作をした。」と説明している<ref name="animeanime21773"/>。 |
自身の監督作『[[けいおん!]]』や『[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]』等に見られる青春時代描写については、「その年代の子たちは、呼吸をしているとき、瞬きをしているとき、そのすべての瞬間が青春。当時は意識せずに生きてきたが、それは実に感動的なこと。それを撮りたいという思いで、それを意識して制作をした。」と説明している<ref name="animeanime21773"/>。 |
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映像の設計図である[[絵コンテ]]作業については、「表現したい色や光、形といった明確なゴールが見えるまでコンテはなかなか描けない」と述べ、「シーンを行ったり来たりしながら少しづつ進めていく」「作品の幹とそれを取り巻く色々な[[テクスチャ]]を組み上げていくような感覚」と説明している<ref>映画 聲の形 メイキングブック p.76</ref>。また、「下描きはせずに一旦コンテ用紙にある程度描き、後に全体を見通し、カッターとテープを使用し切り貼りをして、主観と客観のバランスを保ってカットを組み上げていく」とも述べている<ref>映画 聲の形 メイキングブック p.77</ref>。 |
映像の設計図である[[絵コンテ]]作業については、「表現したい色や光、形といった明確なゴールが見えるまでコンテはなかなか描けない」と述べ、「シーンを行ったり来たりしながら少しづつ進めていく」「作品の幹とそれを取り巻く色々な[[テクスチャ]]を組み上げていくような感覚」と説明している<ref>映画 聲の形 メイキングブック p.76</ref>。また、「下描きはせずに一旦コンテ用紙にある程度描き、後に全体を見通し、カッターとテープを使用し切り貼りをして、主観と客観のバランスを保ってカットを組み上げていく」とも述べている<ref>映画 聲の形 メイキングブック p.77</ref>。 |
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「『色』とは『アトモスフィア(雰囲気)』」「下手に名前をつけて言葉にすると溢れてしまうような曖昧模糊とした感情や感覚を表せるものが色」「原色もあるし、中間色もある。いろいろな[[グラデーション]]が可能なので、意味を限定しないというところで自由自在に印象を伝えることができる」という考えを持っており、それらの考えを膨らませた結果、映画「きみの色」の構想が浮かんできたと述べている<ref>{{Cite web|和書|publisher=産経新聞|url=https://www.sankei.com/article/20240830-CU7MRDM2T5LBFN7XE3DBDBL3B4/|title=人を「色」で表現 「映画 聲の形」の山田尚子監督が完全オリジナルで挑んだ「きみの色」|accessdate=2024-11-19}}</ref><ref name="kinema24720"/>。 |
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自身の作品について『人が見る』ということを大切にしている。「完全に自己表現として作品を作れる人を尊敬しているし、憧れもあるけれど、わたしは違うかもしれない」「いつも、作品ごとに[[ボール]]を投げる相手というか[[個人]]を設定していますね。無意識に」と述べており、制作中も主観的な没頭も大切にする一方、「俯瞰的な視点」も大事にしている<ref>{{Cite web|和書|publisher=京都芸術大学|url=https://uryu-tsushin.kyoto-art.ac.jp/detail/1276|title=映像の言語で思いを届ける — アニメーション映画『きみの色』公開記念! |accessdate=2024-11-19}}</ref>。 |
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2024年のインタビューにおいて「自身が考えることが好きなこともあり、考える[[余白]]が好きな人やそれを理解してくれたり作れる人が好きだし、そういう人と一緒に仕事がしたいという気持ちがある」と述べている<ref>{{Cite web|和書|publisher=MANTANWEB|url=https://mantan-web.jp/article/20241014dog00m200002000c.html|title=Garden of Remembrance:山田尚子監督×ラブリーサマーちゃんインタビュー(1)|accessdate=2024-11-19}}</ref><ref name="kinema24720"/>。 |
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=== エピソード === |
=== エピソード === |
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幼少期は姉の影響で[[チェッカーズ]]を聴き、また音楽好きの母の影響で、[[レコード]]に触れ、[[ガゼボ (歌手)|ガゼボ]]を口ずさむような子どもだった。そのような環境から、自然と80’sや[[フュージョン (音楽)|フュージョン]]系を聞きながら成長する。思春期に入ってからは[[4つ打ち]]や[[テクノ (ダンスミュージック)|テクノ]]を知り、[[電気グルーヴ]]をよく聴いていた。大学進学後、レコード屋に通うようになり、[[ニュー・ウェイヴ (音楽)|ニュー・ウェイヴ]]や[[パンク・ロック|UKパンク]]への興味を持ち始めていた頃、映画『[[24アワー・パーティー・ピープル]]』が公開。そのレビューを[[石野卓球]]がしていたことをきっかけに、80年代から遡って、70年代の音楽にもより関心を広げる<ref name=sound5853/>。 |
幼少期は姉の影響で[[チェッカーズ]]を聴き、また音楽好きの母の影響で、[[レコード]]に触れ、[[ガゼボ (歌手)|ガゼボ]]を口ずさむような子どもだった。そのような環境から、自然と80’sや[[フュージョン (音楽)|フュージョン]]系を聞きながら成長する。思春期に入ってからは[[4つ打ち]]や[[テクノ (ダンスミュージック)|テクノ]]を知り、[[電気グルーヴ]]をよく聴いていた。大学進学後、レコード屋に通うようになり、[[ニュー・ウェイヴ (音楽)|ニュー・ウェイヴ]]や[[パンク・ロック|UKパンク]]への興味を持ち始めていた頃、映画『[[24アワー・パーティー・ピープル]]』が公開。そのレビューを[[石野卓球]]がしていたことをきっかけに、80年代から遡って、70年代の音楽にもより関心を広げる<ref name=sound5853/>。 |
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そのほかにも学生時代から[[TM NETWORK]]、[[工藤静香]]、[[松任谷由実]]が好きだっためよく聴いていたと話している<ref name="kinema24720"/>。 |
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楽器歴では、小さい頃はピアノを習っていた。高校時には[[コピーバンド]]を、大学在学時にはギターとベースとドラムと[[コルグ|KORG]]・[[コルグ・ELECTRIBEシリーズ|Electribe]]の四人編成のバンドを組んでいた。また、音響専門誌『[[サウンド&レコーディング・マガジン]]』([[リットーミュージック]])の読者でもあった<ref name=sound5849>{{cite news|url=http://rittor-music.jp/sound/column/tamacomanu/5849|title=第9回:対談 山田尚子+山口優(前編)|newspaper=サウンド&レコーディング・マガジン|date=2013-08-02|accessdate=2016-11-17}}</ref>。 |
楽器歴では、小さい頃はピアノを習っていた。高校時には[[コピーバンド]]を、大学在学時にはギターとベースとドラムと[[コルグ|KORG]]・[[コルグ・ELECTRIBEシリーズ|Electribe]]の四人編成のバンドを組んでいた。また、音響専門誌『[[サウンド&レコーディング・マガジン]]』([[リットーミュージック]])の読者でもあった<ref name=sound5849>{{cite news|url=http://rittor-music.jp/sound/column/tamacomanu/5849|title=第9回:対談 山田尚子+山口優(前編)|newspaper=サウンド&レコーディング・マガジン|date=2013-08-02|accessdate=2016-11-17}}</ref>。 |
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|2011年 |
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|12月3日 |
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|'''[[けいおん!|映画けいおん!]]''' |
|'''[[けいおん!|映画けいおん!]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出 |
|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出 |
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|2014年 |
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|4月26日 |
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|'''[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]''' |
|'''[[たまこまーけっと#劇場版|たまこラブストーリー]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出<br />OPテーマ「KOI NO UTA」作詞<ref name="natalie115509">[https://natalie.mu/music/news/115509 洲崎綾、マニュエラ作家陣による劇場版「たまこ」主題歌]音楽ナタリー2016年7月9日閲覧</ref><br />EDテーマ「こいのうた」作詞<ref name="natalie115509"/> |
|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出<br />OPテーマ「KOI NO UTA」作詞<ref name="natalie115509">[https://natalie.mu/music/news/115509 洲崎綾、マニュエラ作家陣による劇場版「たまこ」主題歌]音楽ナタリー2016年7月9日閲覧</ref><br />EDテーマ「こいのうた」作詞<ref name="natalie115509"/> |
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|2016年 |
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|9月17日 |
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|'''[[映画 聲の形]]''' |
|'''[[映画 聲の形]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ |
|'''監督'''<br />絵コンテ |
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|2018年 |
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|4月21日 |
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|'''[[リズと青い鳥]]''' |
|'''[[リズと青い鳥]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出<br />EDソング作詞 |
|'''監督'''<br />絵コンテ<br />演出<br />EDソング作詞 |
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|2024年 |
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|8月30日 |
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|'''[[きみの色]]''' |
|'''[[きみの色]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ・演出<br />エンディングアニメーション 絵コンテ・演出<br />挿入歌作詞 |
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|'''監督''' |
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!style="white-space: nowrap;"|役職 |
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|2009年4月2日 |
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|2009年 |
|2009年6月25日 |
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|'''[[けいおん!]]''' |
|'''[[けいおん!]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・12話・13話)<br />演出(1話)<br />原画(12話)<br />ED絵コンテ・演出・原画{{efn2|エンディングに登場するキャラクターの衣装デザインや、最終回の最後に挿入される手描きテロップ「おしまい」なども担当した。}} |
|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・12話・13話)<br />演出(1話)<br />原画(12話)<br />ED絵コンテ・演出・原画{{efn2|エンディングに登場するキャラクターの衣装デザインや、最終回の最後に挿入される手描きテロップ「おしまい」なども担当した。}} |
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|2010年4月6日 |
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|2010年 |
|2010年9月28日 |
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|'''[[けいおん!|けいおん!!]]''' |
|'''[[けいおん!|けいおん!!]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・3話・24話)<br />演出(1話・24話)<br />前期ED絵コンテ・演出<br />後期OP絵コンテ・演出<br />後期ED絵コンテ・演出 |
|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・3話・24話)<br />演出(1話・24話)<br />前期ED絵コンテ・演出<br />後期OP絵コンテ・演出<br />後期ED絵コンテ・演出 |
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|2013年1月10日 |
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|2013年 |
|2013年3月28日 |
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|'''[[たまこまーけっと]]'''<ref>{{Cite web|和書|url=https://anime.eiga.com/program/103546/|title=たまこまーけっと: 作品情報|publisher=アニメハック|accessdate=2020-08-26}}</ref> |
|'''[[たまこまーけっと]]'''<ref>{{Cite web|和書|url=https://anime.eiga.com/program/103546/|title=たまこまーけっと: 作品情報|publisher=アニメハック|accessdate=2020-08-26}}</ref> |
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|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・2話・11話・12話)<br />演出(1話)<br />OP絵コンテ・演出<br />ED絵コンテ・演出<br />劇中歌「恋の歌」作詞<ref name="natalie141305"/> |
|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・2話・11話・12話)<br />演出(1話)<br />OP絵コンテ・演出<br />ED絵コンテ・演出<br />劇中歌「恋の歌」作詞<ref name="natalie141305"/> |
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|2022年1月12日 |
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|2022年 |
|2022年3月24日 |
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|'''[[平家物語 (アニメ)|平家物語]]''' |
|'''[[平家物語 (アニメ)|平家物語]]''' |
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|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・4話・12話)<br />演出(1話・12話)<br />OP絵コンテ・演出<br />ED絵コンテ・演出 |
|'''監督'''<br />絵コンテ(1話・4話・12話)<br />演出(1話・12話)<br />OP絵コンテ・演出<br />ED絵コンテ・演出 |
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!style="white-space: nowrap;"|役職 |
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|- |
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| |
|2022年 |
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|'''[[モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜]]'''第7話「彼が奏でるふたりの調べ」 |
|'''[[モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜]]'''第7話「彼が奏でるふたりの調べ」 |
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|'''監督'''<br/>絵コンテ |
|'''監督'''<br/>絵コンテ |
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|- |
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|2023年 |
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|[[Garden of Remembrance]] |
|[[Garden of Remembrance]] |
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|'''監督'''<br />脚本 |
|'''監督'''<br />脚本<br />絵コンテ<br />演出 |
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|} |
|} |
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=== 広告 === |
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*[[ネスレ]]:キットカット「きっかけは、キットカットで。」篇(2022年) |
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*ネスレ:キットカット「きっかけは、キットカットで。娘と母の心をつなぐきっかけ」篇(2022年) |
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== 参加作品 == |
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=== テレビアニメ(参加作品) === |
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* [[AIR (ゲーム)|AIR]] (2005年) 原画(9話・11話・12話・特別編) |
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* [[フルメタル・パニック!|フルメタル・パニック!The Second Raid]] (2005年) 原画(9話・13話) |
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* [[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]] (2006年) 原画(2話・7話・10話・12話) |
|||
* [[Kanon (ゲーム)|Kanon]] (2006年-2007年) 原画(ED・3話・7話・11話・15話・18話・19話・24話) |
|||
* [[らき☆すた (アニメ)|らき☆すた]] (2007年) 原画(2話・8話・13話・14話・20話・24話) |
|||
* [[CLANNAD (ゲーム)|CLANNAD]] (2007年-2008年) 絵コンテ(番外編)、演出(17話・番外編)、演出補佐(8話・12話)、原画(OP・5話・8話・番外編) |
|||
* [[CLANNAD (ゲーム)|CLANNAD 〜AFTER STORY〜]] (2008年-2009年) 絵コンテ/演出(3話・10話・16話・22話)、原画(OP・22話) |
|||
* [[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱(2009年版)]] (2009年) 絵コンテ/演出(20話)、原画(20話・26話) |
|||
* [[日常 (漫画)|日常]] (2011年) 絵コンテ/演出(5話・17話)、原画(ED) |
|||
* [[〈古典部〉シリーズ|氷菓]] (2012年) 絵コンテ/演出(9話・14話) |
|||
* [[中二病でも恋がしたい! (アニメ)|中二病でも恋がしたい!]] (2012年) 絵コンテ/演出(ED)、原画(2話) |
|||
* [[Free! (アニメ)|Free!]] (2013年) 絵コンテ/演出(7話)、原画(ED) |
|||
* [[境界の彼方]] (2013年) 絵コンテ/演出(5話)、原画(ED) |
|||
* [[中二病でも恋がしたい!戀]] (2014年) 絵コンテ(ED・5話)、演出(ED) |
|||
* [[Free! (アニメ)|Free!-Eternal Summer-]] (2014年) 絵コンテ/演出(12話)、演出補佐(OP・ED) |
|||
* [[響け!ユーフォニアム (アニメ)|響け!ユーフォニアム]] (2015年) '''シリーズ演出'''、絵コンテ(ED・1話・4話・13話)、演出(ED・1話) |
|||
* [[無彩限のファントム・ワールド]](2016年) 絵コンテ(6話) |
|||
* [[響け!ユーフォニアム2]](2016年) '''シリーズ演出'''、絵コンテ(12話・13話)、演出(13話) |
|||
* [[小林さんちのメイドラゴン]] (2017年) 絵コンテ/演出(8話) |
|||
* [[ヴァイオレット・エヴァーガーデン (アニメ)|ヴァイオレット・エヴァーガーデン]](2018年)絵コンテ(5話) |
|||
* [[ツルネ -風舞高校弓道部-]](2018年)絵コンテ(6話)、演出(6話) |
|||
=== OVA === |
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* [[MUNTOシリーズ|MUNTO 時の壁を越えて]] (2005年)動画 |
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* フルメタル・パニック! The Second Raid 特別版OVA (2006年)原画 |
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* らき☆すたOVA (2008年)演出 |
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=== 映画 === |
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* [[涼宮ハルヒの消失 (映画)|涼宮ハルヒの消失]] (2010年)演出、原画 |
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* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜]](2016年) '''シリーズ演出''' |
|||
* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜]](2017年) '''シリーズ演出''' |
|||
* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜]](2019年) '''チーフ演出'''・原画 |
|||
=== その他 === |
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* 京アニBON VOL.25表紙イラスト (2009年) |
|||
* 京都アニメーションCM「メガネ編」(2012年)原画 |
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* 京都アニメーションCM「行きたくなるお店編」(2012年)原画 |
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== 受賞歴 == |
== 受賞歴 == |
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| アニメーション・ミックスメディア部門 作品賞 |
| アニメーション・ミックスメディア部門 作品賞 |
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| {{nom}} |
| {{nom}} |
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| [[上海国際映画祭]] |
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| 第26回 |
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| コンペティション部門[[金爵賞 最優秀アニメーション作品賞]] |
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| {{won}} |
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|} |
|} |
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== |
== 著作 == |
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* {{Cite book|和書|title = わたしたちが描いたアニメーション「平家物語」|publisher = 河出書房新社|date = 2022-3-10|isbn = 978-4309291871|author = 高野文子|authorlink = 高野文子|author2 = 山田尚子}} |
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=== テレビアニメ(参加作品) === |
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* [[AIR (ゲーム)|AIR]] (2005年) 原画(9話・11話・12話・特別編) |
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* [[フルメタル・パニック!|フルメタル・パニック!The Second Raid]] (2005年) 原画(9話・13話) |
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* [[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱]] (2006年) 原画(2話・7話・10話・12話) |
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* [[Kanon (ゲーム)|Kanon]] (2006年-2007年) 原画(ED・3話・7話・11話・15話・18話・19話・24話) |
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* [[らき☆すた (アニメ)|らき☆すた]] (2007年) 原画(2話・8話・13話・14話・20話・24話) |
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* [[CLANNAD (ゲーム)|CLANNAD]] (2007年-2008年) 絵コンテ(番外編)、演出(17話・番外編)、演出補佐(8話・12話)、原画(OP・5話・8話・番外編) |
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* [[CLANNAD (ゲーム)|CLANNAD 〜AFTER STORY〜]] (2008年-2009年) 絵コンテ/演出(3話・10話・16話・22話)、原画(OP・22話) |
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* [[涼宮ハルヒの憂鬱 (アニメ)|涼宮ハルヒの憂鬱(2009年版)]] (2009年) 絵コンテ/演出(20話)、原画(20話・26話) |
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* [[日常 (漫画)|日常]] (2011年) 絵コンテ/演出(5話・17話)、原画(ED) |
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* [[〈古典部〉シリーズ|氷菓]] (2012年) 絵コンテ/演出(9話・14話) |
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* [[中二病でも恋がしたい! (アニメ)|中二病でも恋がしたい!]] (2012年) 絵コンテ/演出(ED)、原画(2話) |
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* [[Free! (アニメ)|Free!]] (2013年) 絵コンテ/演出(7話)、原画(ED) |
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* [[境界の彼方]] (2013年) 絵コンテ/演出(5話)、原画(ED) |
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* [[中二病でも恋がしたい!戀]] (2014年) 絵コンテ(ED・5話)、演出(ED) |
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* [[Free! (アニメ)|Free!-Eternal Summer-]] (2014年) 絵コンテ/演出(12話)、演出補佐(OP・ED) |
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* [[響け!ユーフォニアム (アニメ)|響け!ユーフォニアム]] (2015年) '''シリーズ演出'''、絵コンテ(ED・1話・4話・13話)、演出(ED・1話) |
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* [[無彩限のファントム・ワールド]](2016年) 絵コンテ(6話) |
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* [[響け!ユーフォニアム2]](2016年) '''シリーズ演出'''、絵コンテ(12話・13話)、演出(13話) |
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* [[小林さんちのメイドラゴン]] (2017年) 絵コンテ/演出(8話) |
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* [[ヴァイオレット・エヴァーガーデン (アニメ)|ヴァイオレット・エヴァーガーデン]](2018年)絵コンテ(5話) |
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* [[ツルネ -風舞高校弓道部-]](2018年)絵コンテ(6話)、演出(6話) |
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== メディア出演 == |
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=== テレビ === |
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* [[MUNTOシリーズ|MUNTO 時の壁を越えて]] (2005年)動画 |
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* [[情熱大陸]] Vol.1321「アニメーション監督 山田尚子」(2024年10月6日、[[毎日放送|MBS]]/[[ジャパン・ニュース・ネットワーク|TBS系列局]])<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.mbs.jp/jounetsu/2024/10_06.shtml|title= アニメーション監督 山田尚子|website= 情熱大陸 |publisher= MBS 毎日放送 |date=2024-10-06|accessdate=2024-10-06}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.tvlife.jp/entame/730480#google_vignette|title= 『情熱大陸』アニメーション監督・山田尚子に密着 チェコ・プラハでの“聖地巡礼”にも同行 |website= TV LIFEweb |publisher= ワン・パブリッシング |date=2024-10-06|accessdate=2024-10-06}}</ref> |
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* フルメタル・パニック! The Second Raid 特別版OVA (2006年)原画 |
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* らき☆すたOVA (2008年)演出 |
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=== 映画 === |
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* [[涼宮ハルヒの消失 (映画)|涼宮ハルヒの消失]] (2010年)演出、原画 |
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* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜]](2016年) '''シリーズ演出''' |
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* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜]](2017年) '''シリーズ演出''' |
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* [[劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜]](2019年) '''チーフ演出'''・原画 |
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=== その他 === |
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* 京アニBON VOL.25表紙イラスト (2009年) |
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* 京都アニメーションCM「メガネ編」(2012年)原画 |
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* 京都アニメーションCM「行きたくなるお店編」(2012年)原画 |
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== 著作 == |
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*{{Cite book|和書|title = わたしたちが描いたアニメーション「平家物語」|publisher = 河出書房新社|date = 2022-3-10|isbn = 978-4309291871|author = 高野文子|authorlink = 高野文子|author2 = 山田尚子}} |
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== 脚注 == |
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== 関連項目 == |
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* [[アニメ関係者一覧]] |
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* [[吉田玲子]] - 監督全作品の脚本をつとめる |
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== 外部リンク == |
== 外部リンク == |
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* [https://web.archive.org/web/20190719234810/https://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?author=18 京都アニメーション スタッフブログ](2019年7月時点のアーカイブ) |
* [https://web.archive.org/web/20190719234810/https://www.kyotoanimation.co.jp/staff/anibaka/blog/?author=18 京都アニメーション スタッフブログ](2019年7月時点のアーカイブ) |
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* {{IMDb name|2210720|Naoko Yamada}} |
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{{山田尚子}} |
2024年11月21日 (木) 14:43時点における最新版
やまだ なおこ 山田 尚子 | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
本名 | 山田 尚子 | ||||||||||
生年月日 | 11月28日 | ||||||||||
出生地 | 日本・京都府 | ||||||||||
職業 |
アニメ演出家・監督 アニメーター | ||||||||||
ジャンル | アニメーション | ||||||||||
活動期間 | 2005年 - | ||||||||||
事務所 | フリーランス[1] | ||||||||||
主な作品 | |||||||||||
アニメーション映画 テレビアニメ 『けいおん!』(監督) 『たまこまーけっと』(監督) 『響け!ユーフォニアム』(シリーズ演出) | |||||||||||
|
山田 尚子(やまだ なおこ、11月28日[2][3] - )は、日本のアニメ演出家・監督、アニメーター。京都府生まれ[2]。京都造形芸術大学(現京都芸術大学)美術工芸学科洋画コース卒業[4][5]。
来歴
[編集]生い立ち - 学生時代
[編集]幼少期は『ドラえもん』や『クレヨンしんちゃん』、『スタジオジブリ作品』をよく好んで観ていた。また、小学生の頃より絵を描くことが好きで、『ドラゴンボール』や『機動警察パトレイバー』、『ハイスクール!奇面組』などの絵を模写していた[6]。
高校時代はテニス部と写真部に所属[6]。京都造形芸術大学(現京都芸術大学)に進学後は特撮部に所属していた[6]。学科での専攻は油絵だったが、3年次にて「キャンバスでは自分がやりたい表現は出来ない」と感じ、立体造型の製作に着手。皆が絵画に取り組む中、発泡プラスチックを削っていたという。
京都アニメーション入社
[編集]2004年、京都アニメーションにアニメーターとして入社[7]。2005年『AIR』にて初原画。2007年『CLANNAD -クラナド-』第8話「黄昏に消える風」、第12話「かくされた世界」の演出補佐を経て、第17話「不在の空間」で演出デビューを果たす。
2009年、若手ながらテレビアニメ『けいおん!』の監督に抜擢される[8]。この作品は、東京アニメアワードやアニメーション神戸で優秀作品賞を受賞した[9][10]ほか、数々の社会現象を巻き起こす大ヒットを収める[11]。その後、2011年には『映画けいおん!』にて長編映画初監督を務め[12]、深夜アニメの劇場版としては史上初[13]となる、第35回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞に輝く[14]。また、全国130館公開規模であったが、興行収入では19億円を突破した[15]。
2013年、テレビアニメ『たまこまーけっと』にてオリジナル初監督[16]。翌2014年にはその続編となるオリジナル長編映画『たまこラブストーリー』の監督を手がけ、第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門新人賞を受賞[17]。受賞理由として、「新人賞ではあるが、現在の日本のアニメの到達点といえる。何気ない日常の中にみずみずしい感動を見つけるという視点はやはり独特。映像を注意深く見ると、その鋭敏な感性だけでなく、アニメーターとしての技量や演出者としての計算、そして強い意志に裏付けられていることがよくわかる。」[18]との高い評価を受けた。
2015年には、テレビシリーズ『響け!ユーフォニアム』にてシリーズ演出を担当[19]。また、同年10月、大今良時原作『聲の形』のアニメーション映画化に際し、監督を務めることが発表された[20]。
2016年9月17日、長編映画監督3作目となる『映画 聲の形』が公開[21]。本作は山田にとって初となる、テレビシリーズを挟まない映画となった[22]。公開館数は120館と小規模ながら、累計動員177万人[23]、興行収入は23億円を突破し[24]、2016年度の日本映画全体の興収ベスト10入りを果たすなどの大ヒットを収めた[25]。また、第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞[26]、第26回日本映画批評家大賞アニメーション部門作品賞[27]、第20回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞[28]などを受賞。またアヌシー国際アニメーション映画祭にて[29]、長編コンペティション部門入選を果たした[30][31]。
2018年4月21日、『響け! ユーフォニアム』の完全新作となるアニメーション映画『リズと青い鳥』が全国公開[32][33][34]。第73回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞した[35]。
サイエンスSARU
[編集]2019年に京都アニメーションを離れ、サイエンスSARUへ軸足を移す[1]。2021年、テレビシリーズの監督としては9年ぶりとなる新作『平家物語』を発表[36]。
2022年、キャラクター原案に水沢悦子、音楽にラブリーサマーちゃんを迎えた17分間の短編作品『Garden of Remembrance』を発表し、スコットランドでワールドプレミアを迎えた[37]。制作は引き続きサイエンスSARUが行い、2023年に一般公開を予定する[37]。
2024年、長編映画『きみの色』が公開された[38]。吉田玲子脚本で感情の色が見える少女の青春物語として制作される。
作風・人物
[編集]作風の大きな特徴の一つに「繊細な心情描写」が挙げられる[39]。登場人物の内面を台詞に伴うちょっとした表情やしぐさ、周囲の風景描写で語らせるような演出は、高い評価を得ている[39]。
影響
[編集]小津安二郎、松本俊夫、セルゲイ・パラジャーノフ、ソフィア・コッポラ、アレハンドロ・ホドロフスキー、ルシール・アザリロヴィック[40][41][42][43][44]の作品から影響を受けた。
また、吉田聡の『湘南爆走族』、藤子・F・不二雄の『ドラえもん』、泉昌之の『かっこいいスキヤキ』など漫画作品からの影響も公言している[45]。
テレビで深夜に放送されていた映画を小さい頃からよく観ていて、その度に夜眠れないような体験をしていたといい[46]、そこから「人の心を動かしたい一心で、映像づくりに携わった」と述べている[47]。
制作姿勢
[編集]アニメーションの良さについては、「魂が宿る瞬間を見られること。パペット・アニメーションやクレイ・アニメーションも同じだが、アニメは一コマ一コマに何かしら人間が手を加えて、コマが流れたときにはじめて動いて見える。その技術そのものに感動させられる。作品を作るときも、そうした初心を忘れないようにしている。」と答えている[47]。
作品を制作するにあたって必ず行う事の一つに、「何かポイントとなるコンセプトを組んでいくこと」を挙げている[48]。また、そのインスピレーションについては「数学や物理に関する事柄が多い」とも述べている[48]。『映画 聲の形』では将也と硝子の関係について、劇中でも登場した養老天命反転地の「極限で似るものの家」がポイントとなり、そこから数学用語で「イコールではないが、無限に同じものへ近づいて行くことを示す"極限値"」がコンセプトとして取り上げられた[48]。
キャラクターとの距離感では、「絵空事のキャラクター」としてではなく、「ひとりの人間」として実存感をもって扱い、「この子は何を思っているのか、どんな景色がみえているのか。」といった目線で接することを大切にしている[46]。演出においては、「どの場所に登場人物を立たせて、何ミリのレンズで、どの構図で撮れば、登場人物が魅力的に描けるのか。その積み重ね。アニメーションであれば、観る人の感情に的確に訴えるためのレイアウトや、色や空気感をしっかりとコントロールできる。」と答えている[49]。
自身の監督作『けいおん!』や『たまこラブストーリー』等に見られる青春時代描写については、「その年代の子たちは、呼吸をしているとき、瞬きをしているとき、そのすべての瞬間が青春。当時は意識せずに生きてきたが、それは実に感動的なこと。それを撮りたいという思いで、それを意識して制作をした。」と説明している[46]。
原作ものをアニメ化する際のスタンスは「原作ファンの人とずれてしまう」ことの怖さを語っており、「原作のファンは、自分だけの声や動きでキャラクターをイメージしている。それと、アニメが固定的に表現するイメージがずれる可能性が怖いと。では、どうしたか。『自分が一番のファンになろう。ファンの人よりファンになろう』という事を心掛けている。またユーザーの意見はあまり見ないようにしており、ユーザーに引っ張られるのではなく、こっちが引っぱっていくようにしたい」とも語っている[50]。また『映画 聲の形』制作時のインタビューでは、「タイトルが持っている魅力をきちんとプロデュースすること」「作品への愛情と敬意を持った上で、一度全部を解体して一本の映画として再構築しないと映画を作ったとは言えない」「決意としては原作をお嫁にもらう覚悟に近かった。お嫁にもらう限りは絶対に不幸にはしないという覚悟を持って制作に臨んだ。」と答えている[51]。
映像の設計図である絵コンテ作業については、「表現したい色や光、形といった明確なゴールが見えるまでコンテはなかなか描けない」と述べ、「シーンを行ったり来たりしながら少しづつ進めていく」「作品の幹とそれを取り巻く色々なテクスチャを組み上げていくような感覚」と説明している[52]。また、「下描きはせずに一旦コンテ用紙にある程度描き、後に全体を見通し、カッターとテープを使用し切り貼りをして、主観と客観のバランスを保ってカットを組み上げていく」とも述べている[53]。
「『色』とは『アトモスフィア(雰囲気)』」「下手に名前をつけて言葉にすると溢れてしまうような曖昧模糊とした感情や感覚を表せるものが色」「原色もあるし、中間色もある。いろいろなグラデーションが可能なので、意味を限定しないというところで自由自在に印象を伝えることができる」という考えを持っており、それらの考えを膨らませた結果、映画「きみの色」の構想が浮かんできたと述べている[54][45]。
自身の作品について『人が見る』ということを大切にしている。「完全に自己表現として作品を作れる人を尊敬しているし、憧れもあるけれど、わたしは違うかもしれない」「いつも、作品ごとにボールを投げる相手というか個人を設定していますね。無意識に」と述べており、制作中も主観的な没頭も大切にする一方、「俯瞰的な視点」も大事にしている[55]。
2024年のインタビューにおいて「自身が考えることが好きなこともあり、考える余白が好きな人やそれを理解してくれたり作れる人が好きだし、そういう人と一緒に仕事がしたいという気持ちがある」と述べている[56][45]。
エピソード
[編集]作品を制作する上での打ち合わせや、アフレコなどでの伝え方については、「あまり口頭での説明が得意ではない」とし、「口頭だと誤解が多いので、伝え方を試したりしている」「一つの言葉に絞ると意味が限定されてしまうので、どうしても感覚的だったり抽象的な言葉の表現に寄ることが多いかもしれない」「それでも、必ず考えているゴールにたどり着くように道を作ることはブレないようにしている」と語っている[57]。そのような伝え方に対して、『たまこシリーズ』で音楽を担当したマニュアル・オブ・エラーズ・アーティスツの山口優からは、「ありがたかった。こちらが勝手に解釈する余地を与えてもらえるのは楽しい。」と振り返られている[57]。
『映画 聲の形』で劇伴音楽を手掛けた牛尾憲輔からは、「コンセプトワークをしっかりやって、登場人物一人ひとりの感情の変化を一歩一歩さらっていく、そんな途方もない作業にほんと愚直に、全力で取り組むタイプの人でした。泥にまみれながらひとつひとつ作業していく姿にシンパシーを感じました。」と評されている[58]。また、音楽の面では「アニメ業界の方では山田監督くらいですね、ベルリンのテクノレーベルの話ができたのは」ともコメントしている[58]。
アニメーション監督の新海誠は『映画 聲の形』を激賞し、「上品で端正な演出は、真似したくてもとても真似られそうもない」と評している[59]。
映画『たまこラブストーリー』の絵コンテ作業前には、山に籠り、滝修行をしていた[60]。後に山田は、「山の中で毎日毎日、今まで聞いたこともなかったトカゲの鳴き声が聞こえて怖かった。でもいいところでした。」と振り返っている[61]。
音楽
[編集]「他にあまり趣味がない」と語るほど、音楽に対し思い入れが強い[62]。
幼少期は姉の影響でチェッカーズを聴き、また音楽好きの母の影響で、レコードに触れ、ガゼボを口ずさむような子どもだった。そのような環境から、自然と80’sやフュージョン系を聞きながら成長する。思春期に入ってからは4つ打ちやテクノを知り、電気グルーヴをよく聴いていた。大学進学後、レコード屋に通うようになり、ニュー・ウェイヴやUKパンクへの興味を持ち始めていた頃、映画『24アワー・パーティー・ピープル』が公開。そのレビューを石野卓球がしていたことをきっかけに、80年代から遡って、70年代の音楽にもより関心を広げる[62]。
そのほかにも学生時代からTM NETWORK、工藤静香、松任谷由実が好きだっためよく聴いていたと話している[45]。
楽器歴では、小さい頃はピアノを習っていた。高校時にはコピーバンドを、大学在学時にはギターとベースとドラムとKORG・Electribeの四人編成のバンドを組んでいた。また、音響専門誌『サウンド&レコーディング・マガジン』(リットーミュージック)の読者でもあった[57]。
『たまこまーけっと』の劇中歌「恋の歌」では、作詞としてクレジットされている[63]。音楽プロデューサー・中村伸一によると、「"詞じゃなくて構わないのでキーワードをください"というオーダーに対し、いただいた時点でほとんど詞になっていた」と述べている[64]。
監督作品
[編集]長編映画
[編集]公開年 | 作品名 | 役職 | |
---|---|---|---|
2011年 | 12月3日 | 映画けいおん! | 監督 絵コンテ 演出 |
2014年 | 4月26日 | たまこラブストーリー | 監督 絵コンテ 演出 OPテーマ「KOI NO UTA」作詞[65] EDテーマ「こいのうた」作詞[65] |
2016年 | 9月17日 | 映画 聲の形 | 監督 絵コンテ |
2018年 | 4月21日 | リズと青い鳥 | 監督 絵コンテ 演出 EDソング作詞 |
2024年 | 8月30日 | きみの色 | 監督 絵コンテ・演出 エンディングアニメーション 絵コンテ・演出 挿入歌作詞 |
テレビアニメ
[編集]期間 | 作品名 | 役職 | |
---|---|---|---|
2009年4月2日 | 2009年6月25日 | けいおん! | 監督 絵コンテ(1話・12話・13話) 演出(1話) 原画(12話) ED絵コンテ・演出・原画[注 1] |
2010年4月6日 | 2010年9月28日 | けいおん!! | 監督 絵コンテ(1話・3話・24話) 演出(1話・24話) 前期ED絵コンテ・演出 後期OP絵コンテ・演出 後期ED絵コンテ・演出 |
2013年1月10日 | 2013年3月28日 | たまこまーけっと[66] | 監督 絵コンテ(1話・2話・11話・12話) 演出(1話) OP絵コンテ・演出 ED絵コンテ・演出 劇中歌「恋の歌」作詞[63] |
2022年1月12日 | 2022年3月24日 | 平家物語 | 監督 絵コンテ(1話・4話・12話) 演出(1話・12話) OP絵コンテ・演出 ED絵コンテ・演出 |
ショートフィルム
[編集]公開年 | 作品名 | 役職 |
---|---|---|
2022年 | モダンラブ・東京〜さまざまな愛の形〜第7話「彼が奏でるふたりの調べ」 | 監督 絵コンテ |
2023年 | Garden of Remembrance | 監督 脚本 絵コンテ 演出 |
広告
[編集]- ネスレ:キットカット「きっかけは、キットカットで。」篇(2022年)
- ネスレ:キットカット「きっかけは、キットカットで。娘と母の心をつなぐきっかけ」篇(2022年)
参加作品
[編集]テレビアニメ(参加作品)
[編集]- AIR (2005年) 原画(9話・11話・12話・特別編)
- フルメタル・パニック!The Second Raid (2005年) 原画(9話・13話)
- 涼宮ハルヒの憂鬱 (2006年) 原画(2話・7話・10話・12話)
- Kanon (2006年-2007年) 原画(ED・3話・7話・11話・15話・18話・19話・24話)
- らき☆すた (2007年) 原画(2話・8話・13話・14話・20話・24話)
- CLANNAD (2007年-2008年) 絵コンテ(番外編)、演出(17話・番外編)、演出補佐(8話・12話)、原画(OP・5話・8話・番外編)
- CLANNAD 〜AFTER STORY〜 (2008年-2009年) 絵コンテ/演出(3話・10話・16話・22話)、原画(OP・22話)
- 涼宮ハルヒの憂鬱(2009年版) (2009年) 絵コンテ/演出(20話)、原画(20話・26話)
- 日常 (2011年) 絵コンテ/演出(5話・17話)、原画(ED)
- 氷菓 (2012年) 絵コンテ/演出(9話・14話)
- 中二病でも恋がしたい! (2012年) 絵コンテ/演出(ED)、原画(2話)
- Free! (2013年) 絵コンテ/演出(7話)、原画(ED)
- 境界の彼方 (2013年) 絵コンテ/演出(5話)、原画(ED)
- 中二病でも恋がしたい!戀 (2014年) 絵コンテ(ED・5話)、演出(ED)
- Free!-Eternal Summer- (2014年) 絵コンテ/演出(12話)、演出補佐(OP・ED)
- 響け!ユーフォニアム (2015年) シリーズ演出、絵コンテ(ED・1話・4話・13話)、演出(ED・1話)
- 無彩限のファントム・ワールド(2016年) 絵コンテ(6話)
- 響け!ユーフォニアム2(2016年) シリーズ演出、絵コンテ(12話・13話)、演出(13話)
- 小林さんちのメイドラゴン (2017年) 絵コンテ/演出(8話)
- ヴァイオレット・エヴァーガーデン(2018年)絵コンテ(5話)
- ツルネ -風舞高校弓道部-(2018年)絵コンテ(6話)、演出(6話)
OVA
[編集]- MUNTO 時の壁を越えて (2005年)動画
- フルメタル・パニック! The Second Raid 特別版OVA (2006年)原画
- らき☆すたOVA (2008年)演出
映画
[編集]- 涼宮ハルヒの消失 (2010年)演出、原画
- 劇場版 響け!ユーフォニアム〜北宇治高校吹奏楽部へようこそ〜(2016年) シリーズ演出
- 劇場版 響け!ユーフォニアム〜届けたいメロディ〜(2017年) シリーズ演出
- 劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのフィナーレ〜(2019年) チーフ演出・原画
その他
[編集]- 京アニBON VOL.25表紙イラスト (2009年)
- 京都アニメーションCM「メガネ編」(2012年)原画
- 京都アニメーションCM「行きたくなるお店編」(2012年)原画
受賞歴
[編集]国内
[編集]賞・映画祭 | 年・回 | 部門 | 結果 |
---|---|---|---|
日本アカデミー賞 | 第35回 | 優秀アニメーション作品賞 | 受賞 |
第40回 | 受賞 | ||
毎日映画コンクール | 第73回 | 大藤信郎賞 | 受賞 |
日本映画批評家大賞 | 第26回 | アニメーション部門 作品賞 | 受賞 |
文化庁メディア芸術祭 | 第18回 | アニメーション部門 新人賞 | 受賞 |
第20回 | アニメーション部門 優秀賞 | 受賞 | |
東京アニメアワード | 第16回 | アニメーション・オブ・ザ・イヤー | 受賞 |
第9回 | テレビ部門 優秀作品賞 | 受賞 | |
第10回 | 受賞 | ||
アニメーション神戸 | 第15回 | テレビ部門 作品賞 | 受賞 |
第17回 | 劇場部門 作品賞 | 受賞 |
海外
[編集]賞・映画祭 | 年・回 | 部門 | 結果 |
---|---|---|---|
アヌシー国際アニメーション映画祭 | 2017年 | 長編コンペティション部門 | ノミネート |
シッチェス・カタロニア国際映画祭 | 第50回 | アニメーション部門 最優秀長編作品賞 | ノミネート |
アジア太平洋映画賞 | 2017年 | 最優秀アニメーション映画賞 | ノミネート |
サテライト賞 | 第23回 | アニメーション・ミックスメディア部門 作品賞 | ノミネート |
上海国際映画祭 | 第26回 | コンペティション部門金爵賞 最優秀アニメーション作品賞 | 受賞 |
著作
[編集]- 高野文子、山田尚子『わたしたちが描いたアニメーション「平家物語」』河出書房新社、2022年3月10日。ISBN 978-4309291871。
メディア出演
[編集]テレビ
[編集]脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ エンディングに登場するキャラクターの衣装デザインや、最終回の最後に挿入される手描きテロップ「おしまい」なども担当した。
出典
[編集]- ^ a b 『キネマ旬報 8月号』キネマ旬報社、2024年。
- ^ a b “山田 尚子 | プロフィール一覧 | 文化庁メディア芸術祭 歴代受賞作品”. 文化庁. 2019年7月20日閲覧。
- ^ “京アニ山田尚子氏の無事確認「けいおん!」など監督”. 日刊スポーツ. (2019年7月18日) 2019年7月20日閲覧。 つながる☆パピコ - 京都アニメーション公式スタッフブログ「THE☆アニメバカ一代」 (2009年11月25日)
- ^ “映画『聲の形』2016年秋公開 山田尚子監督”. 瓜生通信. 2017年5月22日閲覧。
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関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 京都アニメーション スタッフブログ(2019年7月時点のアーカイブ)
- Naoko Yamada - IMDb
- 山田尚子 - allcinema
- 山田尚子 - KINENOTE
- 山田尚子 - Rotten Tomatoes