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'''認知心理学'''(にんちしんりがく、{{lang-en|cognitive psychology}})は、[[情報処理]]の観点から生体の[[認知]]活動を研究する学問である。[[20世紀]]前半の[[ゲシュタルト心理学]]や[[フレデリック・バートレット|バートレット]]、[[ジャン・ピアジェ|ピアジェ]]、[[レフ・ヴィゴツキー|ヴィゴツキー]]らの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時に[[クラーク・ハル|ハル]]、[[エドワード・トールマン|トールマン]]らの[[新行動主義心理学]]の発展形と見ることもできる。20世紀最後の四半世紀以来、現代[[心理学]]の主流の座にあると言える。
'''認知心理学'''(にんちしんりがく、{{lang-en|cognitive psychology}})は、[[情報処理]]の観点から生体の[[認知]]活動を研究する学問である。[[20世紀]]前半の[[ゲシュタルト心理学]]や[[フレデリック・バートレット|バートレット]]、[[ジャン・ピアジェ|ピアジェ]]、[[レフ・ヴィゴツキー|ヴィゴツキー]]らの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時に[[クラーク・ハル]]、[[エドワード・トールマン]]<!-- ハル、トールマンと並べるとハル・ノート氏、トルーマン第33代大統領の連想により、日本における歴史の偏向が勘案されます -->らの[[新行動主義心理学]]の発展形と見ることもできる。20世紀最後の四半世紀以来、現代[[心理学]]の主流の座にあると言える。


== 研究対象 ==
認知心理学は、[[知覚]]・[[理解]]・[[記憶]]・[[思考]]・[[学習]]・[[推論]]・[[問題解決]]など人間の[[高次認知機能]]を研究対象とし、[[脳科学]]、[[神経科学]]、[[神経心理学]]、[[情報科学]]、[[言語学]]、[[人工知能]]、[[計算機科学]]などとの関わりあいの中で[[認知科学]]と呼ばれる事もある。この場合は心理学の手法に留まらず、認知心理学による研究成果に広く基づき、コンピュータの処理モデルを構築する事やそれを用いて人の[[認知モデル]]を再検証する事等も含む。最近では、[[意識]]や[[感情]]、[[感性]]といった問題にも取り組むようになってきている。
認知心理学は、[[知覚]]・[[理解]]・[[記憶]]・[[思考]]・[[学習]]・[[推論]]・[[問題解決]]など人間の[[高次認知機能]]を研究対象とし、[[脳科学]]、[[神経科学]]、[[神経心理学]]、[[情報科学]]、[[言語学]]、[[人工知能]]、[[計算機科学]]などとの関わりあいの中で[[認知科学]]と呼ばれる事もある。この場合は心理学の手法に留まらず、認知心理学による研究成果に広く基づき、コンピュータの処理モデルを構築する事やそれを用いて人の[[認知モデル]]を再検証する事等も含む。最近では、[[意識]]や[[感情]]、[[感性]]といった問題にも取り組むようになってきている。


== 歴史 ==
認知心理学が盛んになる以前は、刺激-反応(S-R)という図式による[[行動主義]]やそれを発展させた(S-O-R)図式の[[新行動主義]]が全盛だったが、[[コンピュータ]]の発展に伴い[[情報科学]]が盛んになり、その[[情報科学]]の考え方が心理学に取り入れられ、認知心理学という分野が成立した。[[1967年]]に[[ナイサー]]が「認知心理学」という題名の本を出版してから、この言葉が一般的になった。認知心理学と新行動主義は近く、重点の置き方に違いはあっても理論的齟齬はない。
認知心理学が盛んになる以前は、刺激-反応(S-R)という図式による[[行動主義]]やそれを発展させた(S-O-R)図式の[[新行動主義]]が全盛だったが、[[コンピュータ]]の発展に伴い[[情報科学]]が盛んになり、その[[情報科学]]の考え方が心理学に取り入れられ、認知心理学という分野が成立した。[[1967年]]に[[ナイサー]]が「認知心理学」という題名の本を出版してから、この言葉が一般的になった。認知心理学と新行動主義は近く、重点の置き方に違いはあっても理論的齟齬はない。[[ナイサー]]の定義によると、「感覚入力が変換され、還元され、精緻化され、貯蔵され、回復され、そして用いられる、そのすべてのプロセスに関わる学(1967)」


キーワードは、[[情報処理]]・コンピュータ・認知主義・[[人工知能]]・[[状況論]]・モデル・システムなどがある。効果的な学習方法を研究したり、分かりやすい機械や文章などを追究したりしている。
キーワードは、[[情報処理]]・コンピュータ・認知主義・[[人工知能]]・[[状況論]]・モデル・システムなどがある。効果的な学習方法を研究したり、分かりやすい機械や文章などを追究したりしている。
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* [[フレデリック・バートレット]](Frederic Charles Bartlett [[1886年]] - [[1969年]])
* [[フレデリック・バートレット]](Frederic Charles Bartlett [[1886年]] - [[1969年]])
* [[クルト・コフカ]](Kurt Koffka [[1886年]] - [[1941年]])
* [[クルト・コフカ]](Kurt Koffka [[1886年]] - [[1941年]])
* [[ヴォルフガング・ケーラー]](Wolfgang Kohler [[1887年]] - [[1967年]])
* [[ヴォルフガング・ケーラー]](Wolfgang Köhler [[1887年]] - [[1967年]])
* [[レフ・ヴィゴツキー]](Lev Semenovich Vygotsky [[1896年]] - [[1934年]])
* [[レフ・ヴィゴツキー]](Lev Semenovich Vygotsky [[1896年]] - [[1934年]])
* [[ジャン・ピアジェ]](Jean Piaget [[1896年]] - [[1980年]])
* [[ジャン・ピアジェ]](Jean Piaget [[1896年]] - [[1980年]])
* [[ドナルド・ヘッブ]](Donald Olding Hebb [[1904年]] - [[1985年]])<br>
* [[ドナルド・ヘッブ]](Donald Olding Hebb [[1904年]] - [[1985年]])
'''開拓'''<br>
'''開拓'''<br>
* [[ジェローム・ブルーナー]](Jerome Seymour Bruner [[1915年]] - )
* [[ジェローム・ブルーナー]](Jerome Seymour Bruner [[1915年]] - [[2016年]]
* [[ハーバート・サイモン]](Herbert A.Simon [[1916年]] - [[2001年]])
* [[ハーバート・サイモン]](Herbert A.Simon [[1916年]] - [[2001年]])
* [[ジョージ・ミラー]](George Armitage Miller [[1920年]] - )
* [[ジョージ・ミラー (心理学者)|ジョージ・ミラー]](George Armitage Miller [[1920年]] - [[2012年]]
* [[ドナルド・ブロードベント]](Donald Eric Broadbent [[1926年]] - [[1993年]])
* [[ドナルド・ブロードベント]](Donald Eric Broadbent [[1926年]] - [[1993年]])
* [[アレン・ニューウェル]](Allen Newell [[1927年]] - [[1992年]])
* [[アレン・ニューウェル]](Allen Newell [[1927年]] - [[1992年]])
* [[エンデル・タルヴィング]](Endel Tulving [[1927年]] - )
* [[エンデル・タルヴィング]](Endel Tulving [[1927年]] - )
* [[フランク・ローゼンブラット]](Frank Rosenblatt [[1928年]] - [[1969年]])
* [[フランク・ローゼンブラット]](Frank Rosenblatt [[1928年]] - [[1969年]])
* [[ウルリック・ナイサー]](Ulric Neisser [[1928年]] - [[2012年]])<br>
* [[ウルリック・ナイサー]](Ulric Neisser [[1928年]] - [[2012年]])
'''発展'''<br>
'''発展'''<br>
* [[ダニエル・カーネマン]](Daniel Kahneman [[1934年]] - )
* [[ダニエル・カーネマン]](Daniel Kahneman [[1934年]] - )
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* [[ジョン・R・アンダーソン]](John R. Anderson [[1947年]] - )
* [[ジョン・R・アンダーソン]](John R. Anderson [[1947年]] - )
* [[ジェームズ・マクレランド]](James L.McClelland [[1948年]] - )
* [[ジェームズ・マクレランド]](James L.McClelland [[1948年]] - )
* [[スティーブン・ピンカー]](Steven Pinker [[1954年]] - )<br>
* [[スティーブン・ピンカー]](Steven Pinker [[1954年]] - )

* [[戸田正直]](とだ まさなお [[1924年]] - [[2006年]])
* [[戸田正直]](とだ まさなお [[1924年]] - [[2006年]])
* [[波多野誼余夫]](はたの ぎよお [[1935年]] - [[2006年]])
* [[波多野誼余夫]](はたの ぎよお [[1935年]] - [[2006年]])
* [[佐伯胖]](さえき ゆたか [[1939年]] - )
* [[佐伯胖]](さえき ゆたか [[1939年]] - )
* [[須賀哲夫]](すが てつお [[1940年]] - )
* [[須賀哲夫]](すが てつお [[1940年]] - )
* [[太田信夫]](おおた のぶお [[1941年]] - )
* [[太田信夫]](おおた のぶお [[1941年]] - )
* [[海保博之]](かいほ ひろゆき [[1942年]] - )
* [[海保博之]](かいほ ひろゆき [[1942年]] - [[2021年]]
* [[苧阪直行]](おさか なおゆき [[1946年]] - )
* [[苧阪直行]](おさか なおゆき [[1946年]] - )
* [[高野陽太郎]] (たかの ようたろう [[1950年]] - )
* [[吉村浩一]](よしむら ひろかず [[1951年]] - )
* [[守一雄]](もり かずお [[1951年]] - )
* [[守一雄]](もり かずお [[1951年]] - )
* [[吉村浩一]](よしむら ひろかず [[1951年]] - )
* [[市川伸一]](いちかわ しんいち [[1953年]] - )
* [[市川伸一]](いちかわ しんいち [[1953年]] - )
* [[下條信輔]](しもじょう しんすけ [[1955年]] - )
* [[下條信輔]](しもじょう しんすけ [[1955年]] - )
* [[苫米地英人]](とまべち ひでと [[1959年]] - )
* [[村越真]](むらこし しん [[1960年]] - )
* [[村越真]](むらこし しん [[1960年]] - )


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* [http://www.cogpsy.jp/ 日本認知心理学会]
* [http://www.cogpsy.jp/ 日本認知心理学会]
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* [http://inquisitivemind.jimdo.com/cognitive-psychology/ インクィジティブ・マインド:Cognitive Psychology (認知心理学)]
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2024年8月19日 (月) 21:27時点における最新版

認知心理学(にんちしんりがく、英語: cognitive psychology)は、情報処理の観点から生体の認知活動を研究する学問である。20世紀前半のゲシュタルト心理学バートレットピアジェヴィゴツキーらの認知論的研究の流れを汲む分野であり、同時にクラーク・ハルエドワード・トールマンらの新行動主義心理学の発展形と見ることもできる。20世紀最後の四半世紀以来、現代心理学の主流の座にあると言える。

研究対象

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認知心理学は、知覚理解記憶思考学習推論問題解決など人間の高次認知機能を研究対象とし、脳科学神経科学神経心理学情報科学言語学人工知能計算機科学などとの関わりあいの中で認知科学と呼ばれる事もある。この場合は心理学の手法に留まらず、認知心理学による研究成果に広く基づき、コンピュータの処理モデルを構築する事やそれを用いて人の認知モデルを再検証する事等も含む。最近では、意識感情感性といった問題にも取り組むようになってきている。

歴史

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認知心理学が盛んになる以前は、刺激-反応(S-R)という図式による行動主義やそれを発展させた(S-O-R)図式の新行動主義が全盛だったが、コンピュータの発展に伴い情報科学が盛んになり、その情報科学の考え方が心理学に取り入れられ、認知心理学という分野が成立した。1967年ナイサーが「認知心理学」という題名の本を出版してから、この言葉が一般的になった。認知心理学と新行動主義は近く、重点の置き方に違いはあっても理論的齟齬はない。ナイサーの定義によると、「感覚入力が変換され、還元され、精緻化され、貯蔵され、回復され、そして用いられる、そのすべてのプロセスに関わる学(1967)」

キーワードは、情報処理・コンピュータ・認知主義・人工知能状況論・モデル・システムなどがある。効果的な学習方法を研究したり、分かりやすい機械や文章などを追究したりしている。

代表的研究者

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先駆

開拓

発展

関連項目

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外部リンク

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