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「床屋のパラドックス」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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'''床屋のパラドックス'''(とこやのパラドックス)は、数理論理学と集合論における重要な[[パラドックス]]である。
'''床屋のパラドックス'''(とこやのパラドックス)は、[[数理論理学]][[集合論]]における重要な[[パラドックス]]である。


このパラドックスは[[イギリス]]の論理学者[[バートランド・ラッセル]]により考案された[[ラッセルのパラドックス]]を分かり易くした例である。
==概要==
このパラドックスは、次の問題から生じる。


このパラドックスはさらに[[ゲーデルの不完全性定理]]や[[チューリングマシン]]の[[停止性問題|停止問題]]とも関連している。
ある村でたった一人の男性の床屋は、自分で髭を剃らない人全員の髭を剃り、それ以外の人の髭は剃らない。この場合、床屋自身の髭は誰が剃るのだろうか?」


[[image:The Shave.jpg|thumb|200px|right|自分の髭は…]]
* 床屋が自分の髭を剃らなければ、彼は規則従って、髭を自分で剃らなくてはいけなくなり、矛盾が生じる。
このパラドックスは、次のようなものである。
* 床屋が自分の髭を剃るならば、「自分で髭を剃らない人の髭を剃るという規則に矛盾する。


* 規則:ある村でたった一人の床屋(男性とする。)は、自分で髭を剃らない人全員の髭を剃り、自分で髭を剃る人の髭は剃らない。
したがって、この規則はどちらにしても矛盾してしまうことになる。
* 問題:床屋自身の髭は誰が剃るのか?
# 床屋が自分の髭を剃らなければ、彼は「自分で髭を剃らない人」属するので床屋は自分自身の髭を自分で剃らなくてはいけなくなり、矛盾が生じる。
# 床屋が自分の髭を剃るならば、彼は「自分で髭を剃」に属するで、自分で髭を剃る人の髭を剃らないという規則に矛盾する。


したがって、どちらにしても矛盾が生ずる。
==その他==
このパラドックスは[[イギリス]]の論理学者バートランド・ラッセルにより考案された[[ラッセルのパラドックス]]を分かり易くした例である。このパラドックスはさらに[[ゲーデルの不完全性定理]]や[[チューリングマシン]]の停止問題とも関連している。


{{パラドックス}}
このパラドックスはしばしば、[[ジョーク]]に転用される。その際の[[パンチライン]](落ち)は「その床屋は女性だった」というもの。(その際には床屋の性別を明示せず、「ある村でたった一人の床屋は~」と始まる)


{{デフォルトソート:とこやのはらとつくす}}
==解釈・解決==
[[Category:論理学的パラドックス]]
このパラドックスは、「床屋が別の村の床屋に髭を剃ってもらっている」とすれば矛盾しない{{要出典}}。
[[Category:自己言及のパラドックス]]

[[Category:バートランド・ラッセル]]

[[Category:パラドックス|とこやのはらとつくす]]

[[de:Barbier-Paradoxon]]
[[en:Barber paradox]]
[[et:Habemeajaja paradoks]]
[[fr:Paradoxe du barbier]]
[[he:פרדוקס הספר]]
[[lt:Barzdaskučio paradoksas]]
[[pt:Paradoxo do barbeiro]]
[[zh:理发师悖论]]

2024年7月19日 (金) 14:19時点における最新版

床屋のパラドックス(とこやのパラドックス)は、数理論理学集合論における重要なパラドックスである。

このパラドックスはイギリスの論理学者バートランド・ラッセルにより考案されたラッセルのパラドックスを分かり易くした例である。

このパラドックスはさらにゲーデルの不完全性定理チューリングマシン停止問題とも関連している。

自分の髭は…

このパラドックスは、次のようなものである。

  • 規則:ある村でたった一人の床屋(男性とする。)は、自分で髭を剃らない人全員の髭を剃り、自分で髭を剃る人の髭は剃らない。
  • 問題:床屋自身の髭は誰が剃るのか?
  1. 床屋が自分の髭を剃らなければ、彼は「自分で髭を剃らない人」に属するので、床屋は自分自身の髭を自分で剃らなくてはいけなくなり、矛盾が生じる。
  2. 床屋が自分の髭を剃るならば、彼は「自分で髭を剃る人」に属するので、自分で髭を剃る人の髭を剃らないという規則に矛盾する。

したがって、どちらにしても矛盾が生ずる。