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「シトロエン・メアリ」の版間の差分

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'''メアリ'''({{lang|fr|Méhari}})は、[[シトロエン]]がかつて製造・販売していた[[自動車]]である。
{{Template:Infobox 自動車のスペック表

| 文字色=white
世界で初めて[[ABS樹脂]]製のボディパネルを架装した大量生産車として知られる。[[1968年]]から[[1988年]]までの総生産台数は144572台と記載されている。
| 背景色=darkgreen

| 車名=シトロエン・メアリ
バリエーションとして[[四輪駆動]]車の'''メアリ4x4'''が[[1980年]]から[[1983年]]まで生産されたが、高価なこともあり、販売台数は1200台程度にとどまった。
| 1枚目画像の説明=標準的ピックアップタイプ.前期型.

| 1枚目画像名=Citroën_Méhari_offen.jpg
== 概要 ==
{{Infobox_自動車のスペック表
| 車種= 普通自動車
| 車名= メアリ
| 車名補=
| 1枚目画像の説明=
| 1枚目画像名= Citroën_Méhari_offen.jpg
| 2枚目画像の説明=
| 2枚目画像の説明=
| 2枚目画像名=
| 2枚目画像名= Mehari-arriere-byRundvald.jpg
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像の説明=
| 3枚目画像名=
| 3枚目画像名=
| 製造国= {{BEL}}<br>{{SPA}}<br>{{ARG}}<br>{{POR}}<br>{{YUG}}
| 製造期間=[[1968年]] - [[1988年]]
| 販売期間= 1968-1988年
| ボディタイプ=
| 設計統括=
| ハイブリッドシステム=
| デザイン=
| エンジン= 空冷[[水平対向エンジン|水平対向2気筒]] OHV(602cc)
| 乗車定員= 4名
| ボディタイプ= 2ドア[[SUV]]
| エンジン= 0.6L [[水平対向2気筒|F2]]
| エンジン位置=
| モーター=
| モーター=
| 最高出力=
| トランスミッション=4速[[マニュアルトランスミッション|MT]]
| 最大トルク=
| サスペンション=前輪リーディングアーム、後輪トレーリングアーム、4 輪独立、(横置-コイルスプリングによる前後関連懸架)
| トランスミッション= 4[[マニュアルトランスミッション|MT]] (2速副変速機)
| 駆動方式=前輪駆動、メアリ4x4(4輪駆動)
| 駆動方式= [[前輪駆動|FF]]<br>[[全輪駆動|AWD]]
| 全長=3.52 m
| サスペンション=
| 全幅=1.53 m
| 全=1.635 m
| 全= 3,530mm
| 全幅= 1,530mm
| ホイールベース=2.37 m
| 全高= 1,640mm
| 車両重量=525 kg
| ホイールベース= 2,400mm
| 乗車定員=2 (+ 2)
| 車両重量= 570kg
| 自由項目1(項目名)=積載重量
| 最大積載量=
| 自由項目1(内容)=400 kg
| 自由項目2(項目名)=タイヤ
| 自由項目1(項目名)= 姉妹車
| 自由項目1(内容)= [[シトロエン・2CV]]<br>[[シトロエン・ディアーヌ]]<br>[[シトロエン・FAF]]
| 自由項目2(内容)=135 X 380 XM - S
| 自由項目2(項目名)=
| 自由項目2(内容)=
| 別名=
| 先代=
| 先代=
| 後継=
| 後継= [[シトロエン・Eメアリ]]
| プラットフォーム=
| 姉妹車=[[シトロエン・メアリ4x4]]
| 同車台=[[シトロエン・2CV]]<br />[[シトロエン・ディアーヌ]]<br />[[シトロエン・FAF]]<br />[[PONY,namuco]]<br/>
| 同クラス=
}}
}}
それまで[[シトロエン・2CV|2CV]]が持っていた[[道具]]のような性格をより発展させたモデルであり、シトロエンが2CVに代わるシティユースモデルとして送り出した[[シトロエン・ディアーヌ|ディアーヌ]]にない要素を補完するモデルでもある。ボディの素材と構造から、室内が汚れた場合でも水をかけて洗い流すことができ、ワックスがけの必要もなく、少々の擦り傷程度は[[サンドペーパー]]などで修復すれば良いので手間が掛からず、若者の[[レジャー]]用から[[漁業]]等の作業用まで幅広く活用された。
'''シトロエン・メアリ'''は[[フランス]]の自動車会社[[シトロエン]]がかつて製造、販売していた[[オフロードカー]]である。
世界で初めて[[ABS樹脂]]製のボディパネルを架装した大量生産車として有名である。[[1968年]]から[[1988年]]までの総生産台数は 144572台と記載されている。


シトロエンとしては2CVの後継車を開発するにあたって、同車が持っていた性格をディアーヌとメアリに2分割したものと考えられる。価格は[[1969年]]の2CVが5,984フランに対してディアーヌが7,655フラン、メアリが7,800フランであり、メアリの価格が一番高くなっている。
姉妹車として'''4輪駆動車メアリ4 x 4''' が1980年から1983年まで生産されたが、高価であったので1200台程にとどまった。


生産台数でも、ディアーヌとメアリの合計生産台数が2CVの生産台数を一時追い抜いたことがあったが、数年の内に再逆転された。この間、[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV AZU、AK]]の生産数はほとんど変化していない。


最初期の[[カタログ]]や[[シトロエン]]の広報誌「ル・ドゥブル・シュヴロン」(''Le Double Chevron'' )や、生産が終了した車種を解説するL'ANTIQUAIREの[[1986年]]版でも正式車名は「Dyane 6 Méhari(ディアーヌ6メアリ)」と表記されている。これは4輪駆動車の'''メアリ 4x4''' と区別するためのものと考えられる。
== 概要 ==

メアリ(Méhari)は、[[1968年]]5月16日、[[ドーヴィル]](Deauville)<!--で開催されたモーターショーか何かか?-->に登場する。<br />
車名は 「[[ラクダ]]」の意の"メアリ([[:fr:Méharée|Méharée]])" から由来しており、その名称の通りどんな道でも使用できる小型多用途車である。
この小さな[[ピックアップ]]は、若者のレジャー用から錆に強いボディ材質を活かして漁業用作業にまで幅広い用途に活用された。

そのボディ構造から汚れた車は水をかけて洗い流すだけでよく、ワックスをかける必要もなく、少々の「擦り傷」程度は[[サンドペーパー]]などで修復すれば良いので手間が掛からない車である。これまで[[シトロエン・2CV|2CV]]が持っていた道具のような扱い方が可能な車体であり、シトロエンが2CVに交代するモデルとして送り出した「都会的な」モデルの[[シトロエン・ディアーヌ]]にない部分を補うモデルである。

メーカーとしては、2CVに交代する車として2CVの持つ性格を二分割してディアーヌとメアリにする意図を持っていたと考えられる。価格は1969 年の2CVが 5,984フランに対してディアーヌ 6が 7,655フラン、メアリが 7,800フランであり、意外にもメアリの価格が一番高くなっている。<br />
生産台数もディアーヌとメアリの合計生産台数が2CVの生産台数を一時追い抜いたことがあったが、数年の内に再逆転されてしまった。<!--「1970 年には 2CV の 121,096台 に対して、ディアーヌとメアリの合計台数が ( 96,546 + 11,246 =) 107,792 台となってるように、2CV の生産数を一時追い抜いたことがあったが数年の内に再逆転されてしまった。2CV の魅力を容易に超えるのは無理であったが、やはり価格の問題を無視しては 2CV の「強さ」を語ることは出来ない。」<<<合計台数でも2CVの台数を追い抜いていない。文意が矛盾-->この間、[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV AZU、AK]]の生産数は殆んど変化していない。

最初期の[[カタログ]]や[[シトロエン]]の広報誌「ル・ドゥーブル・シェブロン(Le Double Chevron)」の中では車名は全て「Dyane 6 Méhari」と表記されている。また、1986年、製造が終了した車種を解説する L'ANTIQUAIRE にも「同じ名称」で記載されており、正式名称は「ディアーヌ 6 メアリ」であったと思われる。この意味は4輪駆動車、'''メアリ 4 x 4''' と区別する為であろう。

== ボディ ==


=== ボディ構造 ===
=== ボディ構造 ===
[[シトロエン・ディアーヌ|ディアーヌ6]]の[[フレーム形式 (自動車)#プラットフォーム型|プラットフォーム]][[シャシ (自動車)|シャシ]]の上に[[鋼管]]フレームが組まれ、それに熱成型された[[ABS樹脂]]製の13のボディパネルが[[ボルト (部品)|ボルト]]留めされるという構造である。破損したボディの補修は、その部位のパネルを外して交換するだけであり、容易で且つ安価である。ただし、鋼管フレームが変形もしくは破損した場合には修正が必要となる。
この[[ABS樹脂]]は商品名を「サイコラック」(''Cycolac'' )といいMarbon-France社よりS.E.A.B.社に供給され、ここで熱成型されてボディパネルとなる。


前部座席は左右で独立しており、ボディ側面は乗降用に深くえぐられ、そこには転落防止用の[[鎖|チェーン]]が付いているだけであったが、後年ドアがつけられた。フロントのウインドシールドスクリーンは可倒式、車体後部のアオリ(ドロップゲート)は床の高さから開き、[[荷役]]のし易さが考慮されている。[[スペアタイヤ]]は荷室右側の前寄りに立てて収納される。
[[シトロエン・ディアーヌ|ディアーヌ6]]の[[シャシ (自動車)|プラットフォームシャシ]]の上に[[鋼管]]フレームが組まれ、それに熱成型された[[ABS樹脂]]製の13のボディパネルがボルト留めされるという構造である。破損したボディの補修は、その部位のパネルを外して交換するだけで容易であり且つ安価である。
この[[ABS樹脂]]は商品名を「サイコラック(Cycolac)」といい Marbon-France 社より S.E.A.B. 社に供給され、ここで熱成型されてボディパネルとなる。
前部座席は左右で独立しており、ボディ側壁は乗降用に深くえぐられ、そこには安全確保の為の[[鎖|チェーン]]が付いているだけであったが、後年ドアがつけられた。フロントのウインドスクリーンは可倒式。荷室後部のパネルは床の高さから開き作業のし易さが考慮されている。スペアタイヤは右側荷室の最前部に縦に収納される。


=== ボディー・カラー ===
=== ボディー・カラー ===
ABS樹脂は、[[プラスチック]]と[[合成ゴム]]の双方の性質を持つ熱可塑性の[[エンジニアリングプラスチック]]である。このABS樹脂は塗装をしなくても、ABSペレットに[[顔料]]を入れて熱成型することによりあらかじめ着色された成型品が得られる。また、樹脂用の[[塗料]]を用いて好みの色に塗装することも容易にできる。新車購入時の車体色には、[[カラハリ砂漠|カラハリ]]オークル(Kalahari Ochre)、ホピレッド(Hopi Red)、モンタナグリーン(Montana Green)が用意されていた。

ABS樹脂は、半分は[[プラスチック]]、半分は[[合成ゴム]]のような特殊な性質を持っている。このABS樹脂は塗装をしなくても、ABS顆粒に着色色素を入れて熱処理して成型することにより着色パネルが造られる。また好みの色に塗装することも容易ではあるが、ABS自体が持っている色のほうが丈夫である。オリジナル着色済みカラーには、カラハリオーク、ホッピーレッド、モンタナグリーンが用意されている。


=== ボディ型式 ===
=== ボディ型式 ===
2型式に分類される。


; 作業用2座席ベーシックモデル
2 型式に分類される。<br/>
: フロントウインドシールドは可倒式。ドアには安全用のチェーンが付いているのみのベーシックモデルである。荷室は平面フロアーであり、側面をABSで覆った[[ロールケージ|ロールバー]]状のフレームが備わる。
:; オプション - 1
:: 運転席と荷室を覆うトノカバーが付く。下半分がABS製のドア(上半部分はビニールとカンバス製。)が安全性と快適性のため装備される。
:; ENAC オプション
:: 布製またはABS製ドア付き、黒コットン製折りたたみ式[[幌]]とABSドア付き[[ハードトップ]]。[[スライドドア]]付。2座席モデルではサイドウインドウはやや小型である。
:
; 2 + 2 タイプ(ベーシックタイプ)
: フロントウインドシールドは可倒式。ドアなしで安全チェーン付き。折りたたみ式の黒色[[綿|コットン]]製車室幌を装着するため、側面をABSで覆ったロールバー状のフレームと、鉄製パイプによる四角く簡単な支柱が組み付けられる。着脱自在のリア[[ベンチシート]]はフロントシート直後のフロアーを起こす方式で、簡単な背当てのみである。
:; オプション - 1.
:: キャビンを完全に覆う[[幌|ソフトトップ]]と下半分がABS製のドア(上半部分はビニールとカンバス製)が付く。
:; ENAC オプション
:: 黒色コットン製の覆い付きで、布またはABS製ドアが付く。ステアリング・コラムに盗難防止装置がつく。ABS製ドア付きハードトップも選択出来る。


=== エンジン ===
*作業用2座席ベーシックモデル
[[排気量]]602ccで28HP/5,400[[rpm (単位)|rpm]]を発揮する[[空冷エンジン|空冷]][[水平対向2気筒]][[ガソリンエンジン]]を搭載し、最高速度は100km/h。
:ウインドスクリーンは可倒式。ドアには安全用のチェーンが付いているのみのベーシックモデルである。荷室は平面フロアーであり、側面をABSで覆ったロールバー式の中央フレームがある。
:*オプション - 1<br/>
::運転席と荷室を覆うピックアップカバーが付く。下半分がABS製のドア(上半部分はビニールとカンバス製。)が安全性のため装備される。
:*ENAC オプション
::布製またはABS製ドア付き、黒コットン製折りたたみ式フードとABSドア付きハードトップ。スライディングドアー付。2座席モデルではサイドウインドウはやや小型である。


車重は525kgと軽量で、[[最大積載量]]は400kgである。
*2 + 2 タイプ(ベーシックタイプ)
:ウインドスクリーンは可倒式<!--であり、より開放感を味わえる-->。ドアに安全用のチェーン付き。折りたたみ式の黒色コットン製車室フードを装着するために側面をABSで覆った[[ロールバー]]的な中央フレームがつき、鉄製パイプによる四角く簡単な支柱が組み立てられる。着脱自在のリア[[ベンチシート]]はフロント・シート直後のフロアーを起こす方式で簡単な背当てのみである。<br/>
:*オプション - 1.
::キャビンを完全の覆う[[ソフトトップ]]と下半分がABS製のドア ( 上半部分はビニールとカンバス製 )が付く。
:*ENAC オプション
::黒色コットン製の覆い付きで、布またはABS製ドアが付く。ステアリング・コラムに盗難防止装置がつく。ABS製ドア付きハードトップも選択出来る。


[[遠心クラッチ]]付きモデルを選択できたのも2CVと同様である。タイヤは135x380XM-Sを使用する。
== 走行性能 ==

エンジンは 602cc、28HP/5,400 rpmを搭載し、最高速度は100km/h。<br />
車重は525kgと軽量だが400kgの積載量がある。<br/>
<!--1969 年モデル : 33 HP/ 5,750 rpm. 最高速度は110km/h.<<< モデルの変遷で記述済み-->
[[遠心クラッチ]]付きモデルも選択出来たのも2CVと同様である。タイヤ : 135 X 380 XM - S.


=== サスペンション / ダンパー ===
=== サスペンション / ダンパー ===
2CVと同様に前輪がリーディングアーム、後輪が[[トレーリングアーム式サスペンション|トレーリングアーム]]による四輪[[独立懸架]]であり、前後のサスアームからのロッドがサスシリンダー内の横置き(前後方向に水平配置)コイルスプリングを圧縮する。従って、この力は前後でサスシリンダーを引き合っている。
このサスペンションシリンダーはシャシに半浮動固定されているので、前輪と後輪の動きは互いに影響し合う[[シトロエン・2CV#シャーシ|2CV]]と同様の前後関連懸架である。


この関連する動きにより、サスペンション・スプリングは単純に考えても2倍に柔らかくなり、車重の軽い車に適しているが、平坦路の走行時に前後のバネが同時に伸縮を繰り返し、車体が上下に連続運動([[バウンス|バウンシング]])し続ける欠点を持っている。
2CVと同様に、前輪がリーディング・アーム、後輪がトレーリング・アームによる4輪独立。前後のサスペンション・アームからのロッドがサスペンション・シリンダー内の横置コイルスプリングを圧縮する。従って、この力は前後でサスペンション・シリンダーを引き合っている。
このサスペンション・シリンダーはシャシに横置きに半浮動固定されているので、前輪と後輪の動きは互いに影響し合う[[シトロエン・2CV#シャーシ|前後関連懸架]]である。


4輪に[[動吸振器|慣性ダンパー]]を装備し、その他、前輪に摩擦ダンパー、後輪に[[ショックアブソーバー|テレスコピック式油圧ダンパー]]を装備している。
この関連する動きにより、サスペンション・バネは単純に考えても2倍に柔らかくなり、軽車重量の車に適しているが、平坦な道路の連続走行にて前後のバネが同時に伸縮を繰り返し車体が上下に連続運動をする (バウンシング) と呼ばれる欠点を持っている。
*4輪に慣性ダンパーを装備し、前輪には摩擦ダンパーを、後輪にテレスコピック・油圧ダンパーを装備している。


== モデルの変遷 ==
== モデルの変遷 ==
* [[1969年]]、エンジンが33HP/5,750rpmに強化され、最高速度は110km/hとなる。これは [[シトロエン・2CV|2CV-6]]、ディアーヌ6と同様である。
* [[1970年]]、ENACによりABS樹脂製の[[ハードトップ]]モデルが造られ、完全なクローズドボディとなり、鍵による車室の施錠が可能になる。
* [[1973年]]、[[軍用車両|軍用]]試験にも合格した "Military-Mehari" が有名で、1,000台が[[フランス陸軍]]に、250台が[[フランス空軍]]に採用された。(from: Le Double Chevron: No.30. 1972 )
* [[1978年]]、[[フロントグリル]]が横線基調のものとなり、ドアが付くようになる。


== メアリ4x4 ==
*[[1969年]]、エンジンが33HP/5,750rpm.に強化され、最高速度は110km/hになる。これは [[シトロエン・2CV|2CV-6]]、ディアーヌ6と同様である。
[[1979年]]、「メアリ4x4」が造られる。エンジンとトランスミッションは同一であるが、2速[[副変速機]]付きの[[トランスファー]]を持ち、レバー操作により後輪も駆動できるパートタイム[[四輪駆動|4WD]]とされた。前後にパワートレインを搭載した[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV サハラ]] とは異なる一般的な仕様である。
*[[1970年]]、ENAC社によりABS樹脂製の[[ハードトップ]]モデルが造られ、完全なクローズドボディになり鍵による車室の施錠が可能になる。
*[[1973年]]、軍用試験にも合格した "Military-Mehari" が有名で、1,000 台が陸軍に、250 台が空軍に採用された。(from: Le Double Chevron: No.30. 1972 )
*[[1978年]]、ラジエターグリルが横線の強調されたものになり、ドアが付くようになる。


副変速機で2.6倍に減速されることにより1輪当たりの駆動トルクは非常に大きくなる。また[[差動装置|ディファレンシャルギア]]をロックすることで後輪の空転を防ぐことができ、1 : 1(45度)以上の斜度を登坂することが出来る[[フランス]]製の[[ジープ]]とも呼べるモデルである。


* 他の[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV派生車種]]とは異なり、このモデルのサスペンションには''前後関連懸架はない''。サスペンション・シリンダーはシャシに固定されており、油圧[[ショックアブソーバー|ダンパー]]を前後に装備している。
** 4輪[[ディスクブレーキ]]を装備。
** 後輪駆動のための[[ドライブシャフト|プロペラシャフト]]用に床にトンネルを設け、[[シャシ (自動車)|プラットフォームシャシ]]も強化された。
** [[オフロード]]走行に対応するため、ボディ下面を平滑に成形(スキッド性を向上)。
** 4輪駆動に対応した[[ドッグクラッチ|ドグタイプ]]・[[クラッチ]]、ディファレンシャルギアを装備。
** [[スペアタイヤ]]は 2CV サハラ 同様に[[ボンネット (自動車)|ボンネット]]上に載せて収納。


== 軍用承認車(シトロエン A 4x4) ==
== メアリ 4 X 4 ==
メアリ4x4より5,000台規模の4輪駆動、軽[[オフロード|クロスカントリー]]車がフランス軍の公式承認を獲得した。全製造台数から考えると「正にジープ」に比肩する。


:[[1979年]]、「メアリ 4X4」が造られる。エンジンは一だが、レバー操作により後駆動で点は前後にドライブトレンを搭載した[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV Sahara]] とは異なる仕様である。
この車両はメアリ同様の四輪駆動が、ボディはABS製ではなく'''「[[鋼板]]製」'''である。このめ、外観は[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|FAF]]や[[:en:Namco (automobiles)|NAMCO PONY]]に似ている。ルーフボディー上半部カンバス製のようで、勿論緑系の[[迷彩]]色である。
:副変速機で2.6倍に減速されることにより1輪当たりの駆動トルクは非常に大きくなる。また[[差動装置|ディファレンシャルギア]]をロックすることで後輪の空転を防げるので 1 : 1(45度)以上の斜度を登坂することが出来る[[フランス]]製の[[ジープ]]とも呼べるモデルである。


車両が民生のメアリ4x4と同等以上の障害物を乗り越える能力を持っていることを証明する「テスト」が、[[1979年]]5月から[[1980年]]10月にかけて軍用技術試験場で行われた。この20か月の期間、270,000{{nbsp}}kmの[[サーキット|トラック]]とクロスカントリーにおいて、車両の頑丈さと信頼性がテストされた。
*他の[[シトロエン・2CV#2CVの派生車|2CV派生車種]]とは異なり、このモデルのサスペンションには''前後関連懸架は無い''。サスペンション・シリンダーはシャシに固定されており、油圧ダンパー/[[ショックアブソーバー]]を前後に装備している。
:*4輪[[ディスクブレーキ]]を装備。
:*後輪駆動の為の[[ドライブシャフト|プロペラシャフト]]用に床にトンネルを設けたため[[シャシ (自動車)|プラットフォームシャシ]]を強化。
:*荒地走行に対応するためボディ下面を平滑に成形。
:*4輪駆動に対応したドグタイプ・[[クラッチ]]、ディファレンシャルギアを装備。
:*スペア・タイヤはサハラ同様にボンネット上に載せて収納。


使用された車両は10台の"A 4x4"プロトタイプであった。
== 軍用承認車(シトロエン A 4 X 4) ==


=== 車両仕様 ===
メアリ4x4より5000台規模の4輪駆動、軽クロスカントリー車がフランス軍の公式承認を獲得した。全製造台数から考えると「正にジープ」だ。
エンジンは、[[シトロエン・ビザ|ビザ]]用の空冷水平対向2気筒652{{nbsp}}cc、電子点火システム採用、34{{nbsp}}[[英馬力|HP]] @ 5750{{nbsp}}rpm。トランスミッションは前進7速・後退1速に、3速の[[副変速機]]と、後輪への[[プロペラシャフト]]に[[ドッグクラッチ]]を持つ。これらの組み合わせで、6モードの駆動方式が選択可能である。[[フロントドライブ・前輪駆動|FF]](4x2)で副変速機の有無、[[四輪駆動|4x4]]で副変速機の有無、ディファレンシャル・ロックの有無、の6種類である。


普通の地面では4x2の副変速機およびディファレンシャル・ロックなしが推薦された。最高速度110{{nbsp}}km/h。[[燃費]]は100{{nbsp}}kmあたり9{{nbsp}}L。走行状態重量840{{nbsp}}kg、[[車両総重量|全備重量]]1,240{{nbsp}}kg。標準仕様で、保護金網付、前倒式フロントウィンドシールド装備、12-24V[[コンバーター]]付[[無線機]]装備である<ref>Le Double Chevron. No.63. 1981.</ref>。
この車両はメアリ同様の4輪駆動車であるが、ボディーはABS製ではなく'''「鉄板製」'''である。
この為、写真外観からは[[PONY]]や[[FAF]]に似ている。ルーフとボディー上半部はカンバス製のようで、勿論緑系の迷彩色である。

車両が民生のメアリ4x4と同等以上の障害物を乗り越える能力を持っていることを証明する「テスト」は、1979年5月から1980年10月まで軍用技術試験場で行われた。
この20ヶ月の期間、270000kmのトラックとクロスカントリーに於いて、車両の頑丈さと信頼性がテストされた。

使用された車両は10台の"A 4 x 4"プロトタイプであった。

'''車両仕様'''
*エンジンは、VISA 用の空冷水平対向2気筒652cc、電子点火システム採用、34HP(5750rpm)。
*ギヤボックス、前進7速、後退、に3段の減速変速機と、後輪へのプロペラシャフトにドッグクラッチを持つ。
この組み合わせで、6モードの推進方式が可能である。
*4x2の普通走行、FFで減速変速機使用、4x4で減速変速機の有り無し、ディファレンシャル・ロックの有り無し、の6種類である。
しかしながら、普通の地面では4x2の減速変速機及びディファレンシャル・ロックなし、が推薦された。
速度110km/h。燃費は100kmあたり9L。
*走行状態重量 : 840kg, フル装備重量 : 1240kg。
*スタンダード仕様で、保護金網付、前倒式ウィンドスクリーン装備、12-24Vコンバーター付ラジオ装備である。(from:Le Double Chevron. No.63. 1981)


== 再生産 ==
== 再生産 ==
フランスのメアリクラブではエンジン、シャシフレーム、鋼管フレーム、ボディパネル等全ての構成部品を製作販売している。また、古い[[廃車 (自動車)|廃車]]の車体ナンバーから、新車のメアリを多数再生産している。この様にメアリの再生産は特に容易である。

フランスのメアリクラブではエンジン、シャシフレーム、鋼管フレーム、ボディパネル等全ての構成部品を製作販売している。また、古い廃車の車体ナンバープレートから、新車のメアリを多数再生産している。この様にメアリの再生産は特に容易である。



== 輸入実績 ==
== 輸入実績 ==
[[1982年]]9月に[[三越百貨店]]と[[麻布建物|麻布自動車]]により、少数の2CVとメアリの[[輸入]]がされたが、丁度、フランス祭に当たって2CV France-3が([[ヨット]]レースで有名)写真付き購入募集案内書を配布した。<!--メアリは「アズール」であった。←ボディーカラーの事でしょうか?-->[[三越事件]]による三越百貨店社長の突然の解任により中止になった。麻布自動車により予約分が販売された。


メアリ4x4 は[[西武自動車販売]]により数台がサンプル輸入されており、[[カーグラフィック]]誌によってテストされ、記事化された。
1982年9月に[[三越事件|三越百貨店]]と麻布自動車により、少数の2CVとメアリの輸入がされたが、丁度、フランス祭に当たって2CV France-3 が(ヨットレースで有名)写真付き購入募集案内書を配布した。メアリは「アズール」であった。[[三越事件]]による三越百貨店社長の突然の解任により中止になった。麻布自動車により予約分が販売された。


<gallery>
メアリ4 X 4 は[[西武自動車販売]]により数台がサンプル輸入されて[[CAR GRAPHIC]]誌でテストされた記事がある。
ファイル:Mehari_orange.jpg
ファイル:Citroen_Mehari_Portugal.jpg
ファイル:Citroën_Méhari_sand_vl.jpg
ファイル:1970_Citroen_Mehari_US_model.jpg
</gallery>


== 車名 ==
[[ヒトコブラクダ]]のうちメアリと呼ばれる早駆け用のラクダに由来している。


== 脚注 ==
{{reflist}}


== 関連項目 ==
<gallery>
* [[シトロエン]]
Image:Mehari_orange.jpg
* [[シトロエン・Eメアリ]]
Image:Citroen_Mehari_Portugal.jpg
Image:Citroën_Méhari_sand_vl.jpg
Image:1970_Citroen_Mehari_US_model.jpg
</gallery>



== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
*[http://www.citroends.exblog.jp]
*[http://www.geocities.jp/tomosan2cv/mehari.html シトロエン・メアリの部屋]
*[http://www.citroenet.org.uk/passenger-cars/michelin/mehari/mehari.html Méhari at Citroenet] {{en icon}}
{{commonscat|Citroën Méhari}}
{{commonscat|Citroën Méhari}}
* {{Wayback|url=http://www.geocities.jp/tomosan2cv/mehari.html |title=シトロエン・メアリの部屋 |date=20190330043855}}{{リンク切れ|date=2019年11月8日 (金) 00:18 (UTC)}}
* [http://www.citroenet.org.uk/passenger-cars/michelin/mehari/mehari.html Méhari at Citroenet]{{リンク切れ|date=2019年11月8日 (金) 00:18 (UTC)}} {{en icon}}

{{シトロエン}}
{{シトロエン}}
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{{自動車}}
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2024年5月23日 (木) 00:42時点における最新版

メアリMéhari)は、シトロエンがかつて製造・販売していた自動車である。

世界で初めてABS樹脂製のボディパネルを架装した大量生産車として知られる。1968年から1988年までの総生産台数は144572台と記載されている。

バリエーションとして四輪駆動車のメアリ4x41980年から1983年まで生産されたが、高価なこともあり、販売台数は1200台程度にとどまった。

概要

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メアリ
概要
製造国 ベルギーの旗 ベルギー
スペインの旗 スペイン
アルゼンチンの旗 アルゼンチン
ポルトガルの旗 ポルトガル
ユーゴスラビアの旗 ユーゴスラビア
販売期間 1968-1988年
ボディ
乗車定員 4名
ボディタイプ 2ドアSUV
駆動方式 FF
AWD
パワートレイン
エンジン 0.6L F2
変速機 4MT (2速副変速機)
車両寸法
ホイールベース 2,400mm
全長 3,530mm
全幅 1,530mm
全高 1,640mm
車両重量 570kg
その他
姉妹車 シトロエン・2CV
シトロエン・ディアーヌ
シトロエン・FAF
系譜
後継 シトロエン・Eメアリ
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それまで2CVが持っていた道具のような性格をより発展させたモデルであり、シトロエンが2CVに代わるシティユースモデルとして送り出したディアーヌにない要素を補完するモデルでもある。ボディの素材と構造から、室内が汚れた場合でも水をかけて洗い流すことができ、ワックスがけの必要もなく、少々の擦り傷程度はサンドペーパーなどで修復すれば良いので手間が掛からず、若者のレジャー用から漁業等の作業用まで幅広く活用された。

シトロエンとしては2CVの後継車を開発するにあたって、同車が持っていた性格をディアーヌとメアリに2分割したものと考えられる。価格は1969年の2CVが5,984フランに対してディアーヌが7,655フラン、メアリが7,800フランであり、メアリの価格が一番高くなっている。

生産台数でも、ディアーヌとメアリの合計生産台数が2CVの生産台数を一時追い抜いたことがあったが、数年の内に再逆転された。この間、2CV AZU、AKの生産数はほとんど変化していない。

最初期のカタログシトロエンの広報誌「ル・ドゥブル・シュヴロン」(Le Double Chevron )や、生産が終了した車種を解説するL'ANTIQUAIREの1986年版でも正式車名は「Dyane 6 Méhari(ディアーヌ6メアリ)」と表記されている。これは4輪駆動車のメアリ 4x4 と区別するためのものと考えられる。

ボディ構造

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ディアーヌ6プラットフォームシャシの上に鋼管フレームが組まれ、それに熱成型されたABS樹脂製の13のボディパネルがボルト留めされるという構造である。破損したボディの補修は、その部位のパネルを外して交換するだけであり、容易で且つ安価である。ただし、鋼管フレームが変形もしくは破損した場合には修正が必要となる。 このABS樹脂は商品名を「サイコラック」(Cycolac )といいMarbon-France社よりS.E.A.B.社に供給され、ここで熱成型されてボディパネルとなる。

前部座席は左右で独立しており、ボディ側面は乗降用に深くえぐられ、そこには転落防止用のチェーンが付いているだけであったが、後年ドアがつけられた。フロントのウインドシールドスクリーンは可倒式、車体後部のアオリ(ドロップゲート)は床の高さから開き、荷役のし易さが考慮されている。スペアタイヤは荷室右側の前寄りに立てて収納される。

ボディー・カラー

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ABS樹脂は、プラスチック合成ゴムの双方の性質を持つ熱可塑性のエンジニアリングプラスチックである。このABS樹脂は塗装をしなくても、ABSペレットに顔料を入れて熱成型することによりあらかじめ着色された成型品が得られる。また、樹脂用の塗料を用いて好みの色に塗装することも容易にできる。新車購入時の車体色には、カラハリオークル(Kalahari Ochre)、ホピレッド(Hopi Red)、モンタナグリーン(Montana Green)が用意されていた。

ボディ型式

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2型式に分類される。

作業用2座席ベーシックモデル
フロントウインドシールドは可倒式。ドアには安全用のチェーンが付いているのみのベーシックモデルである。荷室は平面フロアーであり、側面をABSで覆ったロールバー状のフレームが備わる。
オプション - 1
運転席と荷室を覆うトノカバーが付く。下半分がABS製のドア(上半部分はビニールとカンバス製。)が安全性と快適性のため装備される。
ENAC オプション
布製またはABS製ドア付き、黒コットン製折りたたみ式とABSドア付きハードトップスライドドア付。2座席モデルではサイドウインドウはやや小型である。
2 + 2 タイプ(ベーシックタイプ)
フロントウインドシールドは可倒式。ドアなしで安全チェーン付き。折りたたみ式の黒色コットン製車室幌を装着するため、側面をABSで覆ったロールバー状のフレームと、鉄製パイプによる四角く簡単な支柱が組み付けられる。着脱自在のリアベンチシートはフロントシート直後のフロアーを起こす方式で、簡単な背当てのみである。
オプション - 1.
キャビンを完全に覆うソフトトップと下半分がABS製のドア(上半部分はビニールとカンバス製)が付く。
ENAC オプション
黒色コットン製の覆い付きで、布またはABS製ドアが付く。ステアリング・コラムに盗難防止装置がつく。ABS製ドア付きハードトップも選択出来る。

エンジン

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排気量602ccで28HP/5,400rpmを発揮する空冷水平対向2気筒ガソリンエンジンを搭載し、最高速度は100km/h。

車重は525kgと軽量で、最大積載量は400kgである。

遠心クラッチ付きモデルを選択できたのも2CVと同様である。タイヤは135x380XM-Sを使用する。

サスペンション / ダンパー

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2CVと同様に前輪がリーディングアーム、後輪がトレーリングアームによる四輪独立懸架であり、前後のサスアームからのロッドがサスシリンダー内の横置き(前後方向に水平配置)コイルスプリングを圧縮する。従って、この力は前後でサスシリンダーを引き合っている。 このサスペンションシリンダーはシャシに半浮動固定されているので、前輪と後輪の動きは互いに影響し合う2CVと同様の前後関連懸架である。

この関連する動きにより、サスペンション・スプリングは単純に考えても2倍に柔らかくなり、車重の軽い車に適しているが、平坦路の走行時に前後のバネが同時に伸縮を繰り返し、車体が上下に連続運動(バウンシング)し続ける欠点を持っている。

4輪に慣性ダンパーを装備し、その他、前輪に摩擦ダンパー、後輪にテレスコピック式油圧ダンパーを装備している。

モデルの変遷

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  • 1969年、エンジンが33HP/5,750rpmに強化され、最高速度は110km/hとなる。これは 2CV-6、ディアーヌ6と同様である。
  • 1970年、ENACによりABS樹脂製のハードトップモデルが造られ、完全なクローズドボディとなり、鍵による車室の施錠が可能になる。
  • 1973年軍用試験にも合格した "Military-Mehari" が有名で、1,000台がフランス陸軍に、250台がフランス空軍に採用された。(from: Le Double Chevron: No.30. 1972 )
  • 1978年フロントグリルが横線基調のものとなり、ドアが付くようになる。

メアリ4x4

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1979年、「メアリ4x4」が造られる。エンジンとトランスミッションは同一であるが、2速副変速機付きのトランスファーを持ち、レバー操作により後輪も駆動できるパートタイム4WDとされた。前後にパワートレインを搭載した2CV サハラ とは異なる一般的な仕様である。

副変速機で2.6倍に減速されることにより1輪当たりの駆動トルクは非常に大きくなる。またディファレンシャルギアをロックすることで後輪の空転を防ぐことができ、1 : 1(45度)以上の斜度を登坂することが出来るフランス製のジープとも呼べるモデルである。

軍用承認車(シトロエン A 4x4)

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メアリ4x4より5,000台規模の4輪駆動、軽クロスカントリー車がフランス軍の公式承認を獲得した。全製造台数から考えると「正にジープ」に比肩する。

この車両はメアリ同様の四輪駆動車であるが、ボディーはABS製ではなく鋼板製」である。このため、外観はFAFNAMCO PONYに似ている。ルーフとボディー上半部はカンバス製のようで、勿論緑系の迷彩色である。

車両が民生のメアリ4x4と同等以上の障害物を乗り越える能力を持っていることを証明する「テスト」が、1979年5月から1980年10月にかけて軍用技術試験場で行われた。この20か月の期間、270,000 kmのトラックとクロスカントリーにおいて、車両の頑丈さと信頼性がテストされた。

使用された車両は10台の"A 4x4"プロトタイプであった。

車両仕様

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エンジンは、ビザ用の空冷水平対向2気筒652 cc、電子点火システム採用、34 HP @ 5750 rpm。トランスミッションは前進7速・後退1速に、3速の副変速機と、後輪へのプロペラシャフトドッグクラッチを持つ。これらの組み合わせで、6モードの駆動方式が選択可能である。FF(4x2)で副変速機の有無、4x4で副変速機の有無、ディファレンシャル・ロックの有無、の6種類である。

普通の地面では4x2の副変速機およびディファレンシャル・ロックなしが推薦された。最高速度110 km/h。燃費は100 kmあたり9 L。走行状態重量840 kg、全備重量1,240 kg。標準仕様で、保護金網付、前倒式フロントウィンドシールド装備、12-24Vコンバーター無線機装備である[1]

再生産

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フランスのメアリクラブではエンジン、シャシフレーム、鋼管フレーム、ボディパネル等全ての構成部品を製作販売している。また、古い廃車の車体ナンバーから、新車のメアリを多数再生産している。この様にメアリの再生産は特に容易である。

輸入実績

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1982年9月に三越百貨店麻布自動車により、少数の2CVとメアリの輸入がされたが、丁度、フランス祭に当たって2CV France-3が(ヨットレースで有名)写真付き購入募集案内書を配布した。三越事件による三越百貨店社長の突然の解任により中止になった。麻布自動車により予約分が販売された。

メアリ4x4 は西武自動車販売により数台がサンプル輸入されており、カーグラフィック誌によってテストされ、記事化された。

車名

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ヒトコブラクダのうちメアリと呼ばれる早駆け用のラクダに由来している。

脚注

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  1. ^ Le Double Chevron. No.63. 1981.

関連項目

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外部リンク

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<- Previous シトロエン ロードカータイムライン 1980年代-
タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
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