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「IPhone X」の版間の差分

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iOS
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| display = 5.85インチ, 2436 x 1125ピクセル, 458ppi<br>マルチタッチ Super Retina HD(有機EL)ディスプレイ
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'''iPhone X'''(アイフォーン テン)は、[[Apple]]が開発・販売していたスマートフォンである。
'''iPhone X'''(アイフォーン テン)は、[[Apple]]が開発・販売していたスマートフォンである。


== 概要 ==
== 概要 ==
iPhone Xは、[[2017年]][[9月12日]](現地時間)、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[カリフォルニア州]][[クパティーノ]]の[[Steve Jobs Theater]]で初開催されたAppleのスペシャルイベントの最後「One more thing...」発表された。
iPhone Xは、[[2017年]][[9月12日]](現地時間)、[[アメリカ合衆国|アメリカ]]・[[カリフォルニア州]][[クパティーノ]]本社[[Apple Park]]の[[Steve Jobs Theater]]で初開催された[[Apple Special Event]]で最後「One more thing...」として発表された。


2017年[[10月27日]]から予約開始。耐水・防塵は[[電気機械器具の外郭による保護等級|IP67]]等級を有している<ref name="spec" />。
2017年[[10月27日]]から予約開始。耐水・防塵は[[電気機械器具の外郭による保護等級|IP67]]等級を有している<ref name="spec" />。


iPhone Xの外観は前面が[[有機エレクトロルミネッセンス#有機ELディスプレイ|OLEDディスプレイ]]で覆われており、背面がガラスパネルになったことで[[ワイヤレス電力伝送|ワイヤレス給電]]規格の[[Qi (ワイヤレス給電)|Qi]]に対応した。これによりQi対応のワイヤレス充電器や、Appleから発売予定の''[[AirPower]]''によりワイヤレス充電が可能になる予定だったが、2019年3月29日(現地時間)に、[[AirPower]]の開発中止が発表された
iPhone Xの外観は前面が[[有機エレクトロルミネッセンス#有機ELディスプレイ|OLEDディスプレイ]]で覆われており、背面がガラスパネルになったことで[[ワイヤレス電力伝送|ワイヤレス給電]]規格の[[Qi (ワイヤレス給電)|Qi]]に対応した。これによりQi対応のワイヤレス充電器や、Appleから発売予定の''[[AirPower]]''によりワイヤレス充電が可能になる予定だったが、2019年3月29日(現地時間)に、[[AirPower]]の開発中止が発表された<ref name="spec">{{Cite web|和書|url=https://www.apple.com/jp/iphone-x/specs/|title=iPhone X - 仕様|accessdate=2017-10-10|publisher=[[Apple]]}}</ref>。iPhone 4s以前で採用されていた、ステンレス製のフレームを採用している。頑丈で 、アルミニウムフレームにはない光沢が得られている。本体カラーはシルバーとスペースグレイの2色となっている。[[CPU]]には[[Apple A11]] Bionicが採用。[[Face ID]]と呼ばれる顔だけでロックを解除することができる新たな認証システムを採用。さらに[[アニ文字]]と呼ばれる機能が搭載されている。これらの機能は新しくiPhone X以降で採用された深度センサーを備えた''TrueDepthカメラ''によって実現されている<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=|month=11|year=2017|date=|title=iPhone X の全貌|journal=[[Mac Fan]]|volume=|issue=417|page=|pages=32-39|publisher=[[マイナビ出版]]|asin=B074319WZH}}</ref>。
<ref name="spec">{{Cite web|url=https://www.apple.com/jp/iphone-x/specs/|title=iPhone X - 仕様|accessdate=2017-10-10|publisher=[[Apple]]}}</ref>。iPhone 4s以前で採用されていた、ステンレス製のフレームを採用している。頑丈で 、アルミニウムフレームにはない光沢が得られている。ステンレスのカラーはシルバーの一色だけである。[[CPU]]には[[Apple A11]] Bionicが採用。[[Face ID]]と呼ばれる顔だけでロックを解除することができる新たな認証システムを採用。さらに[[アニ文字]]と呼ばれる機能が搭載されている。これらの機能は新しく採用されたTrueDepthカメラによって実現されているため、iPhone X、[[iPhone XS]]、[[iPhone XS|XS Max]]、[[iPhone XR|XR]]のみで利用できる<ref name=":0">{{Cite journal|和書|author=|month=11|year=2017|date=|title=iPhone X の全貌|journal=[[Mac Fan]]|volume=|issue=417|page=|pages=32-39|publisher=[[マイナビ出版]]|asin=B074319WZH}}</ref>。


2018年9月13日の[[iPhone XS]]、[[IPhone XS|XS Max]]、[[IPhone XR|XR]]の発表と同時に公式ホームページからの販売終了したが、Apple取扱店では販売を継続している
2018年9月13日の[[iPhone XS]]、[[IPhone XS|XS Max]]、[[IPhone XR|XR]]の発表と同時に公式ホームページの販売終了した。

[[2023年]][[6月7日]]に、WWDC23より発表された[[iOS 17]]では、[[iPhone 8]]/[[iPhone 8 Plus]]と共にサポート対象外となった。


== 仕様 ==
== 仕様 ==
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iPhone Xでは、iPhone史上初となるOLEDを採用、背面はガラスを採用している。カラーはスペースグレイ、シルバーの2色となっている<ref name="spec" />。
iPhone Xでは、iPhone史上初となるOLEDを採用、背面はガラスを採用している。カラーはスペースグレイ、シルバーの2色となっている<ref name="spec" />。


画面は5.8インチワイドスクリーン(正確には5.85インチ)のSuper Retina HDディスプレイで、新たにTrue ToneやHDRに対応した。OLEDディスプレイを採用し、1,000,000:1のコントラスト比を実現した。画面解像度も2,436×1,125(458ppi)とiPhone史上最高となった。画面形状は従来の長方形とは異なり、筐体に沿った四隅と画面上部のTrueDepthカメラ部に切り欠きが入っている。画面サイズは対角線の長さこそ[[iPhone 8 Plus]]よりも大きいが、縦長になったため、面積ではやや下回る。
画面は5.8インチワイドスクリーン(正確には5.85インチ)のSuper Retina HDディスプレイで、新たにTrue Toneや[[HDR10|HDR]]に対応した。OLEDディスプレイを採用し、1,000,000:1のコントラスト比を実現した。画面解像度も2,436×1,125(458ppi)とiPhone史上最高となった。画面形状は従来の長方形とは異なり、筐体に沿った四隅と画面上部のTrueDepthカメラ部に切り欠きが入っている。画面サイズは対角線の長さこそ[[iPhone 8 Plus]]よりも大きいが、縦長になったため、面積ではやや下回る。


また[[iPhone 8]]/[[iPhone 8 Plus|8 Plus]]同様ワイヤレス充電([[Qi]]準拠)を採用し、高音質コーデックである[[Enhanced Voice Services]](EVS-WB<ref>{{Cite web|title=対応機種 : VoLTE {{!}} VoLTE/VoLTE(HD+) {{!}} サービス・機能 {{!}} NTTドコモ|url=https://www.nttdocomo.co.jp/service/volte/compatible_model/volte.html|website=www.nttdocomo.co.jp|accessdate=2020-08-03}}</ref>)に対応している。
また[[iPhone 8]]/[[iPhone 8 Plus|8 Plus]]同様ワイヤレス充電([[Qi]]準拠)を採用し、高音質コーデックである[[Enhanced Voice Services]](EVS-WB<ref>{{Cite web|和書|title=対応機種 : VoLTE {{!}} VoLTE/VoLTE(HD+) {{!}} サービス・機能 {{!}} NTTドコモ|url=https://www.nttdocomo.co.jp/service/volte/compatible_model/volte.html|website=www.nttdocomo.co.jp|accessdate=2020-08-03}}</ref>)に対応している。


[[iPhone 6s]]/[[iPhone 6s Plus|6s Plus]]より採用されている[[3D Touch]]を引き続き採用。しかし、iPhone 6s/6s Plus、iPhone 7/7 Plus、iPhone 8/8 Plusに搭載されているものとは感圧センサーの方式が異なっている<ref name=":1">{{Cite news|title=iPhone X、感圧センサーに新方式を導入|last=xTECH(クロステック)|first=日経|url=https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/110400146/122200006/|accessdate=2018-09-23|language=ja-JP|work=日経 xTECH(クロステック)}}</ref>。従来は電極と指の間の静電容量の変化を検知する方式だったが、iPhone Xは配線パターンの抵抗値の変化を検知する方式に変更されている<ref name=":1" />。新たな方式を採用したことで、iPhone Xはディスプレイを押す強さを従来方式よりもきめ細かく検知することが可能になっている<ref name=":1" />。
[[iPhone 6s]]/[[iPhone 6s Plus|6s Plus]]より採用されている[[3D Touch]]を引き続き採用。しかし、iPhone 6s/6s Plus、iPhone 7/7 Plus、iPhone 8/8 Plusに搭載されているものとは感圧センサーの方式が異なっている<ref name=":1">{{Cite news|title=iPhone X、感圧センサーに新方式を導入|last=xTECH(クロステック)|first=日経|url=https://tech.nikkeibp.co.jp/dm/atcl/feature/15/110400146/122200006/|accessdate=2018-09-23|language=ja-JP|work=日経 xTECH(クロステック)}}</ref>。従来は電極と指の間の静電容量の変化を検知する方式だったが、iPhone Xは配線パターンの抵抗値の変化を検知する方式に変更されている<ref name=":1" />。新たな方式を採用したことで、iPhone Xはディスプレイを押す強さを従来方式よりもきめ細かく検知することが可能になっている<ref name=":1" />。


従来のiPhoneで光学式手ぶれ補正(OIS)がついていたのは広角レンズだけであったが、今回初めて広角・望遠レンズ双方に光学式手ぶれ補正機構が内蔵された。望遠レンズは従来よりもやや広角寄りになり、望遠というよりは標準レンズの画角である。
従来のiPhoneで光学式手ぶれ補正(OIS)がついていたのは広角レンズだけであったが、今回初めて広角・望遠レンズ双方に光学式手ぶれ補正機構が内蔵された。望遠レンズは従来よりもやや広角寄りの画角である。


2018年3月30日、iOS 11.3とキャリア設定アップデートより、NTTドコモのPREMIUM 4Gで最大受信速度594Mbpsのデータ通信に対応した<ref>{{Cite web|url=https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/pages/180330_00.html|title=iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone XがiPhoneシリーズ国内最速受信時最大594Mbpsの通信サービスに対応|accessdate=2018-03-30|publisher=NTTドコモ}}</ref>。
2018年3月30日、iOS 11.3とキャリア設定アップデートより、NTTドコモのPREMIUM 4Gで最大受信速度594Mbpsのデータ通信に対応した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/pages/180330_00.html|title=iPhone 8、iPhone 8 Plus、iPhone XがiPhoneシリーズ国内最速受信時最大594Mbpsの通信サービスに対応|accessdate=2018-03-30|publisher=NTTドコモ}}</ref>。
<!-- === ソフトウェア === -->
<!-- === ソフトウェア === -->


== 従来モデルとの違い ==
== 従来モデルとの違い ==
iPhone Xは、iPhone史上初の全画面ディスプレイとなり、ホームボタンが廃止された<ref name="kr">{{Cite web|和書|url=https://www.itmedia.co.jp/mobile/articles/1709/13/news059.html|title=「iPhone X」はホームボタン廃止 どう操作すればいい?|accessdate=2023年3月10日|publisher=ITmedia}}</ref>。
iPhone Xでは、iPhone史上初めてホームボタンが廃止された。

そのためスクリーン下部に常にバー(ホームインジケータ)が表示される。ホームインジケータを上にスワイプしてホームに戻る、 Appスイッチャーを開くなどの操作ができる。これまでのiPhoneとは違いコントロールセンターは右上から下にスワイプするなど、操作方法が異なる点が多い<ref name=":0" />。


また、指紋認証による[[Touch ID]]に代わり、新たに搭載されたTrueDepthカメラによる3次元[[顔認識システム|顔認識]]を用いた認証システムである[[Face ID]]が採用されている<ref name=":0" />。
スクリーン下部に常にバー(ホームインジケータ)が表示される。ホームインジケータを上にスワイプしてホームに戻る、 Appスイッチャーを開くなどの操作ができる。これまでのiPhoneとは違い、コントロールセンターは右上から下にスワイプするなど、操作方法が異なる点が多い<ref name=":0" />。また、指紋認証による[[Touch ID]]に代わり、新たに搭載されたTrueDepthカメラによる[[顔認識システム|顔認識]]を用いた認証システムである[[Face ID]]が採用され<ref name=":0" />。


従来のiPhoneで表示できたバッテリー残量表示(%)は、ステータスバーの表示部分が狭いため廃止されている(コントロールセンターでは表示される)。スクリーンショットを撮影するとスクリーン上部の切り抜き部分と四隅の丸い角の部分は本来表示されるであろう部分も写って撮影される。
従来のiPhoneで表示されていたバッテリー残量表示は、ステータスバーの表示部分が狭いことから廃止されたが、iOS 16以降では表示可能となった(コントロールセンターでは表示される)。スクリーンショットを撮影するとスクリーン上部の切り抜き部分と四隅の丸い角の部分も撮影される。


==急速充電(PD充電)の仕様==
==急速充電(PD充電)の仕様==
iPhone Xを急速充電するには[https://www.apple.com/jp/shop/product/MX0K2FE/A/usb-c-lightning%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB1-m Apple USB-C - Lightningケーブル]と18W、29W、61W、87WのApple USB-C電源アダプタを使用する必要がある<ref>{{Cite news|title=iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus を高速充電する|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT208137|accessdate=2018-09-23|language=ja-JP|work=Apple Support}}</ref>。急速充電を行うと30分で50%まで充電できる。18Wを超えるApple USB-C電源アダプタを使用しても18W電源アダプタと同じ出力になる。iMacのUSB-Cポートでは15Wでの急速充電が出来る他、MacのUSB Type-Aポートでも10Wで急速充電ができる<ref>{{Cite news|title=USB 経由の周辺機器への電力供給|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT204377|accessdate=2018-10-02|language=ja-JP|work=Apple Support}}</ref>。
iPhone Xを急速充電するには[https://www.apple.com/jp/shop/product/MX0K2FE/A/usb-c-lightning%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%83%96%E3%83%AB1-m Apple USB-C - Lightningケーブル]と18W、29W、61W、87WのApple USB-C電源アダプタを使用する必要がある<ref>{{Cite news|title=iPhone X、iPhone 8、iPhone 8 Plus を高速充電する|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT208137|accessdate=2018-09-23|language=ja-JP|work=Apple Support}}</ref>。急速充電を行うと30分で50%まで充電できる。18Wを超えるApple USB-C電源アダプタを使用しても18W電源アダプタと同じ出力になる。iMacのUSB-Cポートでは15Wでの急速充電が出来る他、MacのUSB Type-Aポートでも10Wで急速充電ができる<ref>{{Cite news|title=USB 経由の周辺機器への電力供給|url=https://support.apple.com/ja-jp/HT204377|accessdate=2018-10-02|language=ja-JP|work=Apple Support}}</ref>。


== iPhone Xディスプレイモジュール交換プログラム ==
== 補修 ==
ディスプレイモジュールのコンポーネントに故障可能性があり、それによって一部のiPhone Xのディスプレイにおいて「ディスプレイまたはディスプレイの一部がまったく反応しないか、反応したりしなかったりする」「タッチしていないのにディスプレイが反応する」症状が見られることが判明し、2018年11月9日よりディスプレイモジュール交換プログラムが開始された。対象となるデバイスかどうかは修理開始前に実機検査の必要があるとしている。
ディスプレイモジュールのコンポーネントに故障可能性があり、それによって一部のiPhone Xのディスプレイにおいて「ディスプレイまたはディスプレイの一部がまったく反応しないか、反応したりしなかったりする」「タッチしていないのにディスプレイが反応する」症状が見られることが判明し、2018年11月9日よりディスプレイモジュール交換プログラムが開始された。対象となるデバイスかどうかは修理開始前に実機検査の必要があるとしている。


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2024年5月14日 (火) 05:27時点における版

Apple > iPhone > iPhone X
iPhone X
iPhone Xの正面画像
開発者 Apple
製造者 Foxconn
第11世代 iPhone
販売開始日 2017年11月3日
先代機 iPhone 7
iPhone 7 Plus
後継機 iPhone XS
iPhone XS Max
iPhone XR
関連機種 iPhone 8
iPhone 8 Plus
フォームファクタ スマートフォン
サイズ 縦 143.6mm
横 70.9mm
厚さ 7.7mm
重量 174g
OS iOS 11.1(初期搭載)iOS 16.7.8 ※iOS 17から対象外(2024年5月現在、セキュリティーアップデートは更新中)
SoC Apple A11 Bionic
CPU 2+4コア(big.LITTLE)/ 2コア*2.39GHz(Monsoon)+4コア*1.42GHz(Mistral)
GPU Apple独自
メインメモリ 3 GB LPDDR4X RAM
ストレージ 64, 256 GB
バッテリー 3.81 V 10.35 W·h (2716 mA·h)Li-ion[1]
ディスプレイ 5.85インチ, 2436 x 1125ピクセル, 458ppi
マルチタッチ Super Retina HD(有機EL)ディスプレイ
前面カメラ Face ID
サウンド ステレオスピーカー
接続 Lightning, Wi-Fi
比吸収率 頭 0.93 W/kg
体 0.99 W/kg (モデル A1902)
補聴器との両立 T3, M4

iPhone X(アイフォーン テン)は、Appleが開発・販売していたスマートフォンである。

概要

iPhone Xは、2017年9月12日(現地時間)、アメリカカリフォルニア州クパティーノ本社Apple ParkSteve Jobs Theaterで初開催されたApple Special Eventで最後に「One more thing...」として発表された。

2017年10月27日から予約開始。耐水・防塵はIP67等級を有している[2]

iPhone Xの外観は前面がOLEDディスプレイで覆われており、背面がガラスパネルになったことでワイヤレス給電規格のQiに対応した。これによりQi対応のワイヤレス充電器や、Appleから発売予定のAirPowerによりワイヤレス充電が可能になる予定だったが、2019年3月29日(現地時間)に、AirPowerの開発中止が発表された[2]。iPhone 4s以前で採用されていた、ステンレス製のフレームを採用している。頑丈で 、アルミニウムフレームにはない光沢が得られている。本体カラーはシルバーとスペースグレイの2色となっている。CPUにはApple A11 Bionicが採用。Face IDと呼ばれる顔だけでロックを解除することができる新たな認証システムを採用。さらにアニ文字と呼ばれる機能が搭載されている。これらの機能は新しくiPhone X以降で採用された深度センサーを備えたTrueDepthカメラによって実現されている[3]

2018年9月13日のiPhone XSXS MaxXRの発表と同時に公式ホームページでの販売を終了した。

2023年6月7日に、WWDC23より発表されたiOS 17では、iPhone 8iPhone 8 Plusと共にサポート対象外となった。

仕様

ハードウェア

iPhone Xでは、iPhone史上初となるOLEDを採用、背面はガラスを採用している。カラーはスペースグレイ、シルバーの2色となっている[2]

画面は5.8インチワイドスクリーン(正確には5.85インチ)のSuper Retina HDディスプレイで、新たにTrue ToneやHDRに対応した。OLEDディスプレイを採用し、1,000,000:1のコントラスト比を実現した。画面解像度も2,436×1,125(458ppi)とiPhone史上最高となった。画面形状は従来の長方形とは異なり、筐体に沿った四隅と画面上部のTrueDepthカメラ部に切り欠きが入っている。画面サイズは対角線の長さこそiPhone 8 Plusよりも大きいが、縦長になったため、面積ではやや下回る。

またiPhone 8/8 Plus同様ワイヤレス充電(Qi準拠)を採用し、高音質コーデックであるEnhanced Voice Services(EVS-WB[4])に対応している。

iPhone 6s/6s Plusより採用されている3D Touchを引き続き採用。しかし、iPhone 6s/6s Plus、iPhone 7/7 Plus、iPhone 8/8 Plusに搭載されているものとは感圧センサーの方式が異なっている[5]。従来は電極と指の間の静電容量の変化を検知する方式だったが、iPhone Xは配線パターンの抵抗値の変化を検知する方式に変更されている[5]。新たな方式を採用したことで、iPhone Xはディスプレイを押す強さを従来方式よりもきめ細かく検知することが可能になっている[5]

従来のiPhoneで光学式手ぶれ補正(OIS)がついていたのは広角レンズだけであったが、今回初めて広角・望遠レンズ双方に光学式手ぶれ補正機構が内蔵された。望遠レンズは従来よりもやや広角寄りの画角である。

2018年3月30日、iOS 11.3とキャリア設定アップデートより、NTTドコモのPREMIUM 4Gで最大受信速度594Mbpsのデータ通信に対応した[6]

従来モデルとの違い

iPhone Xは、iPhone史上初の全画面ディスプレイとなり、ホームボタンが廃止された[7]

スクリーン下部に常にバー(ホームインジケータ)が表示される。ホームインジケータを上にスワイプしてホームに戻る、 Appスイッチャーを開くなどの操作ができる。これまでのiPhoneとは違い、コントロールセンターは右上から下にスワイプするなど、操作方法が異なる点が多い[3]。また、指紋認証によるTouch IDに代わり、新たに搭載されたTrueDepthカメラによる顔認識を用いた認証システムであるFace IDが採用された[3]

従来のiPhoneで表示されていたバッテリー残量表示は、ステータスバーの表示部分が狭いことから廃止されたが、iOS 16以降では表示可能となった(コントロールセンターでは表示される)。スクリーンショットを撮影すると、スクリーン上部の切り抜き部分と四隅の丸い角の部分も撮影される。

急速充電(PD充電)の仕様

iPhone Xを急速充電するにはApple USB-C - Lightningケーブルと18W、29W、61W、87WのApple USB-C電源アダプタを使用する必要がある[8]。急速充電を行うと30分で50%まで充電できる。18Wを超えるApple USB-C電源アダプタを使用しても18W電源アダプタと同じ出力になる。iMacのUSB-Cポートでは15Wでの急速充電が出来る他、MacのUSB Type-Aポートでも10Wで急速充電ができる[9]

iPhone Xディスプレイモジュール交換プログラム

ディスプレイモジュールのコンポーネントに故障可能性があり、それによって一部のiPhone Xのディスプレイにおいて「ディスプレイまたはディスプレイの一部がまったく反応しないか、反応したりしなかったりする」「タッチしていないのにディスプレイが反応する」症状が見られることが判明し、2018年11月9日よりディスプレイモジュール交換プログラムが開始された。対象となるデバイスかどうかは修理開始前に実機検査の必要があるとしている。

タッチの問題に対する iPhone X ディスプレイモジュール交換プログラム

付属品

  • Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
  • EarPods with Lightning Connector
  • Lightning - USBケーブル
  • 5W USB電源アダプタ
  • マニュアル

脚注

出典

  1. ^ “iPhone X Teardown” (英語). iFixit. (2017年11月3日). https://www.ifixit.com/Teardown/iPhone+X+Teardown/98975 2017年11月3日閲覧。 
  2. ^ a b c iPhone X - 仕様”. Apple. 2017年10月10日閲覧。
  3. ^ a b c 「iPhone X の全貌」『Mac Fan』第417号、マイナビ出版、2017年11月、32-39頁、ASIN B074319WZH 
  4. ^ 対応機種 : VoLTE | VoLTE/VoLTE(HD+) | サービス・機能 | NTTドコモ”. www.nttdocomo.co.jp. 2020年8月3日閲覧。
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  9. ^ “USB 経由の周辺機器への電力供給” (日本語). Apple Support. https://support.apple.com/ja-jp/HT204377 2018年10月2日閲覧。 

外部リンク

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