阪急西宮ガーデンズ
阪急西宮ガーデンズ(はんきゅうにしのみやガーデンズ)は、兵庫県西宮市にあるショッピングセンターである。阪急西宮スタジアム跡地の再開発として建設され[3]、2008年(平成20年)11月26日にオープンした[2]。関西最大のショッピングセンターであり、国内でも5番目の広さを誇る[6]。
阪急西宮ガーデンズ HANKYU NISHINOMIYA GARDENS | |
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地図 | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒663-8204 兵庫県西宮市高松町14番 1号(百貨店)、 2号(専門店)、 3号(イズミヤ) |
座標 | 北緯34度44分37.6秒 東経135度21分34.3秒 / 北緯34.743778度 東経135.359528度座標: 北緯34度44分37.6秒 東経135度21分34.3秒 / 北緯34.743778度 東経135.359528度 |
開業日 | 2008年(平成20年)11月26日[2] |
施設所有者 | 阪急阪神不動産 |
施設管理者 | 阪急阪神ビルマネジメント |
敷地面積 | 本館:約70,000 m2[3] |
延床面積 |
本館:約247,000 ゲート館:約12,400 別館:約18,700 プラス館18,200m2[3] |
商業施設面積 | 約107,000 m² |
中核店舗 |
西宮阪急、イズミヤ TOHOシネマズ西宮OS[3] |
店舗数 |
本館 約270 ゲート館 13 別 4 プラス館 8[3] |
営業時間 |
9:00 - 24:00 (店舗により異なる) |
駐車台数 |
本館:約2,980台 別館:約475台 |
商圏人口 | 約170万人(10km圏)[1] |
最寄駅 | 西宮北口駅[4][5] |
外部リンク | 阪急西宮ガーデンズ |
概要
核テナントは、百貨店の西宮阪急(阪急百貨店、面積:25,000m2)、シネマコンプレックス[7]であるTOHOシネマズ西宮OS[8](12スクリーン 20,000m2)、総合スーパーのイズミヤ[9](10,000m2 強)である[3]。施設は中央部に駐車場を配置し、駐車場の周囲をショッピングモールが取り囲んでいる[10]。1周で約450メートル、東西南北4つのモールから成るサーキット型の設計となっている[10]。阪急百貨店とイズミヤはショッピングモールを挟む形で配置されている[11]。4階にある屋上庭園「スカイガーデン」(9,000m2)[12]は、六甲山系に自生する樹木や桜、果樹などで緑化され、オルゴールの音色に合わせて踊る噴水も設置されている[10]開業時の店舗数は約268店舗であった[4]。
名称は、西宮七園の歴史を加え、地域に居住する人々にも憩いと賑わいのある快適な空間を提供できる「庭園」になるよう願いをこめて、ガーデンズが付けられた[3][注釈 1]。ロゴは、「これからの西宮の新しいアイデンティティシンボルに」という思いを込め、西宮市の花である桜をモチーフにしている[3]。
従来ショッピングセンターに出店したことがない店や高級住宅街にしか出店しないセレクトショップなどが出店し、他のショッピングセンターと比べると専門店街もやや価格が高めの店舗も多い[4][注釈 2]。
このため、2007年(平成19年)春に実施したテナント向け説明会には出店枠数の約2倍の500社が参加するほどテナントの出店意欲が強かった[4]。
「ペット保有率が高い」地域性を踏まえてペット用のホテル、病院などを備えた「阪急ハロードック」も設置されている[4]。
阪急西宮スタジアム跡地に建設された[4]ことから、敷地内にはスタジアムや阪急ブレーブスにちなんだ「メモリアルスポット」を5カ所設置。屋上のスカイガーデンにある「メモリアルスポット」には、同スタジアムでの野球開催時に使われたホームベースが展示されている。さらに、阪急電鉄や西宮市に関する情報の発信拠点・コミュニティスペースとして、「阪急西宮ギャラリー/スタジモにしのみや」を5階のワンフロアに開設。「阪急西宮ギャラリー」のスペースには、同社や阪急ブレーブスや阪急電鉄に関するポスター・記念品・模型に加えて、ダイヤモンドクロスが構内に存在していた1983年時点の西宮北口駅と阪急西宮スタジアム界隈の風景を実物の1/500の大きさで再現したジオラマを展示している。さらに、阪急電鉄や関西テレビなどが所蔵するアーカイブ映像を、テーマ別に無料で鑑賞できるモニターも設けている[13][注釈 3]。
開業初日に約10.8万人[1]、最初の週末2日間で約30万人を集客して駅からの動く歩道が混雑の為に停止となるなど開業からの6日間で約58.6万人(神戸新聞[14]、日本食料新聞では約51.7万人[1])で初年度約1780万人から2年目に約1784万人へ来店客数を伸ばす[7]など高い集客力を誇った。当施設の最寄り駅である西宮北口駅においては、2008年(平成20年)12月の月間1日平均乗降人員が約11.4万人を記録し[10]、神戸三宮駅(当時は三宮駅)の1日平均約10.8万人を上回って阪急電鉄の駅の中で梅田駅に次いで第2位の乗降客数となったなど、阪急電鉄の利用者数増加にも一役買っている[15]。
ショッピングセンター内の核店舗と専門店が連携してイベント展開を行い、近隣商圏の支持を背景に近郊在住者が約70%を占める約28万人のポイントカード会員を中心に高頻度での来店を実現し、郊外型ショッピングセンターでは開業初年度の売上高が最多というケースが大半である常識を覆して初年度の売上高約659億円から開業2年目に約676億円へ伸びた[7]。
2018年10月1日には「別館」が、11月21日には「ゲート館」がそれぞれ開業した[16][17]。開業10周年のリニューアルでは、2019年3月から4月にかけて新規26店舗、移転や改装が47店舗、合計73店舗が新しくなった。屋上庭園は人工芝が敷かれるなどの変更があり、世界最大のスポーツ用品チェーンデカトロンの日本1号店もオープンした[18]。
オープンまで
2005年(平成17年)11月に阪急電鉄がプレスリリースで発表した内容によると、
- スタジアム跡地(約9ha)に阪急百貨店、スーパーマーケット、シネマコンプレックスなどが出店する、日本最大級のショッピングセンターを建設する。
- 2006年(平成18年)下期に着工、2008年(平成20年)秋の開業を目指す。
- 阪急百貨店は店舗面積2.5ha、シネコンは12スクリーンで計2,200席、その他総合スーパーや専門店街を設け、総店舗面積10haに計250店舗が出店する予定。
となっていた。
その後の西宮市議会の定例議会およびメディアの報道によると、
- 敷地の一部を兵庫県道・大阪府道606号西宮豊中線の狭隘な部分をバイパスする新設道路とし、兵庫県に売却。
- 阪急百貨店(地上7階建て、25,000m2)、スーパーおよびシネコン(地上5階建て、約30,000m2)、専門店モール街(地上4階建て、約38,000m2)、および立体駐車場を含む複数の駐車場を建設。
- 阪急今津線の高架化事業とともに着工することによりコストを圧縮。
と発表された。
2007年(平成19年)4月4日、「阪急西宮ガーデンズ」という名称で開業することが発表された[19]。
2008年(平成20年)10月22日、同年11月26日のグランドオープンを発表。
2008年(平成20年)11月20日、阪急百貨店・イズミヤのカード会員や、「ガーデンズカード」先行入会者からの抽選による当選者向けの内覧会を開催。当日は、あらかじめ送付された招待券の持参者にしか入場を認めなかった。翌21日からグランドオープンの前日(25日)までは、「プレオープン」と称して周辺住民向けに営業。この期間には、招待券を持参しなくても入場できるようになっていた[4]。
施設
- 設計:安井建築設計事務所(基本設計・実施設計監修・監理監修)/竹中工務店(実施設計・監理)
- 施工:竹中工務店
- 建物階層:地上4階建て、一部5階建て(立体駐車場除く)
- 敷地面積:約70,000m2
- 建築面積:約55,000m2
- 延床面積:約247,000m2
- 賃貸面積:約107,000m2
- 届出小売店舗面積:71,030m2
- 営業時間
- 西宮阪急:10:00 - 20:00
- イズミヤ:10:00 - 21:00
- 専門店(1-5F):10:00 - 20:00
- 4Fサービス・一部大型店舗:10:00 - 22:00
- 飲食店街(4F):11:00 - 23:00
- TOHOシネマズ西宮OS:9:00 - 24:00
- 阪急西宮ギャラリー[20](5階、TOHOシネマズ西宮OS横):10:00 - 21:00
- 休業日
- 年中無休
- エスカレータ・エレベーター
館内は禁煙であるが、喫煙所がある。
主なテナント
詳しくは公式サイトを参照。
西宮市は、人口40万人を超える阪神間の中核市であるにもかかわらず、今津駅近くにあった小規模映画館「今津文化」の阪神・淡路大震災後の閉館以降、13年間映画館が1つもなかった。TOHOシネマズ西宮OSは、西宮市にとって今津文化閉館以来の映画館であり、また大規模映画館かつシネマコンプレックスとしては同市初。また、阪急西宮ガーデンズが開業するまで、西宮市は吹田市と並んで、人口40万人以上で映画館の無い町であった[要出典]。
かつて、津門大塚町(阪神国道駅周辺)にイズミヤ西宮店が存在したが、阪神・淡路大震災で入居していた建物が倒壊しそのまま閉店となったため、イズミヤとしては13年ぶりの西宮市内への進出となる。なお、西宮ガーデンズ出店後の2014年、イズミヤは阪急阪神東宝グループのエイチ・ツー・オー・リテイリングと経営統合し、阪急阪神百貨店と同じ企業グループとなった。
TOHOシネマズ西宮OS
5階にあるシネマコンプレックス。12スクリーン、2,073席(車椅子22席)を完備する。
TOHOシネマズ株式会社とオーエス株式会社の共同経営であり、運営は前者が行っている。
2015年12月に「MediaMation MX4D」を、2021年11月に「IMAXレーザー」をそれぞれ兵庫県内初導入している。
No. | 座席数 | 車椅子 | サイズ(m) | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|
縦 | 横 | ||||
1 | 299 | 2 | 5.6 | 13.4 | |
2 | 275 | 2 | 非公表 | IMAXレーザー | |
3 | 133 | 2 | 4.0 | 9.5 | |
4 | 133 | 2 | 3.5 | 8.3 | |
5 | 95 | 1 | 2.8 | 6.7 | |
6 | 95 | 1 | 2.8 | 6.7 | |
7 | 143 | 2 | 4.2 | 10.1 | |
8 | 151 | 2 | 3.9 | 9.2 | |
9 | 112 | 2 | 5.3 | 12.8 | MX4D |
10 | 150 | 2 | 4.1 | 9.8 | |
11 | 437 | 3 | 7.5 | 17.9 | |
12 | 70 | 1 | 2.9 | 6.9 | 旧プレミアスクリーン |
イベント
- 4Fスカイガーデン・木の葉のステージでは土日祝を中心にライブ・イベント(約30分・観覧無料)が年間約200本行われている。
- メジャーアーティストが出演し、J-POP、アイドル、演歌までジャンルを問わない。
- 10時と11時の1日2回しか流れないギター音の館内BGM「TREASURE(トレジャー)」は、押尾コータローが作曲した。その縁から、押尾がパーソナリティを務める『押尾コータローの押しても弾いても』(MBSラジオ)では、開業2年目の2009年(平成21年)から毎年、開業記念日直前の勤労感謝の日(11月22日か23日)に、木の葉のステージへスペシャルゲストを招いて公開収録を実施(観覧無料、2020年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で実施せず)。同局では、収録の模様を1時間に編集した音源を、収録後の12月上旬に特別番組枠(主に『MBSマンデースペシャル』)で放送している。ちなみに、特別番組にはスポンサーを付けていないものの、タイトルに「阪急西宮ガーデンズPresents」という冠名称を入れている。
- 年4回のペースで、『星空案内』という天体観望会が開催されている。
アクセス
脚注
注釈
出典
- ^ a b c “西日本最大級のSC「阪急西宮ガーデンズ」グランドオープン 6日間で約52万人が来店”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (2008年12月5日)
- ^ a b “阪急西宮ガーデンズがオープン 開店前から列”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2008年11月26日)
- ^ a b c d e f g h “コンセプト”. 阪急西宮ガーデンズ. 2020年4月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g 吉野太一郎、多賀谷克彦 (2008年11月25日). “阪急西宮ガーデンズ、開業へ 阪神間の高級志向を刺激”. 朝日新聞 (朝日新聞社)
- ^ a b c 公共交通機関をご利用の場合 - 阪急西宮ガーデンズ
- ^ “西日本最大級SCが開業 阪急西宮ガーデンズ”. 47NEWS (2008年11月26日). 2015年7月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
- ^ a b c “西宮ガーデンズ、売上高676億円 「2年目減少」の常識覆す”. 産経新聞 (産経新聞社). (2011年2月21日)
- ^ TOHOシネマズとオーエスによる共同運営
- ^ “JR三越伊勢丹、開業から1年-阪急、成長戦略2本柱、本店、物販以外を2割”. 日経MJ (日本経済新聞社). (2012年5月4日)
- ^ a b c d 阪急電鉄の"駅とまち" (PDF) - 日本民営鉄道協会
- ^ フロアマップ全体図 - 阪急西宮ガーデンズ
- ^ スカイガーデン - 阪急西宮ガーデンズ
- ^ 阪急西宮ギャラリー
- ^ 広畑千春 (2008年12月3日). “西宮ガーデンズ開業で乗降客が3倍!阪急西宮北口駅”. 神戸新聞 (神戸新聞社)
- ^ “阪急の乗降客数、西宮北口駅2位浮上-昨年12月「ガーデンズ」効果で三宮駅抜く”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2009年2月4日)
- ^ 『阪急西宮ガーデンズが開業10周年を迎えます』(PDF)(プレスリリース)阪急電鉄、阪急阪神不動産、阪急阪神ビルマネジメント、2018年9月27日。オリジナルの2019年2月13日時点におけるアーカイブ 。2019年2月13日閲覧。
- ^ “西宮ガーデンズ別館10月1日開業 医療施設など出店”. 神戸新聞NEXT (神戸新聞社). (2018年9月29日). オリジナルの2019年2月13日時点におけるアーカイブ。 2019年2月13日閲覧。
- ^ “西宮ガーデンズが改装オープン 屋上庭園に人工芝、4月下旬にかけ73店舗一新”. 神戸新聞NEXT (神戸新聞社). (2019年3月8日). オリジナルの2019年3月14日時点におけるアーカイブ。 2020年4月3日閲覧。
- ^ 名称決定のお知らせ (PDF) - 阪急阪神ホールディングス
- ^ 「阪急西宮ガーデンズ」内に阪急西宮ギャラリーをオープンします!
関連項目
以下はいずれも、阪急電鉄と同じ関西圏の大手私鉄が保有していたプロ野球球団(保有期間中は阪急ブレーブスと同じパシフィック・リーグに加盟)の本拠地の跡地で営業している複合施設。
- なんばパークス - 南海電気鉄道が南海ホークスの本拠地だった大阪球場の跡地で運営する複合施設。大阪球場時代のピッチャーズプレート・ホームベースの位置を示すプレートが埋め込まれているほか、「阪急西宮ギャラリー」に相当する無料の展示施設として、「南海ホークスメモリアルギャラリー」が実在する。
- もりのみやキューズモールBASE - 近鉄バファローズの本拠地だった日生球場の跡地で東急不動産が運営する複合施設。バファローズを保有していた近畿日本鉄道は運営に関与していないが、かつて日生球場が建っていたことを示す目的で、敷地内の「BASEパーク」の人工芝の上にピッチャーズプレートとホームベースが描かれている。