観測ロケット
観測ロケット(かんそくロケット)、もしくは研究ロケット(けんきゅうロケット)とは科学観測・実験のために弾道飛行を行うロケット。英語でのサウンディングロケット(sounding rocket)の名前の由来は、海事におけるSounding[計測]に由来する[1]。これは伊/西語におけるsonda/sonde[英:probe/日:探索]に由来し、sound:音とは直接の関係はない。
ロケットは通常、高度50キロメートルから1500キロメートルへ打ち上げられる。気球の最高到達高度(40キロメートル)よりも高く、人工衛星の最低軌道(120キロメートル)よりも低い圏内を調べる時に用いられる[2]。ブラックブラントXおよびXIIでは到達高度はそれぞれ1000キロメートルと1500キロメートルに達し低周回軌道投入も可能である。観測ロケットはしばしば余剰の軍用ロケットが用いられる。
設計
編集通常、常温で貯蔵、即応的な打ち上げができる固体燃料ロケットが多く用いられる。
優位性
編集観測ロケットを研究に用いる事の優位性は経費が少なく、短期間で準備できる事である。気球に比べ到達高度が高く、人工衛星よりも安い。人工衛星搭載機器の試験にも使用される。
運用機関とロケット
編集→詳細は「観測ロケット一覧」を参照
- Rocket Labが開発、打ち上げを担当する多段式高高度観測ロケットAteaシリーズは高度250キロメートルへ10〜70キログラム運ぶ事ができる。
- オーストラリア宇宙研究所 (ASRI, Australian Space Research Institute) は専ら教育向けに高度約7キロメートルまで到達できる小型観測ロケット計画[要出典] (SSRP, Small Sounding Rocket Program) を実施している。[3]
- イラン宇宙機関は2007年2月最初の観測ロケットを打ち上げた。
- UP 航空宇宙はUP 航空宇宙™XL 観測ロケットを打ち上げる。到達高度は225キロメートル.
- ドイツのTEXUSとMINITEXUS計画
- スウェーデンのMASER計画
- EADS-STとスウェーデンの宇宙企業であるMAXUS計画
- NASA観測ロケット計画
- JAXAが運用する観測ロケットS-310/S-520/SS-520
- Beyond-Earth Enterprises
- スウェーデン宇宙公社によるREXUS
- ブラジル宇宙機関によるVS-30、VS-40、VSB-30
- インターステラテクノロジズによるMOMO
出典
編集- ^ Marconi, Elaine M. (April 12 2004). “What is a Sounding Rocket?”. Research Aircraft. NASA. 10 October 2006閲覧。
- ^ “NASA Sounding Rocket Program Overview”. NASA Sounding Rocket Program. NASA (July 24 2006). 10 October 2006閲覧。
- ^
- ASRI (Australian Space Research Institute) の日本語表記を「オーストラリア宇宙研究所」とする事の出典
- “オーストラリア連邦科学工業研究機関”. 宇宙情報センター. JAXA. 2020年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月1日閲覧。
- 小型観測ロケット計画 (SSRP, Small Sounding Rocket Program) がオーストラリア宇宙研究所の実施による物である事の出典
- “Small Sounding Rocket Program (SSRP)”. オーストラリア宇宙研究所. 2020年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月1日閲覧。