管区警察局
管区警察局(かんくけいさつきょく 英語表記:District Police Bureau、Regional Police Bureau)は、警察庁の地方機関[1]。警察法第30条に基づいて設置された機関であり、所在地及び管轄区域も同法に基づく。前身は国家地方警察本部が全国に6つ設置した警察管区本部であり、1954年(昭和29年)に施行された新警察法により管区警察局となった[2]。
東北、関東、中部、近畿、中国四国、九州の6つで構成されている。2019年4月1日の改正で、中国と四国が統合され中国四国になり、その下に四国警察支局が設置された。各「管区警察局長」は警視監。
業務・組織
編集警察法第5条第4項第2号、第4号から第15号まで、第18号から第21号まで及び第24号から第27号までに掲げるものに係るものを分掌する。特例として、重大サイバー事案に係る犯罪の捜査その他の重大サイバー事案に対処するための警察の活動に関することは、関東管区警察局が全国を管轄区域として分掌する(警察法第30条の2)。
管内府県警察の監察・業務指導、表彰、広域捜査の調整、大規模災害への対応、警察通信事務などを行う。
運用
編集北海道と東京都は、いずれの管区警察局にも属さない[3]。北海道には北海道警察が置かれているが、北海道は一つの都道府県が一つの地方全体を構成するため、管区警察局による広域調整機能が必要がなく、管区警察局が置かれていない。また、警視庁の長は警視総監であり、警視監である関東管区警察局長の指導・調整を受けないことや、「首都警察本部」という特殊性から、関東管区警察局の管轄から除外する[注 1]。
東京都と北海道には、警察庁の地方機関である警察情報通信部が置かれる[4]。警察情報通信部は、警察庁の地方機関であり、管区警察局の出先機関で、各府県に置かれる情報通信部とは別格の組織である。
警視庁と北海道警察に対する広域調整・監察機能は、警察庁本庁が直接担う。
近年では運営上でも県警察本部と一体化するところがあり、中部・九州は愛知・福岡県警察本部のビルに同居ないしは同じ敷地内にある。これに伴い、運用面で県警本部と一部統合されている。
一覧
編集名称 | 位置 | 管轄区域 | 備考 |
---|---|---|---|
東北管区警察局 | 仙台市青葉区 | 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 | 宮城県警と一部一体運用 |
関東管区警察局 | さいたま市中央区 | 茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・神奈川・新潟・長野・山梨・静岡 |
管区警察局の中では最大規模。 |
中部管区警察局 | 名古屋市中区 | 富山・石川・福井・岐阜・愛知・三重 | 愛知県警と一部一体運用 |
近畿管区警察局 | 大阪市中央区 | 滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山 | |
中国四国管区警察局 | 広島市中区 | 鳥取・島根・岡山・広島・山口・徳島・香川・愛媛・高知 | |
(四国警察支局) | 香川県高松市 | 徳島・香川・愛媛・高知 | 警察支局として中国四国管区警察局の所掌事務を分掌 |
九州管区警察局 | 福岡市博多区 | 福岡・佐賀・長崎・熊本・ 大分・宮崎・鹿児島・沖縄 |
福岡県警と一部一体運用 |
廃止
編集脚注
編集注釈
編集- ^ ただし、1954年7月の関東管区警察局発足当初(1958年3月末まで)は、警察通信事務に限定して警視庁も同局の管轄下にあった。関東管区警察局#沿革を参照。
出典
編集- ^ 平成25年警察白書 P200
- ^ 黒田重雄 『日本警察史の研究 制度・法制・事件』 令文社 p.419
- ^ http://www.chubu.npa.go.jp/contents/syoukai/frame_syoukai_1_1.htm 管区警察局の役割 中部管区警察局
- ^ 警察法第33条