第178回国会
2011年9月に召集された臨時国会
第178回国会(だい178かいこっかい)とは、2011年(平成23年)9月13日に召集された臨時国会である。会期は9月30日までの18日間であった。
概要
編集野田佳彦が内閣総理大臣となってから初の臨時国会。当初、野党自由民主党と公明党は9月9日召集を要求した[1]が、9月中旬には閣僚の外遊などが予定されていることから[2]与党は9月13日から16日までの会期4日間のみとし、改めて10月に召集する臨時国会で本格的な議論を行うとの案を野党側に提示し、自公両党も召集日については容認した[3]が、代表質問の後に予算委員会を開くことを求め与野党間で意見が対立した[4]。結局、初日の9月13日に議決で会期は4日間に決定し、野党が求めていた予算委員会は閉会中審査の中で行うことで与党側が押し切った[5]が、9月15日に野党7会派が10月14日までの会期延長を申し入れるなど反発を強めたため、与党側も折れ本来の最終日であった9月16日に14日間の延長が決定した[6]。
内閣組閣のわずか9日後に鉢呂吉雄経済産業大臣が福島第一原子力発電所事故に関連する不適切な発言で閣僚を辞職し、枝野幸男と交代したことなどから野党側は反発を強め、野田内閣を追及する姿勢を見せた[7]。
各党・会派の議席数
編集
衆議院編集計480、2011年(平成23年)6月3日時点
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参議院編集計242、2011年(平成23年)7月5日時点
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主な審議議案
編集衆法(衆議院議員提出法律案)
提出回次 | 議案件名 | 議案提出者 | 審議状況 | 議案理由 |
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178 | 国会法改正案 | 議院運営委員長 | 成立 | 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故について、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会の委員長及び委員の推薦、その要請を受けて国政に関する調査を行うこと等のため、国会に、東京電力福島原子力発電所事故に係る両議院の議院運営委員会の合同協議会を置く等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。 |
178 | 原発事故調査委設置法案 | 議院運営委員長 | 成立 | 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故の直接又は間接の原因及び当該事故に伴い発生した被害の直接又は間接の原因並びに関係行政機関その他関係者が当該事故に対し講じた措置及び当該被害の軽減のために講じた措置の内容、当該措置が講じられるまでの経緯並びに当該措置の効果を究明し、又は検証するための調査並びにこれまでの原子力に関する政策の決定又は了解及びその経緯その他の事項についての調査を適確に行うとともに、これらの調査の結果に基づき、原子力に関する基本的な政策及び当該政策に関する事項を所掌する行政組織の在り方の見直しを含む原子力発電所の事故の防止及び原子力発電所の事故に伴い発生する被害の軽減のため講ずべき施策又は措置について提言を行い、もって国会による原子力に関する立法及び行政の監視に関する機能の充実強化に資するため、国会に、東京電力福島原子力発電所事故調査委員会を置く必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。 |
参法(参議院議員提出法律案)
今国会の動き
編集召集前
編集- 8月26日 - 菅直人が民主党代表の辞任を表明
- 8月29日 - 野田佳彦が民主党代表に就任
- 8月30日
- 9月2日 - 野田内閣が発足
- 9月9日 - 臨時会の9月13日召集を閣議決定[8]
- 9月10日 - 鉢呂吉雄経済産業大臣が福島第一原子力発電所事故をめぐる発言で辞表を提出、受理される(翌11日付で退任)[9]
- 9月12日 - 枝野幸男前内閣官房長官が経済産業大臣に就任
会期中
編集- 9月13日
- 9月14日~16日 - 衆議院及び参議院本会議にて代表質問を施行
- 9月15日 - 野党7会派が会期を28日間延長し10月14日までとする会期延長を衆参両議院議長に申し入れ[10]
- 9月16日
- 9月26日
- 9月28日 - 自由民主党、公明党、たちあがれ日本、社会民主党の4野党が石川知裕衆議院議員に対する議員辞職勧告決議案を衆議院に提出[16](採決されないまま閉会し廃案)
- 9月30日 - 西岡武夫参議院議長が帯状疱疹の痛みによる寝不足で本会議登壇の際にふらつき、発声にも難を抱えたが議事進行は予定通り実施[17][18]
- 参議院本会議で東京電力福島原子力発電所事故調査委員会法などが成立
- 閉会
脚注
編集- ^ “来月9日に臨時国会召集を 自公が一致”. 産経新聞. (2011年8月30日) 2011年9月6日閲覧。
- ^ “臨時国会:9月中旬で調整--平野・民主国対委員長”. 毎日新聞. (2011年9月1日) 2011年9月6日閲覧。
- ^ “臨時国会、13日召集へ”. 産経新聞. (2011年9月6日) 2011年9月6日閲覧。
- ^ “臨時国会13日から4日間 予算委員会なし、野党反発”. 朝日新聞. (2011年9月9日) 2011年9月10日閲覧。
- ^ “臨時国会の会期は4日間、衆院本会議で議決”. 読売新聞. (2011年9月13日) 2011年9月13日閲覧。
- ^ “国会14日間延長、全会一致で議決…衆院”. 読売新聞. (2011年9月16日) 2011年9月17日閲覧。
- ^ 首相の「任命責任」で自民攻勢 臨時国会召集 産経新聞 2011年9月12日閲覧[リンク切れ]
- ^ “臨時国会、13日召集決定…会期幅は再協議”. 読売新聞. (2011年9月9日) 2011年9月9日閲覧。
- ^ “鉢呂経産相、「放射能」発言などで辞任”. 読売新聞. (2011年9月10日) 2011年9月10日閲覧。
- ^ “民主、会期延長を拒否…16日で閉会の見通し”. 読売新聞. (2011年9月15日) 2011年9月15日閲覧。
- ^ “松本国対代理ら辞表提出=会期延長の混乱で引責-民主”. 時事通信. (2011年9月16日) 2011年9月17日閲覧。
- ^ “民主国対3幹部、1か月謹慎…幹事長が独自処分”. 読売新聞. (2011年9月20日). オリジナルの2011年9月26日時点におけるアーカイブ。 2011年9月20日閲覧。
- ^ “松本国対代理ら「謹慎」に=輿石氏が処分、民主内に不満”. wsj.com (ウォール・ストリート・ジャーナル). (2011年9月20日) 2011年9月20日閲覧。
- ^ “ファイル:民主の松本、加藤氏も辞意撤回”. 毎日新聞. (2011年9月23日). オリジナルの2011年9月24日時点におけるアーカイブ。 2011年9月23日閲覧。
- ^ “陸山会事件:小沢元代表の元秘書3人に有罪判決”. 毎日新聞. (2011年9月26日). オリジナルの2013年5月1日時点におけるアーカイブ。 2011年9月28日閲覧。
- ^ “野党6党、小沢元代表と石川議員の証人喚問要求へ”. 朝日新聞. (2011年9月28日) 2011年9月28日閲覧。
- ^ “西岡参院議長、本会議で足元ふらつく”. 読売新聞. (2011年9月30日). オリジナルの2011年10月1日時点におけるアーカイブ。 2011年9月30日閲覧。
- ^ “西岡参院議長:議長席に上がる際によろめく”. 毎日新聞. (2011年9月30日). オリジナルの2011年10月1日時点におけるアーカイブ。 2011年9月30日閲覧。