渡辺憲司 (日本文学者)
渡辺 憲司(わたなべ けんじ、1944年12月15日[1] - )は、日本の近世文学研究者[2]。立教大学名誉教授[3]。元立教新座中学校・高等学校校長[4]、元自由学園最高学部学部長。専門は近世文学・大名文芸圏・遊里史など。前田愛に師事した。
経歴
編集北海道函館市生まれ[1]。1963年、北海道函館中部高等学校卒業[1]。1964年立教大学法学部に入学するも、1966年に同大学文学部日本文学科へ転籍[1]。1968年、立教大学文学部日本文学科卒業[1]。1971年立教大学大学院文学研究科日本文学専攻修士課程修了[1]。1976年立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士課程単位取得退学[1]。
横浜市立横浜商業高等学校定時制教諭(1970年4月 - 1972年3月)[1]、武蔵高等学校教諭(1972年4月 - 1978年3月)[1]を経て、1978年4月梅光女学院大学短期大学部専任講師[1]。1982年10月、同助教授[1]。1988年4月立教大学文学部日本文学科助教授[1]) 1990年4月同教授[1]。1998年、博士(文学)(九州大学)[1]。
2010年4月、立教大学名誉教授。2010年8月、立教新座中学校・高等学校校長( - 2015年3月)。2015年4月自由学園最高学部学部長( - 2021年3月)[5]。
2011年3月、立教新座高等学校の卒業式が中止となったため、卒業生へのメッセージをインターネット上に公開した[6]。このメッセージがTwitterをはじめとするインターネット上で話題となり、3月16日の一日だけで30万ページビューを数え[3][7]、合計で80万回以上の接続数を記録した[2][3]。老若男女がこの卒業生へのメッセージに感動・感謝し、渡辺に反響の声を寄せているとされる[8]。2020年3月 自由学園最高学部長ブログ146回「今本当のやさしさが問われている コロナ対策に向けて」が、多くの反響を呼んだ[3]。
著書
編集- 『近世文学資料類従・仮名草子篇 身の鏡・理非鏡』(勉誠社) 1977
- 『長門本平家物語と下関』(赤間神宮叢書) 1990
- 『江戸遊里盛衰記』(講談社現代新書) 1994
- 『近世大名文芸圏研究』(八木書店) 1997
- 『江戸300年 吉原のしきたり』(監修、青春出版社) 2004
- 『「縁」を結ぶ日本の寺社参り』(監修、青春出版社) 2006
- 『祇園のしきたり』(監修、青春出版社) 2009
- 『吉原の落語』(監修、青春出版社) 2011
- 『時に海を見よ これからの日本を生きる君に贈る』(双葉社) 2011
- 『海を感じなさい。 次の世代を生きる君たちへ』(朝日新聞出版) 2012
- 『江戸遊女紀聞 売女とは呼ばせない』(ゆまに書房、ゆまに学芸選書ULULA) 2013
- 『江戸遊里の記憶 - 苦界残影考』(ゆまに書房、ゆまに学芸選書ULULA) 2017
- 『いのりの海へ - 出会と発見 大人の旅』(婦人之友社) 2018
- 『生きるために本当に大切なこと』(角川文庫) 2021
- 『高校生しなくてもいいこと』(旺文社) 2021
- 『江戸の岡場所 - 非合法<隠売女>の世界』(星海社新書) 2023
編共著
編集- 『長府の文化』(長府博物館) 1983
- 『黒川村公民館所蔵和書目録』(諸藩旧蔵和書研究会) 1985
- 『資料集成 二世市川団十郎』(和泉書院) 1988
- 『宗家文庫史料目録 和書』(厳原教育委員会) 1990
- 『仮名草子集』(渡辺守邦共校注・訳、岩波書店、新日本古典文学大系74) 1991
- 『新編 国歌大観・私家歌集Ⅴ』(角川書店) 1991
- 『下関市史・民俗編』(下関市史編修委員会) 1992
- 『学海日録・3巻』(依田学海、岩波書店) 1992
- 『江戸のノンフィクション』(東京書籍) 1993
- 『厳原町公民館所蔵古典籍目録』(厳原町教育委員会) 1994
- 『西国大名の文事』(葦書房) 1995
- 『連歌総目録』(明治書院) 1997
- 『近世歌学集成』上・中・下(明治書院) 1998
- 『江戸時代図説百科 訓蒙図彙集成』全23巻・別巻1(大空社) 2002
- 『米国議会図書館蔵 日本古典籍目録』(八木書店) 2003
- 『江戸文化とサブカルチャー』(至文堂、「国文学解釈と鑑賞」 別冊) 2005
- 『立教大学所蔵 江戸川乱歩旧蔵古典籍目録』 2005
- 『江戸文学と遊里』(ペリカン社、江戸文学) 2005
- 『新版 色道大鏡』(八木書店) 2006
- 『源氏物語と江戸文化 可視化される雅俗』(小嶋菜温子, 小峯和明共編、森話社) 2008
- 『文学に描かれた日本の「食」のすがた 古代から江戸時代まで』(小峯和明, ハルオ・シラネ共編、至文堂、「国文学解釈と鑑賞」別冊) 2008
- 『江戸吉原叢刊』全7巻(八木書店) 2010
- An Edo Anthology: Literature from Japan's Mega-City, 1750-1850 (スミエ・ジョーンズ共編、ハワイ大学出版部) 2013
- 『読んでおきたいとっておきの名作25』(旺文社) 2015
- A KAMIGATA ANTHOLOGY LITERATURE FROM JAPANS METRO CENTERS ,1600-1700 (スミエ・ジョーンズ共編、ハワイ大学出版部) 2020
- 『江戸川乱歩大事典』(勉誠社) 2021
出演
編集脚注
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n 「渡辺憲司教授 自筆年譜」『立教大学日本文学』第105巻、立教大学、2010年12月、4-7頁。
- ^ a b 「「大事な物 取り戻そう」 立教新座中高 校長の言葉、HPで反響」『読売新聞』2011年4月9日付朝刊、埼玉県西・12版 29面
- ^ a b c d “渡辺 憲司(わたなべ・けんじ)”. PRESIDENT Online(プレジデントオンライン). プレジデント社. 2023年5月15日閲覧。
- ^ 立教新座中学校・高等学校長に渡辺憲司氏(立教大学名誉教授)が就任 | 学校法人 立教学院
- ^ “第175回 退職あいさつ「自由学園の誇りを胸に」(保護者会だより) – 自由学園最高学部|一貫教育の【自由学園】最高学部(大学部)|最先端の大学教育”. www.jiyu.ac.jp. 2023年5月15日閲覧。
- ^ 卒業式を中止した立教新座高校3年生諸君へ。(校長メッセージ) | 立教新座中学校・高等学校
- ^ 「Twitter / 立教大学: 昨日からTwitter上で話題になっている立教新座中 ...」立教学院広報課
- ^ 「鎮魂の黒き喪章を胸に 今、真っ白な帆を上げよ」 『週刊ポスト』2011年4月15日号 62頁-64頁
外部リンク
編集- 渡辺 憲司 - 立教大学 研究者情報
- 渡辺 憲司 - 自由学園
- 渡辺 憲司 - プレジデントオンライン