清水 馨八郎(しみず けいはちろう、1919年大正8年〉 - 2015年平成27年〉[1])は、日本の地理学者学位は、理学博士[2]。地理学者としては、都市地理学交通地理学などの分野で業績を残した。晩年は自由主義史観系の評論家・論客として知られた。千葉大学名誉教授

略歴

編集

山梨県出身[3](旧制)東京文理科大学(現・筑波大学理学部地学科卒。

海軍兵学校教官[3]千葉大学教育学部教授を経て[4]、千葉大学名誉教授[5]国際武道大学教授[5]イオンド大学筆頭教授[6]を歴任した。理学博士勲三等旭日中綬章

日本における交通地理学の体系化の進行に貢献した人物の1人であり[7]、交通現象をもとに大都市の都市構造の分析を行い、都市問題交通問題の研究や対処方法の提言などを行った[8]。政策提言を行う数少ない交通地理学者であった[9]

思想

編集

政治団体「國民新聞社」の機関紙として発行されている『國民新聞』2010年1月25日号において、「小沢一郎済洲島出身」と題し、小沢一郎土井たか子福島瑞穂菅直人在日認定する記事を執筆した。しかし、土井たか子と福島瑞穂について、清水が記しているその「本名」なるものは、『WiLL』2008年5月号で花岡信昭が執筆した記事と同じく李高順であり、その『WiLL』は土井から名誉毀損で提訴され、敗訴が確定しているので、清水の議論も不適切である(なお、『WiLL』2008年11月号には、謝罪文が掲載された)。

人工妊娠中絶に反対しており、NPO法人「天使のほほえみ」に中絶の違法化を訴える文章を寄稿している[10]

著書

編集

単著

編集
  • 『四街道の地誌』千葉大学教育学部地理学教室、1951年。 
  • 『房総の自然誌 地理学的考察』古今書院、1952年。 
  • 『都市交通機関の発生・発展過程と今後の傾向性』清水馨八郎、1958年。 
  • 『戦後日本の選挙の実態 議員定数固定化の弊害と小選挙区制の人口地理的考察』古今書院、1958年。 
  • 『参議院選挙制度の矛盾とその改正案 今次選挙結果を分析して』清水馨八郎、1959年8月。 
  • 『現代都市の繁栄と病根 選挙・首都・地価・交通の社会診断』光和堂、1960年。 
  • 『大都市地域と交通との基本関係の地理学的研究』東京都企画室、1960年。 
  • 『首都交通研究』 続 分冊第1集、首都交通対策研究会、1961年。 
  • 『爆発する都市 生活はどう変わる』講談社〈講談社現代新書〉、1965年。 
  • 『都市革命 それを阻むもの』東洋経済新報社、1965年。 
  • 『日本列島の未来 風土・文化・都市』角川書店〈角川新書〉、1968年。 
  • 『用地補償実務例』 第1、日本ダム協会、1968年。 
  • 『日本列島のマスタープラン』日本生産性本部、1968年。 
  • 『欠陥日本再建の道』日新報道、1971年。 
  • 『東京大地震 都市と個人の生きのびる道』池田書店〈イケダ3Lブックス〉、1971年。 
  • 『日本列島再発見』角川書店〈角川文庫〉、1973年。 
  • 『水と光の国土 日本見直し論』日本教文社、1976年。 
  • 『空の交通と新空港 航空交通の役割と成田空港の首都圏への影響』大明堂、1978年8月。 
  • 『“すき間”文化論 非常識への挑戦』ダイヤモンド社、1980年12月。 
  • 『航空新幹線 日本ほど飛行機に適した国はない!』光文社〈カッパ・ビジネス〉、1983年8月。ISBN 4-334-01152-7 
  • 『手の文化と足の文化 先端技術ニッポンの謎を探る』日本工業新聞社、1984年12月。ISBN 4-8191-0644-9 
  • 『すべての道は東京へ 新東京論』日本工業新聞社、1989年7月。ISBN 4-8191-0575-2 
  • 清水馨八郎述『地球環境問題と日本文化の知恵を世界に』日建設計〈都市経営フォーラム 第38回〉、1991年。 
  • 『よみがえれ日本 日本再発見 日本の文化と歴史を正しく知ろう 祖国日本に自信と誇りを』日本精神修養会、1997年11月。 
  • 『侵略の世界史 この500年、白人は世界で何をしてきたか』祥伝社、1998年7月。ISBN 4-396-61073-4 
    • 『侵略の世界史 この500年、白人は世界で何をしてきたか』祥伝社黄金文庫、2001年11月。ISBN 4-396-31280-6 
  • 『日本人が忘れてしまった「日本文明」の真価』祥伝社、1999年7月。ISBN 4-396-61086-6 
    • 『今、世界が注目する「日本文明」の真価』祥伝社黄金文庫、2002年12月。ISBN 4-396-31314-4 
  • 『破約の世界史 この1000年、彼らはいかに騙し、裏切ったか』祥伝社、2000年7月。ISBN 4-396-61105-6 
    • 『裏切りの世界史 この1000年、彼らはいかに騙し、強奪してきたか』祥伝社黄金文庫、2004年12月。ISBN 4-396-31364-0 
  • 『『教育勅語』のすすめ 教育荒廃を救う道』日新報道、2000年1月。ISBN 4-8174-0457-4 
    • 『新『教育勅語』のすすめ』日新報道、2007年9月。ISBN 978-4-8174-0655-2 改訂版
  • 『愛国―目覚めよ日本 愛せよ日本』ゴマブックス、2000年3月。ISBN 4-907710-53-4 
  • 『「白人(グローバル)スタンダード」という新たなる侵略』祥伝社、2002年9月。ISBN 4-396-61154-4 
  • 『大東亜戦争の正体 それはアメリカの侵略戦争だった』祥伝社、2006年2月。ISBN 4-396-61263-X 
    • 『大東亜戦争の正体 それはアメリカの侵略戦争だった』祥伝社黄金文庫、2011年7月。ISBN 4-396-31548-1 
  • 『誇れる国、日本―謀略に!翻弄された近現代』 2巻、アパグループ、2009年12月。 

共著・編著・共編著

編集
  • 市川正巳共著『房州地辷地帯の研究』千葉県土木部、1955年。 
  • 「大都市の交通」、多田文男石田龍次郎 編『現代地理講座』 第4巻、河出書房、1956年。 
  • 矢嶋仁吉・清水馨八郎「関東」、木内, 信蔵藤岡, 謙二郎矢嶋, 仁吉 編『集落地理講座』 第3巻、朝倉書店、1958年。 
  • 「現代政治地理学への三つの課題――社会科学としての地理学の脱皮を期待して」、『政治地理』 第1集、日本政治地理学会、1960年。 
  • 「変質する銀座」、臼井吉見 編『現代の教養』 第1、筑摩書房、1966年。 
  • 谷岡武雄西村嘉助共編 編『応用地理学とその課題』大明堂、1966年。 
  • 「通勤地獄を診断する」、臼井吉見 編『現代の教養』 第2、筑摩書房、1967年。 
  • 「東京大都市圏の未来図」、臼井吉見 編『現代の教養』 第16、筑摩書房、1968年。 
  • 「日本の地価問題と土地利用の歪曲」、『都市・土地・住宅 創立十周年記念論文集』日本不動産研究所、1969年。 
  • 服部銈二郎共著『大都市の魅力 大都市魅力度調査報告書』大都市企画主管者会議、1969年。 
  • 服部銈二郎共著『都市の魅力』鹿島研究所出版会〈SD選書 51〉、1970年。 
  • 田中洋之介述、清水馨八郎述『新経済社会発展計画について 情報化社会と日本列島都市の将来』全国都道府県議会議長会事務局〈議会職員執務資料シリーズ no.120〉、1970年7月。 
  • 「GNPからPPMへ――文明の進歩と環境破壊」、『朝日放送大学21世紀セミナー 16』朝日放送企画、朝日ミュージックサービス、1971年。  - 録音テープ。
  • 「緑こそ命――緑の日本列島創造」、環境庁長官官房総務課編集 編『生命ある地球 環境週間記念講演集』帝国地方行政学会、1973年。 
  • 「日本的資源を考える――光と水と土への回帰」、日本青年会議所編集 編『省資源日本の構図』ダイヤモンド社、1974年。 
  • 「日本の風土と文化」、『日本の英知』日本教文社〈美しき日本の再建のために 3〉、1975年。 
  • 「多摩丘陵の二つの人災崖崩れについて」、日本大学文理学部地理学教室 編『日本大学地理学科五十周年記念論文集 関東とその周辺』日本大学文理学部地理学教室、1975年。 
  • 清水馨八郎ほか共著『東京都倒産す 東京はパニックか!!破局を迎えた東京の病巣を鋭くえぐる衝撃の書』エフプロ出版、1976年。 
  • 「首都圏における千葉市の性格と課題」、日本都市学会 編『巨大都市圏における周辺都市』地人書房〈日本都市学会年報 第10号〉、1976年5月。 
  • 「成田開港一年の反省と地域及び空港問題今後の課題(報告)」、『航政研シリーズ no.137』(1978-1980年3月)航空政策研究会。 
  • 「地理学の社会化――私の地理学と社会への歩み」、千葉大学教育学部地理学研究室 編『地理学の社会化 清水馨八郎教授退官記念論文集』大明堂、1985年3月。ISBN 4-470-43019-6 

監修

編集

脚注

編集
  1. ^ 岡田 2016, p. 265.
  2. ^ 岡田 2016, p. 270.
  3. ^ a b 岡田 2016, p. 266.
  4. ^ 岡田 2016, p. 271.
  5. ^ a b 岡田 2016, p. 277.
  6. ^ 「文明論講座1・2」を担当。イオンド大学・科目講座紹介1
  7. ^ 青木 2008, p. 8.
  8. ^ 青木 2008, p. 9.
  9. ^ 須田 2018, p. 399.
  10. ^ [1]

参考文献

編集

関連項目

編集

外部リンク

編集