池田 啓(いけだ ひろし、1950年 - 2010年4月13日)は、日本動物学者。日本のコウノトリの野生復帰事業を推進した。

人物

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山口県下関市出身。1968年山口県立豊浦高等学校卒業、1973年九州大学理学部生物学科卒業、1979年九州大学大学院理学研究科博士課程修了。理学博士文化庁文化財調査官(天然記念物担当)を経て、1999年兵庫県立大学教授、兵庫県立コウノトリの郷公園研究部長を務める。

ホンドダヌキの社会性の研究で学位を取得。その後、文化財調査官としてコウノトリの研究を始め、兵庫県立コウノトリの郷公園の責任者として2005年に始まった試験放鳥を軌道に乗せるなど、コウノトリの野生復帰事業を推進した。2010年、胃癌のため60歳で死去[1]

年譜

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  • 1950年(昭和25年) - 山口県に生まれる
  • 1968年(昭和43年) - 山口県立豊浦高等学校卒業
  • 1973年(昭和48年) - 九州大学理学部生物学科卒業
  • 1979年(昭和54年) - 九州大学大学院理学研究科博士課程修了
  • 1982年(昭和57年)7月 - 九州大学 理学博士 「Socio-ecological study on the raccoon dog, Nyctereutes procyonoides viverrinus, with reference to the habitat utilization pattern(生息地利用からみたホンドタヌキの社会生態学的研究)」 [2]
    文化庁文化財調査官(天然記念物担当)
  • 1999年(平成11年) - 兵庫県立大学教授
    兵庫県立コウノトリの郷公園研究部長
  • 2010年(平成22年)4月13日 - 胃ガンのため逝去、60歳

著書

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  • 池田啓 作 ; 福田岩緒 絵 『子ダヌキのいたずら日記』 ポプラ社、1988.5
  • 池田啓『タヌキはぼくのたからもの : タヌキ博士ばかしあいの20年』ポプラ社、1994年8月。 
  • 池田啓文 ; 柳生弦一郎絵 ; 久保敬新ほか写真 『ひと・どうぶつ行動観察じてん』 福音館書店、1995.3
  • 土肥昭夫三浦慎悟岩本俊孝、池田啓『哺乳類の生態学』東京大学出版会、1997年1月。ISBN 4-13-060167-9 
  • 池田啓 文 ; 柳生弦一郎 え ; 久保敬新 ほか写真 『ひと・どうぶつ行動観察じてん』 福音館書店、1998.2
  • 菊地直樹, 池田啓 著 『但馬のこうのとり』 但馬文化協会、2006.3
  • 大田黒摩利 絵 ; かわべひな 文 ; 池田啓 監修 『こうのとりのカータ』 コウノトリブック倶楽部、どうぶつ社、2006.12
  • 池田啓 著 『コウノトリがおしえてくれた』 フレーベル館、2007.11
  • 『みえとコウノトリ』 フレーベル館

論文

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  • 国立情報学研究所収録論文 国立情報学研究所
  • 池田啓 (1982). Population changes and ranging behaviour of wild japanese monkeys at mt. kawaradake in kyushu, japan. Primates, 23(3), 338-347.
  • Ikeda, Hiroshi (1983), “Development of Young and Parental Care of the Raccoon Dog Nyctereutes procyonoides viverrinus TEMMICK, in Captivity”, The Journal of the Mammalogical Society of Japan 9 (5): pp. 229-236, doi:10.11238/jmammsocjapan1952.9.229 .
  • 池田啓 (1984). Raccoon dog scent marking by scats and its significance in social behaviour. Journal of Ethology, 2(2), 77-84.
  • 池田啓, 伊澤雅子, Baba, M., Takeishi, M., 土肥昭夫 小野勇一 (1983). Range size and activity pattern of three nocturnal carnivores in ethiopia by radio-telemetry. Journal of Ethology, 1(1-2), 109-111.

脚注

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参考文献

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