松浦典良
来歴
編集東京都中野区生まれ。漫画家の手塚治虫のファンということもあり、1963年に手塚のアニメ制作会社の虫プロダクションに入社し、『鉄腕アトム』からフィルム編集業務に携わる。1973年に虫プロダクションを退社し、音響制作の道へ入る。初の担当作品は1975年開始のテレビアニメ『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』。1980年2月に所属していたAUDIO PLANNING Uを退社し、音響制作会社の株式会社「現 GEN」を設立し、代表取締役を務めていた[1] 。
エピソード
編集「作品の善し悪しは声優のキャスティングで90%が決まる」というのが持論で、アニメ『機動戦士ガンダム』では、『巨人の星』の星飛雄馬のイメージを脱却できずにいた古谷徹にアムロ・レイ役で新境地を開かせ、池田秀一にはシャア・アズナブル役を実現させて本格的に声優の道を歩むきっかけを与えた。しかし『機動戦士ガンダム』の劇場版で、アニメ制作会社の日本サンライズ(現・サンライズ)と衝突して音響監督を降板した。出演声優陣は「松浦が降りるなら自分たちも降りる」と抗議したが、『機動戦士ガンダム』の劇場版2作目以降は浦上靖夫が音響監督を担当しており、松浦はそれ以後、二度とガンダム関係・サンライズ関係の作品を担当することはなかった[2][3][4][5]。
参加作品
編集- ※ 特記のない限り全て音響監督としての参加
テレビアニメ
編集1965年
- W3(編集)
1967年
- 悟空の大冒険(編集)
1969年
1970年
- あしたのジョー(編集)
1975年
- ドン・チャック物語(オーディオディレクター)(浦上靖夫と共同)
1977年
- おれは鉄兵(録音監督)
- 野球狂の詩
- 無敵超人ザンボット3
1978年
- 一球さん(録音監督)
- 無敵鋼人ダイターン3
1979年
1981年
- アニメ親子劇場(音響ディレクター)
- 戦国魔神ゴーショーグン
- ワンワン三銃士(録音監督)
1982年
1983年
1985年
1987年
1988年
1992年
1994年
- あそぼトイちゃん
1995年
1997年
1998年
1999年
2001年
2003年
- F-ZERO ファルコン伝説(遺作)
OVA
編集1984年
1985年
1986年
- アイ・シティ
- ウォナビーズ
- カリフォルニア・クライシス 追撃の銃火
- ガルフォース
- クール・クール・バイ
- ザ・ヒューマノイド 哀の惑星レザリア
- 超獣機神ダンクーガ
- トゥインクルハート 銀河系までとどかない(音響監修)
- 那由他
1987年
1988年
1989年
- アーシアン
- ARIEL
- 虚無戦史MIROKU
- 新キャプテン翼
- ドッグソルジャー DOG SOLDIER:SHADOWS OF THE PAST
- Hi-SPEED JECY
- 風魔の小次郎
- 妖魔
- ライディングビーン
1990年
1991年
- 一本包丁満太郎
- うしろの百太郎
- 乙姫CONNECTION(音響制作)
- 恐怖新聞
- 新・超幕末少年世紀タカマル
- 聖伝-RG VEDA-
- 魍魎戦記MADARA
- 闇の司法官ジャッジ
- 横浜名物 男片山組!
1992年
1993年
1994年
- 聖ミカエラ学園漂流記II
- 東京BABYLON2
1995年
1996年
1997年
2004年
劇場アニメ
編集1981年
1982年
1983年
- プロ野球を10倍楽しく見る方法(音響演出)
1984年
1986年
1988年
1989年
1990年
1997年
2001年
ゲーム
編集1996年
- アークザラッドII
- ファイアーウーマン纏組(ディレクター)
カセット文庫
編集1988年
- 星へ行く船(演出)
出典
編集- ^ a b 『機動戦士ガンダム記録全集3』日本サンライズ、1980年、p.206。
- ^ a b 池田秀一「第5章 去り逝く仲間たちへ…… 恩人・松浦典良さんへ」『シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星』ワニブックス、2007年1月7日、ISBN 4-8470-1700-5、167-169・175頁。
- ^ 古谷徹「第二章 「ニュータイプな声優」---アムロを支えてくれた仲間たち」『ヒーローの声 飛雄馬とアムロと僕の声優人生』角川書店、2009年7月25日、ISBN 978-4-04-715275-5、50-59頁。
- ^ 池田秀一「序章 役者への階段 『無敵鋼人ダイターン3』を終えて」『シャアへの鎮魂歌 わが青春の赤い彗星』46-53頁。
- ^ 氷川竜介・藤津亮太編「第二章 TV版と音楽と ガンダムにおける音楽観(1980)」『ガンダムの現場から 富野由悠季発言集』キネマ旬報社、2000年10月16日。ISBN 4-87376-537-4、136頁。
- ^ “どろろ”. 手塚治虫公式サイト 2016年5月6日閲覧。