李炳鉄
李炳哲[2](李炳鉄)(リ・ビョンチョル、1948年 - )は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の政治家、軍人。朝鮮労働党中央委員会政治局常務委員会委員、党中央委員会書記、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長。朝鮮民主主義人民共和国国務委員会委員、朝鮮労働党副委員長、党軍需工業部部長、朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員、朝鮮人民軍空軍司令官を歴任。朝鮮人民軍における軍事称号(階級)は朝鮮人民軍元帥。2021年の朝鮮労働党第8期中央委員会発足時点での党内序列は金正恩、崔竜海、趙甬元に次ぐ第4位。
李炳哲(李炳鉄) 리병철 | |
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生年月日 | 1948年 |
出身校 |
万景台革命学院 金日成軍事総合大学 |
所属政党 | 朝鮮労働党 |
称号 |
金正日勲章 朝鮮人民軍元帥 |
最高人民会議代議員 | |
当選回数 | 5回 |
在任期間 | 1998年7月26日 - |
最高指導者 |
金正日(1994年 - 2011年) 金正恩(2011年 - ) |
在任期間 |
2020年8月13日 - 2021年6月29日[1] 2022年4月25日 - |
朝鮮労働党委員長 朝鮮労働党総書記 |
金正恩(2016年 - 2021年) 金正恩(2021年 - ) |
朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長 | |
在任期間 |
2020年5月23日 - 2021年6月29日 2022年6月23日 - |
朝鮮労働党中央 軍事委員会委員長 | 金正恩(2016年 - ) |
在任期間 | 2020年4月12日 - 2021年9月29日 |
国務委員会委員長 | 金正恩(2016年 - ) |
朝鮮労働党中央委員会政治局員 | |
在任期間 |
2019年12月31日 - 2021年6月29日[1] 2022年4月25日 - |
朝鮮労働党委員長 朝鮮労働党総書記 |
金正恩(2016年 - 2021年) 金正恩(2021年 - ) |
その他の職歴 | |
朝鮮労働党中央委員会副委員長 (2019年12月31日 - 2021年1月10日) | |
朝鮮労働党軍需工業部長 (2019年12月31日 - ) | |
朝鮮労働党軍需工業部第一副部長 (2014年12月8日 - 2019年12月31日) | |
朝鮮労働党中央委員会政治局員候補 (2016年5月9日 - 2019年12月31日 2021年6月29日[1] - 2022年4月25日) | |
朝鮮労働党中央委員会委員 (2010年9月28日 - ) | |
第6期朝鮮労働党中央軍事委員会委員 (2010年9月28日 - 2016年5月9日) | |
第7期朝鮮労働党中央軍事委員会委員 (2017年10月7日 - 2021年1月10日) | |
第8期朝鮮労働党中央軍事委員会委員 (2021年1月10日 - ) | |
第8期朝鮮労働党中央委員会書記 (2021年1月10日 - 2021年6月29日[1] 2022年4月25日 -) |
李 炳鉄(炳哲) | |
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各種表記 | |
チョソングル: | 리병철 |
漢字: | 李炳哲(炳鐵) |
発音: | リ・ビョンチョル |
日本語読み: | り へいてつ |
MR式: | Lee Byeongcheol |
略歴
編集1948年生まれ。万景台革命学院や金日成軍事総合大学を卒業した。2010年9月の朝鮮労働党第3次代表者会議で党中央軍事委員会委員となる。2014年9月25日、第13期最高人民会議第2回会議で国防委員会委員に選出。朝鮮人民軍空軍司令官を務めていたが、2014年12月8日に党中央委員会の副部長(部署不明)に転出していたことが判明[3]、さらに2015年1月13日には、党中央委員会の第一副部長に昇格していたことが判明した。韓国の聨合ニュースは、李が党軍事部の第一副部長に就任したと推測している。後任の空軍司令官は崔英浩[3]が任命された。
2016年5月に開催された朝鮮労働党第7次大会で党中央軍事委員会委員を退任、党中央委員会政治局員候補に選出された[4]。これに続いて同年6月29日に開催された第13期最高人民会議第4回会議では、国防委員会に代わって新設された国務委員会の委員に選出されなかった[5]。
2016年6月22日の弾道ミサイルムスダンの発射実験に、党中央委員会軍需工業部第一副部長の立場で金正恩や李万建(リ・マンゴン)党中央委員会副委員長(軍需工業担当)、金洛兼(キム・ラクギョム)朝鮮人民軍戦略軍司令官と共に立ち合い、打ち上げ成功を受けて金正恩と抱き合った[6][7]。
2017年10月7日に行われた第7期党中央委員会第2回総会で再び党中央軍事委員会委員に選出された[8]。
2020年1月1日、北朝鮮の朝鮮中央通信が、2019年末の第7期党中央委員会第5回総会で要職の政治局員や党中央委員会副委員長の大幅な人事刷新が行われたことを伝え、李炳哲が政治局員に選出され、党中央委員会副委員長、党中央委員会部長(軍需工業部)に昇格したと発表した[9]。
2020年4月12日の第14期最高人民会議第3回会議で国務委員会委員に選出された[10]。同年5月に開かれた、第7期朝鮮労働党中央軍事委員会第4回拡大会議で朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長に補選された[11]。
2020年8月13日の第7期党中央委員会第16回政治局会議で、党中央委員会政治局常務委員に任命された。同年10月5日の第7期党中央委員会第19回政治局会議にて、同日付の党中央委員会・党中央軍事委員会・国務委員会の共同決定により、朝鮮人民軍元帥の軍事称号を授与された[12]。
2021年1月5日から開催された朝鮮労働党第8次大会で中央委員会委員に再選され[13]、1月10日に開催された第8期党中央委員会第1回総会で朝鮮労働党中央委員会政治局員、党中央委員会書記、朝鮮労働党中央軍事委員会副委員長に再選された[14]が、同年6月29日の第8期党中央委員会第2回政治局拡大会議で「党の決定と国家的な最重大課題の遂行を誤り、革命事業の発展に莫大な阻害を及ぼし、経済活動と人民生活の安定を重大に阻害し、怠慢、怠業行為を行った」として軍総参謀長の朴正天と共に批判の対象となり、政治局常務委員・書記を解任され、政治局員候補に降格された[1]。
同年9月29日に開催された最高人民会議第14期第5回会議にて、国務委員会委員から召還された[15]。
2022年4月25日に開催された、朝鮮人民革命軍創建90周年の閲兵式の報道にて、党中央委員会政治局常務委員、同書記局書記への復帰が確認された。
2022年6月21日から23日に開催された朝鮮労働党中央軍事委員会第8期第3回拡大会議で党中央軍事委員会副委員長の職制を増やすために党中央軍事委員会副委員長に再度任命された。
出典
編集- ^ a b c d e 辺真一 (2021年7月8日). “政治局常務委員は解任されたが、粛清を免れた李炳哲元帥! 朴正天軍総参謀長も健在が確認!”. 2021年7月8日閲覧。
- ^ “朝鮮人民軍元帥称号を授与”. 朝鮮中央通信. 2022年11月26日閲覧。
- ^ a b “正恩氏の新たな「最側近」は戦闘機の専門家!?”. デイリーNK. (2015年1月13日)
- ^ “朝鮮勞動黨19人政治局委員名單出爐” (中国語). 大公網 (2016年5月10日). 2016年6月1日閲覧。
- ^ “김정은, 당·국가 최고위직 겸직… 아버지 시대와 결별” (朝鮮語). 国民日報 (2016年6月30日). 2016年6月30日閲覧。
- ^ “中距離ミサイル発射成功 金正恩氏も見守る=北メディア”. 聯合ニュース (2016年6月23日). 2016年7月1日閲覧。
- ^ “ムスダン、頂点高度1413.6キロ・飛翔400キロ”. ハンギョレ (2016年6月23日). 2016年7月1日閲覧。
- ^ “朝鮮労働党中央委員会の総会…金与正氏が党中央委員に”. デイリーNKジャパン. (2017年10月8日)
- ^ “「世界は新たな戦略兵器を目撃する」金正恩氏、党総会で宣言”. デイリーNKジャパン. (2020年1月1日)
- ^ 김태균 (2020年4月13日). “北朝鮮が最高人民会議開催 李外相らを国務委員に=正恩氏は出席せず”. 聯合ニュース. 2020年4月13日閲覧。
- ^ “「核戦争抑止力いっそう強化」北朝鮮で党軍事委拡大会議”. デイリーNKジャパン. (2020年5月24日)
- ^ 北朝鮮、金正恩氏側近2人に「元帥」称号を授与 デイリーNK 2020年10月6日
- ^ 북, 8차 당대회서 김정은 위원장 당 총비서로 추대 統一ニュース 2021年1月11日
- ^ 북, 당 정치국·비서 등 선출..규율 전담 당 중앙검사위도 (명단) 統一ニュース 2021年1月11日
- ^ 金与正氏、国務委員に選出…北朝鮮で最高人民会議 デイリーNK 2021年9月30日
朝鮮民主主義人民共和国
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