御坂山地

山梨県にある山地

御坂山地(みさかさんち)は山梨県南部、甲府盆地富士山北麓及び桂川(相模川)流域との間に東西に延びる山地。東から高川山(976m)、三つ峠(1,785m)、御坂山(1,596m)、黒岳(1,793m)、節刀ヶ岳(1,736m)等の山が有る。御坂山近くに御坂峠が有り、甲府盆地富士五湖がある郡内地方を結ぶ。北東の笹子峠奥秩父山塊大菩薩連嶺の山系に接続する。西は富士川近くに達し、南西は本栖湖付近で天子山地に連なる。新生代新第三紀中新世の御坂層[2]堆積岩類とそれを貫く花崗岩で形成されている[3]富士五湖周辺の南側の南都留郡富士河口湖町側の主要な山域は富士箱根伊豆国立公園の特別地域の指定を受けている[4]。御坂山地最西端にあたる大畠山と蛾ケ岳(ひるがたけ)付近の山稜地域及び、山腹の凹地に水を湛えた四尾連湖とその周辺は四尾連湖県立自然公園の指定を受けている[5]

御坂山地
パノラマ台から望む御坂山地(王岳から鬼ヶ岳を経て三ッ峠山へと続く稜線)、右端に青木ヶ原樹海、右奥に西湖、その奥に河口湖(2014年12月13日)
パノラマ台から望む御坂山地と精進湖
所在地 日本の旗 日本
山梨県
位置 北緯35度33分8秒 東経138度44分58秒 / 北緯35.55222度 東経138.74944度 / 35.55222; 138.74944座標: 北緯35度33分8秒 東経138度44分58秒 / 北緯35.55222度 東経138.74944度 / 35.55222; 138.74944
最高峰 黒岳(1,793[1] m
御坂山地の位置(山梨県内)
御坂山地
御坂山地に属す黒岳の位置(山梨県)
プロジェクト 山
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地理

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甲府盆地富士山北麓との間の東西に延びる山域[3]笛吹市黒岳の北側の斜面にはカムイみさかスキー場がある[6]

 
御坂山地の地形図

主な山

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御坂山地の主な山を、東からの順で以下に示す。最高峰は、標高1,793 mの黒岳[3]

山容 山名 標高(m)
[1][注釈 1][7]
三角点等級
基準点名[7]
黒岳からの
方角距離(km)
備考
  三ッ峠山 1,785.23  二等
「水峠」
 東 5.4 日本二百名山
山梨百名山
  御坂山 1,596.00  三等
「御坂峠」
 東北東 2.2
  黒岳 1,792.68  一等
「黒岳」
  0 御坂山地の最高峰
山梨百名山
  足和田山 1,354.91  二等
「檀ノ山」
 南南西 7.5 山梨百名山
  十二ヶ岳 1,683   南西 6.4 山梨百名山
  節刀ヶ岳 1,736   南西 6.5 山梨百名山
  鬼ヶ岳 1,738   西南西 7.5
  王岳 1,623.29  二等
「王岳」
 南西 10.4 山梨百名山
  三方分山 1,422   西南西 14.3 山梨百名山
  蛾ヶ岳 1,278.99  三等
「岩根」
 西南西 19.7 山梨百名山
 
天子山地の竜ヶ岳から望む御坂山地、山名表示した主要な山の稜線は南側の富士河口湖町と北側の甲府市および笛吹市との境界

主な峠

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歌川広重「富士三十六景 甲斐御坂越」

山域の主なを以下に示す[6]

  • 清八峠 - 本社ヶ丸と清八山との鞍部
  • 御坂峠 - 御坂山と黒岳との鞍部
  • すずらん峠 - 黒岳と破風山との鞍部
  • 新道峠、大石峠 - 破風山と節刀ヶ岳との鞍部
  • 鍵掛峠 - 鬼ヶ岳と鍵掛との鞍部
  • 日坂峠 - 黒岳と釈迦ヶ岳(1,641 m)との鞍部
  • 鳥坂峠 - 釈迦ヶ岳(1,641 m)と春日山との鞍部
  • 黒坂峠 - 春日山と名所山との鞍部
  • 鶯宿峠 - 名所山と滝戸山との鞍部
  • 右左口峠、関原峠、大峠、桜峠 - 日陰山から西へ延びる尾根にある鞍部
  • 八坂峠、アンバ峠、地蔵峠 - 釈迦ヶ岳(1,271 m)と大平山との鞍部
  • 折門峠 - 大平山の南の肩にある鞍部
  • 四尾連峠 - 四尾連湖の北西、大畠山の西にある鞍部
  • 笹子峠 - 達沢山と大谷ヶ丸との鞍部、標高1,096 m、ここで奥秩父山塊の大菩薩連嶺の山系に接続する。

源流の河川

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東と北東の山域は相模川水系の桂川などの支流源流となる山で太平洋側駿河湾へ流れる[6]。西側と北西側の山域は富士川水系の笛吹川などの支流の源流となる山で太平洋側の駿河湾へ流れる[6]。南側の山域は、本栖湖精進湖西湖河口湖へ流れる河川の源流となる山である[6]

交通・アクセス

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東海自然歩道(足和田山の三湖台)から望む西湖の北側にある鬼ヶ岳

山域の東側を国道137号が縦断し、御坂山の西側で御坂トンネルが貫通し、その東側に国道137号の旧道の山梨県道708号富士河口湖笛吹線が通り御坂山の東で旧御坂トンネルが貫通する[6]。山域の中央付近を山梨県道36号笛吹市川三郷線が縦断し、鳥坂峠の東側で新鳥坂トンネルが貫通し、大石峠の東側で若彦トンネルが貫通する[6]。山域の西側を国道358号が縦断し、右左口峠近くの西側で右左口トンネルが貫通し、三方分山の東側で精進湖トンネルが貫通する[6]。南側の足和田山の尾根伝いに東海自然歩道が通る[6]。山域の南麓に国道139号が通る[6]。山域の南東麓に中央自動車道富士吉田線と富士山麓電気鉄道富士急行線が通る[6]。山域に西麓に東海旅客鉄道(JR東海)の身延線が通る[6]

御坂山地の風景

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脚注

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注釈

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  1. ^ 基準点の標高は、2014年3月13日の国土地理院による標高改算値。

出典

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  1. ^ a b 日本の主な山岳標高(山梨県の山)”. 国土地理院. 2015年12月27日閲覧。
  2. ^ 日本山名辞典 (1992)、86頁
  3. ^ a b c 新日本山岳誌 (2005)、161頁
  4. ^ 富士箱根伊豆国立公園の富士山・箱根地域の区域図” (PDF). 環境省. 2015年12月28日閲覧。
  5. ^ 山梨県の自然公園” (PDF). 山梨県. pp. 2. 2015年12月28日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g h i j k l 地理院地図(電子国土Web)「黒岳」”. 国土地理院. 2015年12月27日閲覧。
  7. ^ a b 基準点成果等閲覧サービス”. 国土地理院. 2015年12月27日閲覧。

参考文献

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  • 徳久球雄 編『コンサイス日本山名辞典』(修訂版)三省堂、1992年10月。ISBN 4-385-15403-1 
  • 日本山岳会『新日本山岳誌』ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1 

関連項目

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