小学館文庫小説賞
小学館文庫小説賞(しょうがくかんぶんこしょうせつしょう)は、小学館が2002年から2019年にかけて主催した公募の新人文学賞[1]。長編小説を募集する。対象は「ストーリー性豊かなエンタテイメント小説」とされており、ジャンルは問わない[2]。受賞作は原則として小学館より四六判で刊行されている。
日本語で書かれた未発表の長編小説を募集する。プロ・アマは問わない。枚数は、40字×40行のA4サイズの用紙で75枚(12万字)から200枚(32万字)まで。選考は、小学館「文庫・文芸」編集部が行う。受賞者には記念品と副賞100万円が与えられる[2]。
受賞作一覧
編集回(年) | 応募数 | 賞 | 受賞・入選作 | 著者 | 初刊 | 文庫化 |
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第1回(2002年) | 645編 | 受賞 | 「感染 infection」 | 仙川環 | 2002年7月 | 2005年8月 |
佳作 | 「枯れてたまるか」[注 1] | 岡田斎志 | 2002年5月 | |||
佳作 | 「神隠し」 | 竹内大 | 2002年5月 | |||
第2回(2002年) | 196編 | 受賞 | 「秋の金魚」 | 河治和香 | 2003年10月 | 2005年10月 |
佳作 | 「if」 | 知念里佳 | ||||
第3回(2003年) | 148編 | 受賞 | 「ジャッカーズ」[注 2] | 大石直紀 | 2003年11月 | 2006年3月 |
佳作 | 該当作なし | |||||
第4回(2003年) | 175編 | 受賞 | 「ベイビー・シャワー」[注 3] | 山田あかね | 2004年8月 | |
佳作 | 「キリハラキリコ」 | 紺野キリフキ[注 4] | 2006年8月 | 2010年12月 | ||
第5回(2004年) | 319編 | 受賞 | 「リアルヴィジョン」 | 山形由純 | ||
佳作 | 該当作なし | |||||
第6回(2005年) | 571編 | 受賞 | 「あなたへ」 | 河崎愛美 | 2005年4月 | 2007年5月 |
佳作 | 該当作なし | |||||
第7回(2006年) | 606編 | 受賞 | 該当作なし | |||
佳作 | 該当作なし | |||||
第8回(2007年) | 586編 | 受賞 | 「パークチルドレン」 | 石野文香 | 2007年10月 | |
「廓の与右衛門 恋の顛末」[注 5] | 中嶋隆 | 2007年10月 | 2013年12月 | |||
第9回(2008年) | 380編 | 受賞 | 「千の花も、万の死も」[注 6][3] | 斉木香津 | 2008年9月 | 2013年9月[注 7] |
優秀賞 | 「ある意味、ホームレス みたいなものですが、なにか?」 |
藤井建司 | 2008年8月 | 2010年11月 | ||
佳作 | 「秘密の花園」 | 泉スージー | ||||
第10回(2009年) | 356編 | 受賞 | 「神様のカルテ」 | 夏川草介 | 2009年8月 | 2011年6月 |
優秀賞 佳作 |
該当作なし | |||||
第11回(2010年) | 447編 | 受賞 | 「絡繰り心中」[注 8] | 永井紗耶子 | 2010年9月 | 2014年3月[注 9] |
優秀賞 佳作 |
該当作なし | |||||
第12回(2011年) | 434編 | 受賞 | 「マンゴスチンの恋人」 | 遠野りりこ | 2011年8月 | 2014年9月 |
優秀賞 | 「時計塔のある町」 | 古賀千冬 | ||||
第13回(2012年) | 590編 | 受賞 | 「ガラシャ夫人のお手玉」[注 10] | 桐衣朝子 | 2013年5月 | |
第14回(2013年) | 561編 | 受賞 | 「ドランク チェンジ」 | 八坂堂蓮 | ||
第15回(2014年) | 626編 | 受賞 | 「ハガキ職人カタギ!」[注 11] | 風カオル | 2014年11月 | 2017年5月 |
第16回(2015年) | 498編 | 受賞 | 「ヒトリコ」[注 12][4] | 額賀澪 | 2015年6月 | 2017年12月 |
第17回(2016年) | 470編 | 受賞 | 「そして灰色に融ける」[注 13] | 鳥海嶺 | ||
優秀賞 | 「猫町くんと猫と黒猫」 | 樒屋京介 | 2018年7月 | |||
第18回(2017年) | 227編 | 受賞 | 「君のいない町が白く染まる時」[注 14] | 安倍雄太郎 | 2018年2月 | |
第19回(2018年) | 170編 | 受賞 | 「ほどなく、お別れです」[注 15] | 長月雨音 | 2018年12月 | 2022年7月 |
第20回(2019年) | 158編 | 受賞 | 「春がまた来る」[注 16] | 黒田麻優子 | 2020年1月 |
脚注
編集注釈
編集- ^ 刊行時「枯れてたまるか探偵団」に改題
- ^ 刊行時「テロリストが夢見た桜」に改題
- ^ 刊行時「ベイビーシャワー」に改題
- ^ 「高野道夫」より改名
- ^ 刊行時「廓の与右衛門 控え帳」に改題
- ^ 刊行時「千の花になって」に改題
- ^ 文庫化時「踏んでもいい女」に改題
- ^ 刊行時「恋の手本となりにけり」に改題
- ^ 文庫化時「部屋住み遠山金四郎 絡繰り心中」に改題
- ^ 刊行時「薔薇とビスケット」に改題
- ^ 刊行時「ハガキ職人タカギ!」に改題
- ^ 応募時「ヒトリコと」
- ^ 応募時「灰色を穿つ鉛」
- ^ 刊行時「君のいない町が白く染まる」に改題
- ^ 応募時「セレモニー」
- ^ 刊行時「まったく、青くない」に改題
出典
編集- ^ 小学館文庫小説賞:額賀さん「ヒトリコ」 - 毎日新聞
- ^ a b 小学館文庫小説賞応募規定
- ^ “編集者が選ぶ文庫小説賞発表!『千の花も、万の死も』が受賞”. ORICON STYLE (2008年5月8日). 2015年5月7日閲覧。
- ^ “小学館文庫小説賞決まる 額賀澪さんの「ヒトリコ」”. 47NEWS (2015年5月7日). 2015年5月7日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 小学館オンライン 小学館文庫小説賞 - 公式サイト