妙高高原駅
妙高高原駅(みょうこうこうげんえき)は、新潟県妙高市大字田口にある、えちごトキめき鉄道・しなの鉄道の駅である[3]。
妙高高原駅[* 1] | |
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駅舎(2021年8月) | |
みょうこうこうげん Myōkō-Kōgen | |
所在地 | 新潟県妙高市大字田口312[1][2][3][4] |
所属事業者 | |
電報略号 | |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面3線[1][2][3] |
乗車人員 -統計年度- |
213人/日(降車客含まず) -2023年- |
開業年月日 | 1888年(明治21年)5月1日[1][2][8][3] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン[9] |
キロ程 | 0.0 km(妙高高原起点) |
(6.4 km) 関山► | |
所属路線 | ■しなの鉄道北しなの線[6][7] |
キロ程 | 37.3 km(長野起点) |
◄黒姫 (8.4 km) | |
備考 | |
新潟県内の鉄道駅としては最南端に位置している。冬季はスキー・スノーボード等のウインターレジャーで賑わい、夏季は豊かな緑に囲まれるリゾート地、妙高高原の玄関口となっている。
概要
編集えちごトキめき鉄道の妙高はねうまラインと[9][3]、しなの鉄道の北しなの線が乗入れている[6][7]。会社境界駅であり、当駅から直江津方面が妙高はねうまライン、長野方面が北しなの線となっている。当駅は両社の共同使用駅で、えちごトキめき鉄道の管轄駅である。しなの鉄道で唯一、新潟県に所在する駅である(但し、しなの鉄道の管轄駅は全て長野県に所在)。当駅の南側を流れる関川が長野県・新潟県の両県境である。鉄道資産上は県境付近が両社の境界だが、営業上では当駅が境界で、運賃体系も変わる。
元々は両路線とも東日本旅客鉄道(JR東日本)の信越本線であったが[9]、2015年3月14日の北陸新幹線長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴う並行在来線の経営分離に伴い[9][6][7]、当駅を境に直江津方がえちごトキめき鉄道[9]、長野方がしなの鉄道へ承継され[9]、駅施設もえちごトキめき鉄道へ移管された。
ワンマン運転の運用方法[注 1]や運用車両の相違等もあり、妙高はねうまラインと北しなの線の相互間を直通運転する列車は存在しない。
移管前の信越本線は当駅がJR支社境で、以南が長野支社、以北が新潟支社の管轄で、新潟支社が当駅を管理していた[2]。以前は特急「あさま」「白山」等全優等列車が停車する主要駅であった[3]が、特急「みのり」廃止以降、当駅を発着する定期優等列車は設定されていない。
歴史
編集- 1888年(明治21年)5月1日:官設鉄道関山 - 長野間開通時に開設。当時の駅名は田口駅(たぐちえき)[1][2][8][3]。
- 1927年(昭和2年)2月8日:大雪(昭和2年豪雪)のため307列車が立往生。地域の青年団や消防組員により炊き出しが行われる[10]。
- 1964年(昭和39年)
- 1969年(昭和44年)10月1日:妙高高原駅(みょうこうこうげんえき)に改称[1][8]。
- 1971年(昭和46年)12月1日:観光センター開設[12]。
- 1974年(昭和49年)5月:みどりの窓口営業開始[13]。
- 1984年(昭和59年)1月20日:貨物取扱廃止[14]。
- 1985年(昭和60年)3月14日:荷物扱い廃止[14]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR東日本の駅となる[8]。
- 2015年(平成27年)3月14日:北陸新幹線・長野駅 - 金沢駅間延伸開業に伴い[6][7]、長野駅 - 当駅間がしなの鉄道に[6][7]、当駅 - 直江津駅間がえちごトキめき鉄道へ移管[9]。路線名を「北しなの線」「妙高はねうまライン」に改称[9]、当駅はえちごトキめき鉄道へ移管[3]。
- 2017年(平成29年)5月1日:JR線の発券システムをビジネスえきねっとからマルス端末に更新。
駅構造
編集単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する地上駅[1][2][3]で、単式ホーム西側に面して駅舎が所在し、両ホームは跨線橋で連絡している[3]。
えちごトキめき鉄道が管理する直営駅で、えちごトキめき鉄道としなの鉄道の共同使用駅となっている[3]。
コンコースには切符販売窓口・有人改札口(営業時間 7時00分 - 19時30分[4])の他、タッチパネル式自動券売機[15]・屋内待合室・自動販売機・コインロッカー・化粧室が設置されている。
窓口にはマルス端末が配置されており、全国JR線乗車券[4]・特急券・特別企画乗車券[4]を発売している(JR線と直接接している関係上「業務委託駅」扱いで設置している直江津駅と異なり「旅行会社」扱いで設置しており、カード購入券払戻は当駅発行分のみで、えきねっとは受取不可)。
なお、しなの鉄道乗車券は窓口・券売機共に北しなの線区間内各駅までの取扱となっている[注 2][15][16]。
のりば
編集北しなの線は2番のりば、妙高はねうまラインは3番のりば(一部列車は1番のりば)からの発着で、一部時間帯を除き同一ホーム上で概ね10分以内に乗換が可能なダイヤが編成されている[17]。
ホームは西側から順に、以下の通り。
のりば | 路線 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|
1 | ■妙高はねうまライン | 上越妙高・直江津方面[18] | 一部の列車 |
2 | ■北しなの線 | 長野方面[18] | |
3 | ■妙高はねうまライン | 上越妙高・直江津方面[18] |
- 移管前は1番線が直江津方面、3番線が長野方面で、2番線は両方面の折り返し列車が入線していた[2]。
-
改札口(2021年8月)
-
ホーム(2021年8月)
改修計画
編集妙高市では当駅を新井駅と合わせ、2018年度着工を目標に改修し、内外装改修、観光案内所設置、跨線橋へのエレベータ新設を計画していたが、2016年に既設の跨線橋が流用出来ない等で改修費用が想定を超え、市で全額を賄えないこと、えちごトキめき鉄道が改修後の施設維持費を市に求めたため中止となった[19][20]。
その後、妙高市では2017年度に、駅舎傍の私有地に木造平屋建ての新施設を建設し、市観光協会が運営している観光案内所機能を移設するほか、休憩所やトイレ、コインロッカーを備えることとした。なお市議会では、駅舎内の観光案内施設設置などについて、引き続きえちごトキめき鉄道側と協議するよう意見が出されている[21]。
コワーキングスペース
編集2020年(令和2年)2月、それまで倉庫として使われていた駅舎内のスペースをリノベーションする形でコワーキングスペースがオープンした[22][23]。
駅弁
編集かつて駅構内では、駅前で土産品店を営んでいた合名会社石田商店(石田屋)が調製する駅弁「妙高の笹寿司」「あんもち」などが販売されていた。しかし鉄道利用者の減少等に伴って売行きが落込み、構内営業から撤退。その後も石田屋店内で引続き販売されていたが、笹寿司は2011年2月限りで調製・販売終了、石田屋も同年5月15日の営業を最後に閉店・廃業した[24]。
利用状況
編集2023年度(令和5年度)の1日平均乗車人員は213人である[利用客数 1]。
2000年度(平成12年度)以降の推移は以下の通り。なお、2000年度(平成12年度) - 2014年度(平成26年度)の統計はJR東日本時代のものである。また、2014年度(平成26年度)の統計は非公表である。
乗車人員推移 | ||
---|---|---|
年度 | 1日平均 乗車人員 |
出典 |
2000年(平成12年) | 644 | [利用客数 2] |
2001年(平成13年) | 575 | [利用客数 3] |
2002年(平成14年) | 537 | [利用客数 4] |
2003年(平成15年) | 503 | [利用客数 5] |
2004年(平成16年) | 486 | [利用客数 6] |
2005年(平成17年) | 481 | [利用客数 7] |
2006年(平成18年) | 445 | [利用客数 8] |
2007年(平成19年) | 423 | [利用客数 9] |
2008年(平成20年) | 435 | [利用客数 10] |
2009年(平成21年) | 417 | [利用客数 11] |
2010年(平成22年) | 390 | [利用客数 12] |
2011年(平成23年) | 358 | [利用客数 13] |
2012年(平成24年) | 359 | [利用客数 14] |
2013年(平成25年) | 373 | [利用客数 15] |
2014年(平成26年) | 非公表 | |
2015年(平成27年) | 305 | [利用客数 16] |
2016年(平成28年) | 273 | [利用客数 17] |
2017年(平成29年) | 282 | [利用客数 18] |
2018年(平成30年) | 273 | [利用客数 19] |
2019年(令和元年) | 277 | [利用客数 20] |
2020年(令和 | 2年)176 | [利用客数 21] |
2021年(令和 | 3年)186 | [利用客数 22] |
2022年(令和 | 4年)208 | [利用客数 23] |
2023年(令和 | 5年)213 | [利用客数 1] |
駅周辺
編集当駅周辺はスキー等のウインターレジャーや温泉が楽しめるリゾート地となっており、苗名滝や笹ヶ峰高原を始めとする妙高戸隠連山国立公園の自然を対象とした観光も盛んである。
当駅は観光の玄関口となっており、駅舎向かい側には土産品店や飲食店等の商店や観光協会が、南側の路地の先には温泉旅館等が所在する。なお、駅舎正面はタクシーのりばとなっているが、駅前広場が狭小なため、後述のバスターミナルは駅舎北側に設けられている。
バス路線
編集駅前にあるバスのりばからは、妙高高原地区内の各方面へ向かう路線バスが発着している。
妙高高原地区の路線バスは、1927年(昭和2年)に開業した川中島自動車(後の川中島バス、現・アルピコ交通)傘下の妙高自動車が路線を開設したのが端緒である[27]。以後アルピコグループによる運行が継続されて来たが、アルピコ交通は2012年(平成24年)9月30日を以って妙高営業所を閉鎖し妙高高原地区から撤退、翌10月1日からアルピコ交通の2路線は頸城自動車グループの頸南バスへ移管された。その後2016年(平成28年)3月31日限りで頸南バスも笹ヶ峰直行バスを除き撤退し、妙高市市営バスが後を引き継いで運行することとなった。
- 妙高高原駅バスターミナル
この他、スキーシーズンには様々なシャトルバスが運行される[30]。
隣の駅
編集脚注
編集記事本文
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i 信濃毎日新聞社出版部 編『長野県鉄道全駅 増補改訂版』信濃毎日新聞社、2011年7月24日、52頁。ISBN 978-4-7840-7164-7。
- ^ a b c d e f g h 『週刊 JR全駅・全車両基地』 14号 長野駅・新津駅・高田駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年11月11日、20頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 鉄道友の会新潟支部(監修)『新潟県鉄道全駅 増補改訂版』新潟日報事業社、2015年6月30日、241頁。ISBN 978-4-86132-606-6。
- ^ a b c d “妙高はねうまライン(沿線ガイド)”. えちごトキめき鉄道. 2016年1月7日閲覧。
- ^ 浅見茂晴、山本愛、板鼻幸雄(2015年3月15日). “北陸新幹線:開業 上越に変革、期待背負い”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ a b c d e f 酒井博章、五十幡将之(2015年3月15日). “北陸新幹線開業 沿線の期待のせて”. 中日新聞 (中日新聞社)
- ^ a b c d e f 川辺和将、巽賢司(2015年3月15日). “北陸新幹線:長野−金沢間開業 飯山歓喜 1万5000人、新時代祝う 一番列車、拍手と「ふるさと」で歓迎”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ a b c d 曽根悟(監修) 著、朝日新聞出版分冊百科編集部 編『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』 11号 信越本線、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2009年9月20日、22,24-25頁。
- ^ a b c d e f g h 浅見茂晴(2015年3月13日). “北陸新幹線:「あす開業」「鉄道網」様変わり 運賃、路線、三セク…”. 毎日新聞 (毎日新聞社)
- ^ ラッセル車も埋没、不通の信越線『東京日日新聞』昭和2年2月10日夕刊(『昭和ニュース事典第1巻 昭和元年-昭和3年』本編p350-351 昭和ニュース事典編纂委員会 毎日コミュニケーションズ刊 1994年)
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、126頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 『旅行センターに早くも人気 直江津駅と妙高高原駅』昭和46年12月8日読売新聞新潟くらしと経済
- ^ 国鉄監修『交通公社の時刻表』1974年6月号
- ^ a b 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、580頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ a b “えちごトキめき鉄道 営業案内” (PDF). えちごトキめき鉄道 (2015年3月7日). 2015年4月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月16日閲覧。
- ^ “北しなの線 ご利用の皆様へ(北しなの線住民説明会資料)” (PDF). 長野以北並行在来線対策協議会 (2015年2月). 2015年3月18日閲覧。
- ^ 平成27年3月開業ダイヤについて (PDF) - えちごトキめき鉄道(2014年12月19日付) - WayBack Machineによるアーカイブ
- ^ a b c “妙高高原駅|えちごトキめき鉄道株式会社”. えちごトキめき鉄道. 2021年8月22日閲覧。
- ^ “妙高高原、新井駅 改修計画中止に 妙高市 事業費大幅に膨らむ”. archive.li. 新潟日報 (2016年11月24日). 2016年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年11月25日閲覧。
- ^ “新井駅・妙高高原駅 周辺整備計画中止へ 背景に事業費増”. 上越タイムス (2016年11月25日). 2019年6月29日閲覧。
- ^ “妙高高原駅前に観光案内施設 妙高市が建設へ”. 新潟日報. (2017年1月23日) 2017年2月14日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “妙高高原駅にコワーキングスペースオープン! 首都圏との関係人口増加へ”. 上越妙高タウン情報. (2020年2月15日)
- ^ “仕事と休暇の両立に活用して 妙高高原駅にコワーキングスペース”. 新潟日報. (2020年2月20日)
- ^ 名物あんもちの石田屋がひっそりと閉店 - 上越タウンジャーナル(2011年5月19日付)2014年4月30日閲覧
- ^ “妙高高原メッセ”. 妙香市. 2022年7月5日閲覧。
- ^ “昔懐かしい銭湯の雰囲気 安さも魅力!関川共同浴場「大湯」”. 上越妙高タウン情報 (2021年3月31日). 2022年7月5日閲覧。
- ^ “妙高高原地区の路線バスは頸南バスに移管されました”. アルピコグループ (2012年10月). 2019年6月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年4月30日閲覧。
- ^ “妙高市市営バス”. 妙高市. 2020年12月13日閲覧。
- ^ 「笹ヶ峰直行バス」(2019年)の運行について - 頸南バス.2019年6月29日閲覧。
- ^ 妙高エリアを繋ぐ便利な交通網、バス便を使いこなそう! - SURF&SNOW.2019年6月29日閲覧。
利用状況
編集- ^ a b “2023年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2024年7月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月28日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年5月27日閲覧。
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- ^ “各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年5月27日閲覧。
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- ^ “各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年5月27日閲覧。
- ^ “平成27年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2016年7月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “平成28年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2017年11月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “平成29年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2019年3月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “2018年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2019年7月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “2019年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2020年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月17日閲覧。
- ^ “2020年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2021年7月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月3日閲覧。
- ^ “2021年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2022年8月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年8月8日閲覧。
- ^ “2022年度の乗車状況”. えちごトキめき鉄道. 2024年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月25日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 妙高高原駅 - えちごトキめき鉄道
- 駅周辺地域活性化ビジョン(妙高市)(2019年11月9日アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- 妙高エリアのバス情報 - 妙高市観光局
- 妙高市観光情報INDEX - 妙高市
- Myoko-Nagano