世界水泳連盟(せかいすいえいれんめい、: World Aquatics)は、水泳競技の国際競技連盟(IF)であり、国際オリンピック委員会(IOC)承認団体のオリンピック夏季大会競技団体連合(ASOIF)、国際スポーツ連盟機構(GAISF)に加盟している。2022年までの名称は国際水泳連盟(こくさいすいえいれんめい、: Fédération Internationale de NAtation、略称:FINA: International Swimming Federation)。

世界水泳連盟
英語: World Aquatics
World Aquatics
略称 世界水連
AQUA
設立 1908年
本部 スイスの旗 スイス ローザンヌ
会員数
209の国・地域
会長 フサイン・アル・ムサラム
ウェブサイト www.worldaquatics.com
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日本からは公益財団法人日本水泳連盟が加盟している。

概説

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競泳飛込水球アーティスティックスイミングオープンウォータースイミングハイダイビングを統括する国際競技連盟である。

世界水泳選手権世界短水路選手権、その他各競技別のワールドカップ、ジュニア選手権、世界マスターズ水泳選手権などを主催している。

本部はスイスローザンヌにある。今後本部をハンガリーのブダペストに移転する計画がある。

1908年7月19日に、ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、イギリス、ハンガリー、スウェーデンの連盟が集まってFINAを創立。2008年に100周年を迎えた。

2022年オーストラリアで行われた臨時総会に於ける決定で、2023年1月1日より名称を国際水泳連盟: Fédération Internationale de NAtation、略称:FINA: International Swimming Federation)から変更した[1]

大陸連盟・加盟国

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2024年1月現在、209カ国・地域の連盟・協会が加盟している。各国・地域の連盟・協会は下記の5つの大陸連盟のいずれかに所属している。

  • アフリカ(52カ国・地域): アフリカ水泳連盟 (Africa Aquatics, CANA)
  • アメリカ(45カ国・地域): アメリカアマチュア水泳連合 (PanAm Aquatics Inc., ASUA)
  • アジア (45カ国・地域): アジア水泳連盟 (Asia Aquatics, AASF)
  • ヨーロッパ(52カ国・地域): 欧州水泳連盟 (European Aquatics, LEN)
  • オセアニア(15カ国・地域): オセアニア水泳協会 (Oceania Aquatics, OSA)

競泳水着規定

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Jaked 旧FINA認定競泳水着

世界水泳連盟は、旧国際水連の時代から各競技の公式大会に関して細かい基準を定め、それらが全て満たされた条件で行われたレースに限り記録・順位を公認している。

中でも近年重要な意味を持っているのが競泳の水着に関する規定で、日本水泳連盟を始め各国の水泳連盟が規定を準用しているが、2008年にレーザー・レーサーをめぐる騒動が起こって以降、この水着規定の変更とその運用に際して、数値の根拠に乏しい規定、不明瞭な水着承認プロセスなどで各国の水着メーカーを混乱状態に陥らせている。2009年4月から5月にかけて、その時点での世界記録を上回る記録を出したものの、着用していた水着が当時承認申請中であり、水着がのちに承認されなかったことで世界記録として公認されなかった事例が6件あった[2]

2009年の世界選手権期間中に行った総会で、水着に関する明確な基準を定め、公式大会における承認水着着用義務を設けた。公開されている概要は以下の通り[3][4]。(下記は競泳用水着の基準)

  • 男は上半身裸、水着は上限が臍の下、下限が膝の上。
  • 女は上限が肩、下限が膝の上だが、首・肩・腕を覆ってはいけない。
  • サポーター、ブラカップを含め重ね着は禁止。承認水着のみを着ること。
  • 体や水着へのテーピング禁止。絆創膏も剥がすこと。
  • 素材は織布に限る。細かい技術規定有り。
  • 認可した水着にはWAが承認バーコード(通称: WAマーク)を付与し、これを受けたら以後その水着にはいかなる手も加えてはならない(承認した時の状態のままで販売・使用する)。右の写真では左臀部にバーコードが見える。
  • 承認水着のデータベースはリストとして公開し、随時更新する。

なおWAでは、その規約で「身に着けるもの全てにこの規定を当てはめる」としており、水着以外にもゴーグルとスイムキャップが審査対象となっている。但し運用の関係上当初は水着のみ先行してレースチェック対象としていた[5]。「WA」マークが描かれた承認バーコードを付した商品が出回るのは早くても2023年以降であり、それ以前に出された当該商品には、旧称「Fina」のマークが描かれた承認バーコードが付されている。それらの商品も最新の承認基準を満たし続け物理的に損傷していない限りは、公式競技会での着用が可能である。

World Aquatics承認コードブランド名一覧

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表中記載のブランドであっても、既に当該商品の製造から撤退したり展開企業が消滅していたりするケースが存在する。また、同一コードを複数の事業者で共有するケースがある。なお、表中のブランドと実際に販売する際のブランドは必ずしも一致しないため、同一コードを複数のブランドで分け合っていても同一事業者が展開している場合は纏めた。

コード ブランド 展開企業 企業本社所在国 日本国内代理店等 備考
AP A3 Performance
AD adidas アディダス   ドイツ アディダスジャパン [補足 1]
AG AgonSwim英語版
AK AKRON Srl アクロンSRL   イタリア
AL AQUA SPHIRE アクアスフィア   イタリア 日本アクアラング
AQ AQUA ZONE
OR AQUA ZONE
QA AQUADEUS
FA Aquafeel ファシー   ドイツ [補足 2]
AU AQUARAPID, AQRACE[補足 3] アクアラピッド   イタリア
RI AQUARIUS
QA AQUARIUS
AU AQUASIDE アクアサイド   日本 承認水着は生産終了
AT AQUATAK エアロテックデザインズ   アメリカ合衆国
AR arena アリーナ   イタリア
  ドイツ
デサント [補足 4]
DE arena, DECENTE デサント   日本 [補足 4]
RG Argotess SRL アルゴテスSRL   イタリア
AS asics アシックス   日本 2022年水泳関連事業終息
AP Autric Sport オートリック   スペイン
AX AXiS
MD AXiS
BE Beco Beermann ベコ=ビアマン   ドイツ
BL blueseventy ブルーセブンティー   アメリカ合衆国
SI Chilliez
CR Crazy Swim
DA Dare2Tri DARE2TRI   オランダ
DF DELFINA デルフィナ・スポーツ   オーストラリア
DI DIANA ディアナ   イタリア [補足 5]
ME DIAPOLO英語版
DO DOLFIN英語版
DR DRAPH ドゥラフ   イタリア
EL ellesse エレッセ   イタリア [補足 6]
EN ENGINE
ES Essenuoto エッセヌオト   イタリア
FA Fashy ファシー   ドイツ [補足 2]
FE FEW   中国
FI FINIS
FO FOOTMARK フットマーク   日本 [補足 7]
WA Funkita,
Funky Trunks,
WAY FUNKY
ウェイ・ファンキー英語版   オーストラリア ワンダーイヤーズ[補足 8]
GI Gimer
HH HAMMERHEAD
HE HEAD英語版
HS HOSA 浩沙(ホサ)産業   中国
HU HUUB フーブ・リミテッド   イギリス スタイルバイク
IN INUS
JA Jaked ジャケッド   イタリア フットマーク [補足 7]
JL Jolyn ジョーリン   アメリカ合衆国
KF Kiefer
KO Kobayashi 小林ゴム   日本 オープンウォーターのみ
ブランドはSwim Armor
SH KOZ スポーツヒグ   日本
LA Lane 4
LE LEONIAN
LN LI-NING 李寧有限公司   中国
MA MAD WAVE
MK MAKO マコ・スポーツ   フランス
MN Manta Swim Collection
MR MARU   イギリス
YA MATUSE マテュース   アメリカ合衆国
MT MERLIN マーリン   日本
VA MERLIN マーリン   日本
MY MIYATA
MI Mizuno ミズノ   日本
EF Mormaii モルマエ   ブラジル
MO MOSCONI ホルヴィ・グルーポ   スペイン
AL MP
MS MULTISPORT
NJ Nabaiji デカトロン   フランス デカトロンディストリビューションジャポン
NI NIKE ナイキ   アメリカ合衆国 ナイキジャパン[補足 9]
NS NOVA
OK OKEO オケオ   イタリア
OC ORCA オルカ   ニュージーランド
AL PHELPS フェルプス・
アクアスフィア
  アメリカ合衆国 [補足 10]
TL Protech
AQ Q SWIMWEAR Qスイムウェア   アメリカ合衆国
QS QSW Qスイムウェア   アメリカ合衆国
RS Rally
RO Rocket Science ロケット・サイエンス・スポーツ   アメリカ合衆国
RK ROKA ロカ   アメリカ合衆国 ウインクレル [補足 11]
SA SAZAN サザン   日本 オーダーメイド専門
SC Scullings スカルリングス   ポルトガル
SE Second Skins セカンドスキン   南アフリカ共和国
SH SHIBRO シブロ   メキシコ
SP SPEEDO スピード・インターナショナル   イギリス 三井物産
ゴールドウイン[補足 12]
SG swimgo
TL Technic
TF THE FINALS
TN TORNADO SPORTS
TS TOSWIM
TU TURBO ターボ   スペイン ターボジャパン
TR TURBO ターボ   スペイン ターボジャパン
TY TYR ティア   アメリカ合衆国 [補足 13]
TR Tyron タイロン   ドイツ
VA VA project Co
RG VADOX ヴァドックススポーツ   イタリア
VR Vorgee ヴォルギー   オーストラリア ゴーグルのみ
WI WINFCC CO ウィンウェーブ   韓国
YI YINGFA 英発実業有限公司   中国
EU ZAOSU ツァオツー・ドイツ   ドイツ
ZA ZAOSU ツァオツー・ドイツ   ドイツ
ZO ZOGGS英語版
ZK ZOKE 洲克(ゾッコウ)   中国
ZN Zone3

補足

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基本情報出典:[8]

  1. ^ アディダスは経営再建後自社で水泳用品を展開し、日本でも子会社で扱うが競泳競技用水着は販売していない。
  2. ^ a b 競泳用品については基本的に「Aquafeel」ブランドを用い、「Fashy」ブランドを使うのは極めて稀である。
  3. ^ 「AQRACE」は「AQUARAPID」のトップスイマー向け商品限定ブランドである。
  4. ^ a b デサントは、アディダス再建過程で同社ライセンシーの地位を失った見返りとして、アディダス子会社だったアリーナのアジア太平洋地域の一部に於ける事業展開権を得た。よって、WAがデサントブランドで承認した商品も基本的には「arena」ブランドでの販売となる。また、世界戦略商品については、「AR」承認の商品が日本などで供給されることがある。
  5. ^ 日本では長年、アシックスが代理店となり、同社が自社ブランド展開を本格化させて以降もファッション分野を中心に展開していたが、2019年に欧州arena社にブランドを買収された模様[6]。このため現在は製造されていない。
  6. ^ 日本では長年、ゴールドウインが代理店となり、ファッション分野を中心に展開していたが、同社がSPEEDOブランドに注力したこともあり、2019年に販売を終了した[7]
  7. ^ a b フットマークの登録商品は現行承認制度初期の物のみであり、実質的にはJakedとの共同開発となっているため、競泳水着のブランドはJakedに統一し、WAへの登録もJakedに一元化している。
  8. ^ 正式代理店だが通販のみ対応
  9. ^ 日本ではフットマーク社が復代理となってナイキブランドの水泳用品を展開するが、同社が扱う他ブランドなどとの兼ね合いで競泳競技用の水着は販売されていない。なおナイキジャパンは日本子会社としてナイキブランドの日本における権利保護も業務としている。
  10. ^ オリンピックなどで活躍したマイケル・フェルプスが、同じく米国代表として活躍したボブ・バウマンと立ち上げたブランドで、アクアスフィア社をビジネスパートナーとして同社に製造・販売を委託する形で展開する。
  11. ^ 日本ではトライアスロン関係のみの取り扱いであり、競泳競技用水着自体本国でも2023年時点で取り扱っていない。
  12. ^ 代理店契約窓口と海外製造品輸入担当は三井物産であり、ゴールドウインはその傘下として国内製造と販売全般を担当。
  13. ^ 日本ではライトアベイル社が1990年代から長く代理店となっていたが、2022年7月以降TYR米本社がデザインに関する規制を強化したため日本人の体格に合わせた独自の商品展開が出来なくなり、代理店契約が事実上終了した。

歴代会長

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FINA会長
名前 出身国 任期
G.W. Hearn   イギリス 1908–1924
Erik Bergvall   スウェーデン 1924–1928
E.G. Drigny   フランス 1928–1932
W. Binner   イギリス 1932–1936
H.E. Fern   イギリス 1936–1948 (*)
Rene de Raeve   ベルギー 1948–1952
M.L. Negri   アルゼンチン 1952–1956
Jan de Vries   オランダ 1956–1960
R.M. Ritter   アメリカ合衆国 1960–1964
W. Berge Phillips   オーストラリア 1964–1968
Javier Ostos   メキシコ 1968–1972
Dr. Harold Henning   アメリカ合衆国 1972–1976
Javier Ostos (2)   メキシコ 1976–1980
Ante Lambasa   ユーゴスラビア 1980–1984
Robert Helmick   アメリカ合衆国 1984–1988
Mustapha Larfaoui   アルジェリア 1988–2009
Julio C. Maglione   ウルグアイ 2009–2021
Husain Al-Musallam   クウェート 2021–present

World Aquatics主催の大会

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  • World Aquatics Championships
  • World Aquatics Masters Championships
  • World Aquatics Swimming World Cup
  • World Aquatics Swimming Championships (25m)
  • World Aquatics Junior Swimming Championships
  • World Aquatics Men's Water Polo World Cup
  • World Aquatics Men's U20 Water Polo Championships
  • World Aquatics Men's U18 Water Polo Championships
  • World Aquatics Men's U16 Water Polo Championships
  • World Aquatics Women's Water Polo World Cup
  • World Aquatics Women's U20 Water Polo Championships
  • World Aquatics Women's U18 Water Polo Championships
  • World Aquatics Women's U16 Water Polo Championships
  • World Aquatics U18 Beach Water Polo Cup
  • World Aquatics Diving World Cup
  • World Aquatics Junior Diving Championships
  • World Aquatics Artistic Swimming World Cup
  • World Aquatics Youth Artistic Swimming Championships
  • World Aquatics Artistic Swimming Junior Championships
  • World Aquatics Open Water Swimming World Cup
  • World Aquatics Open Water Swimming Junior World Championships
  • World Aquatics High Diving World Cup
  • World Aquatics High Diving Junior Championships

公式パートナー

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公式サプライヤー

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  • 361°
  • Corpay^
  • DURAFLEX
  • Malmsten
  • ミカサ
  • UPCX

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ FINA becomes World Aquatics as new brand launched”. FINA (2022年12月12日). 2023年5月21日閲覧。
  2. ^ アーカイブされたコピー”. 2015年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年6月24日閲覧。
  3. ^ 水着の取り扱いについて<FINA規定の概要><国内規定>”. 一般社団法人 日本マスターズ水泳協会 (2012年4月1日). 2020年7月29日閲覧。
  4. ^ 【大切なことですから、本欄を読んで必ず守ってください】”. 公益財団法人 日本水泳連盟. 2020年7月29日閲覧。
  5. ^ @SWIMブログ「ゴーグル一問一答♪」”. arena by デサント (2010年12月21日). 2011年10月29日閲覧。
  6. ^ 🇮🇹 Arena has bought Diana brand rights [Sept. 2019]”. FIN SWIMMING MAGAZINE (2019年10月10日). 2023年6月23日閲覧。
  7. ^ スイムコレクション販売終了のお知らせ”. ゴールドウイン (2019年10月31日). 2023年6月23日閲覧。
  8. ^ FINA Approved swimwear”. FINA. 2020年10月14日閲覧。

外部リンク

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