モンスターハンター3
『モンスターハンター3』とは、2009年8月1日にカプコンからWii用ソフトとして発売されたコンピュータゲームである。モンスターハンターシリーズで二つ目の、任天堂製ハードで発売されたソフト。当初はPlayStation 3向けに発売が予定されていたが、Wiiへの移行に伴いPS3版は開発中止となった[3]。
ジャンル | ハンティングアクション |
---|---|
対応機種 | Wii |
発売元 | カプコン |
販売元 | 任天堂 |
プロデューサー | 辻本良三 |
ディレクター | 藤岡要 |
人数 | 1 - 2人(オンライン接続時は最大4人) |
メディア | Wii用12cm光ディスク |
発売日 |
2009年8月1日 2010年4月20日 2010年4月23日 2010年4月29日 |
対象年齢 | CERO:C(15才以上対象) |
コンテンツアイコン | 暴力表現 |
デバイス |
ヌンチャク対応 クラシックコントローラ対応 USBキーボード対応 |
売上本数 |
約115万本(2010年5月)[1] 190万本[2] |
その他 |
オンラインプレイ対応 ドルビープロロジックII対応 |
2011年12月10日には、本作を基にしたニンテンドー3DS用ソフト『モンスターハンター3G』が発売され、2012年12月8日にはWii Uへの移植版兼ローンチタイトルとして『モンスターハンター3G HD Ver.』が発売された[4]。
本項ではこれらの移植版についても解説する。
今作は『新たなMHの原点』というコンセプトが据えられたことから、今作を初出とする要素が非常に多く盛り込まれており、さらにシリーズ第1作目からの影響が色濃かった『MH2』および『MHP2』シリーズや『MHF』から大胆に変更された箇所がかなり多い。
種類は、ソフト単品のみの通常版に加えて、本作と同時発売のクラシックコントローラPRO(色はシロまたはクロ)を同梱した「クラシックコントローラPROパック」、特典映像入りDVDやグッズを同梱した「LIMITED EDITION」(e-CAPCOM専売)、Wii本体とクラシックコントローラPRO(いずれも色はクロ)を同梱した「スペシャルパック」が発売された。
基本的な操作方法はWiiリモコン+ヌンチャク(フリースタイル)で、リモコンを傾けながらボタンを押すなどの操作が可能。その他クラシックコントローラにも対応しており、前作以前からプレイしてきたユーザー向けの操作方法である。また、クラシックコントローラでの操作スタイルは2種類用意されており、PS2やPSPに近い操作スタイルに設定することができる。
ゲーム内容
編集舞台となるのは『MH』『MH2』の舞台ではなく「孤島」という設定である。公式上の設定では「旧大陸」と「新大陸」といった区別はない。新たなフィールドや既存の種とは異なる生態系を持つモンスターが登場し、「ラギアクルス」や「クルペッコ」、「ロアルドロス」、「ボルボロス」などの新モンスターが多数追加された。その一方で過去の作品に登場していたモンスターのほとんどが今作に登場しないなど、大幅なイメージチェンジがなされている。なお、リオレイアやディアブロスなど従来から登場していたモンスターにも新モーションが追加された。
オフラインの拠点は海に接した「モガの村」で、貿易船との物々交換や狩猟船への漁の依頼が追加されている。後背地には「モガの森」があり、クエスト外での狩猟や採掘・収集が可能。地震で被災したモガの村に派遣されたハンターが、狩猟を通して村の復興に関わりつつ、地震の原因となったモンスターを村人たちの協力を受けて討伐するというストーリーとなっている。オフラインの闘技場モードでは、最大2人同時で遊ぶことが可能であり、2人同時プレイ時は画面が上下に分割される。オンラインの拠点は砂漠の中心にたたずむ街「ロックラック」で、今までの据え置きシリーズのオンラインのように多数の大きな施設が設置されている。また、オンラインで受注できるクエストのボリュームは村よりはるかに多く、特に上位クエストは難易度が高いものが多い。
今作の最大の特徴は、水中を泳ぐことが可能になったことである。これにより、水中でのモンスターの狩猟などが可能になった。さらに水中に潜った際に「酸素ゲージ」というゲージが表示され、水中に潜り続けると酸素ゲージが減少し続け、さらにゲージが0になると体力がジリジリ減っていく仕様になっている。減少した酸素ゲージを回復させるためには、水面上に顔を出すか、気泡に触れるか、今作から新たに登場した「酸素玉」や「増息薬」を使用するかのいずれかをしなければならない。
その他モンスター同士の敵対、モンスターの同期、ボス級モンスターのスタミナの概念など、リアリティをより強化する演出が導入された。批判があった壁際のカメラワークの改善や、回避アクション時に進行方向反対へ若干カメラが向くなどの変更もされている。
本作では、『MHP2G』のシングルプレイにおけるアイルーをクエストに同行して協力させる「オトモアイルー」と同様のシステムとして、奇面族の子供・チャチャを同行させるシステムが採用された。様々な仮面を持つチャチャは、それを付け替えることによって能力や言動を変化させるほか、ハンターのサインに合わせて能力を発動させる[5]。たとえば初期状態のチャチャが所有している「ドングリのお面」は、モンスターへの攻撃・採取・踊りなど様々な面でハンターを助けることができる[5]。他方、「ふさふさのお面」は採取に特化したお面であり、ハンターの合図に合わせてモンスターの位置を一定時間知らせてくれる一方、攻撃は全く行わない[5]。また、「古代のお面」はチャチャがうまく泳げるようになるだけでなく、ハンターに酸素を補給する役目もある一方、装着時のチャチャの口調は年寄りじみた者へと変化する[5]。
武器
編集無印の武器5種と太刀に加え、今作から新たに「スラッシュアックス」が追加された。このスラッシュアックスの特徴は、「斧モード」と「剣モード」の2種があり、この2種の形態を戦況に応じて切り替えながら攻撃を行なうことが可能なことである。また、本武器種専用攻撃として属性ビンのエネルギーを放出することによって絶大な威力を放つことができる「属性解放突き」がある。
従来からある武器には、新たな動作の追加や変更が加えられている。
ボウガンは一部を除き、従来の一体型の武器ではなく、フレーム、バレル、ストックの3つのパーツを組み合わせて使用する方式に変更され、パーツの重量により「ライト」「ヘビィ」、新たな階級「ミドル」と区分されるようになった。さらに複数の弾が追加されており、切断属性により尻尾の切断が可能な斬裂弾、モンスターのスタミナを減らす減気弾、火炎放射を放つ竜撃弾などがある。
登場人物
編集- 村長
- モガの村の村長。かつては名うてのハンターで、ハンターズギルドや交易船との繋がりも深い。
- 村長の息子(セガレ)
- 実動部隊のトップで村人からの納品依頼を取り仕切る。
- ギルドの看板娘(アイシャ)
- 元気でちゃっかりしたところもあるが、故郷であるモガの村を愛している。
- 交易船の船長
- 竜人族の若き船長。モガの村の村長とは旧知の仲。口癖は「〜ゼヨ」。
- さすらいのコック
- 交易船に乗ってモガの村にまでやってきたアイルー族の料理人。
- ニャイ博士
- ロックラックの街で活動しているアイルー族のインテリア職人。
- チャチャ
- 声:こおろぎさとみ
- ハンターの相棒となる奇面族の子供。大きなドングリの実を加工した「ドングリのお面」を被り、モンスターのイャンクックをあしらった槌型の棍棒を持っている。身長はドングリのお面の飾り込みで109.1cm[6]。一人称は「オレチャマ」で、口癖は「-っチャ」。
- 棍棒やブーメランでの攻撃や踊りなどでサポートしてくれるほか、怒ると激しい攻撃を繰り出す。体力が無くなるとモドリ玉で撤退し、一定時間後復帰する[7]。独自に採取や剥ぎ取りも行ない、村や港で会話すると入手したアイテムをもらえる。なお、ハンターがチャチャ達の世話をする形であるが、彼らはハンターを弟子ないし子分とみなしている[8]。
- 奇面族には一人前となる儀式として「旅に出て自分に相応しいお面を見つける」というものがあり、自分だけのお面を探すために旅を続けていたが(『3G』によると、幼馴染であるという理由からカヤンバとペアで旅に出された)[9]、クエスト「奇面族を救出せよ!」(3Gでは「迷子の奇面族」、ちなみにカヤンバと出会うクエストも全く同じ名称)でモンスターから救われたのをきっかけとしてハンターに同行するようになる。性格は、陽気かつ自信家で見栄っ張りだという典型的な三枚目であり、間の抜けた言動が目立つが、モガの村の一行からはマスコットや遊び相手として微笑ましく見られている。
- カヤンバ
- 声は永澤菜教
- 『MH3G』で初登場した奇面族の子供で、チャチャの同郷の幼馴染兼ライバル[9]。ブルファンゴをあしらった棍棒を手にして、青いカニとヤシの実を合わせた仮面「カニ爪のお面」を被り、蓑を着て巻貝の殻を背負っている。一人称は「ワガハイ」で口癖は「-ンバ」。
制作(MH3)
編集『モンスターハンター2』の発売後、シリーズの中心人物である辻本良三と藤岡要は据置機向けのナンバリング作品の制作を考えていた[10]。2人は限界を感じ、全体的にリセットすることを思い立った[11]。ちょうどそのころ、任天堂からWiiが発売され、操作面においても新たな驚きが提供できると考えた開発陣はWii用ソフトとして出すことにした[11]。もっとも、Wiiは映像表現を目玉にしているわけではないため、美麗なグラフィックで勝負するのは不可能だった[11]。それでも彼らには印象的なグラフィックを作ることに妥協したくないという思いがあり、ハード性能ぎりぎりを攻めることにした。このため、藤岡らがデザイナーを説得したり、プログラマーとの話し合いでバランスを調整する一幕もあった[11]。
藤岡の興味がきっかけで新たな舞台として水中が選ばれた。水中の描写は難しい課題ではあったものの、「モンスターハンター」としてならば表現できそうだったということから実装に至り、水中においては視点を360度変えられる機能が用意された[10]。
本作の開発は『モンスターハンター ポータブル 2nd G』(『MHP2ndG』)と並行して進められており、時には情報を共有することもあった[12]。ある時、ハンターのオトモを導入しようということになり、『MHP2ndG』の開発チームがアイルーを選択していた一方、本作の開発チームは引退した元ハンターという設定の男性を同行させようとしていた[12]。2チームの話し合いの後、本作の開発チームは「おっさん(元ハンター)ではユーザに受け入れにくい」と考えるようになり、奇面族の子ども・チャチャに変更された[12]。
水中も舞台の一つとして含まれることに加え、ネットワークに対応していることから、夏休み期間中に発売しようということになり、2009年8月1日の発売に至った[10]。
日本でのシリーズの評価や、Wii用ソフトとして貴重なコアユーザー向けタイトルのため、海外での販売およびプロモーションはプラットフォームである任天堂が全面的なバックアップを行った。海外版はオンラインモードが無料であり、Wiiスピークを用いたボイスチャットに対応しているなどの、変更点がある。また、クラシックコントローラPROなどに加えてWiiスピークなども加えた同梱版パックも販売された[13]。
評価・売上
編集ファミ通の新作ゲームクロスレビューではWii用ソフトとして3番目の40点満点を獲得した[14]。
販売本数は115万本で、これはWii用サードパーティータイトルでは国内最高の本数となったと同時に、初めてのミリオンセラーとなった。また、これによりモンスターハンターシリーズ累計出荷本数も1000万本を達成している[15][16]。
海外では、他の『モンスターハンター』シリーズの海外版と同様国内より大きく下回る売り上げ結果とはなったが、従来シリーズと比較して良好な売り上げ・評価を得ている。
モンスターハンター3G
編集ジャンル | ハンティングアクション |
---|---|
対応機種 |
ニンテンドー3DS Wii U |
開発元 | カプコン、エイティング |
発売元 | カプコン[注 1] |
販売元 | 任天堂 |
人数 | 1人(マルチプレイ時最大4人) |
メディア |
3DSカード ダウンロード販売 Wii U用光ディスク |
発売日 |
3DS 通常版:2011年12月10日[17] Best Price!:2012年11月15日[18][19] ダウンロード版:2012年12月6日[18] 2013年3月19日[20][21] 2013年3月22日[20][21] 2013年3月23日[22] Wii U パッケージ版:2012年12月8日[23][4] Wii Uプレミアムセット:2012年12月8日[24][25] ダウンロード版: 2012年12月27日[23][26] 2013年3月19日[20] 2013年3月22日[20] |
対象年齢 |
CERO:C(15才以上対象)[19] ESRB:T(13歳以上)[27] USK:12(12歳未満提供禁止)[28] PEGI:12 [29] ACB:M [22] |
コンテンツアイコン |
CERO:暴力表現[19] ESRB:Blood, Crude Humor, Fantasy Violence[27] PEGI:Violence [29] |
デバイス | [3DS]拡張スライドパッド対応[注 2] |
エンジン | MT FRAMEWORK Mobile |
解像度 | Wii U:1080p |
売上本数 |
3DS 260万[2] 194万1106本(2018年)[30] Wii U 69万4194本(2017年)[31] 23万4246本(2018年)[30] |
その他 |
3DS ローカルプレイ、すれちがい通信、インターネット(クエストなどのダウンロード、パケットリレーツールによる協力プレイ)対応 Wii U インターネット通信プレイ対応 リニアPCM5.1ch対応 |
2011年12月10日に発売されたニンテンドー3DS用ソフト。3DSの下画面(タッチスクリーン)にマップやアイテムポーチなどが移動できるパネルカスタマイズ機能が搭載され、仮想の十字ボタンや、大型モンスターに視点が向くターゲットカメラも追加可能。また、拡張スライドパッドにも対応している[注 2]。
オリジナルデザインの3DS本体同梱のスペシャルパックや拡張スライドパッド同梱版が同時発売された[17]。e-CAPCOM限定でハンターフィギュア(ラギアクルス装備)とのセット予約販売も行われた[17]。
2011年9月13日より『おはよう忍者隊ガッチャマン』とのコラボレーションアニメが公式サイトなどで配信された[32]。2011年12月21日には出荷本数が[33]、2012年1月には実売でも100万本を突破し、初のサード製3DSミリオンタイトルとなった[34]。
2012年3月17日には、3DS本体(コスモブラック/フレアレッド)を同梱した「モンスターハンター3(トライ)G はじめてハンターパック」が、2012年11月1日には3DS LL本体(ブラック)に本作のダウンロード版をプリインストールした「ニンテンドー3DS LL モンスターハンター3(トライ)G パック」が発売された。
ゲーム内には特定の手順を踏むと「剣聖のピアス」と「増弾のピアス」が入手できなくなるバグが存在する。これに関しては2012年5月16日よりニンテンドーeショップにて修正プログラムが配信されている[35]。
2012年11月15日には、通常版の内容をそのままに価格を下げた『モンスターハンター3(トライ)G Best Price!』が、12月6日にはダウンロード版がそれぞれ発売された[36]。
2012年12月8日にはWii Uへの移植版兼ローンチタイトルとして『モンスターハンター3G HD Ver.』が発売された[4]。
2013年2月21日にはWii Uソフト『ニンテンドー3DS版モンスターハンター3G・パケットリレーツール』が配信開始された。有線LAN接続のWii U[注 3]で同ツールを立ち上げることで、モンスターハンター ポータブルシリーズのアドホック・パーティー同様に、3DS版でもインターネット通信を利用した協力プレイ(無料)が可能となる。Wii U GamePadのマイクでのボイスチャットに対応。
また、2013年3月19日には日本国外版である『MONSTER HUNTER 3 ULTIMATE』(略称は『MH3U』)がニンテンドー3DSおよびWii U用ソフトとして発売された[37]。
ゲーム内容
編集- システム
- 『MH3』をベースに、『MHP3』で追加されたモンスターの大半とフィールド「渓流」、「ブラキディオス」などの新モンスターや亜種モンスターが追加されたほか、過去の作品に登場していた「ガノトトス」が復活している。武器は『MH3』で登場した8種類に加えて、『MH3』では登場しなかった狩猟笛・ガンランス・弓・双剣の4種類が追加され、『MHP3』と同じ計12種類の武器を全て使うことができるようになった。一方、ボウガンは『MH3』にあったミドルは削除されて、ヘビィ/ライトの2種に戻されているが、リミッター解除という新機能が追加された。新属性として「爆破」が追加されたほか、龍属性やられの仕様が変更されている[注 4]。
- モガの村にも上位クラスのクエストが追加された。『MH3』のクエストに『MHP3』の一部モンスターを加えるなどして再構成したものが下位クラスのクエストとなっている。プレイ開始当初は夜のモガの森に行けず、上位クラスクエストが受注できるようになると森に入る際に昼夜を選択できるようになる。マルチプレイの拠点は交易の中継地である「タンジアの港」に変更となり、G級クエストが追加された。サブクエストは削除されている。
- 新たにクエストを同行するチャチャのライバルにして旧知の仲「カヤンバ」が登場し、シングルプレイではチャチャとカヤンバを連れていくことができる他、『MHP3』と同じように2人プレイのときに別々に連れて行けるようになった。また、2人の仮面は各人の専用お面[注釈 1]以外を共有して付け替えることもできる[38]。
- 新たに追加されたお面の一例として、 ハンターの属性やられや耐性ダウンを回復させる「ウチケシのお面 」や、ハンターの近接武器を研いで切れ味を回復させる「砥石のお面」などがある[38]。また、ユクモ村(ゲーム内の説明では「どこだかの村」)の集会浴場にある大きなアイルーダルマを模したお面「ダルマのお面 」はモドリ玉と同様の効果を発揮する。なお、このお面は『ポータブル 3rd』のEDにチャチャが姿を見せていたが、その時に夜店で試着していたお面と同じデザインである[39]。加えて、一部のコラボクエストではそれにちなんだお面が登場した。
- ストーリー
- かつてチャチャは同郷の幼馴染・カヤンバとともに、奇面の通過儀礼である「旅に出て自分に相応しいお面を見つける」に臨んでおり、一度は「最高のお面」を見つけるものの、お互いが所有権を争った最中にモンスターの群れに巻き込まれたことでお面を失うとともに離れ離れとなってしまった経緯があった。その後、チャチャが行方不明になる事件が起こり、そのさなかにモンスターに撃退されたカヤンバが「お面を変えたチャチャ」と勘違いされてモガの村の民に保護される。一方、チャチャ本人は、モガの森の地震の原因が大海龍ナバルデウスにあることを(偶然)突き止める。その後、合流を果たした2人は旅の末に「最高のお面」を見つけるも、お面が引っ掛かったアプトノスごとリオレウスが呑みこんだことで劣化してしまう。紆余曲折の末、一行はこのお面の本来の輝きを取り戻すことに成功する。
モンスターハンター3G HD Ver.
編集『モンスターハンター3G HD Ver.』のセーブデータは『MH3G』と共有可能であり[注 5]、ローカル通信で『MH3G』との協力プレイも可能である(最大3台まで接続可能)など、『MHP3』に対する『MHP3HD』の位置づけに近いが、エミュレーションでPSPのソフトをPS3で走らせていた『MHP3HD』とは違い、Wii Uの機能を活かしてプログラムを組んだ移植作品であり、テクスチャーが張り替えられているほか、テキストなどの画面レイアウトもHD表示に合わせて最適化されている。また、インターネット通信を利用した協力プレイ(無料)も可能となった。『MH3G』のダウンロードクエストは最初から収録されている。
Wii U本体(プレミアムセット)とWii U PROコントローラー(kuro)を同梱した「モンスターハンター3G HD Ver. Wii U プレミアムセット」もパッケージ版と同時発売。こちらは任天堂が販売を担当した。
2012年12月27日より、ダウンロード版がニンテンドーeショップにて発売。必要容量は6.2GB以上[注 6]。2013年2月19日より機能アップデート第1弾を実施。新たにボイスチャットやUSBキーボードに対応したほか、3DSの拡張スライドパッド同様にWii U GamePadのZL / ZRボタンでの視点操作も可能になった。2013年3月26日より機能アップデート第2弾を実施。Wii U GamePadのみでのプレイ(テレビなし)も可能になった。
制作(MH3G)
編集当初は『MH3』の携帯機版として企画されたが、提示した追加要素が多かったことからアップグレード版を意味する『G』がタイトルに付加され、最終的にはさらに内容がボリュームアップされた[40][41]。
追加モンスターのうち、ガノトトスは『MH3』で水中での狩りがあったことを受けて登場した経緯があり、ユーザーや業界関係者からの反響が大きかったとディレクターの藤岡要は電撃オンラインとのインタビューの中で語っている[42]。
サウンドは『MH3』と同じ人物が担当した[43]。思い入れのある『MH3』をベースとしていた分やりがいがあったとはいえ、ハードがWiiから3DSに変わった分、効果音の波形データの再調整や、サンプリングレートの変更などの手間がかかったとカプコンサウンドチームによるインタビューの中で振り返っている[43]。というのも、Wiiの場合、一般的なテレビやスピーカーを通じて幅広い高さの音を表現できる一方、携帯機である3DSではその帯域が限られてしまうため、水中の場面は特に苦労した[43]。また、『MH3』では水中に入った時よりも出た時の音に重きが置かれていた一方、『MH3G』では地上から水中に入ったときの音作りに重きがおかれ、お風呂に潜って研究することもあったとDJサンドウは明かしている[43]。
反響(MH3G)
編集『モンスターハンター3G HD Ver.』は欧州で発売されて以来、伸び悩んでいたWii Uの人気をけん引するソフトとして認知された[44]。
脚注
編集注釈
編集- ^ たとえばカヤンバの場合、初期装備の「カニ爪のお面」と「残念なお面」が該当する。
- ^ Wii Uプレミアムセットのみ任天堂
- ^ a b New 3DS・New 3DS LL・New 2DSの場合Cスティック、ZLボタン、ZRボタン対応。
- ^ Wii U本体にはLAN端子が標準搭載されていないため、別売のWii用LANアダプタ(RVL-015)が必須となる。
- ^ 『3』では会心率の低下だったが、『3G』では龍属性やられになると武器の属性値が無効になり、属性ダメージを与えられなくなる。
- ^ セーブデータを共有するには、2012年12月8日より3DSのニンテンドーeショップで無料配信されている『モンスターハンター3G データ移行プログラム』が必要となる。
- ^ Wii Uベーシックセット(8GB)を使用している場合には、インターネット初回接続時のWii U本体の更新を行うことで、6.2GBの空き容量を確保できなくなるので、外部記録メディアが必須となる。
出典
編集- ^ 株式会社カプコン (2010年4月8日). “株式会社カプコン(東証・大証一部:9697) 2011年3月期 事業戦略および計画”. 2010年5月10日閲覧。
- ^ a b “ミリオンセールスタイトル(2023年09月30日時点)”. CAPCON (2023年10月26日). 2023年11月22日閲覧。
- ^ “プレイステーション3版の『3(仮題)』はスケジュールから消えることに”. ファミ通.com (2007年10月10日). 2011年9月7日閲覧。
- ^ a b c “「モンスターハンター3G HD ver.」Wii Uで発売決定 本体同時発売、同梱セットも”. ねとらぼ. ITMedia (2012年9月13日). 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b c d “『モンスターハンター3(トライ)』モガの村に登場する「チャチャ」がかぶるお面の種類を一挙大公開!”. インサイド (2009年11月13日). 2024年7月4日閲覧。
- ^ 「モンスターハンターフェスタ'09」で公開されていた映像(ゲーム『3G』にも「みんな大きいっチャ!」のタイトルで収録)より。
- ^ お面の裏に書いた印によっては早く復帰したり、そのクエストでは復帰出来ない場合もある。
- ^ 肉焼き成功時の台詞などより。
- ^ a b “モンスターハンター3(トライ)G|新しい狩りの仲間”. カプコン. 2011年11月22日閲覧。
- ^ a b c “モンスターハンターをもう一度見つめ直す――プロデューサー辻本良三氏とディレクター藤岡 要氏に聞いた「モンスターハンター3(トライ)」開発秘話”. 4Gamer.net. Aetas (2009年8月17日). 2024年7月7日閲覧。
- ^ a b c d “社長が訊く『モンスターハンター3 (トライ)』(3ページ目)”. www.nintendo.co.jp (2009年7月30日). 2024年6月6日閲覧。
- ^ a b c “『モンハン』10周年記念インタビューで辻本・藤岡両名が無印~『MH4』の裏話を明かす! チャチャの前身は人間のおっさんだった!?”. 電撃オンライン (2014年7月9日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ “Prepare for the Hunt: Monster Hunter Thunders onto Wii”. ニンテンドー・オブ・ヨーロッパ(イギリス版) (2009年2月1日). 2011年9月10日閲覧。
- ^ “週刊ファミ通2009年8月28日増刊号新作ゲームクロスレビューより”. ファミ通.com (2009年8月7日). 2011年9月7日閲覧。
- ^ 株式会社カプコン (2011年12月31日). “ミリオンセールスタイトル一覧”. 2012年2月18日閲覧。
- ^ “『モンスターハンター3(トライ)』発売前に初回100万本出荷が確定していた”. ファミ通.com (2009年7月30日). 2011年9月7日閲覧。
- ^ a b c 編集部:aueki (2011年9月13日). “ニンテンドー3DS版「モンスターハンター3G」12月10日発売決定,価格は5800円(税込)。拡張スライドパッド付きのパックも同日発売。さらにフィギュア付属の限定版も ”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b 編集部:Chun (2012年10月18日). “「モンスターハンター3(トライ)G」がお手頃価格になって11月15日に再登場。さらに,ダウンロード版が12月6日に発売決定 ”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b c “モンスターハンター3(トライ)G”. ニンテンドー3DS ソフトウェア. 任天堂 (2011年12月1日). 2020年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年3月27日閲覧。
- ^ a b c d Capcom Communityのニュースリリースより。
- ^ a b Thomas Whitehead (2013年3月19日). “Monster Hunter 3 Ultimate Review (3DS)” (英語). Nintendo Life. Hookshot Media. 2024年3月27日閲覧。
- ^ a b “Monster Hunter 3 Ultimate (3DS)” (英語). Nintendo 3DS Games. Nintendo AU (2013年3月23日). 2022年3月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月7日閲覧。
- ^ a b “モンスターハンター3 (トライ) G HD Ver.”. ニンテンドーWii U ソフトウェア. 任天堂 (2012年12月27日). 2017年11月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月7日閲覧。
- ^ “モンスターハンター3 (トライ) G HD Ver. Wii U プレミアムセット”. ニンテンドー3DS ソフトウェア. 任天堂 (2012年12月8日). 2014年8月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年4月7日閲覧。
- ^ 佐伯憲司 (2012年10月4日). “任天堂、「モンスターハンター3G HD Ver. Wii U プレミアムセット」10月6日予約開始!”. GAME Watch. インプレス Media. 2024年4月7日閲覧。
- ^ 中野信二 (2012年12月20日). “Wii U「モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.」のDL版が配信決定!!”. GAME Watch. インプレス Media. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b “Showing Results for “monster hunter 3 ultimate”” (英語). ESRB. Entertainment Software Association. 2024年4月7日閲覧。
- ^ “Classified games Monster Hunter 3 Ultimate” (英語). USK. Unterhaltungssoftware Selbstkontrolle. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b “Monster Hunter 3 Ultimate” (英語). PEGI. Pan-European Game Information. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b 『週刊ファミ通』2018年2月8日増刊号、KADOKAWA、2018年、10頁。
- ^ VGChartz. “モンスターハンター3triG HD 世界売上本数(Global)” (英語). 2017年9月12日閲覧。
- ^ “モンスターハンター3(トライ)G|ムービー”. カプコン (2011年9月13日). 2011年9月14日閲覧。
- ^ 株式会社カプコン (2011年12月21日). “カプコンの人気シリーズ最新作 『モンスターハンター3(トライ)G』が100万本を突破! ~ ニンテンドー3DS™初の「モンハン」が早くも国内ミリオンを記録 ~”. 2011年12月21日閲覧。
- ^ “「モンスターハンター3G」が累計100万本を突破。3DSのミリオンヒットタイトルが並んだ「ゲームソフト週間販売ランキング+」”. 4Gamer.net (2012年1月12日). 2012年1月12日閲覧。
- ^ “闘技大会をクリアした際のご褒美に関して”. カプコン. 2012年10月2日閲覧。
- ^ “『モンスターハンター3G』廉価版が発売 - さらに安価なダウンロード版も”. マイナビニュース (2012年10月18日). 2024年6月16日閲覧。
- ^ “海外版『モンスターハンター3(トライ) G』のパッケージデザインがカッコイイ!”. インサイド (2013年1月19日). 2024年6月25日閲覧。
- ^ a b “【電撃モンハン3(トライ)G】頼もしい(?)ハンターの仲間! チャチャとカヤンバはこんなに凄かった(その2)”. 電撃オンライン (2011年11月30日). 2024年7月4日閲覧。
- ^ 『ニンテンドードリーム』2012年4月号、43p、「藤岡要のもう一語りいこうぜ」より。
- ^ 「モンスターハンター3(トライ)G 開発スタッフインタビュー」『ニンテンドードリーム』第16巻第12号、徳間書店、2011年10月、32頁。
- ^ “社長が訊く『ニンテンドー3DS』ソフトメーカークリエーター 篇|ニンテンドー3DS|任天堂”. 任天堂ホームページ (2011年12月5日). 2024年6月6日閲覧。
- ^ “【電撃モンハン3(トライ)G】辻本氏&藤岡氏独占インタビュー! 『MH3(トライ)G』をがっつり語っちゃいます!!(その2)”. 電撃オンライン (2011年11月17日). 2024年6月27日閲覧。
- ^ a b c d “モンスターハンター3(トライ)Gサウンドスタッフインタビュー! Vol.1”. CAP'STONE - カプストーン (2012年1月11日). 2024年6月6日閲覧。
- ^ “海外版『モンスターハンター3(トライ)G HD Ver.』、欧州でWii Uの売上数アップに貢献”. インサイド (2013年4月3日). 2024年6月25日閲覧。
外部リンク
編集- モンスターハンター3(トライ)
- モンスターハンター3(トライ) G
- モンスターハンター3(トライ) G HD Ver.
- ニンテンドー3DS版 モンスタハンター3G・パケットリレーツール(モンスターハンター3GをWii U経由でインターネットに接続して遊ぶためのソフト)