ムー (テレビドラマ)

1977年の日本のテレビドラマ

ムー』は、TBSのテレビドラマ枠『水曜劇場』で1977年昭和52年)5月18日から同年11月9日まで放送されていたコメディ仕立ての連続テレビドラマ。

ムー
ジャンル テレビドラマ
脚本 スタッフ参照
演出 久世光彦
出演者 郷ひろみ
渡辺美佐子
樹木希林
南美江
清水健太郎
岸本加世子
左とん平
由利徹
伊東四朗
伴淳三郎
オープニング 「ムーのテーマ」
製作
プロデューサー 久世光彦
制作 TBS
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1977年5月18日 - 1977年11月9日
放送時間水曜21:00 - 21:55
放送枠水曜劇場 (TBS)
放送分55分
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なお、同名のオカルト雑誌『ムー』創刊(1979年)より本作の方が先で、特に関連性はない。また、同誌の誌名の由来となった「ムー大陸」とも関連性はない。

概要

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東京・新富の足袋屋「うさぎや」を舞台にしたホームコメディ。続編(一部設定が変更されたパラレルストーリー)に『ムー一族』がある。

演出・プロデューサーは、同じく『水曜劇場』で放送されていた『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』を手がけた久世光彦が担当。

それまでコメディーリリーフ的な役柄が多かった伊東四朗が本格的に役者として主演した作品であり、岸本加世子のデビュー作でもある。郷ひろみ樹木希林の名コンビの掛け合いも当作品の見どころのひとつで、伴淳三郎由利徹左とん平といった名脇役もコミカルな演技を見せた。

基本的には郷が実質的な主役だが、クレジット上の主役は渡辺美佐子であった。

それまでの『水曜劇場』の作品と比べてバラエティ的要素が増えており、第8・24話は異例な「生放送」という回も見られ、24話では一部セリフが拾えないというマイナートラブルもあった。舞台である足袋屋「うさぎや」の前の通りをさまざまなジャンルのゲスト(カメオ出演)がただ通り過ぎていくという「通行人ゲスト」も、番組名物となった。(次作『ムー一族』で、バラエティ要素はさらにエスカレートすることに)

本放送後、肖像権や作中の使用楽曲の著作権の絡み、さらに主要キャストだった清水健太郎の度重なる不祥事もあり、地上波や衛星放送(BS-TBSTBSチャンネルなど)での再放送はほとんどなくなったが、2009年1月にDVD-BOXが発売された。2019年11月11日よりBS12 トゥエルビにて、久々再放送された。

出演

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  • 宇崎安男:伊東四朗(足袋屋「うさぎや」四代目主人 49歳[1] 拓郎曰く大黒柱の影に隠れる消極的存在)
  • 宇崎小春:渡辺美佐子(「うさぎや」のおかみ 安男の妻 事実上の一家の大黒柱 旧姓ヤマノウチ[2] 第10話によると山梨県甲府市の女学校の出身)
  • 宇崎健太郎:清水健太郎(長男 男気があり優しい ボクシング中継に興奮し桃子とシャドウを始めたが、中継のクリーンヒットに目を奪われた瞬間、誤って桃子の左耳を殴り流血させて聴力を奪ってしまう。自分の過失を重く受け止め、自責の念に苛まれ家出のような格好で葉山の自動車修理工場で勤務)
  • 宇崎桃子:五十嵐めぐみ(長女 23歳 毎日Gパンでボーイッシュ 他愛ない兄妹間のふざけ合いで左耳を負傷し聞こえない障害を抱える。本人の自信や結婚の障害として大きな影を落としている)
  • 宇崎拓郎:郷ひろみ(次男 19歳 家族思いで優しいが短気 一橋大に落ち、代々木ゼミナールに通う浪人。金田と仲が良く、日々凝ったおふざけに付き合って楽しんでいる。「一応な」が口癖)
  • 宇崎うらら:南美江(安男の母 77歳 健太郎を溺愛 従業員などからはご隠居と呼ばれるが、たまに作業も手伝う)
  • 金田(かねた)久美子:樹木希林[3](うさぎやのお手伝いさん 34歳[4] 拓郎と仲が良い 誤ってかねださんと呼ぶと必ず「かね『た』です」と訂正する 今日付けで辞めたいなどお騒がせ者だが、小春らに愛されている。[5]
  • 香川加世子[6]岸本加世子[7](うさぎやの住込お手伝いさん 16歳 新潟県親不知(最寄り駅は隣の「市振[8])から上京 「ハイ!」という大きくハッキリした返事が好感度が高いが、よく階段から滑り落ちる)
  • 野口五郎:左とん平(うさぎやの足袋職人 駆け出し風だが15年目の中堅[9] 短気で乱暴な口調 歌手の野口五郎とは同姓同名だが無関係)
  • 徳さん[10]伴淳三郎(うさぎやの足袋職人 縫製を任されるうさぎや勤続50年のベテラン)
  • 平さん[11]由利徹(うさぎや向い履物と傘屋の「近松屋」主人 安男と仲がいい)
  • とも子:小菅秋[12](平さんの娘 18歳(なのにタバコを吸っている) 口調やしぐさが幼い感じだが、水上文学を読み耽る一面も[13]
  • 更科:細川俊之[14](7年前にリング上でしのぶの兄の命を奪ってしまったことを後悔し引退した元ボクサーの陶芸家)
  • しのぶ:中島ゆたか(小料理屋「しのぶ」の女将 兄の命を奪った更科に複雑ながらも恋心を寄せる)
  • 佐藤[15]花子:井上加奈子(金田の家政婦仲間)
  • タケ:滝谷典子(金田の家政婦仲間[16]
  • お柳:田辺節子(うさぎや常連の若手先輩芸者)
  • 小りん:田中美智子(うさぎや常連の若手後輩芸者)
  • お米さん:緋多景子(噂話が大好きな近所のおしゃべり主婦[17]
  • 京子:内藤杏子(健太郎の葉山の恋人)
  • 役名無し:村田和正[18](甘味処「野方[19]」店主 新聞・牛乳配達やおでん屋など様々な町中のちょい役でも出演)
  • 松本[20]三郎:長谷川諭(第19話以降 平さんがうさぎやに就職を斡旋した中央区佃に住む亡き妻の遠縁 17歳 足の悪い振りをして採用されたが、良心の呵責に苛まれ嘘を詫びたところ平さんが大激怒し御破算寸前も徳さんに救われそのまま勤めることに)

ゲスト

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 (第15話 しのぶにて更科の横で全く同じ仕草格好をする男 ノンクレジット)

 (第24話 屋台のラーメン屋)

ほか

音楽

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オープニング

挿入歌

スタッフ

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視聴率

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出典:「テレビ視聴率季報(関東地区)」ビデオリサーチ。

第1回11.8%、第2回12.3%、第3回9.4%、第4回13.5%、第5回10.9%、第6回12.6%、第7回12.4%、第8回14.5%、第9回14.2%、第10回13.0%、第11回13.3%、第12回13.5%、第13回14.5%、第14回14.7%、第15回13.7%、第16回11.6%、第17回13.0%、第18回12.5%、第19回16.8%、第20回15.6%、第21回15.6%、第22回16.2%、第23回18.3%、第24回19.5%、第25回18.1%、最終回21.2%。

脚注

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  1. ^ 第12話より
  2. ^ 第10話より漢字表記不明
  3. ^ 第7話までのクレジットでは下段に『悠木千帆改メ』と表示
  4. ^ 第19話より
  5. ^ 第23話では「寺内貫太郎一家」のおばあちゃん「きん」のいでたちでも登場
  6. ^ 第1話で「加えるに世の中の子」と自己紹介している
  7. ^ 第16話までクレジットには「(新人)」の表記がある
  8. ^ 第14話より
  9. ^ 第19話で安男が三郎に説明
  10. ^ 第16話で「かしわざき」と名乗る
  11. ^ 第16話で「いしのまき へいすけ」と名乗る
  12. ^ 続編の「ムー一族」では「のぐちともこ」名義で出演。のちの久世光彦夫人(久世朋子
  13. ^ 第14話劇中セリフより
  14. ^ 第16話では更科ではなく本人役で登場
  15. ^ 第19話金田が佐藤さんと呼んだ
  16. ^ 第23話に名言「ねぇ、あたしってブス~?」が初めて出る
  17. ^ 第24話では何故か消防士
  18. ^ 本職は当番組ADで生放送時はフロアディレクター的動きを見せる
  19. ^ 実はうさぎやの隣。序盤の店名は「たそがれ」
  20. ^ 第19話の従業員への挨拶シーンより
  21. ^ 2019年のBS12 トゥエルビの放送では理由不明もカットされた
  22. ^ 大半のシーンに出演もセリフ一切なし
  23. ^ クレジットには早乙女のみで、劇中で安男が読んだ手紙の差出人名をコウジと発していただけなので漢字表記不明
  24. ^ 時間ですよの警官役そのままに出演
  25. ^ 石貫の法被を着ているが寺内貫太郎一家2の「寺内大助」では無いため無関係で、続編ムー一族の役柄とも無関係
  26. ^ 第16話はポップ調のインストゥルメンタルのみ
  27. ^ 五郎と桃子の結婚式ごっこの余興で安男がそそのかされて踊り出した
TBS 水曜劇場
前番組 番組名 次番組
乱塾時代子育て合戦
(1977.4.6 - 1977.5.11)
ムー
(1977.5.18 - 1977.11.9)
せい子宙太郎
(1977.11.16 -1978.5.10)