ナショナルラグビーリーグ

ナショナルラグビーリーグ(National Rugby League、略称: NRL)は、オーストラリアにおけるプロ男子ラグビーリーグチームのリーグである。オーストラリアラグビーリーグ委員会英語版によって運営される。NRLの主要な競技会はスポンサー名を冠してテルストラ・プレミアシップとも呼ばれる。この競技会にはオーストラリアを拠点とする15チームとニュージーランドを拠点とする1チームの計16チームが参加する。世界で最も視聴者と観客動員数が多いラグビーリーグクラブの競技会である。

ナショナルラグビーリーグ (NRL)
最新のシーズン・大会:
2023年
スポーツ ラグビーリーグ
前身となる大会 オーストラリア・ラグビーリーグ
創設 1997年
初回シーズン 1998
CEO アンドリュー・アブド
チーム数 17
オーストラリアの旗 オーストラリア (16チーム)
ニュージーランドの旗 ニュージーランド (1チーム)
最新優勝 ペンリス・パンサーズ (6回目) (2024)
最多優勝 サウス・シドニー・ラビトーズ (21回)[1]
ウェブサイト www.NRL.com
放送局
関連大会 スーパーリーグ
ワールドクラブチャレンジ

ナショナルラグビーリーグはオーストラリアの最高位の国内男子ラグビーリーグクラブ競技会である。1908年に始まったシドニークラブラグビーリーグ競技会から継続して参加しているクラブが含まれる。NRLは、1990年代のスーパーリーグ戦争の余波を受けて、オーストラリアの統括団体オーストラリアンラグビーリーグ(ARL)と巨大メディア企業ニューズ・コーポレーションが支配するスーパーリーグとの間の乗合として1997年に設立された[2]。1997シーズンはこれら2つの組織のリーグが並行して存在していた[3]。このパートナーシップは2012年2月に解消され、NRLの管理運営は独立に設立されたオーストラリアラグビーリーグ委員会に移った。

NRLの試合は3月から10月にかけてオーストラリアとニュージーランドでプレーされる。シーズンは優勝決定戦のNRLグランドファイナル英語版で頂点に達する。グランドファイナルは伝統的にオーストラリアで最も人気のあるスポーツイベントの1つであり、世界で最も観客動員数の多いスポーツの試合の1つである[4]。加えて、NRL優勝クラブは、北半球のスーパーリーグの王者とのプレシーズン試合であるワールドクラブチャレンジにも出場する[5]

歴史

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1907年ニューサウスウェールズ・ラグビーリーグとして設立。その後、オーストラリア・ラグビーリーグを経て、1998年に現在の名称になった。

またリーグ期間中にはニューサウスウェールズ選抜とクイーンズランド選抜によるステート・オブ・オリジンが3試合行われる。

2024年は史上初めてアメリカラスベガスで公式開幕戦ダブルヘッダーが開催された。

チーム

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NRLは16クラブから構成される。内訳はシドニー都市圏の8クラブ、ニューサウスウェールズ州の2クラブ、クイーンズランド州の3クラブ、ビクトリア州オーストラリア首都特別地域ニュージーランドから各1チームである。リーグは単一のグループで運営される。ディビジョンやカンファレンスには分かれておらず、他リーグとの降格・昇格制度はない。セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズウェスツ・タイガーズは、2箇所以上のグラウンドを使用しているため、2つの所在地を有している。

1998年の初シーズン以来ナショナルラグビーリーグでは総計23クラブがプレーしてきた。

1998年の開始以来11クラブがナショナルラグビーリーグの全てのシーズンに参加している。

現在のクラブ

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クラブ 創設年 都市 スタジアム 収容人数* 優勝回数 優勝年
  サウスシドニー・ラビトーズ 1908 シドニー ニューサウスウェールズ州 ANZスタジアム 83,500 21 1908-09, 1914, 1918, 1925–29, 1931–32, 1950-51, 1953–55, 1967–68, 1970–71, 2014.
  シドニー・ルースターズ 1908 シドニー・クリケット・グラウンド 48,000 15 1911-13, 1923, 1935–37, 1940, 1945, 1974-75, 2002, 2013, 2018-19.
  マンリー・ウォーリンガ・シーイーグルズ英語版 1947 ロットランド 23,000 8 1972-73, 1976, 1978, 1987, 1996, 2008, 2011.
  カンタベリー=バンクスタウン・ブルドッグズ英語版 1934 ANZスタジアム 83,500 8 1938, 1942, 1980, 1984–85, 1988, 1995, 2004.
  ブリスベン・ブロンコズ英語版 1988 ブリスベン クイーンズランド州 サンコープ・スタジアム 52,500 6 1992-93, 1997–98, 2000, 2006.
  パラマタ・イールズ 1947 シドニー ニューサウスウェールズ州 バンクウエスト・スタジアム 30,000 4 1981-83, 1986.
  メルボルン・ストーム英語版 1997 メルボルン ヴィクトリア州 AAMパーク 30,050 4 1999, 2012, 2017, 2020.
  キャンベラ・レイダーズ英語版 1981 キャンベラ オーストラリア首都特別地域 GIOスタジアム・キャンベラ 25,000 3 1989-90, 1994.
  ニューキャッスル・ナイツ英語版 1988 ニューカッスル ニューサウスウェールズ州 マクドナルド・ジョーンズ・スタジアム 33,000 2 1997, 2001.
  ペンリス・パンサーズ英語版 1967 シドニー パンサーズ・スタジアム 22,500 2 1991, 2003.
  クロヌラ=サザランド・シャークス英語版 1967 シャーク・パーク 22,000 1 2016
  ノースクイーンズランド・カウボーイズ英語版 1995 タウンズビル クイーンズランド州 1300SMILESスタジアム 26,500 1 2015
  セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズ英語版 1998‡ シドニー
ウロンゴン
ニューサウスウェールズ州 ジュビリー・スタジアム
WINスタジアム
21,500 1 2010
  ウェスツ・タイガーズ英語版 1999‡ シドニー Bankwestスタジアム 30,000 1 2005
  ゴールドコースト・タイタンズ英語版 2007 ゴールドコースト クイーンズランド州 Cbusスーパースタジアム 27,400 0 None
  ニュージーランド・ウォリアーズ英語版 1995 オークランド ニュージーランド マウント・スマート・スタジアム 30,000 0 None
* ラグビーリーグの試合だけのための収容人数。その他のスポーツ、コンサート、イベントのための収容人数は異なる。
‡は、クラブがそれ以前に存在したクラブの合弁事業として設立されたことを示す。
‡は合弁事業を作ったクラブが合併以前にプレミアシップを勝ち取ったことがあることを示している。これは優勝回数には数えられていない。

消滅したクラブ

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クラブ 創設年 最終シーズン 都市 スタジアム 優勝回数
  アデレード・ラムズ英語版 1995 1998 アデレード 南オーストラリア州 アデレード・オーバル
ハインドマーシュ・スタジアム
0
  アナンデール・デールズ英語版 1910 1920 シドニー ニューサウスウェールズ州 ウェントワース・パーク 0
  バルメイン・タイガーズ英語版 1908 1999(ウェスタン・サバーブズ・マグパイズと合併) ライカート・オーバル 11
  カンバーランド英語版 1908 1908 N/A 0
  グリーブ・ダーティーレッズ英語版 1908 1929 ウェントワース・パーク 0
  ゴールドコースト・チャージャージ英語版 1987 1998 ゴールドコースト クイーンズランド シーガルズ・スタジアム 0
  ハンター・マリナーズ英語版 1995 1997 ニューカッスル ニューサウスウェールズ州 トッパー・スタジアム
マラソン・スタジアム
0
  イラワラ・スタジアム英語版 1980 1998(セントジョージ・ドラゴンズと合併) ウロンゴン WINスタジアム 0
  ニューカッスル・レベルズ英語版 1908 1909 ニューカッスル N/A 0
  ニュータウン・ジェッツ英語版 1908 1983 シドニー ヘンソン・パーク 3
  ノースシドニー・ベアーズ英語版 1908 1999(マンリー・ウォーリンガ・シーイーグルズと合併、2002年に分裂) ノースシドニー・オーバル 2
  ノーザン・イーグルズ英語版 2000 2002 ブルックベール・オーバル
セントラルコースト・スタジアム
0
  セントジョージ・ドラゴンズ英語版 1921 1998(イラワラ・スティーラーズと合併) ハーストビル・オーバル 15
  サウスクイーンズランド・クラッシャーズ英語版 1992 1997 ブリスベン クイーンズランド州 サンコープ・スタジアム 0
  ユニバーシティ英語版 1920 1937 シドニー ニューサウスウェールズ州 N/A 0
  ウェスタン・レッズ英語版 1992 1997(スーパーリーグ戦争のため解散) パース 西オーストラリア州 WACAグラウンド 0
  ウェスタン・サバーブズ・マグパイズ英語版 1908 2000(バルメイン・タイガーズと合併) シドニー ニューサウスウェールズ州 キャンベルタウン・スタジアム 4

創設クラブ

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現在のNRL所属チームのうち2チーム、シドニー・ ルースターズ(「イースタン・サバーブズ」として設立)とサウスシドニー・ラビトーズがオーストラリアにおけるラグビーリーグの初年度の1908年に設立された。同じく創設クラブのウェスタン・サバーブズ・マグパイズバルメイン・タイガーズはNRLの2000シーズンから合併したウェスツ・タイガーズとして参加している。

大会の方式

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各チームが1回戦総当りでリーグ戦を行い、その後9試合行った後に、上位8チームによるファイナルシリーズに臨む。優勝決定戦のグランドファイナルは例年10月第1週の日曜日にシドニースタジアム・オーストラリアで行われる。テレビ中継はナイン・ネットワークで放送される。

歴代成績

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シーズン グランドファイナル マイナープレミア
プレミア スコア 準優勝
1998 ブリスベン・ブロンコズ 38 – 12 カンタベリー・ブルドッグス ブリスベン・ブロンコズ
1999 メルボルン・ストーム 20 – 18 セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズ クロナラ・シャークス
2000 ブリスベン・ブロンコズ 14 – 6 シドニー・ルースターズ ブリスベン・ブロンコズ
2001 ニューカッスル・ナイツ 30 – 24 パラマタ・イールズ パラマタ・イールズ
2002 シドニー・ルースターズ 30 – 8 ニュージーランド・ウォリアーズ ニュージーランド・ウォリアーズ
2003 ペンリス・パンサーズ 18 – 6 シドニー・ルースターズ ペンリス・パンサーズ
2004 ブルドッグズ 16 – 13 シドニー・ルースターズ
2005 ウェスツ・タイガース 30 – 16 ノースクイーンズランド・カウボーイズ パラマタ・イールズ
2006 ブリスベン・ブロンコズ 15 – 8 メルボルン・ストーム メルボルン・ストーム
2007 メルボルン・ストーム 34 – 8 マンリー=ウォリンガ・シーイーグルズ
2008 マンリー=ウォリンガ・シーイーグルズ 40 – 0 メルボルン・ストーム
2009 メルボルン・ストーム 23 – 16 パラマタ・イールズ セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズ
2010 セントジョージ・イラワラ・ドラゴンズ 32 – 8 シドニー・ルースターズ
2011 マンリー=ウォリンガ・シーイーグルズ 24 – 10 ニュージーランド・ウォリアーズ メルボルン・ストーム
2012 メルボルン・ストーム 14 – 4 カンタベリー=バンクスタウン・ブルドッグズ カンタベリー=バンクスタウン・ブルドッグズ
2013 シドニー・ルースターズ 26 – 18 マンリー=ウォリンガ・シーイーグルズ シドニー・ルースターズ
2014 サウス・シドニー・ラビットーズ 30 – 6 カンタベリー=バンクスタウン・ブルドッグズ
2015 ノースクイーンズランド・カウボーイズ 17 – 16 ブリスベン・ブロンコズ
2016   クロヌラ=サザランド・シャークス 14–12   メルボルン・ストーム   メルボルン・ストーム (42 pts)
2017   メルボルン・ストーム 34 – 6   ノースクイーンズランド・カウボーイズ   メルボルン・ストーム (44 pts)
2018   シドニー・ルースターズ 21 – 6   メルボルン・ストーム   シドニー・ルースターズ (34 pts)
2019 14 – 8 キャンベラ・レイダーズ   メルボルン・ストーム (42)
2020   メルボルン・ストーム 26 – 20   ペンリス・パンサーズ   ペンリス・パンサーズ (37)
2021   ペンリス・パンサーズ 14 – 12   サウス・シドニー・ラビットーズ   メルボルン・ストーム (44)
2022 28 – 12   Parramatta Eels   ペンリス・パンサーズ (42)
2023 26—24   Brisbane Broncos   Penrith Panthers (42)
2024 14—6   メルボルン・ストーム   メルボルン・ストーム (44)
  • 注:2006-2009年までメルボルン・ストームは長期にわたるサラリーキャップ上限を超えたことによりタイトルを剥奪された。

脚注

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  1. ^ ナショナルラグビーリーグの公式統計は全てのシドニーの第1級の競技会、すなわちニューサウスウェールズ・ラグビーリーグ・プレミアシップ、オーストラリアンラグビーリーグ、スーパーリーグ、そして今日のNRLを包含する。
  2. ^ Australian Rugby League and National Rugby League. “Rugby league”. Australian Human Rights Commission Report. hreoc.gov.au. 23 May 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。13 May 2012閲覧。
  3. ^ Toby Miller; Geoffrey A. Lawrence; Jim McKay (2001). Globalization and sport: playing the world. SAGE. p. 82. ISBN 9780761959694. https://books.google.com/books?id=dlijetL53Q0C&printsec=frontcover&source=gbs_navlinks_s 4 July 2011閲覧。 
  4. ^ Schwarz, David (2 September 2009). “Spike TV To Telecast National Rugby League Playoffs and Championship Game”. Reuters. Thomson Reuters. オリジナルの12 September 2012時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20120912064336/http://www.reuters.com/article/pressRelease/idUS181949+02-Sep-2009+PRN20090902 19 September 2009閲覧。 
  5. ^ “RFL cool on bigger Challenge”. Sky Sports. (2 March 2009). http://www.skysports.com/story/0,19528,12211_4995130,00.html 4 July 2011閲覧。 

外部リンク

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