タイヘイ
タイヘイ株式会社(英: Taihei Co.,Ltd)は、1880年(明治13年)に創業して以来、千葉県匝瑳市に本社を置き[2][3]、昔ながらの醤油作りやカット野菜、レシピ付き食材の宅配事業などを手がける日本の企業である[4]。「タイヘイファミリーセット」を全国展開するなど食材宅配サービスの代表的企業の一つとして知られる[5]。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒289-2144 千葉県匝瑳市八日市場イ2614 |
設立 | 1880年(明治13年)2月3日[1] |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 9040001061120 |
事業内容 | 食材宅配サービス、食品加工、醤油・液体調味料の製造販売、印刷、貸金業など |
代表者 |
代表取締役会長:折原秀則 代表取締役社長:太田健治郎 |
資本金 | 6千万円 |
総資産 | 816億円(2013年12月現在) |
従業員数 | 2,182名(2013年12月現在)[2] |
外部リンク | https://www.taiheig.co.jp/ |
歴史
編集1695年(元禄8年)、黄檗宗の禅僧鉄牛道機の助力により下総国の椿海が干拓される。時を同じくして開墾されたばかりの新田であるこの地に、初代平左衛門が入植すると農業を営み始める。勤勉に働き倹約に努めた平左衛門は、土地を次第に集積していき地主としての地位と財を築く。平行して始めた酒造業がやがて本業となると、1878年(明治11年)に第11代平左衛門が跡を継ぐまで酒造りは200年近く続けられた。ところがまもなく、暖冬によって寒造りのもろみの腐敗現象が頻発したため、周辺の酒造業に甚大な被害が発生した。下総国のこのあたり一帯は酒造業だけでなく味噌、醤油など醸造業が盛んであったが、第11代平左衛門はこのとき、塩蔵の伴わない醸造業である酒造りをやめ、酒造設備をそのまま活かせる味噌・醤油の醸造に転換することを決意した。こうして1880年(明治13年)2月3日にタイヘイの原点となる平野屋本店を創業する[1]
多岐にわたる領域・事業に取り組んでいる現在も、2棟の蔵に計116本の木桶が置かれ、伝統的醸造法で醤油を作り続けている。木桶で作られた昔風の醤油の人気は広がっているが[3]、2005年から創業125周年記念行事の一環として、150年以上前より伝わる天然杉の大桶で1年かけて天然醸造された、醤油銘柄「平左衛門(へいざえもん)」を製造して限定販売している[3][6]。
現在の事業の中核となったレシピ付き食材宅配事業「ファミリーセット」を1973年(昭和48年)に開始した[4][7]。1984年頃までに食材宅配業者として売上高1850億円の企業に成長した[8]。
1980年代に糖尿病患者に合わせた食事も提供し[9]、宅配を行う業者の大手として認知されている[10]。厚生労働省の「糖尿病食調整用組合わせ食品」の表示許可を複数メニューで取得していたが[11]、2009年の制度見直しにより[12]特別用途食品の表示が外され、消費者庁[13]の「食事療法用宅配食品等栄養指針」に基づいて食品を提供する[14]。
沿革
編集- 1880年(明治13年) - 老舗の酒造業から味噌・醤油の醸造業に転じて、平野屋本店を創業[1]。
- 1951年(昭和26年) - 太平醸造工業株式会社を設立し、法人組織となる。
- 1956年(昭和31年) - 社名を太平醤油株式会社と改称する。
- 1962年(昭和37年) - 太平栄養研究所を創設し、業務用食材供給システム「クッキング・デポ」の開発・販売を手掛ける。
- 1968年(昭和43年) - 事業の多角化にともない、社名をタイヘイ株式会社と改称する。
- 1972年(昭和47年) - 食材事業部門において、一般家庭を対象にした「ファミリーセット」の企画を開始する。
- 1973年(昭和48年) - 社運をかけたプロジェクトとして、「ファミリーセット」の普及・販売に取り組む。
- 1974年(昭和49年) - 全国規模で「ファミリーセット」の展開を開始。
- 1978年(昭和53年) - テレビCMなどで「ファミリーセット」の宣伝を大々的にはじめる。
- 1979年(昭和54年) - 同年度までに、営業所53ヶ所、出張所298か所を開設し、ほぼ全国的な営業拠点網を完成させる。
- 1982年(昭和57年) - 顧客管理システムによる会員制の導入で、新たにキャッシングなどのサービス事業をはじめる。
- 1986年(昭和61年) - 巨大化したグループの集中処理の実現に向けて、全グループのオンラインシステム化を開始する。
- 1987年(昭和62年) - 用途に応じたサイズの野菜を宅配するカット野菜事業を開始する。
- 1991年(平成3年) - 無店舗販売による眼鏡販売事業を開始する。
- 1993年(平成5年) - 食材事業部、BEST事業部、信販事業部の3事業部制となる。
- 1999年(平成11年) - カット野菜部をフレッシュデリカ部に改称。
- 2000年(平成12年) - BEST事業部調味料工場が完成する。
- 2002年(平成14年) - BEST事業部を食品事業部と改称、4事業部制となる。
- 2005年(平成17年) - フード事業部を新設し、5事業部制となる。
- 2007年(平成19年) - 印刷事業部を新設し、6事業部制となる
タイヘイファミリーセット
編集- プレミアムサービス - レシピ付きの半調理済み食材(調理キット)やチルド弁当、惣菜などを、月曜日から土曜日まで連日自社便で配送する。関東地方限定。
- いいものお届け隊 - 調理キットや調理済みの惣菜などを提供する点は、プレミアムサービスとほぼ同じである。クール便にて全国発送。
事業内容
編集一般向け
- 食材・調味料 - 「ファミリーセット」「ヘルシーチルド」などの食材や調味料の宅配。
法人向け
- 食品事業 - 醤油をメインに麺つゆ、ドレッシング、ソースなどの液体調味料の製造・販売。
- 食材事業 - 「クッキングデポ」と「ファミリーセット」を展開。
- フード事業 - 食肉・魚介類などの生鮮食品の仕入れ、国内外の工場での加工。
- フレッシュデリカ事業 - 流通・外食業界のニーズに対応した「カット野菜」「キット商品」の提供。
- 印刷事業 - 広告・印刷分野で多種多様な事業を展開。
- 信販事業 - ショッピングクレジット(フリーローンの受付は現在中止[18])、不動産担保融資等の金融サービス。貸金業登録番号は関東財務局長(11)第00298号。
関連会社
編集関連項目
編集脚注
編集- ^ a b c “タイヘイの歴史”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ a b “会社概要”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ a b “タイヘイ 伝統と革新のものづくり(1)変化対応した135年の歴史 食を通じて豊かな未来を”. 日本食糧新聞. (2015年9月14日) 2015年10月8日閲覧。
- ^ “タイヘイ/夕食食材セット、再構築へ/新製品開発、配達サイクル見直す”. 日本流通産業新聞. (2015年3月25日) 2015年10月8日閲覧。
- ^ “売り切れ御免 タイヘイ「天然醸造」醤油が限定販売”. ジェイ・キャスト. (2008年12月12日) 2015年10月8日閲覧。
- ^ “タイヘイ 伝統と革新のものづくり(2)バランスの良い食事提供 管理栄養士がレシピ管理”. 日本食糧新聞. (2015年9月18日) 2015年10月13日閲覧。
- ^ 千葉明「3」『野村証券・企業部』かんき出版〈カネを太らせるスゴ腕の男たち〉、1984年3月1日、108-109頁。ISBN 4-7612-5143-3。
- ^ 日本水産 (August 2005). 変わる販売形態 - 注目される宅配ビジネス (Report). PR誌「GLOBAL」. Vol. 50. 日本水産. 2015年10月16日閲覧。
- ^ 財団法人医療関連サービス振興会 (8 April 2003). 医療関連サービスの現況と市場動向に関する調査報告書 (PDF) (Report). 福祉医療機構. pp. 57–58. 2015年10月16日閲覧。
- ^ 特別用途食品表示許可一覧表 (PDF) (Report). 国立健康・栄養研究所. August 2008. 2015年10月16日閲覧。
- ^ 「特別用途食品の表示許可等について」(平成21年2月12日食安発 0212001号) 第2-2-(5)、2009年4月1日施行、2010年3月31日をもって経過措置終了[]
- ^ 2009年に厚生労働省で行っていた食品表示等に関する業務が消費者庁に移管された消費者庁への食品表示等業務の移管について
- ^ ヘルシー御膳、およびスマイル御膳が食事療法用宅配食品等栄養指針に基づく
- ^ “沿革”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ “商品について”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ “事業内容”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ “タイヘイ金融サービス フリーローン休止のお知らせ”. タイヘイ株式会社. 2015年10月8日閲覧。
- ^ “映画誌「SCREEN」など出版の旧「近代映画社」が破産へ”. ITmedia. (2015年10月5日) 2015年10月8日閲覧。
- ^ “大型倒産速報”. 帝国データバンク. (2015年10月5日) 2015年10月8日閲覧。
- ^ “会社概要”. ジャパンプリント. 2020年11月5日閲覧。
- ^ “球団オフィシャル月刊球団誌〈デザイン、編集、出版〉”. ジャパンプリント. 2020年11月5日閲覧。
- ^ “メンバー会社一覧|みどり会”. みどり会公式サイト. 株式会社みどり会. 2024年8月9日閲覧。
- ^ “生活クラブのあゆみ”. 生活クラブ事業連合生活協同組合連合会. 2015年10月8日閲覧。